気候帯(きこうたい、: Climatic zone)とは、世界各地の気候特色がよく似た地域をいくつかの区域に分けた気候区分である。古代では緯度に平行して熱帯、温帯、寒帯に分けられた。ケッペンの気候区分が有名。

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概要編集

気候帯形成の主要な要因は、太陽熱輻射に伴う気温分布によるものであり、概ね緯度に並行した分布となる。気温による区分では、熱帯亜熱帯温帯亜寒帯寒帯に分けられるが、降水量によって区分する場合もある。ケッペンの気候区分では気温と降水量を組み合わせ、熱帯、乾燥帯、温帯、亜寒帯、寒帯に分ける。亜寒帯冷帯と言う場合もある。その他標高の高い地域の高山気候もある。

各気候帯の区分編集

熱帯編集

赤道を取り巻く低緯度地帯で、高温多雨の気候帯。数理気候では赤道を中心として南北両回帰線(23°27′の緯度線)に挟まれた地帯を指す[1]。太陽高度が高く,年2回天頂を通過する時期がある[1]。また、気温の年較差が小さく、日較差の方が大きいのが特徴[1]。四季の区別がほとんどなく、冬は無いが、雨季乾季の別が明瞭である[1]

亜熱帯編集

熱帯に次いで気温の高い地域で熱帯と温帯の間に位置する[2]。夏は熱帯同様、高温である。一方、冬は極端な低温にならず、比較的温和である[3][4]。大体、回帰線付近の緯度20°~30°のあたりをいうが、範囲の決め方は学者によって異なる[3]。ケッペンの気候区分には無いが、A.A.ミラーは最寒月の平均気温が 6.1℃以上としている[3]地中海地域のような冬雨地域、大陸東岸の多雨地域、沖縄などが含まれる[2][3]

乾燥帯編集

乾燥が原因で樹木が生育しない気候[5]。南北の回帰線付近の緯度で、大陸の西側に多い[6]。乾燥帯の大部分は亜熱帯高圧帯の影響を受けて形成されている[7]。水分が不足することで生まれる気候で、樹木が生育できず砂漠草原(ステップ)となっている[5]。ケッペンの気候区分ではB気候に相当する[5][8]。降水量が絶対的に少ないか蒸発量が多すぎるために生じる気候[5]。降水量が少ないだけでなく、蒸発や植生からの蒸散による地表からの水の損失が、降水による水の供給を上回る[5]。また、砂漠では夜間の放射冷却が激しく、になると冷えるため、1日の寒暖差が20度以上にも達っすることがある[9]

温帯編集

熱帯と寒帯との間にある、気候の温和な地帯。温暖多雨で四季がある[10]。気候帯に分けると亜熱帯と亜寒帯(冷帯)に挟まれる[10]。気候的には、温帯気候の緯度30~50度の地帯をいうが、回帰線(23度27分)と極圏(66度33分)の間とする区分もある[10][11]。ケッペンの気候区分ではC気候に相当する[12][13]。アメリカの気候学者Ellsworth Huntingtonは、著書『気候と文明』のなかで、人間生活に適度の刺激を与えるもっとも活動能率の高い気候であると説いた[12]

暖帯編集

温帯のうち、亜熱帯に近い地域[14]。暖温帯(: warm temperate zone)ともいう[14]。亜熱帯と中間温帯の間に位置し、年平均気温は13~20℃であり[14]、ケッペンは最寒月平均気温が18℃以下で,-3℃以上,最暖月平均気温が10℃以上の地域と定義した[14]。日本では照葉林帯(照葉樹林帯)に相当するが、沖縄以南の照葉林帯はこれに含めない[15]

冷温帯編集

冷温帯(Cool-temperate climate)[16]。狭義の温帯のうち、亜寒帯に近い地帯[17]湿潤大陸性気候のDaも含む[16]。最寒月の最低気温が平均-3度以上、18度以下のうち、特に冷涼な気温が特徴[16]

亜寒帯(冷帯)編集

寒帯編集

ツンドラ気候編集

氷雪気候編集

高山気候編集

ギャラリー編集

脚注編集

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  1. ^ a b c d 日本国語大辞典, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,世界大百科事典 第2版,大辞林 第三版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “熱帯(ねったい)とは” (日本語). コトバンク. 2020年7月28日閲覧。
  2. ^ a b 亜熱帯ってなに?沖縄の亜熱帯気候について。” (日本語). 沖沖縄体験ダイビング専門店|ラピスマリンスポーツ. 2020年7月28日閲覧。
  3. ^ a b c d 日本国語大辞典, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,世界大百科事典 第2版,大辞林 第三版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “亜熱帯(あねったい)とは” (日本語). コトバンク. 2020年7月28日閲覧。
  4. ^ 日本国語大辞典, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,大辞林 第三版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “亜熱帯気候(あねったいきこう)とは” (日本語). コトバンク. 2020年7月28日閲覧。
  5. ^ a b c d e 日本国語大辞典,世界大百科事典内言及, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,世界大百科事典 第2版,大辞林 第三版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “乾燥気候(かんそうきこう)とは” (日本語). コトバンク. 2020年7月28日閲覧。
  6. ^ 乾燥帯(かんそうたい)の意味 - goo国語辞書” (日本語). goo辞書. 2020年7月28日閲覧。
  7. ^ 第三版, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,大辞林. “亜熱帯高圧帯(あねったいこうあつたい)とは” (日本語). コトバンク. 2020年7月28日閲覧。
  8. ^ “[http://www.iwakuni-h.ysn21.jp/teachers/yamashita/h30site/site25/f2511/h2511.html �n���@�C���̓���]”. www.iwakuni-h.ysn21.jp. 2020年7月28日閲覧。
  9. ^ 世界の水文化「砂漠(沙漠)の知恵」 水大事典 サントリーのエコ活 サントリー” (日本語). www.suntory.co.jp. 2020年7月28日閲覧。
  10. ^ a b c 日本国語大辞典, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,世界大百科事典 第2版,大辞林 第三版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “温帯(おんたい)とは” (日本語). コトバンク. 2020年7月28日閲覧。
  11. ^ 温帯(おんたい)の意味 - goo国語辞書” (日本語). goo辞書. 2020年7月28日閲覧。
  12. ^ a b 日本国語大辞典,世界大百科事典内言及, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,大辞林 第三版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “温帯気候(おんたいきこう)とは” (日本語). コトバンク. 2020年7月28日閲覧。
  13. ^ 川原花木園 北国の気候と植物”. www.068.jp. 2020年7月28日閲覧。
  14. ^ a b c d 日本国語大辞典,世界大百科事典内言及, デジタル大辞泉,世界大百科事典 第2版,大辞林 第三版,精選版. “暖帯(ダンタイ)とは” (日本語). コトバンク. 2020年7月28日閲覧。
  15. ^ 日本国語大辞典,世界大百科事典内言及, デジタル大辞泉,大辞林 第三版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “暖温帯(ダンオンタイ)とは” (日本語). コトバンク. 2020年7月28日閲覧。
  16. ^ a b c 冷温帯”. trekgeo.net. 2020年7月28日閲覧。
  17. ^ 日本国語大辞典,日本大百科全書(ニッポニカ),世界大百科事典内言及, デジタル大辞泉,大辞林 第三版,精選版. “冷温帯(レイオンタイ)とは” (日本語). コトバンク. 2020年7月28日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集