「セイタカシギ」の版間の差分

|画像=[[画像ファイル:セイタカシギHimantopus himantopus 0s2.JPG|256px|泥地を歩くセイタカシギの夏羽、頭部が黒っぽくなる]]

|画像キャプション夏羽、頭部が黒っぽ = 泥地を歩くなる。セイタカシギ

| status =絶滅危惧II類 LC

|属科=[[セイタカシギ属 ''[[:en:Himantopus|Himantopus科]]'' {{sname||Recurvirostridae}}

|種属='''セイタカシギ'''属 ''[[:en:Black-winged Stilt{{sname|H. himantopus]]|Himantopus}}''

'''セイタカシギ'''（背高鷸、[[学名]]:''Himantopus himantopus''）は、[[チドリ目]][[セイタカシギ科]]に[[生物の分類|分類]]される[[鳥類]]の一[[種 (分類学)|種]]<ref name="日本鳥学会">{{Cite web |url=http://ornithology.jp/osj/japanese/katsudo/Publications/Checklist7.html |title=日本鳥類目録　改訂第7版 |publisher=[[日本鳥学会]] |date=2012-09-15 |accessdate=2013-10-27}}</ref><ref name="叶内 (2006)、304頁">[[#山溪ハンディ図鑑7日本の野鳥|叶内 (2006)、304頁]]</ref>。脚が非常に長く背が高いのが特徴<ref name="中川 (2010)、67頁">[[#ひと目であわかる野鳥|中川 (2010)、67頁]]</ref>。

[[ユヨーラシア大陸ロッパ]]の暖地、[[アフリカ大陸|アフリカ]]北部、[[オーストラリア大陸|オーストラリジア]]、南北[[アメリカ大陸]]部を中心に、[[渡り鳥]]または[[留鳥]]として広く分布する<ref name="worldbirdnames" />。

[[日本列島|日本]]では[[旅鳥]]または留鳥<ref name="叶内 (2006)、304頁" />。かつて[[迷鳥]]としてまれに記録される程度だであった。[[1975年]]に[[愛知県]]の[[干拓地]]で初めて日本国内での[[繁殖]]が、確認された。[[埋立地]]が増えた[[1978年]]以降に、[[東京湾]]や、[[愛知県伊勢湾]]の、[[埋立地三河湾]]など周辺でも繁殖する個体群が現確認され留鳥として定住するようになった<ref name="中川 (2010)、67頁" /><ref name="真木 (2012)、101頁">[[#名前がわかる野鳥大図鑑|真木 (2012)、101頁]]</ref>。現在は各地で生息が確認されており、東京湾付近の[[千葉県]][[習志野市]]の[[谷津干潟]]などでは周年観察されている種。[[2007年]]に[[葛西臨海公園]]野鳥園であ3例の繁殖が確認されている<ref group="注釈">2007年以後も毎年葛西臨海公園野鳥園で繁殖が確認されているが、[[アオダイショウ]]により卵が食べらることなどが原因で雛は育っていない。</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.tokyo-park.or.jp/parkfriend/download/pdf/hiroba67.pdf |author=中村忠昌 |title=広報誌「緑と水のひろば」 |publisher=[[東京都公園協会]] |format=PDF |pages=17 |date=2012-03 |accessdate=2013-10-27}}</ref>。[[2009年]]6月に[[沖永良部島]]で1例の繁殖が確認されている<ref>[[#沖永良部島におけるセイタカシギの繁殖生態|中村 (2009)、12頁]]</ref>。

[[湿地]]、[[干潟]]、[[湖沼や]]、[[河口]]、[[水田]]などに生息する<ref name="中川 (2010)、67頁" />。繁殖期は番いで生活し、なわば[[縄張り]]を持つ。非繁殖期は小さな群れで生活し<ref name="中川 (2010)、67頁" />、番いを中心とした家族が集まって群れを形成する可能性がある。

食性は[[肉食動物|動物食]]。長い脚で水辺を歩き回り、嘴を水中に斜めに差し込み、[[昆虫]]や小魚、[[エビ]]や[[カニ]]などの[[甲殻類]]、[[小魚]]、[[ゴカイ]]<ref name="真木 (2012)、101頁" />などを捕食する<ref name="中川 (2010)、67頁" />。脚が長いぶん、[[干潟]]などの浅瀬で競合する[[サギ]]や他の[[シギ]]・[[チドリ]]類よりも深い場所にまで足を延ばすことができる<ref name="中川 (2010)、67頁" />。採食中に首に振りながら歩く<ref name="真木 (2012)、101頁" />。海水域で捕食した後には、[[淡水域]]で水浴びを行う<ref name="叶内 (2006)、304頁" />。

==亜種 分類 ==

: 学名：''H. h. himantopus'' (Linnaeus,（ 1758)、{{英名|[[:en:Black-winged Stilt|Black-winged Stilt]]}}）<br />[[ユヨーラシア大陸|ユーラシア]]南部ロッパ、[[アフリカ大陸|、アフリカ]]北ジア南部を中心に広く分布する。[[日本列島|日本]]で見られるものは多くが本亜種またはオーストラリアセイタカシギである。

; [[オーストラリアセイタカシギ]]

: 学名：''H. h. leucocephalus'' {{AU|Gould}},（ [[1837年|1837]]、{{英名|[[:en:White-headed Stilt|White-headed Stilt]]}}）<br />[[東南アジア]]から[[オーストラリア大陸|オーストラリア]]にかけて見られ、広く分布する。頭部の白色部分が広いのが特徴。''[[wikispecies:Himantopus leucocephalus|H. leucocephalus]]'' と記載される場合もある。

: 学名：''H. h. mexicanus'' ({{AU|Statius Müller}},（ [[1776年|1776]])、{{英名|[[:en:Black-necked Stilt|Black-necked Stilt]]}}）<br />南北[[アメリカ大陸合衆国|アメリカ]]南部と西部から[[ペルー]]と[[ブラジル]]東部にかけて分布する亜種。頭部が黒く、眼の周りが白いのが特徴。[[:en:Sibley-Monroeハワイ諸島]]には[[亜種]]（''H. checklistmexicanus knudseni'' {{AU|Sibley-MonroeStejneger}}, checklist[[1887年|1887]] では）が分布し<ref name="worldbirdnames" />、希少種で絶滅が危惧されている。亜種（''[[wikispecies:HimantopusH. mexicanus|H. mexicanus]]'' (Statius Müller, 1776) ）と比較して、より黒い部分が広いのが特徴。[[2001年]]に故意に[[放鳥]]された個体が[[京都府]]、[[大阪府]]、[[奈良県]]で確認され、日本で[[外来種]]と記載されている<ref>{{Cite web |url=http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/20440.html |title=侵入生物データベース・クロエリセイタカシギ |publisher=[[国立環境研究所]] |accessdate=2013-10-28}}</ref>。

; [[ナンベイセイタカシギ]]

: 学名：''H. h. melanurus'' {{AU|Vieillot}},（ [[1817年|1817]]、{{英名|[[:en:White-backed Stilt|White-backed Stilt]]}}）<br />''Hh mexicanus'' クロエリセイタカシギより大きく、頭頂が白い。ペルーとブラジル北部から[[南米大陸アルゼンチン]]中南部にかけて分布する。

; ハワイ[[クロセイタカシギ]]

=== Sibley分類体系上の位置 ===