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|家紋=Hidari mitsudomoe.svg
|家紋名称=左三つ巴
|本姓=[[平氏桓武天皇|桓武]][[平氏]][[平良文|良文]][[土肥氏]]<br/>②[[源氏|清和源氏]][[源義光|義光]][[平賀氏]]
|家祖=[[小早川土肥遠平]]<br/>②[[|小早川平]]
|種別=[[武家]]<br/>[[華族]]([[男爵]])
|出身地=[[相模国]][[足柄下郡|足下郡]]小早川邑
|根拠地=[[安芸国]][[豊田郡]]沼田荘<br/>安芸国[[賀茂郡 (広島県)|賀茂郡]]竹原荘
|人物=[[小早川隆景]]<br/>[[小早川秀秋]]<br/>[[小早川毅彦]]
|支流=[[椋梨氏]]([[武家]])<br/>[[梨羽氏]]([[武家]])<br/>[[乃美氏]]([[武家]])<br/>[[浦氏]]([[武家]])<br/>[[生口氏]]([[武家]])<br/>[[小泉氏 (安芸国)|小泉氏]]([[武家]])など
}}
'''小早川氏'''(こばやかわうじ/こばやかわし)は、[[日本]]の[[氏族]]の一つ。著名な一族は、[[相模国]][[土肥郷]]を発祥とする、[[中世]]から[[近世]]にかけての[[武家]]。本宗家は[[江戸時代]]初期に断絶したが、[[明治時代]]に至り、[[毛利元徳]]の子・四郎が小早川家を再興した
__TOC__
<br clear="both" />
== 発祥 ==
[[相模国]]を本拠地とする[[平氏桓武天皇|桓武]][[平氏]][[土肥氏]]の分枝で、[[鎌倉時代]]初期、[[源頼朝]]に仕えた[[土肥実平]]の子・[[小早川土肥遠平|遠平]]が[[土肥郷]]の北部・小早川(現在の[[神奈川県]][[小田原市]][[早川 (小田原市)|早川]]付近)に拠って小早川の名字を称したのが始まりと伝わる。
 
遠平は平氏討伐の恩賞として平氏家人沼田氏の旧領であった[[安芸国]]沼田荘(ぬたのしょう、現在の[[広島県]][[三原市]][[本郷町 (広島県)|本郷町]]付近)の地頭職を拝領し、これを譲られた養子・[[小早川景平|景平]]([[源氏|清和源氏]][[源義光|義光流]]の[[平賀義信]]の子)が、安芸国に移住した。
 
[[建永]]元年([[1206年]])、景平は長男[[小早川茂平|茂平]]に沼田本荘を与え、次男[[小早川季平|季平]]には沼田新庄を与えた。その後、[[小早川茂平|茂平]]は[[承久の乱]]で戦功をげ、同国の都宇荘・竹原荘(つうのしょう竹原荘(たけはらのしょう 、どちらも現在の広島県[[竹原市]]周辺)の地頭職を加えられた。
 
=== 家系沼田小早川氏 ===
小早川氏嫡流の一族で、本家筋にあたる。茂平の三男・[[小早川雅平|雅平]]が沼田本荘などを与えられ、[[高山城 (安芸国)|高山城]]を本拠としたのが始まりである。
==== 系図1(平氏から土肥氏へ) ====
[[平良文]]
 ┃
 [[平忠頼|忠頼]]
 ┣━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━┓
 [[平将常|将常]]       [[平忠常|忠常]]             [[平頼尊|頼尊]]
 ┣━━┓     ┃              ┃
 [[秩父武基|武基]] [[平武常|武常]]    [[平常将|常将]]             [[平恒遠|恒遠]]
 ┃  ┃     ┃              ┃
 [[秩父武綱|武綱]] [[平常永|常永]]    [[平常長|常長]]            [[中村恒宗]]
 ┃        ┣━━┳━━━━━━━━┓  ┃
 [[秩父重綱|重綱]]       [[平常家|常家]] [[平常兼|常兼]]       [[平常晴|常晴]] 系図2、3へ
 ┣━━┳━━┳━━┓  ┣━━┳━━┓  ┃
 [[秩父重弘|重弘]] [[秩父重隆|重隆]] [[高山重遠|重遠]] [[江戸重継|重継]] [[海上常衡|常衡]] [[白井常親|常親]] [[千葉常重|常重]] [[臼井常康|常康]]
==== 系図2(土肥氏系図その1) ====
 [[笠間恒宗|恒宗]]
 ┣━━━━┳━━━━┳━━━━┳━━━━┓
[[中村重平]] [[土肥実平]] [[土屋宗遠]] [[二宮友平]]  [[堺頼平]]
 
