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{{Infobox animanga/Header
| タイトル = 加瀬さんシリーズ
| 画像 =
| サイズ =
| 説明 =
| ジャンル = [[百合 (ジャンル)|百合]]<br />[[恋愛漫画]]<br />[[学園漫画]]
}}
{{Infobox animanga/Manga
| 作者 = [[高嶋ひろみ]]
| 作画 =
| 出版社 = [[新書館]]
| 他出版社 =
| 掲載誌 = ひらり、→ウェブマガジンウィングス→[[ウィングス (雑誌)|ウィングス]]
| レーベル = ひらり、コミックス
| 発行日 =
| 発売日 =
| 開始号 = ひらり:Vol.2
| 終了号 = Vol.14<br />ウェブ:2014年11月号 - 2017年3月号<br />ウィングス:2017年6月号 -
| 開始日 = [[2010年]][[8月26日]]<ref>{{Cite web|date=2010-08-26|url=https://natalie.mu/comic/news/36762|title=百合系アンソロ「ひらり、」Vol.2に桑田乃梨子ら執筆|website=[[コミックナタリー]]|publisher=ナターシャ|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170706201435/https://natalie.mu/comic/news/36762|archivedate=2017-07-06}}</ref>
| 終了日 =
| 発表期間 =
| 巻数 = 既刊5巻(2018年5月現在)
| 話数 =
| その他 =
| インターネット =
}}
{{Infobox animanga/OVA
| タイトル = あさがおと加瀬さん。
| 原作 = 高嶋ひろみ
| 総監督 =
| 監督 = [[佐藤卓哉]]
| シリーズ構成 =
| 脚本 = 佐藤卓哉
| キャラクターデザイン = [[坂井久太]]
| メカニックデザイン =
| 音楽 = [[rionos]]
| アニメーション制作 = [[ZEXCS]]
| 製作 = 「あさがおと加瀬さん。」製作委員会
| 発売日 =
| 開始 =
| 終了 =
| 収録時間 =
| 話数 =
| その他 =
}}
{{Infobox animanga/Footer
| ウィキプロジェクト = [[プロジェクト:漫画|漫画]]・[[プロジェクト:アニメ|アニメ]]
| ウィキポータル = [[Portal:漫画|漫画]]・[[Portal:アニメ|アニメ]]
}}
「'''加瀬さんシリーズ'''」(かせさんシリーズ)は、[[高嶋ひろみ]]による[[日本]]の[[百合 (ジャンル)|百合漫画]]シリーズ。山田結衣と加瀬友香という、2人の女子の恋模様を描く<ref name="入門">{{Cite book|和書|year=2016|title=百合の世界入門|page=31|publisher=[[玄光社]]|isbn=978-4-7683-0787-8}}</ref>。
本シリーズの初出作品は、[[2010年]]に発売されたコミックアンソロジー『ひらり、』([[新書館]])Vol.2に掲載された読み切り「あさがおと加瀬さん。」である。その後、『ひらり、』Vol.4からシリーズ化し<ref>{{Cite web|author=高嶋ひろみ|date=2011-04-15|url=http://gureko.blog21.fc2.com/blog-entry-180.html|title=今月のおしごと|website=Takashimaya|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180518054507/http://gureko.blog21.fc2.com/blog-entry-180.html|archivedate=2018-05-18}}</ref>、以後、同誌で連載された。『ひらり、』は[[2014年]]に発売されたVol.14をもって休刊したが<ref>{{Cite web|date=2014-07-30|url=https://natalie.mu/comic/news/122377|title=新書館の百合アンソロ「ひらり、」休刊|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170518132531/https://natalie.mu/comic/news/122377|archivedate=2017-05-18}}</ref>、本シリーズは『ウェブマガジンウィングス』(新書館)を経て『[[ウィングス (雑誌)|ウィングス]]』(新書館)で現在も連載中である。各話のサブタイトルは「'''○○と加瀬さん。'''」という形で統一されており、コミックス各巻のタイトルも同様である。
== あらすじ ==
