「メルセデス・ベンツ・Sクラス」の版間の差分

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Sクラスがフラグシップモデルに位置することから、「Sクラス」の呼称が用いられる以前のメルセデス・ベンツの以下の車種は、Sクラスの源流であると考えられる。
 
=== Type220タイプ220 W187(1951年-1955年) ===
[[ファイル:Mercedes Benz 220 W187.jpg|thumb|220px|right|W187]]
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タイプ220 (W187) は、[[1951年]]のフランクフルトモーターショーで初公開された。[[第2次世界大戦]]後の復興初期は多気筒型のメルセデス乗用車の系譜が途絶えており、西ドイツ市場の中級6気筒車のシェアは戦後いち早く生産再開した[[オペル・カピテーン]]に蚕食されていた。その対抗車として開発されたW187は、戦前以来唯一生産の続いていたメルセデスで4気筒モデルの170V([[メルセデス・ベンツ W136|W136シリーズ]])をベースに、シャーシ・ノーズを延長して埋め込みヘッドライトを採用、6気筒エンジン搭載型とした過渡的モデルである。搭載されたエンジンは新たに開発された2,195 cc195ccの[[SOHC]][[直列6気筒]](直6)エンジンで82HPの高出力を誇り、発揮し最高速度140 km140km/hを可能にした(当時のカピテーンは2.5L級だが出力58HPに留まり、メルセデスの優位性が際だった)。ボディは4ドアセダン、2ドアクーペ、2ドアカブリオレがラインナップされていた。
 
=== Type300タイプ300 W186/W188/W189(1951年-1960年) ===
[[ファイル:Mercedes-Benz 300d am 2006-10-27 retusch.jpg|thumb|220px|right|W189 300dリムジン]]
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[[1958年]]には、後期型のW128が登場し、[[1961年]]まで製造された。
 
=== Fintailフィンテール W111/W112(1959年-1971年) ===
[[ファイル:Mercedes-Benz W111 Ilmenau.jpg|thumb|220px|right|W111]]
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なお、同じプラットホームを持つW110があるが、こちらはEクラスの系統とする説が有力になっている。
 
=== Type600タイプ600 W100(1963年-1981年) ===
W112のリムジンの後継モデルで、W108/W109の原型となったモデル。{{main|メルセデス・ベンツ W100}}
[[ファイル:Mercedes-Benz 600 vl silver TCE.jpg|thumb|220px|right|W100]]
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W112のリムジンの後継モデルで、W108/W109の原型となったモデルである。limousine(リムジン 日本では一般的にいうセダン)は2190台、Pullmann (プルマン 日本では一般的にいうリムジン)は487台製作された。
<!--limousine・Pullmannともエンジンは共用である<br>
V8 OHC      (M100)<br>
ボア・ストローク   103mm×95mm(4.06×3.74 in)<br>
キャパシティー    6332cc (386.3 ci in)<br>
出力          250 hp(DIN) @ 4000rpm (300 hp SAE @ 4100 rpm)<br>
圧縮比        9.0:1<br>
トルク         51 mkg @2800 rpm (434 ft/lbs @ 3000)<br>
燃料装置       Bosch eight plunger pump<br>
100km/h走行時  2475 rpm<br>
ギア レシオ     I.  3.98:1 (12.86) <br>
            II. 2.52:1 (8.14)<br>
            III. 1.58:1 (5.10)<br>
            IV. 1.00:1(3.23)<br>
 
