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| Alt =
| Artist = [[ピクシーズ]]
| Album = [[ドリトル]](原題: [[:en:Doolittle (album)|Dollittle]])
| A-side = Monkey Gone to Heaven
| B-side = Manta Ray<br />Weird at My School<br />Dancing the Manta Ray
| Released = 1989年3月20日
| Format = [[レコード]] (7インチ、12インチ), [[コンパクトディスク]]
| Recorded = アメリカ合衆国 マサチューセッツ州ボストン Downtown Recorders (1988年11月)<br />(弦楽器セクションの録音)アメリカ合衆国 [[コネチカット州]][[スタンフォード (コネチカット州)|スタンフォード]] Carriage House Studios (1988年12月4日)
| Genre = [[オルタナティヴ・ロック]]
| Length = 2:56
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| Next single = "[[:en:Here Comes Your Man|Here Comes Your Man]]"<br />(1989年)
}}
『'''Monkey Gone to Heaven'''』はアメリカの[[オルタナティヴ・ロック]]バンド、[[ピクシーズ]]の楽曲。また、ピクシーズが1989年に発売したアルバム「[[ドリトル]](原題: [[:en:Doolittle (album)|Dollittle]])」の7曲目の楽曲である。[[ボーカル#リードボーカル|リードボーカル]]の[[ブラック・フランシス]]が作詞・作曲を手掛け、[[ギル・ノートン]]がプロデュースを行った。環境保護主義と聖書の数秘術に触れながら、歌詞にはドリトルで模索されていたテーマが反映されている。「Monkey Gone to Heaven」はゲストミュージシャンとして出演したArthur FiaccoとAnn RorichのセリストとKaren KarlsrudとCorine Metterのバイオリニストの4人をゲストミュージシャン起用した初のピクシーズ作品でもある。
 
「Monkey Gone to Heaven」はアルバム・Doolittleの中から発売されたファースト[[シングル]]としてアメリカとイギリスでリリースされた。バンドが直前に[[エレクトラ・レコード]]と契約を結んでいたため、アメリカで初のエレクトラ・レコード[[レコードレーベル|レーベル]]の楽曲となった。楽曲は好評を博し、[[ローリング・ストーン]]のDavid Frickeは楽曲について「神とゴミについて人々に考えさせている」と語った<ref name="rollingstone">Fricke, David. "Pixies Cast Their Spell". ''Rolling Stone''. June 1989.</ref>。リリース後も楽曲は複数の音楽誌から称賛されている。
 
== 歌詞・意味 ==
「Monkey Gone to Heaven」のメインテーマは[[環境主義|環境保護主義]]である。「人間による海洋破壊」と「宇宙における人間の立場の混乱」を主に扱っている。一方で、後にブラックは「『海』は巨大なトイレだ。物が洗い流され、再浄化、分解される大きくて暗いミステリアスな場所なのだ。そして[[オクトパスガーデン]]やバミューダトライアングル、アトランティス、人魚がいるのもこの謎に包まれた場所なのだ。」と語った<ref name="pg96" />。フランシスは詩を書き上げないうちに「this monkey’s gone to heaven」という曲のサビを思いついていた。詞は人との関係と環境保護主義の関係を中心に展開され、楽曲の基本的な部分を構成するものだった。書き途中の歌詞に曲を付けた後、フランシスは[[リードギター|リードギタリスト]]の[[ジョーイ・サンィアゴ]]に聞かせるために彼のアパートに急いだ。後にサンティアゴはこの時の演奏について「それは朝早く、私もまだ疲れていたころ、フランシスが『ねえジョー、そっちへ行ってもいいかい。君に見せたいものがあるんだ。』と言ってきたんだ。(中略)曲はとても素晴らしい物でした。彼は『もし人が5なら』のパートを持ってきたんだ。彼は笑っていたよ。(中略)とても陽気な音楽だったよ。」と語った<ref name="pg96">Sisario, Ben. ''Doolittle 33⅓''. Continuum, 2006. {{ISBN|0-8264-1774-4}}. p. 96</ref>。
 
