権現山古墳(ごんげんやまこふん)は、兵庫県姫路市砥堀(とほり)にある古墳。形状は方墳。姫路市指定史跡に指定されている。

権現山古墳

墳丘・石室開口部
所在地 兵庫県姫路市砥堀1016
(上砥堀公園内)
位置 北緯34度52分15.42秒 東経134度43分38.22秒 / 北緯34.8709500度 東経134.7272833度 / 34.8709500; 134.7272833座標: 北緯34度52分15.42秒 東経134度43分38.22秒 / 北緯34.8709500度 東経134.7272833度 / 34.8709500; 134.7272833
形状 方墳
規模 一辺24-30m
埋葬施設 片袖式横穴式石室
築造時期 7世紀中葉
史跡 姫路市指定史跡「権現山古墳」
地図
権現山古墳の位置(兵庫県内)
権現山古墳
権現山古墳
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概要

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兵庫県南部、市川中流域西岸の山麓(標高36.9メートル)に築造された古墳である。1976年昭和51年)に発掘調査が実施されている。

墳丘周囲は改変されているが、墳形は方形で、南北約30メートル・東西約24メートルを測る(ただし円墳の可能性も残る)[1]。墳丘裾部では列石とみられる礫が検出されているほか、墳丘周囲では西側で幅4-5メートルの周溝が認められている[1]。埋葬施設は片袖式の横穴式石室で、南方向に開口する。凝灰岩の巨石を使用した大型石室で、石室全長約14メートルを測り、姫路市内では最大級の規模として注目される。石室内の副葬品は詳らかでない。築造時期は、古墳時代終末期7世紀中葉頃と推定される[1]

古墳域は1973年(昭和48年)に姫路市指定史跡に指定されている。現在は上砥堀公園内で公開されている。

遺跡歴

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  • 1973年昭和48年)4月6日、姫路市指定史跡に指定。
  • 1976年(昭和51年)、公園造成に伴う発掘調査[1]

埋葬施設

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石室俯瞰図
 
石室展開図

埋葬施設としては片袖式横穴式石室が構築されており、南方向に開口する。石室の規模は次の通り[1]

  • 石室全長:約14メートル
  • 玄室:長さ3.8メートル(西側)・4.1メートル(東側)、幅1.9メートル(奥壁)・2.0メートル(玄門付近)、高さ約2.6メートル
  • 羨道:長さ約10メートル、幅1.7-1.8メートル

石室の石材は凝灰岩で、巨石を使用する。玄室の平面形はやや平行四辺形状である。奥壁は巨石1枚を立て、側壁は巨石1石を基底とした上に大石を1・2段積む。天井石は3枚。袖石には正方形に近い大石の上に横長の石材を補う。羨道は長大で、平面形は開口部に向かってわずかに開く。側壁は大石の3・4段積みで、東側奥のみ巨石を基底に据える。天井石は4枚で、奥3枚は水平であるが手前1枚は1段高く架ける[1]

石室の形態としては新しい様相であり、巨石の使用・方形袖石・外開き羨道・羨道最前の1段高い天井石に、畿内の「岩屋山式石室」との共通点が認められる[1]

文化財

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姫路市指定文化財

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  • 史跡
    • 権現山古墳 - 1973年(昭和48年)4月6日指定。

脚注

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参考文献

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  • 史跡説明板(姫路市教育委員会、1992設置板・2003年設置板)
  • 「権現山古墳」『姫路市史』 第7巻 下 資料編 考古、姫路市、2010年。 

外部リンク

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