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好色一代女』(こうしょくいちだいおんな)は、井原西鶴作の浮世草子である。6巻6冊。1686年貞享3年)刊。

概略編集

都に住む当世男が、友人とともに2人で、西嵯峨に行き、「好色庵」という額の打ってある草庵の主である老女に会って、生涯の思い出話を聞くという趣向である。その懺悔の話が24章の内容をなす。その内容は、堂上家の姫君に生まれた一代女が、その道を踏み外して、快楽と苦悩とのないまぜになった売春生活の末に、次第次第に転落し、太夫から天神、私娼へと堕ちてゆく。いくたびかその境遇から這い上がろうとして、しかし自らの性質から、失敗するもの。

彼女はの或る貧しい公卿の娘と生まれて、その美貌ゆえはやくから宮仕えの身となったが、殿中で或る男と恋に落ち、露見し、あやうく主君の手討ちにあうところを奥方の温情から助けられ、彼らは追放される(13歳)。

貧しい家を救うために芸人仲間に入れられて、芸を売る中に或る国守のに迎えられるが、国守の健康の衰えから解雇される。16歳で父の借金のために島原に売られて、一時は太夫としてならぶものなきいきおいであったが、その驕り高ぶりゆえに勤めもおろそかになり、客もへり、天神に降格させられ、勤めているうちに幸運に恵まれかけてもそれも取り逃す。さらに悪病にもかかり、容貌も衰え、囲女郎にさらに降格させられ、失望の内に年季を迎え、廓を出て、私娼の身に落ち、人もだますようになる。家庭の女となったことも一二度あるが、独り寝の寂しさから不身持ちをしてしくじる。こうして年は取り、容貌は衰えるが、売色をやめることもなく、諸処方々を流れ歩き、大阪に舞い戻り、路傍で男の袖を引く哀れな夜発の身の上とはなった。このとき60歳超。

ある日、寺に詣でて五百羅漢像の顔また顔を見ると、ひとりひとり昔会った男の顔に思い当たり、ついに無常を感じて菩提を願う身となった。このとき65歳。すなわち彼女の経巡った境遇を挙げれば、八人芸、国守の太夫、天神、囲い、寺小姓、寺の密妾、町家の腰元、表使、歌比丘尼、介添女、裁縫師、茶間女、仲居茶屋女、通女、伝受女、女房、蓮葉女、居物、旅籠女、針売、遣手、忽嫁などである。

関連項目編集