「Monkey Gone to Heaven」は歌詞の中で「人が5なら悪魔は6、そして神は7。」という数秘術について言及している。後にフランシスは[[オルタナティヴ・プレス]]のインタビューで歌詞の重要性について詳しく語った。「歌詞は私がヘブライの[[数秘術]]について理解していることを前提にしてしまっているので、それについてほとんど知らないんです。ヘブライ語、特に聖書の中で人が5なら悪魔は6、そして神は7を指すであろうとする事実を多数見つけられると誰かが教えてくれたことを丁度思い出しました。(中略)図書館に行って、知識を深めることはしなかったよ。」<ref>Goldman, Marlene. "Here and There and Everywhere". ''Alternative Press'' Vol IV, No 22. September 1989.</ref>。この楽曲の数秘術は5、6、7の数字や光輪のある猿を特徴とするシングルのカバーにほのめかされている。
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「Monkey Gone to Heaven」は[[ニ長調]]の音楽である。[[キム・ディール]]のベースギターと[[デイヴィッド・ラヴァリング]]のドラムの伴奏で、短いコード進行をとったフランシスの[[リズムギター]]から始まる。フランシスが歌いだすとギターの激しさは収束し、ディールのベースラインとラヴァリングの落ち着いたドラムだけが残る<ref name="s98">Sisario, 2006. p. 98.</ref>。歌詞の各行の間ごとにフランシスは歌を止め、ドラムとベースを残す。[[ジョーイ・サンティアゴ]]の[[リードギター]]は歌唱中では演奏しない。それぞれの歌詞の二行目の終わりでベースラインに沿って[[チェロ]]パートが参加する<ref>{{cite web | url={{Allmusic|class=song|id=t1528292|pure_url=yes}} | title=Monkey Gone to Heaven > Song Review | accessdate=2007-06-08 | author=Janovitz, Bill | publisher=''[[Allmusic]]''}}</ref>。
 
歌詞の最初の節が終わると、オープニングコードが繰り返され、この部分はサンティアゴのリードギターが2つのアルペジオを繰り返すコーラス(フランシスとディールが「This mokey’s gone to heaven」と繰り返すコーラス)につながる。その間、2つの[[バイオリン]]が[[ピアノ]]と共にバックでメロディラインを演奏する<ref name="s98" />。コーラスと歌詞の第2節とをつなぐため、メロディを三度繰り返すサンディアゴの短いソロがある。第2節とコーラスは同じ構成をしている。第2コーラスの終わりにフランシスは「Rock me Joe!」と叫ぶ。その後サンティアゴは残りの17秒をギターのソロで演奏し、ソロの後半はバイオリンの伴奏がある。
 
ソロが終わるとフランシスは何度も「If man is five」と歌う。この数秒間リードギター以外の伴奏は無いが、コードが再び演奏され始めると今度は「If the devil is six」と繰り返す。2回のコードが終わる曲の主題が再び演奏され始める。するとフランシスはコーラスが近づくにつれ「Then God is seven」と叫ぶ。弦楽器セクションがより目立つようになりながら「This monkey’s gone to heaven」という最後のコーラスを繰り返し、楽曲は終了する。
 
== レコーディング・制作 ==
バンドパートは[[マサチューセッツ州]][[ボストン]]のDowntown Recordersで録音された。弦楽器セクションの録音は「[[ドリトル]]」が[[コネチカット州]][[スタンフォード (コネチカット州)|スタンフォード]]のCarriage House Studiosでミキシングされている間に行われた。アルバムのプロデューサーであるギル・ノートンはレコーディング中にグランドピアノでの内部奏法を見て、弦楽器セクションを楽曲に加える着想を得た<ref>Frank, Ganz, 2005. p. 113.</ref>。ノートン率いる制作チームはある晩のセッションでスタジオのオーナー、John Montagneseに弦楽器奏者を参加させることを依頼した。スタジオは「Missing in Action」や「[[死霊の牙]]」などの[[B級映画]]の[[オーケストラ]]音楽のレコーディングにもよく使われた場所だった。Montagneseはレコーディングの為に地元の楽団からクラシック奏者を4名雇い、1988年12月4日の午後、セッションが行われたのだった<ref name="sos">{{cite web | url=http://www.soundonsound.com/sos/dec05/articles/classictracks.htm | title=Classic Tracks: The Pixies 'Monkey Gone To Heaven' | accessdate=2008-01-06 |date=December 2005 | author=Buskin, Richard | publisher=SoundOnSound}}</ref>
 