ある年の4月、西高校の2年生で陸上部員・'''加瀬友香'''は、同学年の緑化委員・'''山田結衣'''が校内の草むしりをしているのを見かける。彼女の草むしりに対する思いを知った友香は、それ以来、結衣のことを目で追うようになり、夏休み前、校内の[[アサガオ|あさがお]]に水やりにきた結衣に話しかける。一方、結衣も、声をかけられたことがきっかけで友香に好意を抱く。2人は徐々に親交を深め、3学期に行われたマラソン大会の日、交際をスタートさせる。
その後、2人は3年生に進級する。結衣は、親友の三河から、かつて友香が陸上部の先輩・井上茜と交際していたという噂を聞かされる。結衣は一時、茜に嫉妬するが、文化祭の日にその噂は誤解と判明する。一方、結衣は高校卒業後の進路についても悩んでいたが、[[東京]]の[[体育大学]]を受験する友香に触発される形で、東京の[[女子大学]]を受験することを決め、2人とも合格を果たす。
== 登場人物 ==
; 山田 結衣(やまだ ゆい)
: [[声優|声]] - [[高橋未奈美]]{{sfn|パンフレット|2018|p=24}}
: 本シリーズの主人公<ref>{{Cite web|author=加山竜司|date=2018-01-16|url=http://konomanga.jp/special/134810-2|title=『ストリートファイター佐賀』発売へ……!? 【B級ニュース】|website=このマンガがすごい!WEB|publisher=[[宝島社]]|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180715225032/http://konomanga.jp/special/134810-2|archivedate=2018-07-15}}</ref>。西高校に通う女子高生で、緑化委員。高校卒業後は東京のK女子大の園芸学科に進学する。
: 内気な性格で<ref name="Febri">{{Cite journal|和書|title=Febri RECOMMEND|date=2018-07-01|publisher=[[一迅社]]|journal=[[Febri]]|issue=VOL.49|page=67}}</ref>、どんくさいところがある<ref name="入門" />。[[園芸]]が好きで、高校在学中は休日も校内の緑化に取り組んでいた。
: 作中では時折頭から双葉が生えている描写があり、そのときの結衣の感情に伴って葉の様子が変化している。
; 加瀬 友香(かせ ともか)
: 声 - [[佐倉綾音]]{{sfn|パンフレット|2018|p=24}}
: 本シリーズのヒロイン。西高校に通う女子高生で、陸上部のエース選手。高校卒業後は東京のN体大に進学する。
: 快活な性格で<ref name="ダ・ヴィンチ">{{Cite journal|和書|author=北小路夜空|title=『加瀬さん。』シリーズ 高嶋ひろみインタビュー|date=2018-03-06|publisher=[[KADOKAWA]]|journal=[[ダ・ヴィンチ]]|volume=25|issue=3|pages=196-197}}</ref>、周囲からの人気も高い。一方で、結衣と交際する前から、結衣のことをしばしば性的な目で見ている描写がある。
; 三河(みかわ)
: 声 - [[木戸衣吹]]{{sfn|パンフレット|2018|p=30}}
: 結衣の親友。西高校に通う女子高生で、テニス部員。高校卒業後は東京の[[専門学校]]に進学する。
: さっぱりした性格の持ち主。結衣とは高校1年生のときに親しくなり、3年生に進級してからは友香とも交流を深めている。
; 井上 茜(いのうえ あかね)
: 声 - [[寿美菜子]]{{sfn|パンフレット|2018|p=38}}
: 西高校の[[OB・OG|OG]]で、N体大の学生。友香にとって1学年上の先輩に当たる。
: 高校時代は陸上部に所属しており、後輩の友香と一緒に練習をしていた{{Refnest|group=注|高校から帰宅するときも友香と一緒だったため、その光景を目撃した三河から「友香の元恋人」と勘違いされていたが、実際には友香との交際経験はない。}}。大学進学後も陸上を続けている。
== 制作背景 ==
本シリーズは、[[2009年]]、新書館の編集者が高嶋に『ひらり、』に載せる漫画を描くよう依頼したことがきっかけでスタートした{{sfn|パンフレット|2018|pp=12–15}}。当時、高嶋は百合漫画を描いたことがなかったが、「女の子を描きたい」という思いから依頼を受けたという<ref name="ダ・ヴィンチ" />。
高嶋によると当初はコメディ色が強い作品を構想していたが、「カッコいい女の子を描きたい」という思いから方針を転換し、その結果、本シリーズが生まれたという{{sfn|パンフレット|2018|pp=12–15}}。より具体的には、「男の子じゃないのに、ドキッとしてしまうかっこいい先輩」を描きたい、という思いから生まれたのが本シリーズであるという<ref name="ダ・ヴィンチ" />。
実際に、高嶋が学生時代に出会った女の子の中に、同性にモテる「カッコいい女の子」がいたといい、友香はその子をモデルとして描かれている{{sfn|パンフレット|2018|pp=12–15}}。一方で、結衣には特定のモデルはおらず、友香と対になるキャラクターとして誕生した{{sfn|パンフレット|2018|pp=12–15}}。