<br>
limousine・Pullmannとは、根本的にはホイールベースの違いで区別される。<br>
limousine<br>
シャーシ        unit frame and body<br>
サスペンション     前独立 後単継手スイングアクスル,エアサスペンション<br>
ブレーキ        ディスク, 291/294.5mm(114.6/115.9 in) 油圧補助<br>
ホイルベース      3200mm(126 in)<br>
車輪離 F/R       1587/1572mm(62.5/62 in)<br>
全長          5540mm(218 in)<br>
車幅          1950mm(76.8 in) <br>
高さ          1500mm(59.5 in)<br>
地上高         200mm(7.9 in)<br>
タイヤ         9.00 × 15 super sport<br>
最小回転半径      12.4mm(40.7 ft)<br>
ハンドル        再循環ボール式、サーボアシスト 17.3:1(3.3 回転)<br>
重量          2470 kg(5434 lbs)<br>
最高速度        205 km/h(127mph)<br>
加速性能        10sec 0-100/h<br>
燃料消費量       24 liters,super/100km(10.2 mpg)<br>
燃料タンク容量     112 liters(30 gallons)<br>
Pullmann<br>
シャーシ        unit frame and body<br>
サスペンション     前独立 後単継手スイングアクスル,エアサスペンション<br>
ブレーキ        ディスク, 291/294.5mm(114.6/115.9 in) 油圧補助<br>
ホイルベース      3900mm(153.5 in)<br>
車輪離 F/R       1587/1572mm(62.5/62 in)<br>
全長          6240mm(246 in)<br>
車幅          1950mm(76.8 in) <br>
高さ          1510mm(59.5 in)<br>
地上高         200mm(7.9 in)<br>
タイヤ         9.00 × 15 super sport<br>
最小回転半径      14.6mm(47.8 ft)<br>
ハンドル        再循環ボール式、サーボアシスト 17.3:1(3.3 回転)<br>
重量          2470 kg(5808 lbs)<br>
最高速度        200 km/h(124mph)<br>
加速性能        12sec 0-100/h<br>
燃料消費量       26 liters,super/100km(9 mpg)<br>
燃料タンク容量     112 liters(30 gallons)<br>-->
 
=== W108/W109(1965年-1972年) ===
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[[ファイル:Mercedes w116 v sst.jpg|thumb|220px|right|W116]]
{{main|メルセデス・ベンツ W116}}
W108/W109の後継であるW116は[[1972年]]に登場した。このW116から正式に「'''Sクラス'''」と名付けられた。前モデルのW108/W109と大きく変わったのが、外見の[[デザイン]]である。特に、[[前照灯|ヘッドライト]]はW108/W109が縦目のヘッドライトだったのに対し、W116は現在の乗用車と同じような横長の異型ヘッドライトを採用している。ターンシグナルレンズは大型化されている。
 
エンジンは2,800 cc800ccの直6、3,500 cc500ccと4,500 cc500ccのV8に加え、戦後最大級となる6,900 cc900ccのV8エンジンがラインナップされていた。この他米国とカナダ向けの3,000 cc000cc[[直列5気筒|直5]][[ターボ]][[ディーゼルエンジン]]もあった。
 
安全面では[[交通事故|事故]]の衝撃から乗員を守るパッセンジャーセルをはじめ、リア車軸上に設置された[[自動車用フューエルタンク|フューエルタンク]]、運転者の傷害を軽減する4本スポーク・ステアリングなどの採用がある。さらに[[1978年]]には[[ロバート・ボッシュ (企業)|ボッシュ]]製の電子制御[[アンチロック・ブレーキ・システム|ABS]](前輪)のオプションが新たに設定された。
 
全世界で47万3473,035台売れ、歴代SクラスではW126の次に売れたモデルとなっている。
 
=== 2代目 W126(1979年-1991年) ===
[[ファイル:Mercedes-Benz 500 SE, 1987.jpg|thumb|220px|right|W126]]
{{main|メルセデス・ベンツ W126}}
W126は、[[1979年]]9月に[[フランクフルト国際モーターショー]]で初公開された。側面には「サッコプレート」と呼ばれる大型のプロテクターが付き、他車のデザインにも少なからず影響を与え、流行のスタイルとなった。ドアサッシュはボディと同色に塗られ、メッキモールディングが施されている。歴代モデルでは、最長の12年間の長きにわたって製造・販売された。
 