[[元弘の乱]]では[[小早川朝平|朝平]]は[[鎌倉幕府|鎌倉]]方として[[六波羅探題]]に味方し付き従ったため、[[建武の新政|建武政権]]によって沼田本荘を没収されるが、竹原小早川家の取り成しなどにより、旧領を安堵されている。その後、[[小早川宣平|宣平]]、[[小早川貞平|貞平]]、[[小早川春平|春平]]の三代の間に[[芸予諸島]]に進出し、[[小早川水軍]]の基礎を築いた。その後[[小早川煕平|煕平]]、[[小早川敬平|敬平]]で一時代を築くが、[[小早川扶平|扶平]]-[[小早川正平|正平]]まではいずれも20代で早世し衰退した。
==== 系図3(土肥氏系図その2) ====
 [[笠間恒宗|恒宗]]
 ┃
[[中村重平]]
 ┣━━━━┳━━━━┳━━━━┓
[[土肥実平]] [[土屋宗遠]] [[二宮友平]]  [[堺頼平]]
 
==== 系図4(竹原小早川氏系図) ====
茂平の四男・[[小早川政景|政景]]が、都宇・竹原荘、沼田荘梨子羽郷の一部を分与され、[[木村城]]を本拠としたのが始まりである。沼田小早川氏の分家筋にあたるが、元弘の乱以降は[[足利尊氏]]の下で戦い、[[室町幕府]]成立に貢献したこともあって徐々に勢力を拡大し、[[室町時代]]中期には本家・沼田小早川家と拮抗するまでに至った。
 
== 戦国時代の小早川氏 ==
=== 勢力の衰退と沼田・竹原両小早川の統合 ===
[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]に入ると[[大内氏|大内家]]傘下の[[国人]]領主となる。この頃、竹原・沼田両家で当主の早世が相次いだ。[[天文 (元号)|天文]]12年([[1543年]])には竹原家の[[小早川興景|興景]]が子を残さずに没したため、天文13年([[1544年]])に[[毛利氏|毛利家]]出身の興景夫人の従弟である[[小早川隆景|隆景]]([[毛利元就]]の三男)が養子に迎えられた。
 
一方の沼田家でも、[[大内氏]]と[[尼子氏]]の影響下で活動していたが、天文8年([[1539年]])には、尼子方に内通しようと画策し、逆に大内氏によって居城の高山城を占拠され、城番を置かれるという事態に陥った。当主の正平も軟禁状態に置かれるが、後に赦された。
 
天文11年(1542年)から始まる[[大内義隆]]による[[月山富田城の戦い#第一次月山富田城の戦い|出雲遠征]]では、正平が従軍するも大敗を喫し、天文12年(1543年)に退却中に21歳の若さで討死。幼い嫡子[[小早川繁平|繁平]]が後を継いだものの、繁平は幼くして失明(異説あり)する。大内家と毛利家の圧力、また強力な後ろ盾を望む重臣の要望により、後見役の重臣[[田坂義詮|田坂全慶]]らは殺害されて繁平は出家させられた。
 
その後、竹原家の隆景が繁平の妹([[問田大方]])と結婚して沼田家を継ぎ、両小早川家は再統一されたが、それと同時に[[清和源氏]]流[[平賀氏]]の血筋は途絶えることになった。これ以降は毛利一門に組み込まれ、毛利家から多くの家臣が小早川家に送り込まれている。
 
=== 名将・小早川隆景 ===
隆景は兄の[[吉川元春]]とともに毛利家を支えて「両川」と呼ばれ([[毛利両川]]体制)、主に[[山陽地方]]の経略を担当した。[[本能寺の変]]後、[[賤ヶ岳の戦い]]で[[豊臣秀吉|羽柴秀吉]]が[[織田信長]]の後継者としての地位を確立すると、隆景は進んで毛利家を秀吉の天下統一事業に参加させ、[[天正]]13年([[1585年]])には[[四国征伐]]の功賞として[[伊予国|伊予]]一国を与えられて独立した大名となった。天正15年([[1587年]])には[[九州征伐]]により[[筑前国]][[名島城|名島]]に35万石に転じ、[[豊臣政権]]下では[[五大老]]にまでなるが、[[文禄]]4年([[1595年]])に隠居した。
 
