「カンナビノイド」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
20行目:
 
== 合成と特許取得済みのカンナビノイド ==
歴史的に、研究用のカンナビノイドの合成は、しばしば薬草のカンナビノイドの構造を基にしており、そして多くの類似体が製造・実験され、特に{{仮リンク|ロジャー・アダムス|en|Roger Adams}}のグループは早くも1941年に、その後{{仮リンク|ラファエル・メコーラム|en|Raphael Mechoulam}}のグループが先導した。新しい化合物はもはや天然のカンナビノイドと関連がないか、あるいは内因性カンナビノイドの構造に基づいている。合成カンナビノイドは、カンナビノイド分子に系統立てた改良を加えることにより、構造とカンナビノイド化合物の活性を決定する実験に特に有用である。
 
=== 天然<small>または</small>合成カンナビノイドは、カンナビノイド分子に系統立てた改良類自体加えることにより、構造とカンナビノイド化合物の活性を決定含有する実験に特に有用である。医薬品 ===
; [[ドロナビノール]](マリノール)
*[[ドロナビノール]](マリノール)は、Δ9: Δ<sup>9</sup>-[[テトラヒドロカンナビノール]](THC)であり、食欲増進剤、[[制吐薬]]、[[鎮痛剤]]として用いられる。
;[[ナビロン]](セサメット)
*[[ナビロン]](セサメット)は、: 合成カンナビノイドとマリノールの類自体である。[[規制物質法#スケジュールII薬物|スケジュールII]]であり、マリノールの[[規制物質法#スケジュールIII薬物|スケジュールIII]]とは異なる。
; [[ナビキシモルス]](サティベックス)
*[[サティベックス]]は、: カンナビノイド抽出物の経口スプレーで、THC、[[カンナビジオール|CBD]]、ほかのカンナビノイドを含有し、神経因性疼痛とけいれんのためにイギリス、カナダ、スペインを含む22カ国で用いられる。サティベックスは植物全体のカンナビノイド薬を開発する。
; [[リモナバン]](SR141716)
*[[リモナバン]](SR141716)は、: 選択的カンナビノイド(CB 1)CB<sub>1</sub>受容体{{仮リンク|逆アゴニスト|en|Inverse agonist}}で、アコンプリアの商標名のもと、{{仮リンク|抗肥満薬|en|Anti-obesity drug}}として用いられる。また[[禁煙]]のために用いられる。上記のようなカンナビノイドがカンナビノイドCB受容体を刺激することで食欲を増進することを逆手にとって、内因性カンナビノイドの働きを阻害する医薬品である。ただし、うつ病、自殺といった副作用から、2007年には欧州医薬品庁(EMA)は処方を中止するよう勧告し、アメリカ食品医薬品局(FDA)は治療薬としての許可申請を却下した。
 
天然または=== その他の有名な合成カンナビノイドやカンナビノイド類自体を含有する医薬品: ===
; {{仮リンク|JWH-018|en|JWH-018}}
*[[ドロナビノール]](マリノール)は、Δ9-[[テトラヒドロカンナビノール]](THC)であり、食欲増進剤、[[制吐薬]]、[[鎮痛剤]]として用いられる。
*{{仮リンク|JWH-018|en|JWH-018}}は、: 強力な合成カンナビノイドアゴニストで、[[クレムゾン大学]]の[[ジョン・W・ハフマン]]博士によって発見された。「スパイス」の総称で知られる合法的な喫煙ブレンドの中に入りだんだんと販売されている。いくつかの国々やアメリカ合衆はそれを法律的に禁止しようと動くことになった。
*[[ナビロン]](セサメット)は、合成カンナビノイドとマリノールの類自体である。[[規制物質法#スケジュールII薬物|スケジュールII]]であり、マリノールの[[規制物質法#スケジュールIII薬物|スケジュールIII]]とは異なる。
; [[CP 50,556-1]]{{enlink|Levonantradol}}
*[[サティベックス]]は、カンナビノイド抽出物の経口スプレーで、THC、[[カンナビジオール|CBD]]、ほかのカンナビノイドを含有し、神経因性疼痛とけいれんのためにイギリス、カナダ、スペインを含む22カ国で用いられる。サティベックスは植物全体のカンナビノイド薬を開発する。
*{{仮リンク|レボナントラドール|en|Levonantradol}}(Nantrodolum)、: THCの約30倍強力とされる。元々は制吐剤や鎮痛剤だが、現在治療に用いられていない。
*[[リモナバン]](SR141716)は、選択的カンナビノイド(CB 1)受容体{{仮リンク|逆アゴニスト|en|Inverse agonist}}で、アコンプリアの商標名のもと、{{仮リンク|抗肥満薬|en|Anti-obesity drug}}として用いられる。また[[禁煙]]のために用いられる。上記のようなカンナビノイドがカンナビノイド受容体を刺激することで食欲を増進することを逆手にとって、内因性カンナビノイドの働きを阻害する医薬品である。ただし、うつ病、自殺といった副作用から、2007年には欧州医薬品庁(EMA)は処方を中止するよう勧告し、アメリカ食品医薬品局(FDA)は治療薬としての許可申請を却下した。
; {{仮リンク|CP 55,940|en|CP 55,940}}
 
