「アイドルマスター シンデレラガールズ (アニメ)」の版間の差分

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=== 特別編(第26話) ===
第26話は特別編として位置づけられ、アイドルたちの日常を断片的に描いた、連続性のない短編集となっている。
 
== 制作 ==
作品の作成の企画が持ち上がった最初のきっかけは、劇場アニメ『[[THE IDOLM@STER (アニメ)#劇場版|THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!]]』(2014年1月25日公開)の製作中に、当時[[バンダイナムコエンターテイメント]]で[[アイドルマスターシリーズ]]の総合ディレクターを務めていた石原章弘と、[[アニプレックス]]の鳥羽洋典とが話していることであった。しかし、その当時は原作の「[[アイドルマスター シンデレラガールズ]]」(以下「シンデレラ」、2011年11月28日サービス開始)の『[[ソーシャルゲーム]]』というゲームジャンル自体が発展途上であり、「これはゲームなのか」と疑問視されていた時代であった。そんな中、話をしてくうちに[[渋谷凛]]や[[双葉杏]]といった人気のあるアイドルが出てきたりと、シンデレラを取り巻く環境が変わり始め、「これなら新しい『アイドルマスター』が作れるのではないか」ということで企画が本格的にスタートした<ref name="ファンブック229">{{cite book|和書|title=THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS COMPLETE ANIMEFAN BOOK|date=2016-05-28|edition=初版|page=229|pages=}}</ref>。
 
企画の初期段階で既にシリーズ構成は[[高橋龍也|髙橋龍也]]が担当することが決まっており、その段階では内容もユーザーとの親和性を考え、ゆるいテイストの作品とする案もあった。しかし、視聴者に働きかけるものとするには「ドラマ」をやる必要があるとの考えで作品の方向性が決まり、そのような演出が得意で、2011年に放送されたテレビアニメ『[[THE IDOLM@STER (アニメ)|アイドルマスター]]』と2014年に公開された同作の劇場版でも演出・シリーズ演出・絵コンテなどを担当していた[[高雄統子]]に監督を依頼することとなった<ref name="ファンブック229" /><ref name="ファンブック175">{{cite book|和書|title=THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS COMPLETE ANIMEFAN BOOK|date=2016-05-28|edition=初版|page=175|pages=}}</ref>。
 
; 前作「アイドルマスター」との違い
: 石原と鳥羽はシンデレラのアニメのテーマを「765プロ(アイドルマスターで舞台となった架空の芸能事務所)は❝みんな一緒❞だったが、今回は'''成長と変化の話'''にする」と考えた。高雄も「この子たちのある種の成長劇とかドラマを描きたいんだ」と共感し、テーマにも違いが生まれた<ref name="ファンブック229" />。
: 物語のスタートも、765プロは「アイドルとしての心構えはあるが才能がまだ開花していない女の子」であるが、シンデレラは「アイドルに興味のない女の子」が居たりと、「765プロよりゼロに近い状態の女の子」がアイドルに「なる」所からスタートする点の違いもある<ref>{{cite book|和書|title=THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS COMPLETE ANIMEFAN BOOK|date=2016-05-28|edition=初版|page=164|pages=}}</ref>。
; 登場アイドルの選定<ref name="ファンブック175" />
: 最初はアニメ自体が1クールのみの放送予定だったため、登場するアイドルの数も少なく、{{Vau|new generations}}をメインとしたストーリーになる予定だった。しかし、2クールいの放送になったことによりキャラクターをもう少し増やしてほしいという事になり、最終的には「キュート」属性からは[[島村卯月]]、[[前川みく]]、[[双葉杏]]、[[緒方智絵里]]、[[三村かな子]]、「クール」属性からは[[渋谷凛]]、[[多田李衣菜]]、[[神崎蘭子]]、[[アナスタシア]]、[[新田美波]]、「パッション」属性からは[[本田未央]]、[[赤城みりあ]]、[[諸星きらり]]、[[城ヶ崎莉嘉]]、[[城ヶ崎美嘉]]の15人がゲームの人気やメインの3人(卯月、凛、未央)に近い立場などを考慮して選ばれた。美嘉は結果的に他の部署の先輩という立ち位置になったが、主要メンバーの1人として制作サイドは認識している。
; 346プロダウション<ref name="ファンブック175" />
: 765プロダクションの小さな芸能事務所と差別化するために、シンデレラでは大きな会社のアイドル部門にするところから設定作りが始まった。事務所の名前にはこれまでも765(ナムコ)プロ、876(バンナム)プロ、961(クロイ)プロとこれまでのシリーズでは数字を使ってきていたが、企画の時点ではこれ以上事務所名に数字を用いることは難しいのではないかとの意見もあった。しかし、数字にはこだわりたいと制作サイドの意思から、髙橋がシンデレラにかけて「046(オシロ)」や「346(ミシロ)」はどうかと提案。漢字はそれぞれ「御城」と「美城」と想定していたが、御城だとゲーム『[[御城プロジェクト]]』と混同されそうだということで『346(ミシロ・美城)プロダクション』と名称が決定された。
; 劇伴のコール<ref>{{cite book|和書|title=THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS COMPLETE ANIMEFAN BOOK|date=2016-05-28|edition=初版|page=227|pages=}}</ref>
: アニメの挿入歌として使われたものの中にはコールが入っているものもある。コールには[[石川哲彦|LindaAI-CUE]]等のバンダイナムコの作家陣とアニメのスタッフ、声優学校の生徒が参加し、スタジオで収録した。第3話の「TOKIMEKIエスカレート」は収録の時に城ヶ崎利嘉役の佳村はるかがいたため、ラストの「T、O、K、I、M、E、K、I」の部分の振り付けをその場でやってもらいつつの録音となった。
 
