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{{基礎情報 軍人
| 各国語表記 = John Hunter
| 箱サイズ =
| 生年月日 = 1737年8月29日
| 没年月日 = 1821年3月13日
| 画像 = Gouverneur John Hunter.jpg
| 画像サイズ = 200px
| 画像説明 =
| 渾名 =
| 生誕地 = スコットランド、リース
| 死没地 = ロンドン、ハックニー、ニューロード
| 所属組織 = [[File:British-White-Ensign-1707.svg|25px]]イギリス海軍
| 軍歴 =
*[[七年戦争]]
**[[ロシュフォール遠征]]
*[[エイブラハム平原の戦い]]
*[[アメリカ独立戦争]]
**[[ドッガー・バンク海戦 (1781年)|ドッガーバンクの戦い]]
**[[ジブラルタル包囲戦]]
*[[スパルタル岬の戦い]]
*[[フランス革命戦争]]
**[[栄光の6月1日]]
*[[ナポレオン戦争]]
| 最終階級 =海軍中将
| 除隊後 =
| 墓所 = セントジョン・アト・ハックニー教会
| 署名 =
}}
'''ジョン・ハンター'''（John Hunter、[[1737年]][[8月29日]]－[[1821年]][[3月13日]]）は[[18世紀]]から[[19世紀]]にかけての[[イギリス海軍]]士官であり、[[植民地]]行政官である。最終的に海軍[[中将]]にまで昇進した。[[アーサー・フィリップ]]の跡を継いで、二代目の[[ニューサウスウェールズ]][[総督]]に就任し、[[1795年]]から[[1800年]]まで総督を務めた<ref name=ADB>J. J. Auchmuty, '[http://www.adb.online.anu.edu.au/biogs/A010529b.htm Hunter, John (1737 - 1821)]', ''[[Australian Dictionary of Biography]]'', Volume 1, [[Melbourne University Press|MUP]], 1966, pp 566-572. Retrieved 12 August 2009</ref>。
海軍軍人であると同時に[[学者]]であり、[[1788年]]には早くも{{仮リンク|パラマタ川|en|Parramatta River}}を探検し、[[タスマニア]]が島であると考えた最初の人物でもあった。総督として、ジョン・マッカーサーのすさまじい地域利権をものともせずに、軍を出して職権乱用と戦おうともした。[[ハンター地域|ハンターバレー]]、{{仮リンク|ハンター川|en|Hunter River (New South Wales)}}、{{仮リンク|ハンターズヒル|en|Hunters Hill, New South Wales}}、そして[[シドニー]]のハンターストリートの各場所の名前は、ハンターを記念してつけられたものである。
==家族と海軍入隊==
ジョン・ハンターは[[スコットランド]]の{{仮リンク|リース (スコットランド)|label=リース|en|Leith}}に、海上貿易船の船長をしていたウィリアム・ハンターの息子として生まれた<ref name=DAB>{{Dictionary of Australian Biography|First=John|Last=Hunter|Link=http://gutenberg.net.au/dictbiog/0-dict-biogHi-Hu.html#hunter1|accessdate=12 August 2009}}</ref>。母親のヘレンは旧姓をドラモンドといい、数度にわたってエディンバラの護民卿を務めた{{仮リンク|ジョージ・ドラモンド|en|George Drummond}}の姪だった<ref name=ADB/><ref name=DAB/>。子供のころ、ハンターは、[[ノーフォーク]]のリンの町や[[エディンバラ]]にやらされておじと共に生活し、その当時の古典教育を受けた。その後[[エディンバラ大学]]に入ったが、すぐに退学して、[[1754年]]5月に、{{仮リンク|グランパス (スループ)|label=グランパス|en|HMS Grampus (1746)}}のトマス・ナックストン艦長のキャプテンズ・サーヴァント{{refnest|group="注釈"|士官候補生になる前の身分の乗員。}}として海軍に入った<ref name=ADB/><ref name="DNB294">{{Cite book| first=J.K.|last=Laughton|authorlink=John Knox Laughton|chapter=Hunter, John (1738-1821)| title=Dictionary of National Biography|year=1891|page=294|url=http://en.wikisource.org/wiki/Hunter,_John_%281738-1821%29_%28DNB00%29}}</ref> 。