=== 豊臣政権下の小早川氏 ===
隆景には実子がなかったため、弟の[[毛利秀包|秀包]]を養子としていたが、後に廃嫡して別家を立てさせた('''久留米小早川氏'''、のち毛利氏に戻り[[吉敷毛利家]]として続く)。これに伴い家督は、代わって秀吉の正室[[高台院]]の甥・羽柴秀俊が隆景の養子として継いだ([[小早川秀秋]])。この時点をもって、小早川氏は[[藤原氏]]流毛利氏から豊臣氏流羽柴氏に移ったといえる。[[慶長]]2年([[1597年]])の隆景の死後、毛利家から小早川家に送り込まれていた家臣、及び小早川家一門衆・譜代家臣の大半は毛利家に引き揚げており、これ以降の小早川本家は毛利氏一門から、豊臣氏一門の有力大名へと変化した。
 
秀秋は慶長5年([[1600年]])の[[関ヶ原の戦い]]での功績により、[[徳川家康]]より[[備前国|備前]][[岡山城|岡山]]51万石に加増移封された。だが慶長7年([[1602年]])に21歳で嗣子無く没し、小早川家は名実ともに断絶した。
 
== 近代以降 ==
[[明治]]に至り、[[公爵]][[毛利元徳]]の次男・四郎が小早川家を再興し、[[華族]]に列して[[男爵]]の[[爵位]]を授けられた。
 