==
本シリーズは女の子同士の恋愛をテーマにしており、恋や青春における「きらきらしたピュアさ」が特徴である<ref name="ダ・ヴィンチ" />。ライターの和智永妙は、本シリーズの魅力について「女の子同士だからこそできる恋やドキドキ感がとても初々しく、キュートな絵柄で描かれている」点を挙げている<ref>{{Cite web|author=和智永妙|date=2014-08-17|url=http://konomanga.jp/guide/8848-2|title=【日刊マンガガイド】『おべんとうと加瀬さん。』 高嶋ひろみ|website=このマンガがすごい!WEB|publisher=宝島社|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20171224073518/http://konomanga.jp/guide/8848-2|archivedate=2017-12-24}}</ref>。
なお、本シリーズの初出作品が掲載された『ひらり、』は「ピュア百合」をテーマとしていた{{sfn|パンフレット|2018|pp=12–15}}。高嶋は、「学生時代の『好きでたまらない』『歯止めがきかない』感じ」がピュア百合であると考え、本シリーズではそれを表現しようとしている、と語っている{{sfn|パンフレット|2018|pp=12–15}}。
[[2017年]]から、本シリーズを原作とした[[アニメ]]がリリースされている。いずれの作品も[[佐藤卓哉]]が[[アニメ監督|監督]]を務め、[[キャラクターデザイン#アニメ・コンピュータゲーム|キャラクターデザイン]]を[[坂井久太]]が担当している。また、アニメーションは[[ZEXCS]]が制作している。
本シリーズのアニメ化企画は、佐藤の提案に端を発する<ref name="Febri" />。佐藤によると[[2016年]]の春に本シリーズにハマったといい、その後、坂井にアニメ化の話を持ちかけたところ坂井もこれに応じたため、本格的にアニメ化に向けて動き出したという<ref name="pp0101">{{Cite web|author=西村萌|url=https://natalie.mu/comic/pp/asagaotokasesan/page/1|title=女子高生2人の青春劇、“光だけ”詰め込んで映像化|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|page=1|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180615121219/https://natalie.mu/comic/pp/asagaotokasesan/page/1|archivedate=2018-06-15}}</ref>。そして2017年5月に[[YouTube]]でアニメーションクリップが公開され、2018年6月には[[OVA]]が劇場公開されている。
=== アニメーションクリップ ===
2017年[[5月7日]]、アニメーションクリップ「キミノヒカリ」がYouTubeで公開された。ここで言う「アニメーションクリップ」とは、楽曲に乗せてアニメーション映像を流す[[ビデオクリップ]]のことであり<ref name="pp0101" />、この動画では[[奥華子]]の「[[good-bye (奥華子のアルバム)#収録曲|君の笑顔 (album ver.)]]」がイメージソングとして使用されている<ref name="Febri" />。動画の長さは6分40秒であり<ref>{{Cite web|date=2017-05-08|url=https://natalie.mu/comic/news/231641|title=「あさがおと加瀬さん。」アニメーション映像解禁! JK同士の青春がさわやかに|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20171024223423/https://natalie.mu/comic/news/231641|archivedate=2017-10-24}}</ref>、動画の公開時点で刊行されていたコミックス3巻分の要所が描かれた映像となっている<ref name="pp0102">{{Cite web|author=西村萌|url=https://natalie.mu/comic/pp/asagaotokasesan/page/2|title=女子高生2人の青春劇、“光だけ”詰め込んで映像化|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|page=2|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180616043825/https://natalie.mu/comic/pp/asagaotokasesan/page/2|archivedate=2018-06-16}}</ref>{{Refnest|group=注|「キミノヒカリ」がYouTubeで公開された時点で刊行されていたコミックスは、『あさがおと加瀬さん。』『おべんとうと加瀬さん。』『ショートケーキと加瀬さん。』の計3巻である。}}。
