佐伯東人
経歴
編集聖武朝の天平4年(732年)諸道に対して初めて節度使が設置された際、東人は西海道節度使判官に任ぜられ(節度使は藤原宇合)、まもなく外従五位下に叙せられた。
節度使判官任期中に、妻と交わした相聞歌が『万葉集』に収められている。
西海道節度使判官佐伯宿禰東人の妻、夫君(せのきみ)に贈る歌一首間(あいだ)なく 恋ふれにかあらむ 草枕(くさまくら) 旅なる君が 夢(いめ)にし見ゆる
(絶え間なく 思っているからでしょうか (草枕) 旅行中のあなたが 夢に見えます)[1]
佐伯宿禰東人の和(こた)ふる歌一首草枕 旅に久しく なりぬれば 汝(な)をこそ思へ な恋ひそ我妹(わぎも)
((草枕) 旅にも久しく なってしまったので、 おまえのことばかりを思う そう恋しがるないとしの妻よ)[2]
官歴
編集『続日本紀』による。