温風低圧塗装機(おんぷうていあつとそうき)は、吹付塗装の一種で低圧・大風量の空気を用いて、塗料を噴霧する方式の塗装機。コンプレッサーを用いずに、小型のブロアを空気発生源にし、塗着効率が高い(70-90%)事が特長である。

なお、日本では、温風低圧塗装機の他、低圧温風塗装機、HVLP (High Volume Low Pressure) 塗装機等の複数の呼び名がある。

装置構成 編集

吹付の空気圧力を0.05 MPa以下とし、霧化促進を空気量で行うため、吹付空気の発生源はコンプレッサー等の圧縮機を用いずにブロアを用いる。ブロアは、高回転により空気を発生させるため、吸引した空気中の水分を蒸発させる効果を持ち、吹付空気は周囲温度に対し10-15℃高い温風となる。

利点・欠点 編集

  • スプレー塗装時に発生するオーバーミスト(霧化塗料の飛散)を抑え、塗着効率が高い(約70-90%)。
  • 温風塗装(周囲温度に対し10-15℃高い)が相対的な湿度を下げるため、白化現象等の予防効果があり、表面乾燥時間が早くなる。
  • ブロアが小型・軽量で、電源は100Vでよいものが多いため、持ち運びがしやすい。
  • 大風量の空気を使用するため、エアーホースに19-25 mmの太いものが必要になる。
  • 霧化の粒径は、コンプレッサーを用いたスプレーガンに劣る。