佐藤は、アニメーションクリップについて「光り輝くような場面だけを追体験するような」映像を目指した、と発言している{{sfn|ブックレット|2017|pp=16–25}}。制作に当たっては「いかに“光だけ”を描くか」というテーマがあったといい、光の描写についても、通常のアニメーションとは異なる表現が試みられている<ref name="pp0102" />。具体的には、光を透過光のような[[特殊効果]]で表現するのではなく、光を作画し、それを「エフェクトのように動かす」という手法が採られている{{sfn|パンフレット|2018|pp=4–9}}。
==== スタッフ(アニメーションクリップ) ====
{{external media|width=300px|align=right|video1={{YouTube|tuG7sUdfkFM|【あさがおと加瀬さん。】 アニメーションクリップ「キミノヒカリ」【Kase-san and Morning Glories】}} - ポニーキャニオンのアニメ関連動画チャンネルにアップロードされたビデオクリップ}}
* 原作 - 高嶋ひろみ
* 監督・[[絵コンテ]]・演出 - 佐藤卓哉
* キャラクターデザイン・[[作画監督]] - 坂井久太
* [[プロップ]]設定 - 郷津春奈
* [[色彩設計]] - 岩井田洋
* [[美術監督#アニメーションでの美術監督|美術監督]] - 平間由香
* [[美術監督#美術設定|美術設定]] - 松本浩樹
* [[撮影監督#アニメの撮影監督|撮影監督]] - 口羽毅
* 編集 - 後藤正浩
* プロデューサー - 寺田悠輔
* 制作プロデューサー - 新宅潔
* アニメーション制作 - ZEXCS
(以上、{{harvnb|ブックレット|2017|pp=34–35}}より抜粋)
=== OVA ===
{| class="wikitable" style="float:right; font-size:80%;" border="1"
|+ OVAのスタッフ{{sfn|パンフレット|2018|pp=48–49}}
|-
! 原作
|高嶋ひろみ
|-
! 監督・脚本・[[音響監督]]
|佐藤卓哉
|-
! キャラクターデザイン<br />総作画監督
|坂井久太
|-
! プロップデザイン
|濱田悠示、郷津春奈
|-
! 色彩設計
|岩井田洋
|-
! 美術監督
|橋本和幸
|-
! コンセプトボード
|平間由香、池田祐二
|-
! 美術設定
|緒川マミオ
|-
! 撮影監督
|口羽毅
|-
! 編集
|後藤正浩
|-
! 音楽
|[[rionos]]
|-
! 音楽プロデューサー
|中村伸一
|-
! プロデューサー
|寺田悠輔、熊谷文明<br />相島豪太、工藤雅世
|-
! アニメーションプロデューサー
|新宅潔
|-
! アニメーション制作
|ZEXCS
|-
! 音楽制作・配給
|[[ポニーキャニオン]]
|-
! 製作
|「あさがおと加瀬さん。」製作委員会
|}
2018年[[6月9日]]、本シリーズを原作とするOVA『あさがおと加瀬さん。』が劇場公開された。上映時間は58分で<ref name="cho-animedia48653">{{Cite web|date=2018-06-07|url=https://cho-animedia.jp/anime/48653/2/|title=【インタビュー】「『あさがおと加瀬さん。』は青春作品」 – 佐藤卓哉監督が伝えたい想い|website=[[超!アニメディア]]|publisher=[[学研プラス]]|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180717120555/https://cho-animedia.jp/anime/48653/2/|archivedate=2018-07-17}}</ref>、結衣と友香が交際を開始した後の話が描かれている{{sfn|パンフレット|2018|pp=4–9}}。
==== 製作に至る経緯 ====
本シリーズのアニメ化企画が動き出した当初、プロデューサーの寺田悠輔は、本シリーズには「一気に見せられるフォーマットが合っている」と考え、佐藤に劇場OVA化を目指すことを提案している{{sfn|ブックレット|2017|pp=16–25}}。佐藤もその提案に賛成するが{{sfn|ブックレット|2017|pp=16–25}}、一方で、佐藤には「できるだけ丁寧に作りたい」という思いもあった<ref name="pp0103">{{Cite web|author=西村萌|url=https://natalie.mu/comic/pp/asagaotokasesan/page/3|title=女子高生2人の青春劇、“光だけ”詰め込んで映像化|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|page=3|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180720095655/https://natalie.mu/comic/pp/asagaotokasesan/page/3|archivedate=2018-07-20}}</ref>。そのため、短い尺で純度の高い映像を作ることが検討され<ref name="pp0103" />、最終的に、本シリーズ初のアニメ化は「アニメーションクリップ」というフォーマットに落ち着いている。