1755年には、{{仮リンク|センタウル|en|HMS Centaur (1746)}}の熟練船員として乗員名簿に登録され、後に{{仮リンク|士官候補生|en Midshipman}}として{{仮リンク|ユニオン (戦列艦)|label=ユニオン|en|HMS Union (1756)}}と{{仮リンク|ネプチューン (戦列艦)|label=ネプチューン|en|HMS Neptune (1757)}}で任務についた<ref name=ADB/> 。ネプチューンに乗艦していたころ、[[1757年]]に、{{仮リンク|ロシュフォール遠征|en|Raid on Rochefort}}に参戦し、その後に[[1758年]]のブレスト沖の航海と[[1759年]]の[[エイブラハム平原の戦い]]に加わり、当時、ネプチューンの一等[[海尉]]であった[[ジョン・ジャーヴィス]]と面識ができた<ref name="DNB294"/> 。
[[File:John Jervis, Earl of St Vincent by Francis Cotes.jpg|thumb|180px|right|ジョン・ジャーヴィス]]
ハンターはその後、七年戦争が終わるまでの間を士官候補生として、フィリップ・デュレル提督の何隻かの旗艦で過ごした。その旗艦とは、[[ロイヤル・チャールズ (戦列艦・2代)|ロイヤルアン]]、{{仮リンク|プリンセス・アメリア|en|HMS Princess Amelia (1757)}}、そして100門艦の{{仮リンク|ロイヤル・ジョージ|en|HMS Royal George (1756)}}である。このロイヤル・ジョージには、[[パリ条約 (1763年)|パリ条約]]締結の[[1763年]]まで乗艦し、ビスケー湾で任務についていた<ref name="DNB294"/>。[[1760年]]2月、ハンターは海尉試験に合格し、昇進して海尉と認められた<ref name=ADB/>。しかし、[[1780年]]まで海尉として任務に就くことはなかった。平和時にも海軍で現役の仕事をつづけ、[[ニューファンドランド島]]まで[[フリゲート]]艦{{仮リンク|ツイード|en|HMS Tweed (1759)}}で向かい、その後航海士（マスターズ・メイト）として、[[1767年]]に[[サミュエル・フッド]]の艦隊が[[北アメリカ]]に寄港していた時、艦隊の1隻であった{{仮リンク|ローンセストン|en|HMS Launceston (1741)}}の艦上で任務についた。[[1768年]]、フッドはハンターを航海長に任命した。[[1769年]]にトリニティハウス（灯台協会）の試験に合格した後、ハンターは航海長の任命が事実であるかどうかを確認した。航海長としての初仕事は、28門艦{{仮リンク|ケリーズフォート|en|HMS Carysfort (1766)}}に乗艦して[[西インド諸島]]での任務に向かうことだった。ハンターはそこで、沿岸地域や、ハバナのスペインの複数の砦の海図や平面図を作り、[[海軍本部 (イギリス)|海軍本部]]へ送った。[[1771年]]、ケリーズフォートは[[フロリダ湾]]を、案内人によって航海している際に{{仮リンク|マルティール礁|en|Carysfort Reef}}で座礁し、もう少しで壊れる所だったが、ハンターの尽力により、[[マスト]]と大砲をいくつか失っただけですんだ<ref name="DNB294"/>。
[[1772年]]から[[1775年]]まで、ハンターは[[インド]]で航海長として[[イントレピッド (戦列艦・2代)|イントレピッド]]に乗務した。その前は[[ケント (戦列艦・4代)|ケント]]で航海長を務めた。この当時ケントの艦長は、ネプチューンにハンターと共に乗艦していたジョン・ジャーヴィスだった。ジャーヴィスは次に配属された{{仮リンク|フードロイアント|en|HMS Foudroyant (1758)}}にハンターを転属させた。この時やはりフードロイアントで、パーサーとして任務に就いていた{{仮リンク|イーヴァン・ネピーン|en|Evan Nepean}}は、後にトップレベルの文官となり、海軍本部第一秘書官となった。ハンターは[[1776年]]に、フードロイアントから[[イーグル (戦列艦・3代)|イーグル]]に転属された。これは[[リチャード・ハウ]]の要請によるもので、ハウはこの時、イーグルを旗艦とした艦隊の最高指揮官として、北アメリカに向かおうとしていた<ref name="DNB294"/>。
==アメリカ独立戦争==
[[File:Auguste Chesapeake.jpg|thumb|180px|right|チェサピーク湾の海戦]]
