数学において、全正値行列(ぜんせいちぎょうれつ、: totally positive matrix)とは、そのすべての小行列式の値がとなる正方行列をいう[1]。全正値行列のすべての成分は正であり、正行列でもある。また、すべての主小行列式が正(および、そのすべての固有値が正)であり、対称全正値行列は正定値行列でもある。全非負行列も同様に、すべての小行列式の値が非負(正もしくは0)である正方行列のことと定義される。"全正値"を"全非負"の意味で用いる場合もある。

意味 編集

n × n 行列  とする。任意の につき、任意のp × p部分行列 を以下の条件の下で取ることとする:

 

以下が成り立つとき、A全正値行列である[2]

 

歴史 編集

全正値性の理論の発展につながった歴史的なトピックには、以下の研究が含まれる: [2]

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たとえば、ノードが正で、かつ増加しているヴァンデルモンドの行列式は全正値行列である。

脚注 編集

  1. ^ George M. Phillips (2003), “Total Positivity”, Interpolation and Approximation by Polynomials, Springer, p. 274, ISBN 9780387002156 
  2. ^ a b Spectral Properties of Totally Positive Kernels and Matrices, Allan Pinkus

参照 編集

参考文献 編集