信春
江戸時代の浮世絵師
来歴
編集師系・経歴不明。作品に捺された印章には「政次」とある。作画期は延享の頃とされ肉筆画が残る。画風は西川祐信や川又常行など、当時活躍した絵師らに共通するものといわれている。なお熊本県立美術館所蔵の「俯臥美人読書図」(紙本着色)には「繪師 兎邸士信春筆」の落款があるが、これが信春と同一人かどうかは定かではない。
作品
編集- 「若衆図」 紙本着色、三幅対
- 「桜下美人図」 紙本着色 ロバート・S・ディッカーマン所蔵 ※「信春筆」の落款と「政次之印」の白文方印、画賛あり。『浮世絵師伝』に記す「花下遊女の図」に当たる。
- 「琵琶法師と芸妓」 紙本着色 ボストン美術館所蔵 ※「信春筆」の落款と印文不明の白文方印、「弾おとに たち上がるほとに 花の香の にほふをきけは 垣間みまほし」の画賛あり
- 「楓下お高祖頭巾の女図」 肉筆
参考文献
編集- 井上和雄編 『浮世絵師伝』 渡辺版画店、1931年 ※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり。119 - 120コマ目。
- 楢崎宗重編 『欧米収蔵日本絵画集成 在外秘宝 肉筆浮世絵』 学習研究社、1969年
- 楢崎宗重編 『肉筆浮世絵Ⅰ(寛文~宝暦)』〈『日本の美術』248〉 至文堂、1987年 ※64頁
- 熊本県立美術館編 『今西コレクション名品展Ⅲ』 熊本県立美術館、1991年 ※135頁
- アン・ニシムラ・モース、辻惟雄編 『ボストン美術館日本美術調査図録 第2次調査』(解説編) 講談社、2003年