== 系図 ==
'''太字'''は宗家(沼田家)の当主、''斜字''は竹原家の当主。
[[土肥実平]]
 ┣━━━━━━━━━━┓
 '''[[土肥遠平|遠平]]'''(小早川始祖)  [[新開実重]]
 ┠───┐
 [[土肥惟平|惟平]]   '''[[小早川景平|景平]]''' 
 ┃   ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━┳━━━━━┓
 [[土肥惟時|惟時]]  '''[[小早川茂平|茂平]]'''                                                            [[小早川季平|季平]] [[飯泉景光]]  [[小松時景]]
 ┃    ┣━━━┳━━┳━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓       ┣━━━━━┓   ┃
 [[土肥倫平|倫平]] [[船木経平]] [[小早川経家|経家]] '''[[小早川雅平|雅平]]''' ''[[小早川政景|政景]]''                                          [[小早川忠茂|忠茂]]     [[椋梨国平]]  [[小田信平]] [[小松時廉|時廉]]
 ┃           ┃  ┠──┐                                        ┣━━━┓   ┣━━┓  ┃   ┃
 [[土肥実綱|実綱]]         '''[[小早川朝平|朝平]]''' ''[[小早川景宗|景宗]]'' [[小早川長政|長政]]                                      [[赤川茂遠]] [[赤川清茂|清茂]]  [[小早川定平|定平]] [[小早川為平|為平]] [[小田親平|親平]]  [[小松時家|時家]]
 ┏━━━━━━━━━━┛  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━┓    ┃   ┃   ┃     ┃
 '''[[小早川宣平|宣平]]'''                                                ''[[小早川祐景|祐景]]'' [[小早川高平|高平]]   [[赤川忠義|忠義]]  [[赤川茂教|茂教]]  [[椋梨宗平|宗平]]    [[小田春平|春平]]
 ┣━━┳━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┳━━━┳━━━┳━━━┓  ┠──┐    ┃   ┃   ┃
 [[小早川資平|資平]] [[小早川師平|師平]] '''[[小早川貞平|貞平]]'''                     [[小泉氏平]] [[小坂将平]] [[浦氏実]] [[生口惟平]] [[小早川俊平|俊平]] ''[[小早川重景|重景]]'' [[小早川景継|景継]]   [[赤川清忠|清忠]]  [[赤川貞茂|貞茂]]  [[椋梨光平|光平]]
 ┏━━━┳━┻━┳━━━┳━━━━┳━━━━┓       ┃        ┃   ┣━━━┓  ┣━━┓        ┃
 '''[[小早川春平|春平]]''' [[土倉夏平]] [[東房平]] [[真良貞康]] [[近宗広平]] [[徳光時平]]     [[小泉宗平|宗平]]       [[浦氏行|氏行]]  [[生口公実|公実]]  [[生口守平|守平]] ''[[小早川重宗|重宗]]'' 薬寿       [[赤川政忠|政忠]]
 ┣━━━┳━━━━━┳━━━━┓              ┃        ┃   ┃      ┃           ┃
 '''[[小早川則平|則平]]''' [[梨子羽時春]] [[徳光時則]] [[江良承順]]            [[小泉興平|興平]]       [[浦氏安|氏安]]  [[生口隆平|隆平]]     ''[[小早川実義|実義]]''          [[赤川茂忠|茂忠]]
 ┣━━┳━━┳━━┓                             ┃   │      ┃
 '''[[小早川煕平|煕平]]''' [[小早川持平|持平]] [[小早川教平|教平]] [[小早川満平|満平]]                            [[浦熙氏|熙氏]]  [[生口守平|守平]]     ''[[小早川義春|義春]]''
 ┣━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓                 ┃          ┣━━┳━━┓
 '''[[小早川敬平|敬平]]'''             [[乃美是景]] [[生口元清]]               [[浦元安|元安]]         ''[[小早川仲義|仲義]]'' [[小早川徳平|徳平]] [[小早川春景|春景]]
 ┣━━┳━━━━┳━━━━┓  ┃                      │          ┃
 '''[[小早川扶平|扶平]]''' [[巨真寺祖リュウ|祖{{Lang|zh|}}]]  [[梨子羽康平]]  [[蓮花寺真正|真正]] [[乃美家氏|家氏]]                     [[乃美賢勝|賢勝]]         ''[[小早川弘景 (初代)|弘景]]''
 ┣━━┳━━┓         ┣━━┓                   ┃          ┃
 '''[[小早川興平|興平]]''' [[小早川義氏|義氏]] [[舟木常平|常平]]        [[乃美弘平|弘平]] [[乃美賢勝|賢勝]]                  [[乃美宗勝|宗勝]]         ''[[小早川盛景|盛景]]''
 ┃     ┃         ┃                      ┃          ┃
 '''[[小早川正平|正平]]'''   [[平賀隆保]]       [[乃美隆興|隆興]]                     [[乃美盛勝|盛勝]]         ''[[小早川弘景 (二代)|弘景]]''
 ┣━━━┓           ┃                                 ┃
 '''[[小早川繁平|繁平]]''' [[問田大方]]         [[乃美景興|景興]]                                ''[[小早川弘平|弘平]]''
 │               ┃                                 ┃
 '''[[小早川隆景|隆景]]'''              [[乃美元興|元興]]                                ''[[小早川興景|興景]]''
 ├──┐            ┣━━┳━━┓                           │
 '''[[小早川秀秋|秀秋]]''' [[毛利秀包|秀包]]           [[乃美元宣|元宣]] [[乃美就宣|就宣]] [[乃美就重|就重]]                          ''[[小早川隆景|隆景]]''(のち沼田家も継承)
    ┃            ┣━━┓
   断絶 [[小早川能久|能久]]           [[乃美就貞|就貞]] [[乃美就易|就易]]
  ¦
 
 '''[[小早川三郎|三郎]]'''([[毛利元徳]]の次男)
== 沼田小早川氏 ==
  │
[[小早川茂平|茂平]]の三男・ [[小早川雅平|雅平]]が沼田本荘などを与えられ、[[高山城 (安芸国)]]を本拠としたのが始まりである。小早川氏嫡流の一族で、本家筋にあたる。
 '''[[小早川四郎|四郎]]'''(三郎の弟)
 
  │
[[元弘の乱]]では[[小早川朝平|朝平]]は鎌倉方として[[六波羅探題]]に味方し付き従ったため、[[建武政権]]によって沼田本荘を没収されるが、竹原小早川家のとりなしなどにより、旧領を安堵されている。その後、[[小早川宣平|宣平]]、[[小早川貞平|貞平]]、[[小早川春平|春平]] の三代の間に芸予諸島に進出し、小早川水軍の基礎を築く。その後熙平、敬平で一時代を築くが、扶平-正平まではいずれも20代で夭逝し衰退。
 '''[[小早川元治|元治]]'''([[毛利元昭]]の次男、四郎の甥)
 