アニメーションクリップ「キミノヒカリ」は、映像の完成度の高さが話題となり<ref name="ダ・ヴィンチ" />、YouTubeで公開されてから1週間で再生回数が10万回を超えた<ref name="Febri" />。こうした反響を受けて、本シリーズの劇場OVA化が決定した<ref>{{Cite web|author=増田桃子|url=https://natalie.mu/comic/pp/asagaotokasesan02/page/1|title=ただまっすぐに恋してる、女子高生2人の青春譚|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|page=1|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180720140011/https://natalie.mu/comic/pp/asagaotokasesan02/page/1|archivedate=2018-07-20}}</ref>。
==== 製作 ====
===== 美術・映像 =====
OVAのキャラクターデザインはアニメーションクリップに引き続き[[坂井久太]]が担当しており<ref>{{Cite web|date=2017-12-07|url=https://natalie.mu/comic/news/259981|title=「あさがおと加瀬さん。」山田は高橋未奈美、加瀬さん役に佐倉綾音|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180612143243/https://natalie.mu/comic/news/259981|archivedate=2018-06-12}}</ref>、スタジオ・ハードデラックスの小俣元から「可愛らしく魅力的」と評されている<ref name="Febri" />。
佐藤によると、アニメーションクリップ制作当初のデザイン案では友香はよりボーイッシュな感じだったといい、そのため、可愛らしさを増させるよう坂井に依頼したという<ref name="pp0102" />。そしてOVAでもその方向性は維持されている{{sfn|パンフレット|2018|pp=4–9}}。
絵作りについても、アニメーションクリップの雰囲気を維持するよう意識して作業が行われている<ref name="cho-animedia48653" />。ただし、OVAではアニメーションクリップと違って様々な感情が描かれており、アニメーションクリップのときにはあまり用いられなかった「影の表現」もOVAでは用いられている<ref>{{Cite journal|和書|title=私とずっと一緒に|date=2018-06-10|publisher=KADOKAWA|journal=[[月刊ニュータイプ]]|volume=34|issue=7|pages=46-49}}</ref>。
===== 劇伴 =====
OVAの[[劇伴]]は[[rionos]]が手掛けている。
佐藤は、本シリーズにドラマチックな音楽はそぐわないと考えており<ref name="cho-animedia48653" />、rionosに劇伴の制作を依頼する際も「シンプルな[[ピアノ]]と、本当に控え目な[[ストリングス]]の音楽」という方向性を提示している{{sfn|パンフレット|2018|pp=18–21}}。
実際に出来上がった劇伴では、「温かい丸い音」を出すために[[アップライトピアノ]]が多く使われている{{sfn|パンフレット|2018|pp=18–21}}。加えて、本シリーズの「ピュアな世界観」を表現するため、[[チェレスタ]]や[[ハープ]]といった楽器も使われている{{sfn|パンフレット|2018|pp=18–21}}。
===== キャスティング・演技 =====
OVAの出演者のうち、結衣役と友香役についてはオーディションが実施された。オーディションはテープオーディションとスタジオオーディションの2段階に分けて実施され、友香役はテープオーディションの段階で[[佐倉綾音]]に決まった{{sfn|パンフレット|2018|pp=4–9}}。一方、結衣役はテープオーディションでは決まらず、スタジオオーディションを経て[[高橋未奈美]]に決まった{{sfn|パンフレット|2018|pp=4–9}}。
