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{{Drugbox|
| IUPAC_name = 2-Bromo-4-(2-chlorphenyl)-9-methyl-6H-thieno(3,2-f)(1,2,4)triazolo(4,3-a)(1,4)benzodiazepine
thieno(3,2-f)(1,2,4)triazolo(4,3-a)(1,4)benzodiazepine
| image = Brotizolam.svg
| image2 = Brotizolam3dBrotizolam_ball-and-stick_model.png
<!--| image3 = Brotizolam3d.png-->
| width = 120
| CAS_number = 57801-81-7
| ATC_prefix = N05
| ATC_suffix = CD09
| ATC_supplemental =
| PubChem = 2451
| DrugBank_Ref = {{drugbankcite|changed|drugbank}}
| KEGG = D01744
| DrugBank = DB09017
| ChemSpiderID_Ref = {{chemspidercite|correct|chemspider}}
| ChemSpiderID = 2357
| UNII_Ref = {{fdacite|correct|FDA}}
| UNII = 5XZM1R3DKF
| KEGG_Ref = {{keggcite|correct|kegg}}
| KEGG = D01744
| ChEMBL_Ref = {{ebicite|correct|EBI}}
| ChEMBL = 32479
| C=15 | H=10 | Br=1 | Cl=1 | N=4 | S=1
| molecular_weight = 393.69
| routes_of_administration = 経口[[投与経路#経口|経口]]
| legal_status = [[向精神薬#日本での治療薬の法的等級|第3種向精神薬]]
| routes_of_administration= 経口投与
| legal_US = Schedule IV
| legal_CA = Schedule IV
| legal_status = [[Schedule IV controlled substance|Schedule IV]] (International)
| legal_DE = Anlage III
| legal_status = ([[:en:List_of_Schedule_IV_drugs_(US)|規制物質法]])
| bioavailability = 48〜95%
| metabolism = [[肝臓]]
| elimination_half-life = 4.4時間(2.6〜6.9時間)
| excretion = [[腎臓]]
| smiles = ClC1=CC=CC=C1C2=NCC3=NN=C(C)N3C4=C2C=C(Br)S4
| StdInChI_Ref = {{stdinchicite|correct|chemspider}}
| StdInChI = 1S/C15H10BrClN4S/c1-8-19-20-13-7-18-14(9-4-2-3-5-11(9)17)10-6-12(16)22-15(10)21(8)13/h2-6H,7H2,1H3
| StdInChIKey_Ref = {{stdinchicite|correct|chemspider}}
| StdInChIKey = UMSGKTJDUHERQW-UHFFFAOYSA-N
}}
'''ブロチゾラム'''({{lang-en|''Brotizolam''}})は、[[チエノトリアゾロジアゼピン系]]の[[睡眠導入剤]](短時間作用型)、[[麻酔前投与薬]]の一種。[[向精神薬に関する条約]]の[[向精神薬に関する条約#規制物質|スケジュールIV]]に指定され、日本では[[麻薬及び向精神薬取締法]]の[[向精神薬#日本の法律における向精神薬の一覧|第三種向精神薬]]に、[[薬機法]]の[[習慣性医薬品#ベンゾジアゼピン系|習慣性医薬品]]に指定されている。[[チエノベンゾジアゼピン]]系や[[チエノジアゼピン]]系とは異なる。
 
== 概要 ==
[[ファイル:Brotizolam0.25mg 20140622.jpg|thumb|180px|right|ブロチゾラム0.25mg錠「サワイ」]]
'''ブロチゾラム''' (Brotizolam) は、[[チエノジアゼピン系]]の[[睡眠導入剤]]、[[麻酔前投与薬]]の一種。短時間作用型。分子式は C<sub>15</sub>H<sub>10</sub>BrClN<sub>4</sub>&bull;S 。[[酢酸]]、[[ジクロロメタン]]に溶けやすく、[[ジエチルエーテル]]、[[水]]に溶けにくい。
 
麻薬及び向精神薬取締法における第三種向精神薬、薬事法における[[習慣性医薬品]]である。ブロチゾラムは、乱用症例から乱用リスクの高い薬剤に同定されている<ref name="乱用2013論文">{{Cite journal |和書|author=松本俊彦|date=2013-06-10|title=処方薬乱用・依存からみた今日の精神科薬物治療の課題:ベンゾジアゼピンを中心に|journal=臨床精神薬理|volume=16|issue=6|pages=803-812|naid=}}</ref>。
1976年に[[武田薬品工業]]のT.Nishiyamaが率いるチームによって開発された。<ref>{{ cite patent | country=US | number=4017620 | status=patent | title=Thienodiazepine derivatives | pubdate=1975-08-05 | gdate=1977-12-04 | inventor=Yutaka Kuwada et al}}</ref>
 
=== 化学的特性 ===
麻薬及び向精神薬取締法における第三種向精神薬、薬事法における[[習慣性医薬品]]である。ブロチゾラムは、乱用症例から乱用リスクの高い薬剤に同定されている<ref name="乱用2013論文">{{Cite journal |和書|author=松本俊彦|date=2013-06-10|title=処方薬乱用・依存からみた今日の精神科薬物治療の課題:ベンゾジアゼピンを中心に|journal=臨床精神薬理|volume=16|issue=6|pages=803-812|naid=}}</ref>。
[[酢酸]]、[[ジクロロメタン]]に溶けやすく、[[ジエチルエーテル]]、[[水]]に溶けにくい。
 