繁平は病弱を理由に廃嫡され、毛利元就の子で竹原小早川氏を継いでいた小早川隆景が繁平の妹([[問田大方]])を娶り、竹原・沼田両小早川氏は統一される。
 
(沼田小早川氏)
 
[[小早川雅平|雅平]]
   [[小早川朝平|朝平]]
   ┃
   [[小早川宣平|宣平]]
┏━━┻━┳━━━━┳━━━━┳━━━━━┳━━━━┳━━━━━┳━━━━┓
資平   師平   [[小早川貞平|貞平]]  [[小泉氏平]]  小坂将平  [[浦氏実]]  [[生口惟平]]  俊平
          ┣━━━┳━━━┳━━━━┳━━━━┳━━━━┓
          [[小早川春平|春平]] 土倉夏平 東房平 [[真良貞康]] 近宗広平 徳光時平
          ┣━━━┳━━━━━┳━━━━┓
          [[小早川則平|則平]] 梨子羽時春 徳光時則 江良承順
          ┣━━┳━━┳━━┓
          [[小早川煕平|煕平]] [[小早川持平|持平]] 教平 満平
          ┣━━━┳━━━━┓
          [[小早川敬平|敬平]] [[乃美是景]] [[生口元清]]
          ┣━━━┓
          [[小早川扶平|扶平]] [[梨子羽康平]]
          ┣━━━┳━━━━┓
          [[小早川興平|興平]]  義氏   [[小早川常平|常平]]
          ┃        ┃
          [[小早川正平|正平]]      [[平賀隆保]]
          ┣━━┓
          [[小早川繁平|繁平]] [[問田の大方|女子]]([[小早川隆景|隆景]]室 問田大方)
 
== 竹原小早川氏 ==
[[小早川茂平|茂平]]の四男・[[小早川政景|政景]]が、都宇・竹原荘、沼田荘梨子羽郷の一部を分与され、[[木村城]]を本拠としたのが始まりである。この竹原小早川家は小早川氏の分家筋にあたるが、[[元弘の乱]]以降、[[足利尊氏]]の下で戦い、[[室町幕府]]成立に貢献したこともあり、徐々に勢力を拡大し、[[室町時代]]中期には本家・沼田小早川家と拮抗するまでに至る。
 
(竹原小早川家)
[[小早川政景]]
┠──┐
[[小早川景宗|景宗]] 長政(養子)
┣━━┓
[[小早川祐景|祐景]] 高平([[義絶]])
┠──┐
[[小早川重景|重景]] 景継(養子)
┣━━┓
[[小早川重宗|重宗]] 藥壽
[[小早川実義|実義]]
[[小早川義春|義春]]
┣━━┳━━┓
[[小早川仲義|仲義]] 徳平 春景
[[小早川弘景 (初代)|弘景]]
[[小早川盛景|盛景]] 
[[小早川弘景 (二代)|弘景]] [[毛利弘元]]
┃  ┏━━┻━━┓
[[小早川弘平|弘平]] [[毛利興元|興元]]    [[毛利元就|元就]]
┃  ┃     ┣━━┓
[[小早川興景|興景]]━女子    [[小早川隆景|隆景]] [[毛利秀包|秀包]](隆景養子)
[[小早川隆景|隆景]](のち沼田家も継承)
 
== 中世以降の小早川氏 ==
=== 勢力の衰退と沼田・竹原両小早川の統合 ===
[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]に入ると[[大内氏|大内家]]傘下の[[国人]]領主となる。この頃、竹原・沼田両家で当主の早世が相次いだ。[[天文 (元号)|天文]]12年([[1543年]])には竹原家の[[小早川興景]]が子を残さずに没したため、天文13年([[1544年]])に[[毛利氏|毛利家]]出身の興景夫人の従弟である[[小早川隆景|隆景]]([[毛利元就]]の3男)が養子に迎えられた。
 
