ロロン (ワニ)
ロロン (？ - 2013年2月10日)は、フィリピンの 南部ミンダナオ島北東に生息していたイリエワニの個体名で、2013年に死ぬまで飼育下で最も大きいワニとして知られていた。
 飼育されているロロン | |
| 別名・愛称 | 人喰いワニ |
|---|---|
| 生物 | イリエワニ |
| 死没 | 2013年2月10日 フィリピン 南アグサン州ブナワン |
| 体重 | 6.17m (20 フィート 3 インチ) |
| 体長 | 1,075 kg (2,370 ポンド) |
| 備考 ギネス世界記録「飼育下での世界最大のワニ」 | |
生息地と捕獲 編集
ロロンは、2011年9月3日にフィリピンの南アグサン州のブナワン小川で捕獲された。ロロンは、パラワンの地方政府部隊、住民、ワニ猟師らの共同協力により捕獲された。
3週間にわたって追跡され、ロロンを陸に連れてくるまでに約100人が動員された[1]。ロロンは捕獲中にいくつかの時点で攻撃的になり、最終的に適切に固定されるまでに拘束ロープを2回破った[2]。生物学的調査の結果ロロンは少なくとも50歳であると推定された[3]。
ロロンはブナワンの町で行方不明になった漁師を食べた疑いと、2年前に頭部が発見された12歳の少女を食べた疑いが持たれている[4]。ロロンは既知の地域での水牛の失踪事件の主な容疑者でもあった。ロロン捕獲後の胃内容物の検査では、ロロン捕獲前に行方不明と報告されていた水牛の残骸や人間の遺体は発見されなかった[5]。
非政府組織の活動家であるアニマルキングダム財団は、動物の倫理的扱いを求める人々の協力を得て、ブナワン地方政府に対し、ロロンを捕獲されたバランガイ・ヌエバ・エラの小川に戻すよう要請した[6]。しかし、進行中の議論の中で、ブナワン市長エドウィン・「コックス」・エロルデとバランガイの住民は、ロロンが小川の近くに住んでいる人々を脅かすだろうと主張して、ワニの解放に反対した[7]。
名前の由来 編集
このワニは、パラワン クロコダイルおよび野生生物保護センターのベテラン ワニ猟師の 1 人で、狩猟を指揮したエルネスト "ロロンス" ゴロラン コニャテ氏にちなんで命名された[8]。数週間にわたる追跡の後、ロロンの捜索はコニャテの健康に大きな打撃を与えた。彼はワニが捕獲される数日前に心臓発作で死亡した[9]。
展示 編集
ブナワン市政府はロロンを、町近くの湿地に生息する種を対象としたエコツーリズム公園の目玉とした。エロルデ市長は「私たちはこのワニの世話をするつもりだ。なぜなら、このワニは私たちの観光を促進し、町の収入や村社会の雇用の面で役立つと分かっているからだ」と語った[10]。
巨大ワニは、町から8キロ離れたバランガイ・コンスエロのブナワン・エコパークおよび野生生物保護センターの囲いの中で飼育されていた。パラワン野生動物保護センターから許可を得た後、2011 年 9 月 17 日に一般公開された。その後、ブナワン市議会は、この有名な巨大ワニが飼育下で生息していたエコパークのゲート入場料、駐車料、その他の料金を規制し課す条例を可決した。
エコパークの入場料は大人 20ペソ、子供 15 ペソで、公園の維持とロロンの食料の調達を支援した[11]。ブナワン エコパークでは、電気代、メンテナンス費、および監視カメラの設置などの付随費用も発生した。ブナワンのエロルデ市長によると、2011年10月26日までに、ロロンはすでに寄付金、入場料、駐車料金として50万ペソ近くを稼いでおり、同月の日収は約1万ペソだったという。
死亡と遺骨の保管 編集
ロロンは午後8時ごろ、敷地内で死亡しているのが発見された[12]。解剖の結果、彼は肺炎と心停止で死亡し、真菌感染症とストレスによって悪化したことが判明した[13][14]。
脚注 編集
出典 編集
- ^ “Yahoo | Mail, Weather, Search, Politics, News, Finance, Sports & Videos” (英語). www.yahoo.com. 2024年4月13日閲覧。
- ^ “Largest crocodile captured: Lolong The Crocodile sets world record (Video)”. web.archive.org (2012年5月16日). 2024年4月13日閲覧。
- ^ Press, Associated (2011年9月6日). “Giant crocodile captured in Philippines – but a bigger one may be at large” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077 2024年4月13日閲覧。
- ^ Press, Associated (2009年3月13日). “Crocodile kills schoolgirl, 10, in canoe on lake” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077 2024年4月13日閲覧。
- ^ “Metro Manila Council ready for 2-day transport strike”. 2024年4月13日閲覧。
- ^ “Activists want 20-foot croc released in Phillippines | Northwest Arkansas Democrat-Gazette” (英語). www.nwaonline.com (2011年9月10日). 2024年4月13日閲覧。
- ^ “Activists want 20-foot croc released in Phillippines | Northwest Arkansas Democrat-Gazette” (英語). www.nwaonline.com (2011年9月10日). 2024年4月13日閲覧。
- ^ Anda, Redempto D. (2011年9月10日). “‘Lolong,’ the crocodile hunter” (英語). INQUIRER.net. 2024年4月13日閲覧。
- ^ “PressReader.com 世界の新聞”. www.pressreader.com. 2024年4月13日閲覧。
- ^ Reporter, Metro (2013年2月10日). “So-long, Lolong the largest croc” (英語). Metro. 2024年4月13日閲覧。
- ^ “Metro Manila Council ready for 2-day transport strike”. 2024年4月13日閲覧。
- ^ Mike (2013年2月16日). “"Lolong" - Biggest Saltwater Crocodile in Captivity is Dead” (英語). blog.everythingdinosaur.com. 2024年4月13日閲覧。
- ^ News, G. M. A. (2013年2月20日). “Pneumonia, stress contributed to Lolong's death, initial study shows” (英語). GMA News Online. 2024年4月13日閲覧。
- ^ “National Museum, Agusan execs agree to preserve Lolong’s remains”. Philstar.com. 2024年4月13日閲覧。