削除された内容 追加された内容
m →‎形態論: 日本語として成立していない箇所を是正。
Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考/シュスワプ語 20170812でのご指摘に基づき、一部に改善措置。/ 用語の一つに英名表記を追加。
5行目:
|states={{CAN}}
|region=[[ブリティッシュコロンビア州]]
|speakers=流暢に話すことが可能である話者は197人、{{仮リンク|半話者|en|Semi-speaker}}({{Lang-en-short|semi-speakers }})は1千187人<ref>{{Harvcoltxt|FPCC|2014|p=25}}.</ref>
|ethnicity={{仮リンク|シュスワップ族|en|Secwepemc}}
|familycolor=アメリカ
20行目:
20世紀には、カナダ政府がシュスワップ族に対して、強制的かつ抑圧的な[[インディアン寄宿学校|寄宿学校]]制度を行い、親世代から子世代への言語の継承が阻害されてきた。その上、近年も話者の高齢化が進む一方で、若い世代の[[第一言語]]が[[英語]]に[[言語交替|切り替わる]]傾向にあるが、衰退するシュスワプ語を教育によって再興しようという取り組みも行われている(参照: [[#言語教育]])。シュスワプ語は19世紀末には学術的な場において取り上げられているが、研究の発展は20世紀、特に1970年代前半に文法記述が発表されてから見られた(参照: [[#研究史]])。
 
言語自体の特徴としては、[[音韻論|音韻]]的には子音の数が多く(参照: [[#子音]])、[[形態論|形態]]的には{{仮リンク[[畳語|重複|en|Reduplication}}]]({{Lang-en-short|reduplication}})と[[接辞]]による語の変化が見られるほか、セイリッシュ語族の言語としては唯一[[一人称]]複数に包含({{Lang-en-short|inclusive}})と除外({{Lang-en-short|exclusive}})の区別が見られ(参照: [[#文法]]、[[#形態論]])、[[統語論|統語]]的には動詞が他の要素より先頭に来る語順の傾向(参照: [[#語順]])や2種類の格(参照: [[#格]])が見られ、また形態統語的には[[主要部#主要部標示と従属部標示|主要部標示]]({{Lang-en-short|head marking}})型言語である(参照: [[#統語論における代名詞]])といった点が挙げられる。
 
2000年から公開されているウェブサイト {{仮リンク|FirstVoices|en|FirstVoices}}では、他の様々なファースト・ネーションの言語と共にシュスワプ語の語彙や成句が音声つきで紹介されている。
288行目:
 
=== 形態論 ===
シュスワプ語の主な語構成の方法は、[[畳語|重複]]{{Refnest|group=注|{{Lang-en-short|reduplication}}。形式の全体または一部が繰り返される[[形態論]]的な現象。一部が繰り返される例としては、[[ラテン語]]の ''momordi''〈私は噛んだ〉が、[[語根]] '''''mo'''rdi-'' から派生した[[語幹]] '''''momo'''rd-'' によることなどが挙げられる<ref>Matthews (2009d).</ref>。なお、[[サンスクリット]]の語根 '''''dhā'''-'' 〈置く〉から '''''dadhā'''mi''〈私は置く〉が、'''''hu'''-''〈くべる〉から '''''juho'''mi'' 〈私はくべる〉が生ずる<ref>ゴンダ (1974:57&ndash;59).</ref>ように、繰り返される子音や母音が全く同一のものではない重複の例も存在する。}}によるものと[[接辞]]によるものの2つである<ref name="mo1989a" />。Dryer (2013a) は {{Harvcoltxt|Kuipers|1974|p=passim}} から、シュスワプ語の[[語形変化|屈折変化]]において[[接頭辞]]が関わる傾向と[[接尾辞]]が関わる傾向とは同じ程度であると判断している。
 
シュスワプ語に限らずセイリッシュ語族の言語は動詞と名詞の区別がつけにくいとされている<ref>大島 (1989b).</ref><ref name="mt2000_17" />が、その原因はある1つの語根が場合によって名詞を表したり、〈…である〉という状態の動詞を表したりすることにある。このうち後者を指して「叙述名詞」と呼称する例も見られる<ref name="mo1989a" />。
295行目:
 
==== 重複(法) ====
シュスワプ語には様々な種類の[[畳語|重複]]が見られる<ref>{{Harvcoltxt|Kuipers|1974|p=37&ndash;38}}.</ref>。たとえば動詞や名詞の複数性を表すための全体重複({{Lang-en-short|total reduplication}}; 例: '''''kic'''x'' 〈彼/彼女が着く〉 → {{Unicode|'''''kəc'''-'''kíc'''x''}} 〈彼らが着く〉)や[[指小辞|指小]]化を表す子音重複({{Lang-en-short|consonant reduplication}}; 例: {{Unicode|'''''p'''ésəλk°e''}} 〈湖〉 → {{Unicode|'''''p'''é'''p'''səλk°e''}} 〈小さな湖〉)などである。このうち子音重複はもともと一人称単数の謙遜を表すためのものと思われ、デッドマンズクリーク方言ではまれである一方、カニム湖方言やアルカリ湖方言では義務的ではないものの当たり前のように見られる<ref>{{Harvcoltxt|Kuipers|1974|p=39}}.</ref>。
 
==== 名詞 ====
793行目:
シュスワプ語の接尾辞には自動詞化や[[#他動詞|他動詞化]]、[[#命令|命令]]や人称を表すもののほかに<ref name="ahk1974_59">{{Harvcoltxt|Kuipers|1974|p=59}}.</ref>、名詞や動詞の意味を広げる機能を持つ具体的な事象を含意する派生接尾辞が豊富に存在する<ref name="mo1989a" />。派生接尾辞には身体部位や人間に関するものなどが含まれる<ref name="mo1989a" />。
 
なお、身体部位や特定の人間を表す要素が名詞と接辞とで2通りの形態を持つ現象は、カナダ先住民語においてはシュスワプ語を含むセイリッシュ諸語のほか、{{仮リンク|ヘイルツク語|en|Heiltsuk-Oowekyala language}}(Heiltsuk)や{{仮リンク|クヮキゥートル語|en|Kwak'wala}}(Kwakiutl)、{{仮リンク|ヌートカ語|en|Nuu-chah-nulth language}}(Nootka)といった{{仮リンク|ワカシュ語族|en|Wakashan languages}}({{Lang-en-short|Wakashan}})の言語にも見られるものである<ref>Tyler ''et al.'' (1891:693, 696&ndash;699).</ref>。
 
===== 身体に関する接尾辞 =====
1,062行目:
* [http://www.atahm.com/ STEN - Shared Teacher Education Network] {{Accessdate|2017-04-02}}
<!--本当はFirstVoicesへのリンクも貼りたいところではあるのですが、このサイトの利用条件として「特別な許可がある場合を除き、リンクはサイトのホームページに貼らなければならない」という旨が記されている為、控えておきます。なお、英語版記事(2016年11月14日 05:37 (UTC))では脚注としてリンクが貼られていますが、真似はしない方が無難と思われます。-->
{{Language-stub}}
{{CND-stub}}
 
{{DEFAULTSORT:しゆすわふこ}}