== 演出 ==
; シリーズを通しての演出
: 本作の季節の変化は、第1話で冬から春、第3話から第7話で梅雨があり、第8話で夏になる。第14話から秋に入り、第21話から第24話にかけて冬に変わっていき、第25話で冬から春に、となっている<ref>{{cite book|和書|title=THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS COMPLETE ANIMEFAN BOOK|date=2016-05-28|edition=初版|page=221|pages=}}</ref>。
: シリーズを通して、「時計」が重要な役割を担っているが、本作のルールとして、「時計の針が動くのは1話につき1回まで」というのがある。時間経過の演出として時計を用いることがあっても、時計の針だけは動かさない様にしている<ref name="ファンブック1話">{{cite book|和書|title=THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS COMPLETE ANIMEFAN BOOK|date=2016-05-28|edition=初版|page=|pages=119-121}}</ref>。
:
; 第1話<ref name="ファンブック1話" />
: 冒頭、モノローグともライブのMCともつかないような語りの中、メインとなる卯月、凛、未央の初めての出会いが簡単に描かれ、その後「[[お願い!シンデレラ]]」がかかる。このシーンでは『シンデレラガールズ』のお題となる「現代が舞台となるシンデレラストーリーが始まる」ということを表現し、ライブのシーンでは、衣装をドレスのデザインとし、先輩アイドルに踊ってもらうことで、「シンデレラの象徴」を提示している。また、第1話は登場人物を卯月と凛、プロデューサーの3人に絞り、卯月と凛というアイドルに対する考え方の違う2人の女の子がプロデューサーという得体のしれない城からの使者を介した時にどのような振る舞いをするのかという「アイドルになる前」のストーリーが描かれている。そこでその話に入る前に、お願い!シンデレラの曲中にシンデレラプロジェクトのメンバーを[[アバンタイトル|アバン]]で登場させ、彼女たちの事も今後描いていくということを示し、観ている人に作品の世界観を知らせている。
: 第1話では先輩アイドルはポスターやビニルボードなどの媒体越しでしか登場しない。これは、卯月にとって「アイドル」が憧れの対象である、つまり、養成所に貼ってあるポスターやアイドルの募集のチラシは卯月にとってあこがれの世界への窓口となっているということを表現するために冒頭のシーンより徹底して行っている。
: 卯月が凛の実家の花屋に入っていくシーンでは凛の顔は隠されており、最後の見送りのシーンではじめて横顔が出る。この演出で、凛が卯月に興味を持って居らず、最後まで「なんか楽しそうにしてたな」位の感想で距離があるということを表現している。このシーンでは凛が卯月に[[アネモネ]]の花(花言葉:「期待」「希望」)を進めているが、これは凛自身の中にも「期待」や「希望」を見出していることを予感させる表現にしている。
: 公演のシーンでは、プロデューサーを画面奥の遠い位置に置くことで、凛とプロデューサーの距離感を表現し、手前を元気に遊ぶ子供たちに横切らせることによって、ギクシャクしている凛と卯月との対比を表現した。そして、桜を画面に映すがこのシーンで卯月はすでに自分の「花」、つまり「明るさ」や「美しさ」を持っていて、アネモネは実は凛のための花だということが分かる。そして、影の中から光の中へ卯月が一歩先に出る。
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; 第7話<ref>{{cite book|和書|title=THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS COMPLETE ANIMEFAN BOOK|date=2016-05-28|edition=初版|page=|pages=130,131項}}</ref>
: 全体として他の話より彩度をかなり落としている。
: 2日目になると雨が降り始め、1日目よりさらに状況が悪化していることが分かる。しびれを切らし始めた凛が卯月に電話をするシーンでは凛の眉毛を映さないようにカメラが置かれ、不安な表情をしているのだが、髪の毛の位置をずらしてまで隠している。そして、最後の頭を下げたタイミングでのみ眉毛が見え、凛の決意が固まったことを示唆。
: 最後の公演のシーンでは、第1話とポジショニングや構図、カットなのどを合わせている。第1話は「卯月と凛にとっての第1話」だったが、第7話の公園のシーンは「凛と未央にとっての第1話」になっている。
: 最後に、プロデューサーに丁寧口調を辞めさせるのは、アイドル達が呼び方や口調を変えられないのもプロデューサーの個性として受け止め、アイドル達がプロデューサーの考えが分かるようになるというのの現れ。シンデレラガールズは「人が変わっていく話」ではなく「相手の個性を理解したうえで、お互いの中に入っていく」というお話であるからこその演出だ。
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; 第13話<ref>{{cite book|和書|title=THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS COMPLETE ANIMEFAN BOOK|date=2016-05-28|edition=初版|page=138|pages=}}</ref>
: 第13話は絵コンテが高雄と林勇雄の連名で、Aパートを高雄が、Bパートからエピローグ前(美城常務の部屋の時計が動くカットまで)が林、エピローグが高雄と分担している。
: エピローグでは、ガラスの靴を脱いで一人の女の子に戻った様子や、一人の女の子としての感想を話したりする様子を描くために、衣装もTシャツにして、足も裸足にしている。その中で、卯月が「アイドルみたいですね」と言う。これは、卯月の天然さを描く一方、14人のシンデレラプロジェクトの中で、卯月だけが少しずれていて、卯月にとっては第1話が始める前から、ずっと夢が続いていて、今もその夢の延長線上にいる。だからこそ、ふわっとしていて、危うい存在なんだということを表現し、このことが2nd seasonの第23話、第24話につながっていく。そんな卯月とは対照的に、凛と未央はライブで手応えを感じていて、だからこそ、凛と未央を中心としたアップの描写がある。
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; 第24話<ref>{{cite book|和書|title=THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS COMPLETE ANIMEFAN BOOK|date=2016-05-28|edition=初版|page=|pages=155-157}}</ref>
: 第23話からはこれまで1話1回ずつ動いている時計の針が12時を指してから一切動かなくなり、最終話まで動かない。シンデレラの舞踏会は時計の針が12時の鐘が鳴ったら終わってしまう。その後、アイドル達がどのように動くのかということを描くために止めた。時計の針が12時を越えても自分が思い続けていければ「シンデレラの時間」は続いていく。鐘と言う者は、お城から提示された枠組みで、その枠組みを越えた後女の子たちがどうしていくのかが大切だと高雄が考えたからだ。
: 第24話でも花のモチーフが出てきており、中庭に咲いている花は「[[プリムラ|プリムラ ポリアンサ]]」(花言葉:青春の輝きと痛み)で、乗り越えるべき痛みは必ずあるといういみで、季節的にも合うということで選ばれた。
: 卯月が凛と未央と合流した後の舞台裏で3人が座っているところのシーンは2en seasonのオープニングのシーンと構図を用いたりと、第24話はこれまでの総ざらいのような話になっている。
: 卯月が最後に「S(mile)ING!」を歌うシーンも、卯月が完全に決心して歌ったわけではなく、卯月はこの先も戦っていかなくてはいけないし、歌っている最終も自分と戦っている。S(mile)ING!自体「明日を願おう」という歌詞の通り、「これからやっていこう」という歌というのもある。
 
