「尺貫法」の版間の差分

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尺貫法は[[中国]]が起源である。西洋の[[ヤード・ポンド法]]などと同様、当初は身体の一部の長さや、穀物の質量などが単位として使われていたが、次第に明確な定義が定められるようになった。その最たるものが[[前漢]]末、[[劉キン (学者)|劉歆]]の[[三統暦]]にある黄鍾秬黍説であり、長さは秬黍(きょしょ。クロキビ)の1粒の幅を1分(0.1寸)、[[黄鍾]]と呼ばれる音律を出す笛の管の長さを90分(9寸)とし、さらに黄鍾の管の容積(810立方分)を1龠(0.5合)、黄鍾の管に入る秬黍1,200粒の質量を12銖(0.5両)とした。この黄鍾秬黍説が後の度量衡制の基準となった。歴代の王朝が法令によって度量衡を定めたが、特に長さの単位は時代とともに長くなり、[[唐]]代以降は1寸が3cm程度でほぼ一定した。中国のほか、中国の影響を受けた東アジア一円([[日本]]、[[朝鮮]]など)で、その文化とともに取り入れられた。その後各地で独自の進化を遂げているが、値は中国の唐代のものからそれほど変化しておらず、元の値をほぼ保存している。
 
現在は、尺貫法を使用していた国はすべて[[国際単位系]]に移行しており、尺貫法を公式の単位としている国は存在しない。ただし例外的に中国、韓国では民間レベルでは尺貫法[[真珠]]取引単位が使われ続けており、日本で国際単位系の単位を使用しているが直径はセンチメートル日本[[ネックレス]]等住環境に適した尺度長さはインチしてされ日本家屋の設計基準として質量尺を基準とグラム表記て使われることで混乱を招いた歴史一般的である。しこと設計時の寸法はあくまで世界的に「[[メートル法]]を基準(もんめ、momme)」が国際単位とし、設計図等では尺をメートルに置き換え表記される。また、日本の映像業界(テレビ・映画等)では、セットを建る際などに尺貫法を主に使用しわれている。
 
=== 慣用的な利用法 ===
[[灯油]]などの燃料や塗料は[[一斗缶]]で販売されていたが、現在では[[日本工業規格]]Z1602-1995で定められた一斗(約18L)の容積を持つ金属缶「18リットル缶」が利用されており、名称を変更しただけで実質的には尺貫法が利用されている。
公式な単位として利用しなくなったとはいえ、民間レベルで尺貫法の単位が使われるケースや、国際単位系の単位を表記に利用しながらも尺貫法の値を元に計算を行う分野はみられる。日本の事例としては以下のものが挙げられる。
 
* 日本の住環境に適した尺度として、日本家屋の設計基準としては尺を基準として使われることが一般的である。しかし、設計時の寸法はあくまで[[メートル法]]を基準とし、設計図等では尺をメートルに置き換え表記される。また、日本の映像業界(テレビ・映画等)では、セットを建てる際などに尺貫法を主に使用している。
例外的に、[[真珠]]の取引単位は直径はセンチメートル、[[ネックレス]]等の長さはインチとされ、質量はグラム表記したことで混乱を招いた歴史があることから、世界的に「[[匁]](もんめ、momme)」が国際単位として使われている。建築や不動産関係では土地や床面積の面積として、[[畳]]2帖の面積に相当する「坪」が非公式ながら常用されている。不動産取引自体に直接「坪」という単位は使えないため、例えば住宅の建設費で、坪当たりの単価を示す場合には「坪あたり○万円」を使わず「3.3平方メートルあたり○万円」の形で表記される。
*[[建築]]業界などにおいて、* [[ベニヤ板]]などの板材の大きさを表すのに「3×6(さぶろく)」「4×8(しはち、よんぱち)」などといった呼称が用いられることがある。これらは長さを尺(曲尺)で表したもので、前者は3尺×6尺(= 90.9cm×181.8cm)、後者は4尺×8尺(= 121.2cm×242.4cm)の大きさの板材を指すことが多いが、いわゆるコンパネと呼ばれるコンポジットパネルでは同一の呼称を用いても 91cm×182cm や 90cm×180cm の製品が存在する。
例外的に、[[真珠]]の取引単位は直径はセンチメートル、[[ネックレス]]等の長さはインチとされ、質量はグラム表記したことで混乱を招いた歴史があることから、世界的に「[[匁]](もんめ、momme)」が国際単位として使われている。* 建築や不動産関係では土地の面積や床面積の面積として、36平方尺([[畳]]2帖の面積に相当)を表[[]]」が非公式ながら常用されている。不動産取引自体に直接「坪」という単位は使えないため、例えば住宅の建設費で、坪当たりの単価を示す場合には「坪あたり○万円」を使わず「3.3平方メートルあたり○万円」の形で表記される。
* 「[[一升瓶]]」は約1.8Lの液体を入れる瓶、「[[一斗缶]]」([[日本工業規格]]Z1602-1995では「18リットル缶」と呼称)は約18Lの液体を入れる缶の名称として用いられる。
* [[剣道]]では用具の規格等の呼称として随所に尺貫法時代の名残が見られる。例えば、[[竹刀]]の長さは慣用的に(曲尺の)寸単位で表され、「三八(さぶはち=約115cm)」「三九(さぶく=約118cm)」等と呼ばれる(ただし、現行の「剣道試合・審判細則」上における竹刀の長さの規定はcm単位である)。また手刺[[防具 (剣道)|防具]]においても、布団の刺し目の間隔を曲尺基準で「1分5厘(=約4.5mm)刺」「1分(=約3mm)刺」などと表す。[[袴]]の号数の呼び方は'''鯨尺の寸単位'''で表した裾丈の長さが基になっており、「25号」の剣道袴であれば裾丈がおよそ94.7cmとなる。
 
== 単位 ==
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*[[毛 (数)|毛]](毫) -- 10 000分の1尺(両)((昭和26年法律第208号)では定義されていない<ref>[[s:計量法施行法|計量法施行法]](昭和26年法律第208号)第5条第1号、第3号
</ref>。)
 
==その他==
*[[建築]]業界などにおいて、[[ベニヤ板]]などの板材の大きさを表すのに「3×6(さぶろく)」「4×8(しはち、よんぱち)」などといった呼称が用いられることがある。これらは長さを尺(曲尺)で表したもので、前者は3尺×6尺(= 90.9cm×181.8cm)、後者は4尺×8尺(= 121.2cm×242.4cm)の大きさの板材を指すことが多いが、いわゆるコンパネと呼ばれるコンポジットパネルでは同一の呼称を用いても 91cm×182cm や 90cm×180cm の製品が存在する。
*[[剣道]]では用具の規格等の呼称として随所に尺貫法時代の名残が見られる。例えば、[[竹刀]]の長さは慣用的に(曲尺の)寸単位で表され、「三八(さぶはち=約115cm)」「三九(さぶく=約118cm)」等と呼ばれる(ただし、現行の「剣道試合・審判細則」上における竹刀の長さの規定はcm単位である)。また手刺[[防具 (剣道)|防具]]においても、布団の刺し目の間隔を曲尺基準で「1分5厘(=約4.5mm)刺」「1分(=約3mm)刺」などと表す。[[袴]]の号数の呼び方は'''鯨尺の寸単位'''で表した裾丈の長さが基になっており、「25号」の剣道袴であれば裾丈がおよそ94.7cmとなる。
 
== 引用 ==