手段的日常生活動作
手段的日常生活動作(しゅだんてきにちじょうせいかつどうさ)とは、電話の使い方、買い物、家事、移動、外出、服薬の管理、金銭の管理など、日常生活動作(ADL : activity of daily living)ではとらえられない高次の生活機能の水準を測定するものである。IADL(instrumental activities of daily living)とも呼ばれる。
在宅生活の可能性を検討する場合は、ADLの評価だけでは不十分であり、IADLが重要な指標になるとされている。
- 食事の準備、後片付け(冷蔵庫、調理器具の使用、火や油の利用、賞味・消費期限の管理)
- 衣類の洗濯、収納(洗濯機の操作、洗剤や柔軟剤の利用)
- 住まいの管理(掃除、整頓、手入れ)家電製品の操作、火気類の操作
- 入浴、口腔衛生、洗髪、排泄(トイレ)、手甲指の洗浄、害虫退避
- 化粧、身だしなみ、服飾、マナー(礼節)
- 買い物(現金や電子マネー、ポイントカード、クレジットカードの利用)
- 車、バイク、自転車の操作と運転、公道の走行、通行料金、燃料の給油方法、交通標識標示信号の認識
- 公共機関の利用(時刻表、切符、タッチパス、電子マネー、搭乗手続き等)
- 来院と服薬管理(持病、疾病、かぜ、感染症、障害など。自己症状に応じた専門科の選択)
- 金銭管理(家賃、住宅ローン、月賦、年金、預貯金、株式投資、仮想通貨。水道光熱費、税金など)
- 情報の活用(気象情報、新聞、広告、テレビ、インターネット、SNS、アプリなど)
- 時間の感覚(起床時間、睡眠時間、出勤退出、食事の時間、時間的な推移行動)
- 公衆電話、固定電話、スマートフォン、パソコンの操作
- 娯楽(内外の趣味、テレビ、観光旅行、スポーツ・観戦、レジャー、クラブ活動、運動、展示会など)
- 交渉会話能力(母国語、外国語、日常会話、メールやチャット、スマートフォン操作)
- 知識の受能力(学校教育(読み・書き・話す・聞く)、生涯教育、通信教育、資格取得、オンライン教育)
- 社会的な受益負担と行為能力(年金、納税、行政機関への各種届出)
- 労働と勤労(集団社会との接点、農業、漁業、生産活動、役務、経済金銭利益、社会参画)
- 道徳と倫理(個人的判断能力にともなった社会的な行動と罰則、宗教活動、慈善ボランティア、至悪善)
- 様々な社会資源の活用(外食、レンタル、宅配サービス、タクシ、ネットショッピングなど)
- 家畜(ペット)の養育
- 青年までの子育て、養育管理、予定配偶者との遭遇、親近者との死別など
- 生前準備(終活、相続、財産分与、墓前等)
- 健康管理(長寿社会。調理方法や栄養、運動、ストレス管理、サプリメント、医療機関の活用など)
- 災害時の対応(日本固有の災害、地震、台風、豪雪など。設営、雪かき、避難行動。非常時に想定されること)
- 生理的欲求(遊行、睡眠、飲食、スキンシップ、子孫生殖)
- 環境の把握と判断能力、対処法(騒音、振動、異臭など)、静穏さの維持、テリトリー
- 国家活動(選挙活動(投票、政治へ参加)、自衛隊、警察、消防、司法、行政)
- 助けを呼ぶ判断と遂行能力、危険回避