「ノアの方舟」の版間の差分

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[[File:Michelangelo Buonarroti 020.jpg|thumb|400px|[[ミケランジェロ・ブオナローティ]]画 『洪水』 [[システィーナ礼拝堂]]蔵]]
'''ノアの方舟'''(ノアのはこぶね、{{lang-en|Noah's Ark}})は、[[旧約聖書]]の『[[創世記]]』(6章-9章)に登場する、[[大洪水]]にまつわる、ノアの[[箱舟|方舟]]物語の事。または、その物語中の主人公[[ノア (聖書)|ノア]]とその家族、多種の動物を乗せた方舟自体を指す。「はこぶね」は「方舟」のほか、「箱舟」「箱船」などとも記される<ref>ヘブライ語は、תֵּבַ֣ת 。出エジプト記2章3節の תֵּ֣בַת は「籠」「かご」などの翻訳、一部「箱舟」の訳もある</ref>。
 
== 『シュメルの洪水神話』(粘土板)における記述 ==
壁のかたわらで、わたしはおまえにひとこと話そう。わたしのいうことを聞きなさい。わたしの教えに耳をかたむけなさい。われわれの・・・・・により、大洪水が聖地を洗い流すだろう。人類の種をたやすために・・・・。これが神々の集会の決定であり、宣言である。・・・・あらゆる嵐、しかもはなはだ強大なのが、ひとたばになって襲ってきた。同時に、大洪水が聖域を洗い流した。七日と七夜、大洪水が国中を洗い流し、大舟は嵐のために大波の上でもてあそばれた。そののち、ウトゥ(太陽神)があらわれ、天と地を照らした。ジウスドラは大舟の窓をひらいた。英雄ウトゥは光を大舟のなかにさしこませた。王ジウスドラはウトゥの前にひれ伏した。
 
== 『ギルガメシュ叙事詩』における記述 ==
アシの小屋よ、アシの小屋よ、壁よ、壁よ。アシの小屋よ聞け、壁よ察せよ。ウバルトゥトゥの子、シュルッパクの人よ。家をこわし、舟をつくれ。持物をあきらめ、おまえのいのちを求めよ。品物のことを忘れ、おまえのいのちを救え。すべての生きものの種を舟に運びこめ。おまえがつくるべき舟は、その寸法をきめられたとおりにせねばならぬ。その幅と長さとをひとしくせねばならぬ。ウトナピシュティムがつくった舟は七階だてで、各階には九室あったようだ。七日目に舟は完成した。洪水が起こると、彼は全財産、つまり銀や金、生きもの、家族、身よりの者、職人たちをすべて舟に乗せた。すると、六日と七夜、風と洪水がおしよせ、嵐が国土を吹きまくった。七日目になると、洪水をもたらした嵐は戦いに負けた。それは軍隊の攻撃のような戦いだった。海はしずまり、嵐はおさまり、大洪水はひいた。空模様を見ると、まったく静かだった。そしてすべての人間は粘土に変わっていた。見わたすかぎり屋根のように平らになっていた。天窓をあけると、光がわたしの顔にさした。わたしはうなだれ、坐って泣いた。涙がわたしの顔をつたって流れた。わたしは広々とした海を見回して岸を探した。十二の場所に陸地があらわれた。船はニシル山についた。山は船をとらえて動かさなかった。このようにして船は六日間ニシル山にとまっていた。七日目に、ウトナピシュティムはまず鳩をはなした。鳩は休み場所が見あたらずにもどってきた。つぎは燕をはなしたが同じ結果になった。そのつぎには大烏をはなしたところ、水がひいていたので餌をあさりまわって帰ってこなかった。そこで彼は山頂に神酒をそそぎ、神々に犠牲をささげた。
 
== 『創世記』における記述 ==