アメリカ独立戦争が勃発し、ハンターはハウが指揮官の間はハウのもとで任務について、事実上の艦隊旗艦航海長として働いた。{{仮リンク|サンディフック|en|Sandy Hook}}の防御はもちろん、[[チェサピーク湾の海戦]]と、[[デラウェア州|デラウェア]]遠征にもハンターは意欲的だった。ハウが召喚され,[[ジョン・モンタギュー (第4代サンドウィッチ伯爵)|ジョン・モンタギュー]]が指揮官になってからはハンターは疎んじられた。海尉に任命されると言う願いは聞き届けられなかったが、代わりに、1779年に74門艦の[[ベリック (戦列艦・4代)|ベリック]]に{{仮リンク|ボランティア・パー・オーダー|en|Volunteer-per-order}}として配属されて、{{仮リンク|キース・スチュワート|en|Keith Stewart}}艦長のもとで任務についた<ref name="DNB294"/>。[[1780年]]、{{仮リンク|チャールズ・ハーディ|en|Charles Hardy}}館長のユニオンにボランティアとして転属されることになったものの、海軍本部がこの転属の確認を拒み、ハンターはバーウィックにボランティアとして乗艦して、西インド諸島へ向かった。ここでハンターは最高指揮官[[ジョージ・ロドニー|ジョージ・ブリッジズ・ロドニー]]からの委託を受け、[[1781年]]にバーウィックで[[グレートブリテン王国|イギリス]]に戻り、その年の[[8月5日]]に[[ドッガー・バンク海戦 (1781年)|ドッガーバンクの海戦]]に参戦した[[1782年]]、ハウはハンターを旗艦[[ヴィクトリー (戦列艦)|ヴィクトリー]]の三等海尉に任命し、後に[[ジブラルタル包囲戦]]と{{仮リンク|スパルタル岬の海戦|en|Battle of Cape Spartel}}の時に、一等海尉に昇進した。この一連の交戦の後、[[1782年]][[11月12日]]に、ハンターは14門[[スループ]]艦{{仮リンク|マルキ・ド・セニュレ|en|HMS Marquis de Seignelay}}で初めて指揮を執った<ref name="DNB295">{{Cite book| first=J.K.|last=Laughton|authorlink=John Knox Laughton|chapter=Hunter, John (1738-1821)| title=Dictionary of National Biography|year=1891|page=295|url=http://en.wikisource.org/wiki/Hunter,_John_%281738-1821%29_%28DNB00%29}}</ref>。
{{仮リンク|第一艦隊|en|First Fleet}}の準備が整いつつある中で、ハウは海軍第一卿に任じられ、ハンターを[[1786年]][[12月15日]]に{{仮リンク|勅任艦長|en|Post-captain}}に昇進させるよう手はずを整え、{{仮リンク|シリウス|en|HMS Sirius (1786)}}の指揮官にした。この艦隊は[[准将]]アーサー・フィリップが全権を掌握しており、フィリップは新植民地であるニュー・サウス・ウェールズの総督の引き継ぎに向かった<ref name="DNB295"/>。ハンターは、フィリップが死亡した場合、または帰国した場合は総督の地位を引き継ぐようにとの、秘密命令を保持していた<ref name=ADB/>。
==オーストラリア探検とタスマニアの発見==
[[File:Breakfast Point Park.JPG|thumb|200px|left|ブレックファスト・ポイントの公園]]
ハンターは[[1788年]]初頭に、パラマタ川の探検のための遠征を率いた。この遠征は探検とパラマタ川の水深測定が目的で、パラマタ川沿いのアイアン・コーブ、ファイブドック湾、{{仮リンク|ヘンアンドチキン湾|en|Hen and Chicken Bay}}に向かった。この探検は大きな意味を持った、それというのも、イギリス人と[[アボリジニ|オーストラリア原住民]]が初めて出会ったのが、{{仮リンク|ワンガル族|en|Wangal people}}が所有していたこの地であったからだ。[[1788年]][[2月5日]]のことだった。{{仮リンク|ウィリアム・ブラッドレー|en|William Bradley (Royal Navy officer)}}の航海日誌によれば、この原住民との接触はハンターが[[朝食]]を摂っている時のことで、それがこの郊外地の名前、{{仮リンク|ブレックファスト・ポイント|en|Breakfast Point, New South Wales}}として残されている<ref>[http://www.australianscottishheritage.com/governor_john_hunter.html Governor John Hunter]</ref>。ディクソン調査図書館にはこの遠征隊の[[地図]]の写しがあり、『シリウス号艦長ジョン・ハンターによる探検としての、ボタニー湾、ポート・ジャクソン、そしてブロークン湾の海岸と港の地図』（Chart of the coasts and harbours of Botany-Bay, Port-Jackson and Broken-Bay, as survey'd by Capt.n John Hunter of H.M.S. Sirius.
