「加藤和宏 (JRA)」の版間の差分
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|体 = 53kg
|血 = A型
|団 =
|厩 = [[二本柳俊夫]]・[[中山|中山]]-[[美浦トレーニングセンター|美浦TC]](1975
|初 = 1975年
|区 = 平地
|引 = 2005年2月28日
|重 =
|G1 = 7勝(中央6勝/地方
|通 = 6536戦610勝<br />(中央6476戦604勝/地方59戦6勝)
|調初 = [[2005年]](同年開業)
|調重 = 3勝(中央2勝/国外1勝)
|所 = [[美浦トレーニングセンター]]▼
|調G1 = 1勝(国外1勝)
|調通 =
▲|所 = [[美浦トレーニングセンター|美浦T.C.]] (2005年- )
}}
'''加藤 和宏'''(かとう かずひろ、[[1956年]][[3月4日]] - )は、[[日本中央競馬会]] (JRA) [[美浦トレーニングセンター]]に所属する[[調教師]]
1975年に中央競馬で騎手デビュー。所属する[[二本柳俊夫]][[厩舎]]の[[主戦騎手]]として2年連続の[[JRA賞|JRA年度代表馬]]となった[[ホウヨウボーイ]]や、[[東京優駿|東京優駿(日本ダービー)]]優勝馬[[シリウスシンボリ]]など4頭の[[八大競走]]・[[競馬の競走格付け|GI級競走]]優勝馬に騎乗、また[[騎手#フリー|フリー]]となってからも[[エリザベス女王杯]]に優勝した[[ホクトベガ]]などに騎乗した。2005年に騎手を引退し、調教師に転身。主な管理馬に[[オーストラリア]]のGI競走[[オールエイジドステークス]]に優勝した[[ハナズゴール]]がいる。
[[高崎競馬場]]に所属していた騎手で現在は[[金沢競馬場]]調教師の[[加藤和宏 (NAR) |加藤和宏]]は[[同姓同名]]の別人である<ref>1999年の日経賞では、中央の加藤和宏がシグナスヒーローに、高崎の加藤和宏がリキアイフルパワーに騎乗し、同一競走、しかも重賞競走で2人の「加藤和宏」が騎乗するという非常に珍しい記録となった(シグナスヒーロー5着、リキアイフルパワー6着)。</ref>。▼
同じくJRA騎手であった[[加藤士津八]]は長男。他に息子の1人が[[小島太]]厩舎の厩務員をしている。
== 来歴 ==▼
1956年、北海道[[夕張市]]に生まれる。小学2年生の時に父親の家業の関係で、馬産が盛んな[[浦河町]]に移り住んだが、少年期は特別に騎手を志してはいなかった<ref>木村 263頁。</ref>。中学3年生のとき、調教師の[[二本柳俊夫]]が騎手候補生を探していたところ、近所の牧場が小柄で運動神経に優れた加藤を紹介する<ref>加藤は中学時代に[[体操競技|体操]]部に所属し、地域で指折りの選手であった。(木村 262頁)</ref>。これがきっかけとなって中学校卒業後の1972年、[[馬事公苑]]騎手養成長期課程に第22期生として入所した。同期生には[[根本康広]]、[[佐々木晶三]]などがいる。▼
▲[[高崎競馬場]]に所属していた騎手で現在は[[金沢競馬場]]調教師の[[加藤和宏 (NAR) |加藤和宏]]は[[同姓同名]]の別人である<ref group="注">1999年の日経賞では、中央の加藤和宏がシグナスヒーローに、高崎の加藤和宏がリキアイフルパワーに騎乗し、同一競走、しかも重賞競走で2人の「加藤和宏」が騎乗するという非常に珍しい記録となった(シグナスヒーロー5着、リキアイフルパワー6着)。</ref>。
=== 生い立ち ===
▲1956年、北海道[[夕張市]]に生まれる<ref name="kimura">木村(1994)pp.262-264</ref>。父親は[[炭鉱]]労働者であったが、炭鉱業の斜陽を見越して加藤が小学2年生の時に
=== 騎手時代 ===
騎手課程修了後の1975年に騎手免許を取得し、二本柳厩舎所属でデビュー。初年度は4勝に終わったが、2年目から徐々に勝利数を増や
1989年、二本柳厩舎を離れ、[[フリーランス|フリー]]となる。以後勝利数が30勝前後で安定、1993年の[[エリザベス女王杯]]では、[[ホクトベガ]]に騎乗して[[二冠馬|二冠牝馬]][[ベガ (競走馬)|ベガ]]等を退け、[[馬場鉄志]]による「ベガはベガでもホクトベガ」の実況で知られる波乱を起こした。以後も毎年重賞を制し、1999年には[[ワールドクリーク]]で[[地方競馬]]の[[ダートグレード競走|統一GI競走]]・[[東京大賞典]]に優勝した。
=== 調教師時代 ===
2005年、[[美浦トレーニングセンター]]に厩舎を開業。初出走は同年[[5月28日]][[東京競馬場|東京競馬]]第4競走のビクトリアスで3着。初勝利は同年[[10月29日]]東京競馬第1競走のアリマエクセレントで、延べ54頭目であった。[[2012年]][[3月3日]]の[[チューリップ賞]]を[[ハナズゴール]]で制し、重賞初勝利。
== シリウスシンボリ
加藤がシリウスシンボリと1985年のクラシック戦線に臨む際、同馬の
