リンモリブデン酸(phosphomolybdic acid, PMA)はマッソン・トリクローム染色の構成成分である。黄緑色の化合物で、水やエタノールのような極性有機溶媒へ自由に溶ける。ポリフェノール化合物を染色するために薄層クロマトグラフィーの試薬として使われる。

リンモリブデン酸
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識別情報
CAS登録番号 12026-57-2 チェック
51429-74-4 (hydrate)
EC番号 234-713-5
MeSH Phosphomolybdic+acid
特性
化学式 H3PMo12O40
モル質量 1825.25 g/mol
危険性
EU Index Not listed
引火点 不燃性
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

共役不飽和化合物はPMAをモリブデンブルーに還元する。色は分子内の二重結合の増えた数を反映する[1]

アルカロイドの検出

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リンモリブデン酸はアルカロイドと反応して沈殿を生じるため、アルカロイドを検出するための試薬として用いられる[2]。通常1 %のエタノール溶液として用いられ、このような試薬はゾンネンシャイン試薬(英:Sonnenschein's reagent)と呼ばれる[3]

関連項目

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出典

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  1. ^ Reduction of Phosphomolybdic Acid by Compounds Possessing Conjugated Double Bonds, S. Burstein, Anal. Chem., 1953, 25 (3), pp 422–424
  2. ^ 内山充 著、化学大辞典編集委員会(編) 編『化学大辞典』 1巻(縮刷版第26版)、共立、1981年10月、372頁頁。 
  3. ^ Ashutosh Kar (2003). Pharmacognosy And Pharmacobiotechnology. New Age International. pp. 447-448. ISBN 8122415016