「スンダ海峡津波」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
津波の発生原因の可能性について、出典とともに加筆。出典の提示を優先したため、文章の加筆量は少なめ。
(2人の利用者による、間の13版が非表示)
1行目:
{{最近の災害|date=2018年12月25日 (火) 16:11 (UTC)}}
{{暫定記事名|date=2018年12月25日 (火) 16:11 (UTC)}}
{{Infobox event
6 ⟶ 5行目:
| image_size = 200px
| caption = 被災地、青色部分は津波の到達範囲
| date = {{start date|2018|12|22}}<ref name=bbc20181224/>{{R|bbc20181225}}
| time = 午後9時27分(現地時間 [[UTC+8]])
| place = {{IDN}}・[[スンダ海峡]]
| coordinates = {{coord|6|6|27|S|105|25|3|E|region:IDN_type:event|display=inline,title}}
| also known as = インドネシア津波{{R|bbc20181225}}
| cause = 山体崩壊による土砂津波{{R|CNN20181230}}
| organisers =
| first reporter =
17 ⟶ 16行目:
| participants =
| outcome =
| reported deaths = 426人{{R|CNN20181230}}<!-- 情報源次第で人数は増減します、出典を付記せずに人数を更新しないで下さい -->
| reported deaths = 429人
| reported injuries = 14857202{{R|CNN20181230}}
| reported deaths missing = 42929{{R|CNN20181230}}
| reported missing = 154人<ref>{{Cite web |author= |date=2018-12-26|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181225/k10011759491000.html|title=インドネシア津波 死者429人に 発生72時間 捜索難航|work=[[NHKニュース]] |publisher=[[日本放送協会]]|format=|page= |accessdate=2018-12-26}}</ref>
| reported property damage =
| burial =
45 ⟶ 44行目:
| notes =
}}
'''スンダ海峡津波'''({{lang-id|Tsunami Selat Sunda 2018}})は、[[2018年]][[12月22日]]、[[インドネシア]]・[[スンダ海峡]]で発生した大規模[[津波]]である<ref name=bbc20181224bbc20181225>{{Cite web |author= |date=2018-12-24|url=https://www.bbc.com/japanese/46669840|title=インドネシア津波、死者280420人超に 火山活動続き新たな津波の恐れも |work=[[BBCニュース]] |publisher=[[英国放送協会]]|format=|page= |accessdate=2018-12-2425}}</ref>。津波は、火山島の[[アナク・クラカタウ島|アナク・クラカタウ山]]の噴火で山体の一部が崩壊したことに誘発されて発生した[[海底地すべり]]に起因するものとみられている{{R|bbc20181225}}<ref name=bbc20181224/><refBBC20181231>{{Cite web|date=2018-12-26|url=https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-46683443|title=【解説】 インドネシア津波の原因、火山学者が写真で説明|work=[[BBCニュース]]|publisher=[[英国放送協会]]|accessdate=2018-12-31}}</ref><ref name=NGG20181226>{{Cite web|date=2018-12-26|url=https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/122600572/|title=インドネシアの火山津波 警報が出なかったわけ|work=[[ナショナルジオグラフィック (雑誌)|ナショナルジオグラフィック]]日本版|publisher=日経ナショナルジオグラフィック社|accessdate=2018-12-31}}</ref><ref name=YOMIURI20181231>{{Cite web|date=2018-12-31|url=https://www.yomiuri.co.jp/science/20181231-OYT1T50006.html|title=噴火に伴う津波、「日本でも可能性」…現地調査|work=YOMIURI ONLINE|publisher=[[読売新聞社]]|accessdate=2018-12-31}}</ref>。
 
== 概要 ==
=== 噴火まで ===
アナク・クラカタウ山は[[クラカタウ|クラカタウ火山]]を構成する火山島のひとつであり、[[1883年]]のクラカタウ火山の大規模噴火で周辺が海没した後、[[1930年]]に火山の中心部として新たに海面隆起した火山島である{{R|BBC20181231}}。「アナク・クラカタウ」は「クラカタウの子」を意味するインドネシア語であり、1883年のクラカタウ山の噴火で大規模な津波が発生し、3万6000人を超える死者が発生した過去がある{{R|NGG20181226}}。
{{Main|クラカタウ#1883年の大噴火|1883年のクラカタウの噴火}}
 