佐藤は、友香役にはカッコよさと可愛さの両方を表現できる人が良いと考えていたといい<ref name="cho-animedia48653" />、佐倉の芝居がイメージに一番近かったと語っている{{sfn|パンフレット|2018|pp=4–9}}。一方、結衣役については、オーディション参加者の間でキャラクターに対する解釈が異なっていたため、最終的には、佐倉が演じる友香とのバランスを考慮して決定するという方針が採られた<ref name="cho-animedia48653" />。高橋は、テープオーディションの段階で結衣のイメージに近いという評価を受けていたが、結衣役に決まった後、大袈裟な演技をしないよう意識したことで結衣が「より自分の中に入ってきた」感覚があったという<ref name="cho-animedia48762">{{Cite web|date=2018-06-08|url=https://cho-animedia.jp/actor/48762/|title=【インタビュー】『あさがおと加瀬さん。』高橋未奈美・佐倉綾音・木戸衣吹がオーディション・アフレコ時の思い出を語る - 「いちゃいちゃシーンは誰もブースから出て行かなかった」|website=超!アニメディア|publisher=学研プラス|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180718045519/https://cho-animedia.jp/actor/48762/|archivedate=2018-07-18}}</ref>。
また、三河役の[[木戸衣吹]]も結衣役と友香役のオーディションを受けており<ref name="cho-animedia48762" />、結衣役ではスタジオオーディションまで残っていた<ref name="cho-animedia48653" />。しかし、スタジオオーディションに参加した際、結衣に加えて三河も演じたところ、彼女の演技が三河のイメージと合致するものだったのでそのまま三河役として起用されたという<ref name="cho-animedia48653" />。
==== 主題歌 ====
OVAの主題歌には、[[I WiSH]]の楽曲「[[明日への扉 (I WiSHの曲)|明日への扉]]」を[[カバー]]したものが使用されている<ref>{{Cite web|date=2018-03-14|url=https://natalie.mu/comic/news/273545|title=OVA「加瀬さん。」ビジュアル公開、主題歌はI WiSH「明日への扉」のカバー|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180629074218/https://natalie.mu/comic/news/273545|archivedate=2018-06-29}}</ref>。歌唱は、結衣役の高橋未奈美と、友香役の佐倉綾音の2人が担当している{{sfn|パンフレット|2018|pp=4–9}}。
主題歌については、はじめに[[キャラクターソング]]を使うという案が出され、そこからメインスタッフが協議した結果、「普通の女子高生がカラオケで実際に歌っていそうな恋愛[[J-POP]]」をカバーする、という方向性になったという{{sfn|パンフレット|2018|pp=4–9}}。その後、寺田から「明日への扉」を使うという提案があり<ref name="cho-animedia48653" />、その案が採用され、主題歌に決まった。佐藤は、「明日への扉」を主題歌に選んだ理由として、誰も彼も共感できる「普遍性」を挙げている{{sfn|パンフレット|2018|pp=4–9}}。
==== 関連CD ====
2018年[[6月6日]]、主題歌を収録したシングルCD・カバーソングを収録したアルバムCD・[[サウンドトラック#映像作品に伴う音楽としてのサウンドトラック|サウンドトラック]]が同時にリリースされた。このうち、シングルCDとアルバムCDには[[CDドラマ]]も収録されている<ref>{{Cite web|date=2018-04-17|url=https://natalie.mu/comic/news/278433|title=「あさがおと加瀬さん。」関連CD3枚が同時発売、2人の「小さな恋のうた」聴ける|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180720054645/https://natalie.mu/comic/news/278433|archivedate=2018-07-20}}</ref>。
== 書誌情報 ==
* [[高嶋ひろみ]] 「加瀬さんシリーズ」 [[新書館]]〈ひらり、コミックス〉、既刊5巻(2018年5月19日現在)
