代表(だいひょう)とは機関グループに代わって、その考え・意見を外部に表すこと・ものや、全体の状態や性質をそれ一つだけで表す行為やそのものを指す。

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法的な意味での代表編集

法人の代表編集

法人は、それ自体は観念的な存在であって肉体をもたない。そのため、法人が契約等の法律行為をなすには、自然人によって意思(効果意思)の決定がなされることを要する(複数の自然人による合議の方法による場合もある)。そうして決定された意思が口頭や書面等で表示されることによって法律行為が成立するが、この法人の意思表示もまた1人または複数の自然人が代わって行わざるをえない。

これを個別具体的な案件ごとにその都度選んで行わせなければならないのでは合理的でないので、あらかじめ排他的・包括的な権限(代表権)を与えた者を法人の機関として常置しておくことになる。この機関を代表機関といい、これが法人に代わって意思表示を行うこと、法人としての行為を行うことを代表という。

一般社団法人一般財団法人では代表機関として代表理事が設置される。

株式会社では、代表機関として代表取締役代表執行役が設置される。従来の商法(平成17年改正前商法)においては、必置機関の取締役会において代表取締役が選任されていたが、会社法において、取締役会が任意の設置機関になるなどの変化を受けて、代表機関にも変更が生じた。すなわち、取締役会非設置会社では原則として全ての取締役が代表権を有するが、取締役の中から特定の者を代表取締役として選定することも可能である(その場合、選定された者のみが代表権を有する)。他方、取締役会を設置している株式会社では、代表取締役は取締役会で選任され、それ以外の取締役は会社を代表しない。委員会設置会社では代表執行役が代表機関であり、代表取締役を設置することはできない。

これに対し、持分会社においては、代表社員が代表機関となる。

政治的な意味での代表編集

政治的な意味における代表とは、一定の期間において、一定の自然人が、他の自然人あるいは団体のために、その政治的意思を表示し、あるいは行為することをいう。政治学あるいは憲法学において、統治の形態につき、直接制の対義語が代表制である。代表制では、選挙により選任された自然人が、有権者団のために政治的討論と政治的意思決定を行う。直接制と代表制の中間的な形態として、半直接制半代表制があるとされる。

また、日本国憲法第43条の「代表」の解釈を巡り、政治的代表的代表・社会学的代表という概念が提示されることがある。


統計における代表編集

要約統計量のことを代表値と呼ぶことがある。

中世論理学における代表編集

中世ヨーロッパ論理学で研究された代表の理論に関しては代示を参照。

関連項目編集

参考文献編集

  • 岡田信弘「代表民主制の構造」(『憲法の争点』(2007年、有斐閣)所収)
  • 糠塚康江「国民代表の概念」(『憲法の争点』(2007年、有斐閣)所収)
  • 宮島司「株式会社の代表と代表者の権限濫用行為の効力」(『会社法の争点』(2009年、有斐閣)所収)