岡部が騎乗したシリウスは若葉賞を快勝したが、加藤で臨むはずだったNHK杯は脚部不安で回避となり、日本ダービーへは直行となった<ref name="nohira2" />。加藤はこの日本ダービーで冷静な騎乗を見せ<ref>野平(1986)pp.218-219</ref>、騒動を振り払っての優勝を果たした。競走後のインタビューでは自らの好む映画『[[ロッキー2]]』の主人公に倣い、観客の面前で妻の名を叫んだ<ref>木村(1994)p.268</ref>。和田は風邪を理由として競馬場に姿を見せず<ref name="ichimaru" />、競走後には、加藤のスパートは早すぎた、ゴール後にガッツポーズをしたのは安全面へのプロ意識に欠ける、といったコメントを出した<ref>野平(1986)p.220</ref>。日本ダービーのあとシリウスシンボリはヨーロッパ遠征を行い、加藤や二本柳の手を離れることになった。
== 騎手成績 ==▼
== 成績 ==
▲=== 騎手成績 ===
{| class="wikitable" style="font-size:100%; text-align:right; border-collapse:collapse; padding: 1px;"
!通算成績!!1着!!2着!!3着!!4着以下!!騎乗回数!!勝率!![[連対率]]
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|[[平地競走|平地]]||601||542||594||4,725||6,462||.093||.177
|-
|[[障害競走|障害]]||3||0||0||
|-
|計||
|}
上記のほか地方競馬で59戦6勝。
{| class="wikitable" style="font-size:100%; text-align:center; border-collapse:collapse; padding: 1px;"
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|}
==== おもな騎乗馬 ====
※括弧内は加藤騎乗時の優勝重賞競走。
*[[ホウヨウボーイ]](1980年'''有馬記念'''、日経賞 1981年'''天皇賞・秋''')▼
'''八大競走・GI競走優勝馬'''
*[[シ
*[[アンバーシャダイ]](1983年天皇賞・春など重賞5勝)
*[[シリウスシンボリ]](1985年東京優駿)
'''その他重賞競走優勝馬'''
*シャダイコスモス(1985年[[中山牝馬ステークス]])
*[[ウインドストース]](1987年[[中日新聞杯]]、[[函館記念]]、[[ダービー卿チャレンジトロフィー]] 1988年ダービー卿チャレンジトロフィー)
*サシオギ(1990年[[タマツバキ記念]])
*ヒカルダンサー(1990年[[府中牝馬ステークス|牝馬東京タイムズ杯]])
*[[ダイナマイトダディ]](1992年[[中山記念]]、[[京王杯スプリングカップ]])
*ジャニス(1992年府中牝馬ステークス)
▲*[[ホクトベガ]](1993年'''[[エリザベス女王杯]]'''、[[フラワーカップ]])
*ゴーゴーナカヤマ(1995年[[京王杯2歳ステークス|京成杯3歳ステークス]])
*アジュディケーター(1996年京成杯3歳ステークス)
*[[アロハドリーム]](1997年[[中京記念]]、函館記念)
▲*[[ワールドクリーク]](1999年'''[[東京大賞典]]''')
*[[タヤスケーポイント]](1999年[[マーチステークス]]、[[プロキオンステークス]])
*[[ペインテドブラック]](1999年[[青葉賞]])
*[[ダイヤモンドビコー]](2002年[[府中牝馬ステークス]])
=== 調教師成績 ===
{| class="wikitable" style="font-size:100%; text-align:center; border-collapse:collapse; padding: 1px;"
!||日付||競馬場・開催||競走名||馬名||頭数||人気||着順
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|初勝利||2005年10月29日||4回東京7日1R||2歳未勝利||アリマエクセレント||10||4||1着
|-
|重賞初出走||2005年8月14日||1回札幌2日9R||クイーン
|-
|重賞初勝利||2012年3月3日||1回阪神3日11R||チューリップ賞||ハナズゴール||14頭||4||1着
|-
|GI初勝利||2014年4月26日||[[ロイヤルランドウィック競馬場|ロイヤルランドウィック]]6R||オールエイジドステークス||ハナズゴール||14頭||4||1着
|}
==== おもな管理馬 ====
'''GI競走優勝馬'''
*[[ハナズゴール]](2014年[[オールエイジドステークス]]など重賞3勝)
'''その他の管理馬'''
*[[ホクトスルタン]]([[庄野靖志]]厩舎へ転厩)
== 注釈・出典 ==
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"}}
=== 出典
{{Reflist}}
== 参考文献 ==
*野平祐二、芹沢邦雄『名騎手たちの秘密 - 野平祐二の実戦的騎乗論』(中央競馬ピーアール・センター、1986年)ISBN 978-4924426177
*西山茂行『馬主が書いた一日一言』(ミデアム出版社、1992年)ISBN 978-4944001286
*[[市丸博司]]『サラブレッド怪物伝説』(廣済堂出版、1994年)ISBN 4331652025
*木村幸治『馬の王、騎手の詩』(宝島社、1994年)ISBN 4796608729
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