*{{仮リンク|CP 55,940|en|CP 55,940}}: [[1974年]]生産合成され、この合成カンナビノイドたCB受容体アゴニスト、THCよりも何倍も強力である。
ほかの有名な合成カンナビノイドを挙げる:
; {{仮リンク|ジメチルヘプチルピラン|en|Dimethylheptylpyran}}
*{{仮リンク|JWH-018|en|JWH-018}}は、強力な合成カンナビノイドアゴニストで、[[クレムゾン大学]]の[[ジョン・W・ハフマン]]博士によって発見された。「スパイス」の総称で知られる合法的な喫煙ブレンドの中に入りだんだんと販売されている。いくつかの国々やアメリカ合衆国はそれを法律的に禁止しようと動くことになった。
: -
*{{仮リンク|CP 55,940|en|CP 55,940}} 1974年に生産され、この合成カンナビノイド受容体アゴニストは、THCよりも何倍も強力である。
*; {{仮リンク|ジメチルヘプチルピランHU-210|en|DimethylheptylpyranHU-210}}
*{{仮リンク|HU-210|en|HU-210}}、: THCの約100倍強力<ref>{{Cite web |url=http://www.marijuana.org/mydna10-12-05.htm |title=More medicinal uses for marijuana |publisher=www.marijuana.org |date=October 18, 2005|accessdate=2012-12-13 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20060207224301/http://www.marijuana.org/mydna10-12-05.htm |archivedate=2007-02-07}}</ref>とされる。
*; {{仮リンク|HU-331|en|HU-331}}
: [[トポイソメラーゼII]]を特異的に阻害するカンナビジオールCBDに由来する潜在的な抗がん剤である。
*; {{仮リンク|SR-144,528|en|SR-144,528}}、CB2
: CB<sub>2</sub>受容体アンタゴニスト
*; {{仮リンク|WIN 55,212-2|en|WIN 55,212-2}}
: 強力なカンナビノイドCB受容体アゴニスト
*; {{仮リンク|JWH-133|en|JWH-133}}
: 強力な選択的CB2CB<sub>2</sub>受容体アゴニスト
; {{仮リンク|AM-2201|en|AM-2201}}
*[[ミノサイクリン]] JWH-133と同様の神経保護作用が確認され、カンナビノイド受容体アンタゴニストの{{仮リンク|AM-251|en|AM251}}や{{仮リンク|AM-630|en|AM-630}}によってその作用は拮抗し、[[アナンダミド#カンナビノイド受容体|エンドカンナビノイドシステム]]{{enlink|Endocannabinoid_system|ECS}}の関与が実証された<ref name="pmid23960212">{{cite journal |author=Lopez-Rodriguez AB, Siopi E, Finn DP, Marchand-Leroux C, Garcia-Segura LM, Jafarian-Tehrani M, Viveros MP. |title=CB1 and CB2 cannabinoid receptor antagonists prevent minocycline-induced neuroprotection following traumatic brain injury in mice. |journal=[[:en:Neurology]]. |volume=25 |issue=1 |pages=35-45 |date=2013-9 |url=https://cercor.oxfordjournals.org/content/25/1/35.long |doi=10.1093/cercor/bht202 |pmid=23960212}}</ref><ref name="pmid25833102">{{cite journal |author=Tang J, Chen Q, Guo J, Yang L, Tao Y, Li L, Miao H, Feng H, Chen Z, Zhu G. |title=Minocycline Attenuates Neonatal Germinal-Matrix-Hemorrhage-Induced Neuroinflammation and Brain Edema by Activating Cannabinoid Receptor 2. |journal=Mol Neurobiol. |pages=1-14 |date=2015-4-2 |doi=10.1007/s12035-015-9154-x |pmid=25833102}}</ref>。動物実験における自発運動活性の変化は0.5mg/kgから発現し、カンナビノイド類としは強力であり、[[脱法ドラッグ#規制|指定薬物]]クラスと同等、[[麻薬]]指定の薬剤に匹敵する<ref name=minomycin_if>{{cite web |title=医薬品インタビューフォーム(2016年4月改訂 第14版)ミノマイシン |url=http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/671450_6152005F1052_2_1F.pdf |format=pdf |date=2016-4 |work=www.info.pmda.go.jp |publisher=[[医薬品医療機器総合機構]](PMDA) |accessdate=2016-8-18}}</ref><ref name="pmid26875756">{{cite journal |author=Gatch MB, Forster MJ. |title=Δ(9)-Tetrahydrocannabinol-like effects of novel synthetic cannabinoids in mice and rats. |journal=[[:en:Psychopharmacology_(journal)|Psychopharmacology]]. |volume=233 |issue=10 |pages=1901-10 |date=2016-5 |url=https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00213-016-4237-6 |doi=10.1007/s00213-016-4237-6 |pmid=26875756}}</ref>。[[東大病院]]で[[鎮痛剤]]として臨床試験(第Ⅲ相)が行われている<ref name="upload.umin.ac.jp_r000007619">{{cite web |title=侵害受容性・炎症性疼痛および神経障害性疼痛患者に対するミノサイクリンの鎮痛効果に関するOpen label探索試験 |url=https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&type=summary&recptno=R000007619 |work=upload.umin.ac.jp |publisher=[[東京大学]] |date=2014-2-1 |accessdate=2016-05-19}}</ref>。
