女心 (ヨーゼフ・シュトラウスの曲)

女心』(おんなごころ、ドイツ語: Frauenherz作品166は、ヨーゼフ・シュトラウスが作曲したポルカ・マズルカ[1]

楽曲解説 編集

 
作曲者の墓。彼の最愛の妻カロリーネもここに眠っている

1864年9月6日、フォルクスガルテンドイツ語版において、ワルツ『オーストリアの村つばめ』(作品164)とともに初演された[1]。曲名が具体的に何を示しているかは不明。ヨーゼフ・シュトラウスは愛する妻カロリーネのためにこの曲を書いたのだ[2]、ともいわれるが、ワルツ『オーストリアの村つばめ』がアウグスト・ジルバーシュタイン英語版の小説の名前を借りているように、小説『オーストリアの村つばめ』のヒロインの心情を示しているのだろうか[3]、と推察する声もある。

洗練された優美なリズムを持つポルカ・マズルカで、増田芳雄は「踊りのためでなく、むしろ”詩”のような曲」と評している[2]。同時に初演されたこの『女心』と『オーストリアの村つばめ』はともにヨーゼフの代表作として知られるようになり、作曲者が急逝してから3か月後に催された追悼式(1870年10月18日)の際にも、兄であるヨハン・シュトラウス2世の指揮のもとで揃って演奏されている[4]

構成 編集

冒頭部(Eingang)、主部(Polka-Mazur)、中間部(Trio)、終結部(Schluss)からなる。

冒頭部A

 

中間部

 

ニューイヤーコンサート 編集

脚注 編集

  1. ^ a b ケンプ(1987) p.100
  2. ^ a b 増田(2003) p.151
  3. ^ CD『ヨーゼフ・シュトラウス・ポルカ集/ボスコフスキー指揮』解説書より「女心」(解説:保柳健
  4. ^ 若宮由美ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート 2015 シュトラウス家の「第三の矢」、末弟エドゥアルトのポルカ! 曲目解説」より、ワルツ〈オーストリアの村つばめ〉

参考文献 編集

  • ピーター・ケンプ 著、木村英二 訳『シュトラウス・ファミリー:ある音楽王朝の肖像』音楽之友社、1987年10月。ISBN 4276-224241 
  • 増田芳雄「ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツのシューベルト」(帝塚山大学『人間環境科学』第12巻、2003年)

外部リンク 編集

音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
  Josef Strauss: Heart of a Woman, Polka-mazurka - モスクワ国立交響楽団(МГАСО)演奏。公式YouTubeチャンネル。