一方の沼田家でも、[[大内氏]]と[[尼子氏]]の影響下で活動しているが、天文8年([[1539年]])には、尼子方に内通しようと画策し、逆に大内氏によって居城の[[高山城 (安芸国)]]を占拠され、城番を置かれるという事態に陥る。当主の[[小早川正平]]も軟禁状態に置かれるが、後に赦された。
 
天文11年(1542年)から始まる[[大内義隆]]による[[月山富田城の戦い#第一次月山富田城の戦い|出雲遠征]]では、当主の[[小早川正平]]が従軍するも大敗を喫し、天文12年(1543年)に退却中に21歳の若さで討死。幼い嫡子[[小早川繁平|繁平]]が後を継いだものの、繁平は幼くして失明(異説あり)する。大内家と毛利家の圧力、また強力な後ろ盾を望む重臣の要望により、後見役の重臣[[田坂全慶]]らは殺害されて繁平は出家させられる。
 
その後、竹原家の隆景が繁平の妹と結婚して沼田家を継ぎ、両小早川家は再統一されたが、それと同時に桓武平氏流小早川本家の血筋は途絶えることになった。これ以降は毛利一門に組み込まれ、毛利家から多くの家臣が小早川家に送り込まれている。
 
=== 名将・小早川隆景の登場 ===
隆景は兄の[[吉川元春]]とともに毛利家を支えて「両川」と呼ばれ([[毛利両川]]体制)、主に[[山陽地方]]の経略を担当した。[[本能寺の変]]後、[[賤ヶ岳の戦い]]で[[豊臣秀吉|羽柴秀吉]]が[[織田信長]]の後継者としての地位を確立すると、隆景は進んで毛利家を羽柴秀吉の天下統一事業に参加させ、[[天正]]13年([[1585年]])には[[四国征伐]]の功賞として[[伊予国|伊予]]一国を与えられて独立した大名となった。天正15年([[1587年]])には[[九州征伐]]により[[筑前国]][[名島城|名島]]に35万石に転じ、[[豊臣政権]]下では[[五大老]]にまでなるが、[[文禄]]4年([[1595年]])に隠居し、[[慶長]]2年([[1597年]])に没する。
 
=== 豊臣・徳川政権下の小早川氏 ===
隆景には実子がなかったため、弟の[[毛利秀包|小早川秀包]]を養子としていたが、のちに廃嫡して別家を立てさせた('''久留米小早川氏'''、のち毛利に改姓し吉敷毛利家として続く)。これに伴い家督は、代わって[[豊臣秀吉]]の甥・[[小早川秀秋|羽柴秀俊(小早川秀秋)]]が隆景の養子として継いだ。この時点をもって、小早川氏は大江氏流毛利氏から豊臣氏に移ったといえる。慶長2年([[1597年]])の隆景の死後、毛利家から小早川家に送り込まれた家臣、及び小早川家一門衆・譜代家臣の大半は毛利家に引き揚げており、これ以降の小早川本家は毛利氏一門から、豊臣氏一門の有力大名へと変化した。
 
小早川秀秋は慶長5年([[1600年]])の[[関ヶ原の戦い]]での功績により、[[徳川家康]]より[[備前国|備前]][[岡山藩]]51万石に加増移封された。だが秀秋は慶長7年([[1602年]])に21歳で嗣子無く没し、小早川家は名実ともに断絶した。
 
== 明治期以降 ==
[[明治時代]]に至り、[[公爵]][[毛利元徳]]の子・四郎が小早川家を再興し、[[華族]]に列して[[男爵]]の[[爵位]]を授けられた。
 
(近世以降)
[[小早川隆景]]
[[小早川秀秋|秀秋]]([[豊臣秀吉]]の正室[[高台院]]の甥)
断絶(江戸時代初頭より明治時代まで)
[[小早川三郎|三郎]]([[毛利元徳]]の子)
[[小早川四郎|四郎]](毛利元徳の子)
[[小早川元治|元治]](毛利元徳の孫で[[毛利元昭]]の子)
 
== 関連項目 ==
*[[土肥氏]]
*[[椋梨氏]]
*[[乃美氏]]
*[[浦氏]]
*[[生口氏]]
*[[小泉氏 (安芸国)]]
*[[毛利水軍]]
*[[小早川毅彦]] 野球選手。明治期に毛利家から再興された小早川家の子孫。
 
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