火山活動は2018年6月から継続しており、特に2018年10月から11月にかけては今回の規模を超える大きな噴火があった<ref name=GD20181224>{{Cite news2 |url=https://www.theguardian.com/world/2018/dec/24/sunda-strait-tsunami-volcano-indonesia |title=Indonesia tsunami caused by collapse of volcano |publisher=[[ガーディアン]] |date=2018年12月24日 |accessdate=2019年1月1日 |language=en }}</ref>。ただし、イギリス・[[クイーンズランド大学]]の火山学者 Teresa Ubide<!-- テレサ・ユーバイド? --> によれば、これは異常の兆候ではなく、火山噴火が継続すること自体は通常の噴火活動のひとつであるとした{{R|GD20181224}}。
 
=== 噴火と山体崩壊 ===
[[2018年]][[12月22日]]に発生した津波災害の主原因であるアナク・クラカタウ山の噴火とそれに伴う[[山体崩壊]]により、64ヘクタールに及ぶ土砂が海に向かって滑り落ちた<ref name=CNN20181230>{{Cite news2 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35130801.html |title=津波原因のインドネシアの火山、高さが3分の1に |publisher=[[CNN]] |author=[[CNN|CNN.co.jp]] |date=2018年12月30日 |accessdate=2019年1月1日 }}</ref>。この山体崩壊による地滑りは海底にまで及び、これが主原因となって津波災害が発生した{{R|BBC20181231}}。
 
また、[[欧州宇宙機関]]の人工衛星[[Sentinel-1|センチネル1]]が2018年12月22日に撮影した同火山の画像で、山体南側の大部分が海へ崩落したことが判明している{{R|BBC20181231}}。
 
=== 津波被害 ===
発生した津波はインドネシア中部の[[ジャワ島]]、[[スマトラ島]]の沿岸部に到達し、多くの家屋に損害を与え、多数の死傷者を出した<ref>{{Cite news2 |url=https://www.cnn.co.jp/photo/35130544.html |title=写真特集:ジャワ島やスマトラ島で津波被害 |publisher=[[CNN]] |author=[[CNN|CNN.co.jp]] |date=2018年12月24日 |accessdate=2019年1月1日 }}</ref>。このとき、住民に対する津波警報は発令されず、住民は無警戒のまま被災した{{R|NGG20181226|GD20181224}}。
 
住民への事前警報が発令されなかった背景は津波発生のメカニズムに原因が求められるもので、これまでにインドネシアで発生した津波のほとんどが地震を原因とするものだったが、今回は山体崩落が主原因であり、[[地震波]]などの前兆を捉えることができなかった{{R|NGG20181226}}。インドネシアの災害対策本部報道官はこの問題に対し、「インドネシアには地滑りや火山噴火に対する早期警戒システムは存在しない」「現時点で存在する[[津波警報システム|早期警戒システム]]は全て地震活動に主眼を置くもの」などと[[Twitter]]で発言した{{R|GD20181224}}。また、同報道官は「インドネシアの津波ブイは予算不足により2012年以降運用されていない」とも指摘している{{R|GD20181224}}。[[国家防災庁 (インドネシア)|インドネシア国家防災庁 (BNPB)]]も当初、津波の原因を満月による高波として言及したが、後にこれを撤回し海中の地滑りによるものとした{{R|BBC-INA20181223}}。
 
インドネシア海洋・水産省の依頼により、日本の[[東北大学]]津波工学教授[[今村文彦]]と[[中央大学]]海岸工学教授[[有川太郎]]が2018年12月28日から翌29日の2日間にかけて行ったジャワ島被災地における現地調査の結果、「津波の高さは3〜4メートル」「標高13メートル付近まで遡上した場所を確認」「短い周期で次々と押し寄せた今回の津波は、地震による津波より瞬間的な破壊力が強かった」などと言及した{{R|YOMIURI20181231}}。
 