== 登場人物 ==
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なお、各ユニットの頭文字('''C'''ANDY '''I'''SLAND、'''n'''ew generations、'''De'''coration、'''R'''osenburg '''E'''ngel、'''L'''OVE '''L'''AIKA、'''A'''sterisk)を組み合わせると、「'''CINDERELLA'''」となる。
; new generations(ニュージェネレーションズ)
: 第4話で結成が発表され、第6話でデビューしたユニット。リーダーは本田未央
:; [[アイドルマスター シンデレラガールズ#島村卯月|島村 卯月]](しまむら うづき)
:: [[声優|声]] - [[大橋彩香]]
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=== エンディングスタッフ ===
{{dl2
;| (第2話、第4話、第5話) |
* 絵コンテ・演出 - 赤井俊文
* 作画監督 - 松尾祐輔
;| (第6話) |
 
; (第6話)
* 絵コンテ・演出・作画監督 - 長町英樹
;| (第8話) |
 
; (第8話)
* 絵コンテ・演出 - 岡本学
* 作画監督 - 川妻智美
;| (第9話) |
 
; (第9話)
* 絵コンテ - [[高雄統子]]
* 演出 - 原田孝宏
* 作画監督 - 松尾祐輔
;| (第10話) |
 
; (第10話)
* 絵コンテ・演出 - 益山亮司
* 作画監督 - 山田有慶
;| (第11話) |
 
; (第11話)
* 絵コンテ - 鈴木健太郎
* 演出 - 赤井俊文
* 作画監督 - 松尾祐輔
;| (第12話) |
 
; (第12話)
* 絵コンテ - [[高雄統子]]
* 演出 - 原田孝宏
* 作画監督 - 松尾祐輔
}}
 
== 主題歌・挿入歌 ==