四段階推定法(よんだんかいすいていほう、Four Step Method)とはアメリカで発明された集計型の将来の交通需要を推定する方法である。

概要 編集

四段階推定法においては、

  1. 生成交通量の予測
  2. 発生・集中交通量の予測(交通が,どこで発生し,どこへ集中するか)
  3. 分布交通量の予測(どこから,どこへの交通がどれくらいか)
  4. 分担交通量(手段別交通量)の予測(どの交通手段をどれくらい利用するか)
  5. 配分交通量の予測(どの交通手段のどの経路(区間)をどれくらい利用するか)

の5段階に段階をわけて、交通需要を推定していく手法である。 鉄道や道路など輸送施設の新規建設がある場合には、どれだけの利用者が利用するかなどを予測する手法としてよく利用される。

5段階なのに、なぜ4段階なのか 編集

一般的には生成交通量の予測の段階をいれずに4段階と数えるのが一般的である。5段階となっている理由としては、分担交通量の段階が、アメリカで発明された時点ではモデルに含まれていなかったためである。

四段階推計法はシカゴにおいて高速道路の需要予測をするために発明されたものであり、生成交通量が自動車のみを扱った数値であり、他の交通手段からの変更(モーダルシフト)を考慮をしていなかったため「分担交通量の予測」の段階を除く4段階として登場した。

利点と問題点 編集

利点

  • 考え方が非常に簡素でわかりやすい。
  • 様々なところで交通需要予測として使われている。(日本においても最も普及した方式である)
  • 日本ではほとんどのプロセスでパーソントリップ調査のデータを利用できるため、大がかりな調査が不要である。

問題点

  • 生成交通量などはカウントできるものではなく、統計的な手法に頼るため数値の誤差がある。
  • それぞれの段階において関連性のない仮定をおくため、プロセス間の整合性がない。(エラーがあっても回避できない。)
  • 人々の行動の範囲すべてを対象地域とすることになるので、1つの路線の推定を行うにも広大な地域(都市圏)を対象とする必要がある。

関連項目 編集