）という見出しがつけられている<ref>[http://trove.nla.gov.au/work/9596653?l-format=Map&versionId=11136033 Chart of the coasts and harbours of Botany-Bay, Port-Jackson and Broken-Bay, as survey'd by Capt.n John Hunter of H.M.S. Sirius]</ref>。
[[File:Norfolk Island jail8.jpg|thumb|200px|right|ノーフォーク島の監獄跡]]
ハンターは1788年の10月、[[喜望峰]]に物資を輸送するようにとの命令を受けた。[[ホーン岬]]を回って喜望峰へ向かい、[[1789年]]にニューサウスウェールズへ戻った。こうしてハンターは、世界を一周したわけである。この航海は艦に漏れが生じたためかなり困難なものとなり、しょっちゅうポンプで水を吸い上げなければならなかった。シリウスはその後修理され、多くの受刑者を乗せて[[ノーフォーク島]]へ派遣されたが、目的地に投錨した時に猛烈な嵐に遭って、[[サンゴ礁]]に突っ込み、座礁した<ref name="DNB295"/>。乗員の多くが[[ブリッグ]]船{{仮リンク|サプライ|en|HMS Supply (1759)}}で{{仮リンク|ポートジャクソン|en|Port Jackson}}へ戻り、ハンターを含むそのほかのものは、救出されるまで1年近くこの島で暮らした。ハンターと乗員数名は貸し出されたワークザームハイトで、長くつらい航海の後イギリスへ戻った。[[1792年]]4月にやっとポーツマスに着き、ハンターはシリウスを失ったかどで[[軍法会議]]にかけられたが、無罪放免された<ref name="DNB295"/>。その後ハンターは、自分の関心事である『アーサー・フィリップ総督の航海本以来の、ニューサウスウェールズと南太平洋での発見、ポートジャクソン、そしてノーフォーク島における歴史的な報告の記録』（An Historical Journal of the Transactions at Port Jackson and Norfolk Island, With the Discoveries That Have Been Made in New South Wales and the Southern Ocean Since the Publication of Phillip's Voyage）の出版準備に入った。[[1793年]]の初頭に出版されたこの本は、その年の後半には短縮版が登場した。この本の初版には、オーストラリア本島とタスマニアの間に海峡が存在する可能性の、もっとも初期の言及が見出される。126頁でハンターはこう述べている。「理由があるから信じる、この地には非常に深い湾または海峡のいずれかがあり、それが多分ファン・ディーメンの島（タスマニア）とニューホランド（オーストラリア）を分け隔てている<ref name=DAB/>。」
ハンターがイギリスに戻っていたその当時に、[[フランス革命戦争]]が起きた。ハンターは再びボランティアとして100門艦の[[クイーン・シャーロット (戦列艦・初代)|クイーン・シャーロット]]に乗った、これは彼の昔からの保護者であるハウの旗艦だった。[[1794年]][[6月1日]]、ハウは[[栄光の6月1日]]に参戦し、1795年までこの艦を旗艦とした。[[1793年]][[7月]]にアーサー・フィリップがニューサウスウェールズ総督を辞任し、ハンターはその年の10月に総督に志願して、[[1794年]]1月に総督に任命された。さまざまな遅れが生じて、[[1795年]]2月にハンターはやっと出航することができた。ハンターを乗せた{{仮リンク|リライアンス|en|HMS Reliance (1793)}}は1795年[[9月7日]]にシドニーに着き、[[9月11日]]に総督に就任した<ref name=ADB/>。
==総督時代==
[[File:Matthew Flinders statue Sydney 2012-09-21.jpg|thumb|180px|right|シドニーにあるマシュー・フリンダースの像]]
ハンターの苦難はシドニーに着く前から始まっていた。1793年、総督任期の終わりにフィリップがオーストラリアを去って、その後2年間軍の支配下にあったのだ。総督代理の{{仮リンク|フランシス・グロース|en|Francis Grose (British Army officer)}}は囚人たちを無慈悲に自分のことでこき使い、ラム酒の取引が大々的に生じていた。この取引に関わった官僚たちは、それで大儲けをしていた。彼らは[[法廷]]を支配しており、土地、税関倉庫そして受刑者の労働の管理を手中にしていた。ハンターは、これらの権力を文民行政に戻さなければならないとさとったが、これは難しかった。そして{{仮リンク|ジョン・マッカーサー|en|John Macarthur (wool pioneer)}}は、商業利権を情け容赦なく守るためにハンターと敵対していた。ハンターは自分が実質孤立無援であることに気付いた。