垓下の歌

垓下の戦いにて、楚の項羽が漢軍に包囲され、天運が尽きたのを悟った際に詠んだ詩

垓下の歌』(がいかのうた)は、楚漢戦争最後の戦いである垓下の戦いにおいて、天運を悟った西楚の覇王項羽(項羽)が愛人虞美人に贈った詩。 『史記』巻7項羽本紀 第7、『漢書』巻31陳勝項羽傳第1に記述される。

垓下歌 訓み下し、日本語訳
力拔山兮氣蓋世 力山を抜き 気世を蓋ふ
(吾が)力は山(動かないものの代表)をも動かし、(吾が)気迫は世界(広いものの代表)をも覆うほどに強大だが、
時不利兮騅不逝 時利あらずして 騅逝かず
時勢は(吾に)不利であり、(吾が愛馬の)は進もうとしない。
騅不逝兮可柰何 騅、逝かざるを 奈何(いかん)すべき
騅が進まないのを(吾に)いったい何ができるというのか
(何もできはしないではないか)。
虞兮虞兮柰若何  虞や虞や 若(なんぢ)を奈何(いかん)せん
(それにもまして)よ、虞よ!
(吾は)そなたに何をしてやれるというのか
(何もしてやれないではないか)。

「力拔山兮氣蓋世」の句から「抜山蓋世」が故事成語となった。「威勢が非常に強く、気力が極めて盛んなこと」をあらわす。

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