忍耐(にんたい、英語: patience)とは、苦しさ、辛さ、悲しさなどを耐え忍ぶこと。例えば、自分に不都合なことなどをひとにされても、暴力的な仕返しをしたり、現実逃避したりしないなど。忍耐する力を「忍耐力」、忍耐力があることを「忍耐強い」と言う。

ゼーバルト・ベーハムの「忍耐」

忍耐は、四元徳のひとつとされている。

類義語 編集

堪え忍ぶことを表す熟語には、次のようなものがある。

など。

また、慣用句で忍耐の意味を持つものには次のようなものがある。

虫を殺す
癪に障ることを辛抱する
目を瞑る
過失を我慢し、咎めないこと
涙を呑む
悔しさをこらえること

忍辱 編集

仏教
波羅蜜
 
十波羅蜜
布施
持戒
出離
精進
忍辱
真諦
誓願
   
六波羅蜜
布施
持戒
忍辱
精進
禅定
 
同色は両者に存在する項目

仏教においては、さまざまな苦難や他者からの迫害に耐え忍ぶことを忍辱(にんにく, パーリ語:khanti , サンスクリット語:Kshanti)という。また、この忍辱の行を修することを忍辱波羅蜜といい、六波羅蜜のひとつに数えられる。なお、現在「ニンニク」と呼ばれるものは、この忍辱が語源となったとされる。

笠原研壽はDharma-saṃgrahaにおいて、khantiを多種多様の包容(manifold receptivities)としており、以下三つを挙げている[1]

  • Dharma-nidhyāna-kṣāntir - 法(ダルマ)を見ることの包容
  • duḥkhādhivāsanā-kṣāntiḥ - 苦(ドゥッカ)に耐えることの包容
  • paropakāra-dharma-kṣāntiś-ceti - 他人を支援している(善を行う)ことによる包容

脚注 編集

関連項目 編集