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[[ファイル:Hydrographic basin.svg|250px|thumb|赤い点線の内側が流域、青い線が水系を示す。]]
'''流域'''(りゅういき、{{lang-en|drainage basin)basinまたはwatershed<ref name="古今">松岡ほか、2007、35ページ</ref>}})とは、ある[[川]]が[[雨水]]や[[雪]]等の[[降水]]を集めている範囲のことである。この範囲の境界を[[分水界]]という。また、川の流れに沿った両岸の地域に限られた区域のみを「流域」と呼ぶこともある。
 
流域の形状は[[円形]]、長円形、長細いものがあり、長い川ほど広くなる。この面積の算出は[[洪水]]の際の出水場所・量を予測するための重要な要素となっている。
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川上では河川の[[分水界]]に囲まれた地域が明確であるが、川下では洪水などにより時代と共に流路が変るため隣接する流域と重複するなど分水界が曖昧である。
 
[[流域面積]]世界一は705万km<sup>2</sup>の[[アマゾン川]]、日本一は[[利根川]]である。
 
 
== 閉鎖水域の流域 ==
閉鎖水域([[湖沼]]・[[湾]]・[[内海]])に流れ込む河川を一まとめに「'''〇〇流域(流域圏)'''」と呼ぶ場合もある。水質汚染の指標作りに用いられている。(例:[[東京湾]]流域【[[江戸川]][[多摩川]][[相模川]]】など)<ref>放送大学「環境工学より」</ref>
== 流域における水循環 ==
<!--放送大学「環境工学より」-->
流域における[[水循環]]の問題は、[[水文学]](水循環を扱う[[自然地理学]]の一分野)の重大な関心事であり、''流域水文学''(watershed hydrology)という1つの学問領域を形成する<ref name="共立1"/>。流域水文学は[[水資源]]確保や[[災害]]予測などの面から[[社会]]のニーズも高い。ただし、[[気候]]・[[地形]]・[[植生]]・[[土壌]]・[[土地利用]]・水利用といった自然の作用から人間活動まで幅広く考慮する必要があるので、[[メカニズム]]の本格的な解明に向けた研究は[[1970年代]]以降で新しい。研究が可能になった背景には[[同位体]]分析の発展が挙げられる。<ref name="共立1">杉田・田中、2009、11 - 12ページ</ref>
 
流域は[[3次元|三次元]]構造を有し、[[降水]]による水の流入と[[蒸発散]]・河川流による水の流出、そして[[地下水]]や土壌水としての貯留の3つの水の動きが考えられる。この関係を水収支式で記述すると、
 
<math>P-E_t-R=\frac{dS}{dt}</math>
 
となる<ref name="古今"/>。 ここでPは[[降水量]]、<math>E_t</math> は蒸発散量、Rは河川流出量、<math>\frac{dS}{dt}</math>は貯留量変化を表す。この収支式から分かるように、流域は時間成分tを有するため、[[4次元|四次元]]で検討する必要がある<ref name="共立2">杉田・田中、2009、11ページ</ref>。また通常は[[単位]]に水柱高(water height)、すなわち降水量等の値を[[流域面積]]で割ったものを使用する<ref name="共立2"/>。
 
検討する水収支の期間t を1年とした場合、貯留量変化<math>\frac{dS}{dt}</math>は一般に0と考えて良い<ref name="古今"/>。
 
== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 参考文献 ==
* 松岡憲知・田中博・杉田倫明・村山祐司・手塚章・恩田裕一『地球環境学―地球環境を調査・分析・診断するための30章―』地球学シリーズ1、[[古今書院]]、2007年4月10日、130pp.、ISBN 978-4-7722-5203-4
* 杉田倫明・田中正『水文科学 Hydrologic Science』[[共立出版]]、2009年2月25日、275pp.、ISBN 978-4-320-04704-4
== 関連項目 ==
* [[水系]] - 流域内に流れる川や湖などの線的なつながり。
 
== 外部リンク ==
* [http://100.yahoo.co.jp/detail/%E6%B5%81%E5%9F%9F/ 流域 - Yahoo!百科事典]
 
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[[Category:河川]]
[[Category:水文学]]
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