ペタソス
ペタソス(古希: πέτασος, pétasos)は、古代ギリシアのつばの広い日よけ帽。テッサリアに起源を持ち、しばしばクラミュスと呼ばれるマントと併用される。一般的には羊毛のフェルト生地や皮、藁などから作られ、広くだらりとしたつばがついている。農夫や旅人が身に着けていることが多く、田舎の人間の特徴であるとされていた。
ギリシア神話の伝令神ヘルメース(ローマ神話におけるメルクリウス)の着用する翼ある帽子(羽根兜)もペタソスと呼ばれ、彼らの象徴であった[1]。
アテーナイの騎兵が被っていた金属の兜は、ペタソスの形を模して作られた。例えば、つばの外側の縁に、おそらく布のカバーをつけるために穴が開いている。そのことは主に、レリーフや壺絵などから分かるが、アテナイ人の墓からも考古学的な実例が発見されている[2]。
ギャラリー
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ペタソスをかぶり、ケーリュケイオンを持つヘルメース
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ペタソス
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豹の皮を纏い槍を手にする、ペタソスを被る青年
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首からペタソスを下げる兵士
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フレンスブルクのヘルメース像
注釈
編集- ^ “Petasos”. Encyclopædia Britannica. 2018年4月24日閲覧。
- ^ Nicholas Sekunda, The Ancient Greeks (Osprey Publishing, 1986, 2005), p. 19.