: CB受容体の強力なアゴニストである(K<sub>i</sub>=1.0nM, 2.6nM; EC<sub>50</sub>=38nM, 58nM)。0.3 - 10mg/kgで徐脈や低体温を引き起こし、[[:en:JWH-018|<small>英</small>:''JWH-018'']]に匹敵する。
*{{仮リンク|レボナントラドール|en|Levonantradol}}(Nantrodolum)、制吐剤や鎮痛剤だが、現在で治療に用いられていない。
; [[APINACA]](指定薬物)
*{{仮リンク|AM-2201|en|AM-2201}}、強力なカンナビノイド受容体アゴニスト。
: [[俗称]]''AKB48''で知られるCB<sub>1</sub>Rのアゴニストである(K<sub>i</sub>=304.5nM, EC<sub>50</sub>=585nM)。
; [[ADB-PINACA]](指定薬物)
: CB<sub>1</sub>RとCB<sub>2</sub>Rの強力なアゴニストである(EC<sub>50</sub>=0.52nM, 0.88nM)。自発運動は0.31mg/kgから減少し、麻薬指定の[[:en:JWH-122|<small>英</small>:''JWH-122'']](0.61mg/kg; K<sub>i</sub>=0.69nM, 1.2nM)よりも強力である。
; [[ミノサイクリン]](半[[合成抗菌剤]])
*[[ミノサイクリン]]: JWH-133と同様の[[ミクログリア#神経保護|神経保護作用]]が確認され、カンナビノイド受容体CB<sub>1</sub>R逆ンタゴニストの{{仮リンク|AM-251|en|AM251}}や、CB<sub>2</sub>R逆アゴニストの{{仮リンク|AM-630|en|AM-630}}によってその作用は拮抗し、[[アナンダミド#カンナビノイド受容体|エンドカンナビノイドシステム]]{{enlink|Endocannabinoid_system|ECS}}の関与が実証された<ref name="pmid23960212">{{cite journal |author=Lopez-Rodriguez AB, Siopi E, Finn DP, Marchand-Leroux C, Garcia-Segura LM, Jafarian-Tehrani M, Viveros MP. |title=CB1 and CB2 cannabinoid receptor antagonists prevent minocycline-induced neuroprotection following traumatic brain injury in mice. |journal=[[:en:Neurology]]. |volume=25 |issue=1 |pages=35-45 |date=2013-9 |url=https://cercor.oxfordjournals.org/content/25/1/35.long |doi=10.1093/cercor/bht202 |pmid=23960212}}</ref><ref name="pmid25833102">{{cite journal |author=Tang J, Chen Q, Guo J, Yang L, Tao Y, Li L, Miao H, Feng H, Chen Z, Zhu G. |title=Minocycline Attenuates Neonatal Germinal-Matrix-Hemorrhage-Induced Neuroinflammation and Brain Edema by Activating Cannabinoid Receptor 2. |journal=Mol Neurobiol. |pages=1-14 |date=2015-4-2 |doi=10.1007/s12035-015-9154-x |pmid=25833102}}</ref>。動物実験研究における自発運動活性の変化は0.5mg/kgから発現減少し、カンナビノイド作用の薬剤とし非常に強力であり、[[脱法ドラッグ#規制|指定薬物]]クラスと同等、[[麻薬]]指定の薬剤に匹敵する<ref name=minomycin_if>{{cite web |title=医薬品インタビューフォーム(2016年4月改訂 第14版)ミノマイシン |url=http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/671450_6152005F1052_2_1F.pdf |format=pdf |date=2016-4 |work=www.info.pmda.go.jp |publisher=[[医薬品医療機器総合機構]](PMDA) |accessdate=2016-8-18}}</ref><ref name="pmid26875756">{{cite journal |author=Gatch MB, Forster MJ. |title=Δ(9)-Tetrahydrocannabinol-like effects of novel synthetic cannabinoids in mice and rats. |journal=[[:en:Psychopharmacology_(journal)|Psychopharmacology]]. |volume=233 |issue=10 |pages=1901-10 |date=2016-5 |url=https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00213-016-4237-6 |doi=10.1007/s00213-016-4237-6 |pmid=26875756}}</ref>。[[東大病院]]で[[鎮痛剤]]として臨床試験(第Ⅲ相)が行われている<ref name="upload.umin.ac.jp_r000007619">{{cite web |title=侵害受容性・炎症性疼痛および神経障害性疼痛患者に対するミノサイクリンの鎮痛効果に関するOpen label探索試験 |url=https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&type=summary&recptno=R000007619 |work=upload.umin.ac.jp |publisher=[[東京大学]] |date=2014-2-1 |accessdate=2016-05-19}}</ref>。
 
== 規制 ==