[[チェロ|チェロ奏者]]のArthur Fiaccoが最初にCarriage Houseに到着した。彼は午後に開かれたコンサートからそのまま来たので黒と白のフォーマルな服装をしていた。Fiaccoは奏者が演奏するために書かれた楽譜がないことを知りとても驚き、フランシスが見せたリフを基に自身のパートを書き上げた<ref name="sos" />。[[ヴァイオリン|バイオリニスト]]のCorinne MetterとKaren Karsrudもフランシスとノートンの指示に従った。もう一人のチェロ奏者であるAnn Porichはアルバムとシングルを信じで名前がクレジットされ帰宅いる。Fiaccoによると、彼は彼女のパートを2倍にしたという<ref>Sisario, 2006. p. 99.</ref>。
 
== リリース・ミュージックビデオ ==
Doolittleの初めてのシングル「Monkey Gone to Heaven」は1989年4月、[[無線局|ラジオ局]]のローテーションのためにアメリカで発売された。シングルは[[エレクトラ・レコード]]のマーケティングの助けもあり、アメリカの[[オルタナティヴ・ソングス|モダン・ロック・トラクス]]・チャートのシングル第5位を獲得<ref>{{cite web | url={{BillboardURLbyName|artist=pixies|chart=Alternative Songs}} | title=Artist Chart History&nbsp;— Pixies | accessdate=2008-01-06 | publisher=Billboard.com}}</ref>。イギリスでは1989年4月1日に発売され、イギリスのチャートに3週ランクイン、初週は60位を獲得した<ref name=occ>{{cite web|title=Pixies - Full Official Chart History|url=http://www.officialcharts.com/artist/16940/pixies/|website=Official Charts Company|publisher=Official Charts Company|accessdate=19 January 2016}}</ref>。
 
ピクシーズ初めての[[ミュージックビデオ]]であるMonkey Gone to HeavenのMVは、ステージ上で楽器を演奏するバンドを主体とし、カメラはかわるがわるバンドメンバーに焦点をあてる。[[モノクローム|白黒]]に撮影されたり、サーチライトがカメラを横切ったり、[[スローモーション]]などのエフェクトが用いられている。MV中、白黒に戻る前の数秒間何度かカラーに切り替わる。ビデオの途中で、バンドを覆う霧がステージ上に現れる。弦楽器のメンバーはビデオには映らない。
 
この楽曲は後に[[ブラック・フランシス]]によって再録され、彼が2004年にリリースしたアルバム「Frank Black Francis」に収録された。
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== 評価 ==
一般的に「Monkey Gone to Heaven」は良く評価された。イギリスの雑誌[[ニュー・ミュージカル・エクスプレス|NME]]は、1989年3月にイギリスの7インチシングルMonkey Gone to Heavenをレビューし、次のように評している。「粋な野郎どもは、近頃弦楽器とグランジギターをミキシングしている。ピクシーズが例外というわけではない。叫ぶように歌うボーカル、[[サイエンス・フィクション|SF]]調の歌詞、ギターという常に溶けた溶岩はあなたの耳にこれまでとは違う新しい穴をあけ、これまでとは違う感覚を味合わせる。'Monkey Gone to Heaven' pukes acid and poetry into America's [[AOR]] heartland before being splattered by the faster and more direct sting of the second track 'Manta Ray'."<ref>"The Pixies&nbsp;— Monkey Gone to Heaven". ''NME''. March 1989.</ref>1989年4月にDoolittleがリリースされたとき、NMEのEdwin Pounceyは次のように付け加えた。「素敵な『Monkey Gone to Heaven』は、豪華さを付け加えている。しかし鋭い歌を包み込み丸くするような弦楽器がバンドの新しい編曲に取り込まれている。『猿』に天空のハープを加えた完全に管弦楽化する機転は彼らの衝動だったに違いない。賢明にその企ては抵抗されました。」<ref>Pouncey, Edwin. "Pixies&nbsp;— Doolittle" ''NME''. April 1989.</ref>
 
イギリスの[[Q (雑誌)|Q]]誌はドリトルのレビューで「Monkey Gone to Heaven」について次のように述べている。「楽曲はきれいなものではないが、丁寧に構成された直接的なリズムは実に理にかなっている。本能的な感覚は『Monkey Gone to Heaven』や『Debaser』のように楽曲のスニッフィング範囲に入ったときに倍増する。」<ref>Kane, Peter. "Pixies&nbsp;— Doolittle" ''Q'' number 32. May 1989.</ref>ドリトルをレビューした[[ローリング・ストーン]]のDavid Frickeは「『Monkey Gone to Heaven』は神とゴミについて人々に考えさせている。」と語っている<ref name="rollingstone" />。