**『あさがおと加瀬さん。』、2012年8月15日初版発行(2012年7月28日発売<ref group="新">{{Cite web|url=https://www.shinshokan.co.jp/comic/978-4-403-67121-0/|title=あさがおと加瀬さん。|accessdate=2018-07-25}}</ref>)、ISBN 978-4-403-67121-0
**『おべんとうと加瀬さん。』、2014年8月15日初版発行(2014年7月30日発売<ref group="新">{{Cite web|url=https://www.shinshokan.co.jp/comic/978-4-403-67158-6/|title=おべんとうと加瀬さん。|accessdate=2018-07-25}}</ref>)、ISBN 978-4-403-67158-6
**『ショートケーキと加瀬さん。』、2015年10月10日初版発行(2015年9月25日発売<ref group="新">{{Cite web|url=https://www.shinshokan.co.jp/comic/978-4-403-67173-9/|title=ショートケーキと加瀬さん。|accessdate=2018-07-25}}</ref>)、ISBN 978-4-403-67173-9
**『エプロンと加瀬さん。』、2017年8月10日初版発行(2017年7月25日発売<ref group="新">{{Cite web|url=https://www.shinshokan.co.jp/comic/978-4-403-67176-0/|title=エプロンと加瀬さん。|accessdate=2018-07-25}}</ref>)、ISBN 978-4-403-67176-0
**『さくらと加瀬さん。』、2018年6月10日初版発行(2018年5月19日発売<ref group="新">{{Cite web|url=https://www.shinshokan.co.jp/comic/978-4-403-67178-4/|title=さくらと加瀬さん。|accessdate=2018-07-25}}</ref>)、ISBN 978-4-403-67178-4
なお、『エプロンと加瀬さん。』と『さくらと加瀬さん。』については、通常版に加えて特装版がリリースされている。『エプロンと加瀬さん。』の特装版にはBDやブックレットが同梱されており、このうちBDにはアニメーションクリップ「キミノヒカリ」とそのライカリールが収録されている<ref>{{Cite web|date=2017-05-23|url=https://natalie.mu/comic/news/233734|title=JK同士の青春譚「加瀬さん」最新作が7月に、アニメ映像付き特装版も|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170708002442/https://natalie.mu/comic/news/233734|archivedate=2017-07-08}}</ref>。『さくらと加瀬さん。』の特装版にはドラマCDが同梱されている<ref>{{Cite web|date=2018-05-19|url=https://natalie.mu/comic/news/282838|title=JK2人に春はやってくる? 高嶋ひろみの百合シリーズ最新作「さくらと加瀬さん。」|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|accessdate=2018-07-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180522025940/https://natalie.mu/comic/news/282838|archivedate=2018-05-22}}</ref>。
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
{{Reflist|group=注}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
==== 新書館公式サイト ====
以下の出典は『[http://www.shinshokan.co.jp/ 新書館公式サイト]』内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
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== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|year=2017|title=アニメーションクリップ キミノヒカリ 〜あさがおと加瀬さん。〜 特製ブックレット|ref={{SfnRef|ブックレット|2017}}}}
* {{Cite book|和書|year=2018|title=「あさがおと加瀬さん。」公式パンフレット|ref={{SfnRef|パンフレット|2018}}}}
== 外部リンク ==
* [http://www.shinshokan.com/webwings/title43.html ウェブマガジンウィングス
* [http://asagao-anime.com/ 「あさがおと加瀬さん。」アニメ公式
* {{Twitter|asagao_anime|「あさがおと加瀬さん。」アニメ公式 / Kase-san Anime Official}}
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{{佐藤卓哉監督作品}}
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