気候帯
気候の区分
気候帯(きこうたい、英語: climatic zone)とは、気候の共通性をもとに地球上を区分したときの区域のことである[1]。気候帯をさらに細分化したものを気候区という[2]。
設定と分類
編集まず、太陽放射の地域差により、緯度をもとに熱帯、温帯、寒帯に分類することができる[2]。この区分は数理気候帯とよばれ[3]、熱帯は回帰線どうしの間、温帯は回帰線と極圏の間、寒帯は極圏の内部となる[2]。ここで、分類された区域は帯状をなしている[2]。
しかし、現実には海陸分布や地形などの気候因子の影響を受け[2]、より複雑である[3]。例えば、アレキサンドル・ズーパンは年平均気温20℃・10℃を基準にして熱帯、温帯、寒帯を設定した[2]。ウラジミール・ペーター・ケッペンは気温と降水量をもとに熱帯、乾燥帯、温帯、冷帯、寒帯の気候帯の設定を行った[1]。
近代気候学による気候帯の設定では、B・P・アリソフによる気団や前線帯に着目した気候帯や、ヘルマン・フローンによる降水・気圧・風系に着目した気候帯などがある[2]。
科学分野
編集地球上の特定の気候帯や緯度帯を研究対象とする科学分野として、熱帯科学、乾燥地科学、極地科学などが存在する[4]。
脚注
編集参考文献
編集- 小林望 著「気候帯」、日本地誌研究所 編『地理学辞典 改訂版』二宮書店、1989年、133頁。ISBN 4-8176-0088-8。
- 篠田雅人「気候変動と乾燥地科学」『地学雑誌』第116巻第6号、2007年、811-823頁、doi:10.5026/jgeography.116.6_811。