ラス・ダシャン山
ラス・ダシャン山(アムハラ語:ራስ ደሸን rās dāshen(ラース・ダーシェン)「東風の防壁」[3]の意)は、エチオピアの最高峰、かつアフリカで4番目に高い山[4]。ラス・ダシェン山、ラス・デジェン山とも表記される。標高は4550m[1][4]。最も一般的なラス・ダシェンという呼称はアムハラ名のラス・デジェンが転じたもので、エチオピア製図局 (EMA) はこれを「皇帝の御前で戦う将軍」という意味だとしている[5]。エチオピアでは「ラス・デジェン」という呼び名が一般的である[4]。
ラス・ダシャン山 | |
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ራስ ዳሸን | |
西から見た山頂 | |
最高地点 | |
標高 | 4,550 m (14,930 ft) [1] |
プロミネンス | 3,997 m (13,114 ft) [2] 世界23位 |
アイソレーション | 1,483キロメートル (921 mi) |
総称 | 国内最高峰 ウルトラ・プロミネント峰 |
座標 | 北緯13度14分09秒 東経38度22分15秒 / 北緯13.23583度 東経38.37083度座標: 北緯13度14分09秒 東経38度22分15秒 / 北緯13.23583度 東経38.37083度 [2] |
地形 | |
所属山脈 | シミエン山地 |
登山 | |
初登頂 | 1841年、フランス人士官のフェレとガリニエによる |
プロジェクト 山 | |
環境
編集エリック・ニルソンによれば、この山は「テケゼ川に合流する無数の峡谷によって北半分が何千メートルもえぐられた巨大火山」のへりの東端である。その西部にあたるビュアト山とのあいだには、メシャハ川の峡谷がある[5]。メシャハ峡谷には断崖絶壁がそびえるが、東面は比較的緩やかである[3]。語源の「東風の防壁」が意味する通り、山には強い風が吹き付ける[3]。山の一部はシミエン国立公園に含まれ、ゲラダヒヒ、ワリアアイベックス、アビシニアジャッカル、クリップスプリンガー、アビシニアハイラックス(Procavia capensis habessinicus、ケープハイラックスの亜種)などの希少種が生息している[4]。
山頂は雪線よりやや下に位置する[6]。1841年、フランス人士官のフェレとガルニエがヨーロッパ人として初めて登頂に成功した。それ以前に土着民が登攀したという証拠はないが、山頂の気候や気象条件は比較的おだやかで、高所にも牧畜を営む村が存在する。12月から3月にかけての乾季が登頂に適し、6月から9月にかけての雨季の登頂は困難である[4]。山頂まで1時間もかからない標高4300m付近にある小さな砦では、19世紀に戦闘が起きた。
標高
編集1960年代から1970年代にかけて、国は製図測量調査を行い、ラス・ダシャン山の標高を4533mとした。本項では、標高を2005年のEMAの出版物と、それに1メートルしか違わない2007年のフランスとイタリアによるDGPS測位調査によった。しばしば4620mとも言われるが、現代のいかなる測量図やSRTMのデータにもこの値はみられない[1]。
脚注
編集- ^ a b c "Africa Ultra-Prominences" According to Peaklist.org: "There is a high-divergence of published elevations for Ras Dejen (also spelled Ras Deshen or Ras Dashen). An Italian military survey measured it at 4620m, a height that is still often quoted.Peakware.com quotes this measurement A new elevation of 4,533m emerged from a 1970s triangulation survey.example: Peakbagger.comand Summitpost.org A subsequent Franco-Italian survey established a height of 4,550m."Peaklist footnote #2. See also Elevation misquotes. Retrieved 2012-09-02.
- ^ a b "Africa Ultra-Prominences" Peaklist.org. Retrieved 2012-09-02.
- ^ a b c 『コンサイス外国山名辞典』、571頁
- ^ a b c d e 藤本「ラスダシャン山」『世界地名大事典』3、1066頁
- ^ a b Erik Nilsson, "Traces of Ancient Changes of Climate in East Africa: Preliminary Report", Geografiska Annaler, 17 (1935), p. 13
- ^ 鈴木「ラスダシャン山」『世界地名大事典』8巻、1394頁
参考文献
編集- 鈴木秀夫「ラスダシャン山」『世界地名大事典』8巻収録(朝倉書店, 1974年)
- 藤本武「ラスダシャン山」『世界地名大事典』3収録(朝倉書店, 2012年11月)
- 三省堂編修所編『コンサイス外国山名辞典』(三省堂, 1984年8月)
外部リンク
編集- ラス・ダシャン山 Peakbagger
- ラス・ダシャン山 Summitpost
- ラス・ダシャン山 Peakware
- シミエン山地の旅行記
- アフリカのウルトラ級の一覧 Peaklist
- 標高が間違われやすい山々