1,1-ジクロロエチレン
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1,1-ジクロロエチレン(1,1-Dichloroethene、1,1-DCE)は、C2H2Cl2という分子式を持つ有機ハロゲン化合物である。可燃性の極めて高い、無色で不快臭の液体である。水には溶けないが、エタノール、ジエチルエーテル、アセトン、ベンゼン、クロロホルムには溶解する。
1,1-ジクロロエチレン | |
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1,1-Dichloroethene | |
別称 1,1-Dichloroethylene 1,1-DCE vinylidene chloride vinylidene dichloride | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 75-35-4 |
PubChem | 6366 |
ChemSpider | 6126 |
UNII | 21SK105J9D |
KEGG | C14039 |
ChEBI | |
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特性 | |
化学式 | C2H2Cl2 |
モル質量 | 96.94 g/mol |
密度 | 1.213 g/cm³ |
融点 |
-122 °C |
沸点 |
32 °C |
双極子モーメント | 1.3 D |
危険性 | |
NFPA 704 | |
引火点 | −22.8 °C (−9.0 °F; 250.3 K) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
1,1-DCEはポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどのポリマーを作るときにコモノマーとして加えられる。 また、直接重合させるとポリ塩化ビニリデンを生成する。
1,1-DCEは半導体工学で、純粋な二酸化ケイ素フィルムを製造するのに使われる。
1,1-DCEを吸入した場合の最も大きな影響は中枢神経系に表れ、高濃度では鎮静、酩酊、痙攣、昏睡などの症状が出ることがある[1]。
人の健康に関わる物質として、環境基準が設定されている[2]。労働安全衛生法による2019年有害物ばく露作業報告対象物に指定されている。