仮により権力のある人物が、士官を逮捕して家に帰したとしても、仮にハンターがそうしたとしても、ハンターは恐らく[[ウィリアム・ブライ]]の時代に起きた[[ラム酒の反乱]]のような反乱を既にこの時代に引き起こしたかもしれない。ハンターの家にまで何通もの匿名の手紙が来て、当局はハンターを、彼が阻止しようと努力している反乱に加担したかどで告発した。ハンターは自分への告発に激しく抗弁したにもかかわらず、[[1799年]][[11月5日]]に[[ウィリアム・キャヴェンディッシュ＝ベンティンク (第3代ポートランド公爵)|ポートランド公爵]]は公文書を送ってハンターを召喚した。公爵は3人の護国卿の一人だった。ハンターは[[1800年]][[4月20日]]に、公爵に公文書を受け取ったことを知らせ、同年[[9月28日]]に、植民地政府を[[フィリップ・ギドリー・キング]]に引き渡してイギリスへ戻った。母国に戻ったハンターは、政府高官に自分が潔白であることを示そうと努力したが、なんらその機会を与えられなかった。ハンターは自らの言い分を長い冊子にまとめざるをえなくなった。これは[[1802年]]に出版され、『ハンター総督によるニューサウスウェールズ常設軍の経費の大元への批評 この経費の削減と経費乱用に打ち勝つための心得』（Governor Hunter's Remarks on the Causes of the Colonial Expense of the Establishment of New South Wales. Hints for the Reduction of Such Expense and for Reforming the Prevailing Abuses）という見出しがつけられた<ref name=ADB/>。これは初期のオーストラリア史にとって価値のある文献となった。
ハンターは勇敢で善良な官僚であったが、彼がおかれた環境は、彼が完璧な総督であることを困難にさせた。彼の後継者のキングが語ってように、ハンターの指揮は「非常に高潔な意図に導かれて」いた。そして、「支援や情報や、アドバイスを求めていた人々に最も屈辱的な形で騙されたいたと思われる」。オーストラリア滞在中にハンターは「たとえ大きな心の平穏を得ていたとしても、また刑務所で時を過ごしたとしても、同じくらいの慰めを得ることができた」ハンターは探検やシドニー近郊の土地の開拓ではいい仕事をしたし、また、[[マシュー・フリンダース]]や[[ジョージ・バス (探検家)|ジョージ・バス]]の探検も奨励した。ハンターはオーストラリアを去ってからも、この植民地への興味を持ち続け、冊子中にほのめかされた改革には大きな価値があった。1798年にヨーロッパ人によって初めて[[カモノハシ]]が発見され、その毛皮とスケッチを本国に送ったのもハンターだった<ref name="Paradox">{{cite journal|journal=BioScience|title=The Paradoxical Platypus|author=Brian K. Hall|volume=49|issue=3|pages=211–218|publisher=American Institute of Biological Sciences|date=1999-03|doi=10.2307/1313511|jstor=1313511}}</ref>。
==晩年と墓所==
[[Image:HunterTomb.JPG|thumb|180px|right|セント・ジョン・アト・ハックニー教会にあるハンターの墓]]
1804年、ハンターは74門艦[[ヴェネラブル (戦列艦・初代)|ヴェネラブル]]をまかされ、[[ブレスト (フランス)|ブレスト]]沖の[[ウィリアム・コーンウォリス]]提督の艦隊で任務についた。[[11月24日]]、ハンターがトーベイの外に艦を出したとき、急に厚い霧が立ち込めた。艦隊は、それぞれの艦の位置も今自分たちがいることろもわからず、艦隊内は混乱した。ハンターは2度、他の艦との衝突をきわどく避けたが、午後8時にペイントンの近くに崖の上に座礁し、その後まもなく船底に穴が開いた。その時この地域を強風が吹き荒れ、ヴェネラブルはたちまち粉々になり、乗員はあまり損害を出さずに{{仮リンク|インペテュー|en|French ship America}}に引き上げた。ハンターはまたも軍法会議に出廷し、そしてまたも無罪放免された<ref name="DNB295"/>。
[[1807年]][[10月2日]]、ハンターは[[少将]]に昇進し、そして[[1810年]][[7月31日]]には[[中将]]に昇進したが、艦に自分の旗を揚げることはなかった。ハンターは晩年はロンドンの[[ハックニー・ロンドン特別区|ハックニー区]]のニューロード、ジャドストリートで過ごし、[[1821年]][[3月13日]]にそこで死去した<ref name="DNB295"/>。彼の墓はセント・ジョン・アト・ハクニー教会の墓地にある。
シドニー北部のハンター川、ハンターバレーは彼にちなんで名づけられた。シドニー郊外のハンターヒル、ニューキャッスルのジョン・ハンター病院（一部のみ）も同様である。[[1986年]]、[[オーストラリア郵便公社]]はハンターの栄誉を称え、彼の[[肖像画]]をあしらった切手を発行した<ref>[http://www.australianstamp.com/images/large/0015900.jpg]</ref>。