=== 適応基準値 ===
; 一日摂取許容量(ADI)<ref name="mhlw_shingi_brotizolam">{{cite web |title=ブロチゾラム(案) |url=http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/dl/s0414-5h.pdf |format=pdf |work=www.mhlw.go.jp |publisher=[[厚生労働省]]、[[食品安全委員会]] |accessdate=2016-9-25}}</ref>
・[[不眠症]]
: 0.013 µg/kg/日
・麻酔前投与薬
 
=== 種類歴史 ===
; 1976年
[[ベーリンガーインゲルハイム]]が'''レンドルミン(一般名:ブロチゾラム)'''を1985年に[[ドイツ]]で発売して以来、現在まで[[日本]]を含む世界約20カ国で販売されている。また、[[英国]]、[[米国]]、[[カナダ]]の3国については、ベーリンガーインゲルハイムから過去を含めてレンドルミンが発売されたことはなく、3国での発売をしない理由に、安全性面の懸念があったとの情報は無い。
1976年に: [[武田薬品工業]]の''T.Nishiyama''が率いるチームによって開発された<ref>{{ cite patent | country=US | number=4017620 | status=patent | title=Thienodiazepine derivatives | pubdate=1975-08-05 | gdate=1977-12-04 | inventor=Yutaka Kuwada et al}}</ref>
 
; 1985年
[[ベーリンガーインゲルハイム|日本ベーリンガーインゲルハイム]]は日本で'''レンドルミン錠'''を1988年に発売を開始し、'''レンドルミンD錠'''については、2002年より販売している。
: [[ベーリンガーインゲルハイム]]が'''レンドルミン'''を[[ドイツ]]で発売して以来、世界約20カ国で販売されている。
[[ベーリンガーインゲルハイム]]が'''レンドルミン(一般名:ブロチゾラム)'''を1985年に[[ドイツ]]で発売して以来、現在まで[[日本]]を含む世界約20カ国で販売されている。また、: [[英国]]、[[米国]]、[[カナダ]]の3国については、ベーリンガーインゲルハイムから過去を含めてレンドルミンが発売されたことはなく、3国で発売をしない理由に安全性面の懸念があったとの情報は無い。
 
; 1988年、2002年
[[ジェネリック医薬品]]として、[[田辺三菱製薬]]や[[東和薬品]]等から'''グッドミン錠'''や'''ゼストロミン錠'''等の[[商標|製品名]]で販売されている。[[日本ジェネリック]]や[[ニプロファーマ]]、[[長生堂製薬]]、[[テバ製薬]]では、成分名のままの名称で発売されており、それぞれ、ブロチゾラム錠「JG」、ブロチゾラム錠「NP」、ブロチゾラム錠「CH」、ブロチゾラム錠「タイヨー」の名称となっている。
: [[ベーリンガーインゲルハイム|日本ベーリンガーインゲルハイム]]は日本で'''レンドルミン錠'''を1988年に日本で発売を開始し、'''レンドルミンD錠'''については、[[2002年]]より販売している。
 
=== 後発医薬品 ===
* [[ジェネリック]]として、[[田辺三菱製薬]]や[[東和薬品]]等から'''グッドミン錠'''や'''ゼストロミン錠'''等の[[商標|製品名]]で販売されている。
[[ジェネリック医薬品]]として、[[田辺三菱製薬]]や[[東和薬品]]等から'''グッドミン錠'''や'''ゼストロミン錠'''等の[[商標|製品名]]で販売されている。* [[日本ジェネリック]]や[[ニプロファーマ]]、[[長生堂製薬]]、[[テバ製薬]]では、成分名のままの名称で発売されており、それぞれ、ブロチゾラム錠「JG」、ブロチゾラム錠「NP」、ブロチゾラム錠「CH」、ブロチゾラム錠「タイヨー」の名称となっている。
 
=== 剤形 ===
* 錠剤:0.25mg
* 錠剤:0.125mg
* 口腔内崩壊錠(-D錠):0.25mg
 
=== 副作用適応 ===
* [[不眠症]]
主な副作用は、残眠感・眠気、ふらつき、頭重感、だるさ、めまい、頭痛、倦怠感等。
* [[麻酔]]前投与薬
 
== 使用上の注意 ==
=== 副作用 ===
主な副作用は、残眠感・眠気、ふらつき、頭重感、だるさ、めまい、頭痛、倦怠感などである
 
=== 禁忌 ===
* 急性狭隅角[[緑内障]]のある者
* [[重症筋無力症]]の患者
 
=== 原則禁忌 ===
次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与する
* 肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期で呼吸機能が高度に低下している場合
 
=== その他 ===
なお、高齢者の投与については、少量から投与を開始するなど慎重に投与する
 
== 乱用 ==
{{See also|ベンゾジアゼピン乱用}}
 
66 ⟶ 102行目:
*[[ベンゾジアゼピン離脱症候群]]
*[[ベンゾジアゼピンの長期的影響]]
{{混同|チエノベンゾジアゼピン|チエノジアゼピン}}
 
== 参考文献 ==