ポール・バンネル反応
ポール・バンネル反応(ポール・バンネルはんのう、英: Paul-Bunnell test)とは、伝染性単核球症の患者に対する臨床診断試験のこと[1][2]。
概要
編集ヒツジの赤血球を凝集させるIgM抗体(異好抗体)であるPaul-Bannell抗体が伝染性単核球症患者に出現し、それを利用して診断に用いる[3]。1932年、J.R.PaulとW.W.Bunnellが伝染性単核球症の患者血清中にヒツジの赤血球を凝集させる抗体が多量に出現していることを発見した[4][5]。
なお、まったく同じ手技を、ヒツジ赤血球でなく、ウマ赤血球で施行した場合をMonospot Testとよぶ。
Paul-Bunnell反応の問題点と現在
編集白人に対してはPaul-Bunnell反応は陽性率80%なのに対し、日本人の場合は陽性率30%以下と陽性率が低い[2][3]。2015年現在では、EBV抗体価測定が可能となっており、Paul-Bunnell反応の臨床的意義は薄れている[2][3]。日本においては2006年4月1日より保険収載から外れ、現在は保険外となっている[6]。(収載から外れる2006年の時点での保険点数は29点であった)[6]。
脚注
編集- ^ 病気がみえるVol.6 メディックメディア社発行 ISBN 978-4-89632-309-2
- ^ a b c 医学検査のあゆみ - 2 「Paul-Bunnell 反応」モダンメディア51巻6号2005 木村宏
- ^ a b c イヤーノート 2015: 内科・外科編 メディック・メディア ISBN 978-4896325102
- ^ Paul J.R., Bunnell W.W.: Presence of heterophilic antibod-ies in infectious mononucleosis. Am J. Med. Sci. 183: 90-104,1932.
- ^ NIID国立感染症研究所 - 伝染性単核症とは
- ^ a b SRS医療従事者向け情報 - 診療報酬改訂に伴う新設項目等のご案内(平成18年4月1日より適応)