== 注釈 ==
<references group="注釈" />
==脚注==
{{reflist}}
==関連図書==
* ''The Life of John Hunter, Navigator, Governor, Admiral", [[Arthur Hoyle]], Mulini Press, Canberra, 2001
* "The HUNTER Sketchbook: Birds & Flowers of New South Wales drawn on the Spot in 1788, 89 & 90 By Captain John Hunter RN of the First Fleet", John Calaby, editor, National Library of Australia, Canberra, 1989
==外部リンク==
{{Commons category|John Hunter (Royal Navy officer)}}
* [http://www.npg.org.uk/live/search/person.asp?search=ss&sText=john+hunter&LinkID=mp53659 Portraits of Hunter] in the [[National Portrait Gallery, London]].
*[http://library.sl.nsw.gov.au/search/X(%20Chart%20of%20the%20coasts%20and%20harbours%20of%20Botany-Bay)&SORT=D/X(%20Chart%20of%20the%20coasts%20and%20harbours%20of%20Botany-Bay)/1%2C2%2C2%2CB/l856&FF=X%28+Chart+of+the+coasts+and+harbours+of+Botany-Bay%29&2%2C2%2C%2C1%2C0 ''Chart of the coasts and harbours of Botany-Bay, Port-Jackson and Broken-Bay, as survey'd by Capt.n John Hunter of H.M.S. Sirius'']
* {{gutenberg author| id=John_Hunter | name=John Hunter}}
* {{cite web |last=Prentis |first=Malcolm |url=http://nsw.uca.org.au/presbyterian100/greataussies.htm |title=Great Australian Presbyterians: The Game |publisher=Uniting Church in Australia |accessdate=7 March 2007 |archiveurl = http://web.archive.org/web/20061211164227/http://nsw.uca.org.au/presbyterian100/greataussies.htm <!-- Bot retrieved archive --> |archivedate = 11 December 2006}}
{{Authority control|VIAF=107938810}}
{{Persondata <!-- Metadata; see [[wikipedia:Persondata]] -->
|NAME=Hunter, John
|ALTERNATIVE NAMES=
|SHORT DESCRIPTION=British [[Royal Navy]] officer, explorer, naturalist and colonial administrator
|DATE OF BIRTH=29 August 1737
|PLACE OF BIRTH=[[Leith]], [[Scotland]]
|DATE OF DEATH=13 March 1821
|PLACE OF DEATH=Hackney, London
}}
{{DEFAULTSORT:Hunter, John}}
[[Category:イギリス海軍の軍人]]
[[Category:アメリカ独立戦争の人物]]
[[Category:ニューサウスウェールズ州の人物]]
[[Category:総督]]
[[Category:オーストラリアの政治家]]
[[Category:イギリスの探検家]]
[[Category:イギリスの生物学者]]
[[Category:スコットランド史の人物]]
[[Category:1737年生]]
[[Category:1821年没]]
{{先代次代|[[ニューサウスウェールズ知事|ニューサウスウェールズ総督]]|1795年 - 1800年|[[アーサー・フィリップ]]|{{仮リンク|フィリップ・キング|en|Captain Philip King}}}}
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