主な安全機構に、[[エアバッグ]]や衝突時に[[シートベルト]]を巻き上げる「[[プリテンショナー|シートベルトプリテンショナー]]」がある。500SELには「ハイドロニューマチックサスペンション」がオプション設定される。[[オートマチックトランスミッション]]は4速となった。
 
初期のエンジンラインナップは、直6の2.8L, V8の3.8L, 同5L, 直5ターボディーゼルの3Lであった。
 
年次改良では直6の2.8Lが3Lに、V8の3.8Lが4.2Lに、同じくV8の5Lが5.6Lに排気量アップされ、直5ターボディーゼルの3Lは6気筒化された後、3.5Lに排気量アップしている。
 
他国の初期仕様は本国仕様とパワーの差が大きかったため、並行輸入車を買い求めるオーナーも少なくなかった。
 
全世界のW126の総販売台数は81万8818,063台に上る。12年間販売されたためであるが、年間の販売台数に換算しても歴代トップの売れ行きである。
 
=== 3代目 W140(1991年-1998年) ===
[[ファイル:Mercedes W140 front 20071109.jpg|thumb|right|W140]]
{{main|メルセデス・ベンツ W140}}
W140は歴代Sクラスの中でもボディサイズが一番大きいモデルである。ドアサッシュは細く、センターピラーはブラックアウトされ、ボディと一体化したフラッシュサーフェス構造となり、空気抵抗の軽減を図っている。フロントマスクは先代のデザインを継承しつつも、傾斜のきついスラントノーズとなり、W126の気品さとは一味違う、押し出しのある力強いデザインとなった。サイドウィンドウは2重となった。大きく重くなった車体は、欧州の環境保護団体から攻撃されたために販売は好調とは言えなかった。
 
1994年の後半にマイナーチェンジが実施され、モデル名表記が変更され、従来の500SELから、S500等となった。外装面では、従来アンバー色だったフロントターンシグナルレンズがクリア化された。ただし、米国仕様の場合、灯火規定で一部がアンバー色となっている。テールレンズのデザインも変更された。[[V型12気筒|V12]]エンジン車のグリルは、目の細かいグリルに変更されている他、車体の軽量化も図られた。
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W140の発売当初、欧米ではV12エンジンは人気がなく低排気量エンジンが好まれた。EクラスがW210にモデルチェンジするまでは、同じ価格帯のEクラスとSクラスを比較した場合、Sクラスの下位モデルを選ぶ傾向が多かった。
 
全世界の総販売台数は、40万6406,532台であった。
 
=== 4代目 W220(1998年-2005年) ===
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装備面では「ナビゲーションシステム」の導入や、余分な燃料消費を抑えるため、シリンダーを一部カットする「アクティブシリンダー」の採用などがある。また、Sクラスでは初の4輪駆動車である「4MATIC」が登場した。
 
W220は高額な車種であるにも関わらず、先代モデルより親しみやすいデザインとサイズになったため、総生産台数が48万5485,000台と、販売面では好調だった。
 
=== 5代目 W221(2005年- ) ===
[[ファイル:Mercedes-Banz S65 AMG front Tx-re.jpg|thumb|220px|right|W221(S65 AMG ロング)]]
{{main|メルセデス・ベンツ W221}}
現行モデルであるW221は、[[2005年]]9月の[[フランクフルトモーターショー]]でデビュー。日本では、同年10月より販売を開始した。
 
先代のW220の反省からより贅沢に、Sクラスらしい品格を取り戻している。ボディサイズは拡大されたが、前後が絞られサイズの割にはやや小ぶりに見える、オーナードリブンカーを意識したデザインになっている。大きめのキャビンと短めのトランクリッドは世界のトレンドに沿ったものとなった。
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センターコンソールからシフトレバーが消え、初めて運転する人には違和感を与えることがある。
 
新設計の3.5L V6エンジンと5L V8エンジンは、パワーアップと低燃費化が図られている。このほかV12ターボエンジンもラインナップされる。ディーゼルエンジンの設定もあるが、日本仕様にはない。
 
== 外部リンク ==