=== 噴火後 ===
噴火から1週間が経過した2018年12月30日に至っても、アナク・クラカタウ山周辺では斜面からの[[岩石]]、[[火山灰]]などの崩落が続いている{{R|読売20181230}}。
 
また、インドネシアの火山地質災害軽減センター (CVGHM) によれば{{R|CNN20181230}}、アナク・クラカタウ山の標高は噴火前の338メートルから110メートルとなり、2018年12月24日から同月27日までにかけての山体の総体積は1億5000万から1億8000万立方メートル減少し、2018年12月30日時点で4000万から7000万立方メートルとなったことを発表している{{R|CNN20181230}}。これは噴火前の三分の一である<ref name=読売20181230>{{Cite news2 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20181230-OYT1T50067.html |title=標高が3分の1、110mに…津波原因の噴火で |publisher=[[読売新聞社]] |author=[[読売新聞|YOMIURI ONLINE]] |date=2018年12月30日 |accessdate=2019年1月1日 }}</ref>。
 
== 被害 ==
<!-- ◆なるべく箇条書き列挙は避けて文章としてまとめて下さい([[WP:TRIV]]) -->
[[国家防災庁 (インドネシア)|インドネシア国家防災庁]]の発表によれば、2018年12月28日時点での被害は、負傷者が7202人、行方不明者が29人、避難者が4万3386人である{{R|CNN20181230}}。また、インドネシア政府は2018年12月29日時点の発表で死者数を426人とし、従前より死者数が減少した理由として集計の一部に重複があったと説明した{{R|CNN20181230}}。
 
津波により最大の被害を被った地域は[[ジャワ島]]の{{仮リンク|パンデグラン|en|Pandeglang Regency}}地域であり<ref name=BBC-INA20181223>{{Cite news2 |url=https://www.bbc.com/indonesia/indonesia-46663539 |title=Tsunami terjang Selat Sunda, korban diperkirakan terus bertambah |publisher=[[英国放送協会|BBC]] |author=[[英国放送協会|BBC NEWS INDONESIA]] |date=2018年12月23日 |accessdate=2019年1月1日 |language=id }}</ref>、津波発生時にバンデグランの海岸に多くの観光客が訪れていたことによる{{R|BBC-INA20181223}}。2018年12月23日時点でのバンデグラン地域の物的被害は家屋損壊430棟、ホテル9軒、船舶10隻が報告されている{{R|BBC-INA20181223}}。
 
== 影響 ==
<!-- ◆なるべく箇条書き列挙は避けて文章としてまとめて下さい([[WP:TRIV]]) -->
甚大な被害を受けたアナク・クラカタウ山(アナク・クラカタウ島)周辺地域には重機が投入され、被災者の捜索支援が行われているが、周辺道路は封鎖され、救出活動に支障が生じていることを、2018年12月25日にイギリス・[[英国放送協会|BBC]]は報じている{{R|bbc20181225}}。
 
2018年12月25日時点で、既に新たな津波の可能性があることを政府報道官が言及しており{{R|bbc20181225}}、今後更に大規模噴火を起こす可能性が高まったとして、インドネシア政府は2018年12月27日にアナク・クラカタウ山の警戒レベルを上から2番目のレベルとなる「レベル3」に引き上げた{{R|読売20181230}}。
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
* [[島原大変肥後迷惑]] - 1792年に現在の長崎県島原市にある[[眉山 (島原市)|眉山]]で発生した、火山性地震を直接原因として山体崩壊によって対岸の熊本県に津波が押し寄せた津波災害。
 
== 外部リンク ==
{{Wikinewslang|en|Indonesia tsunami hits Sunda Strait after Krakatoa eruption}}
{{commons|Category:2018 Sunda Strait tsunami}}
*[https://reliefweb.int/disaster/ts-2018-000423-idn Indonesia: Tsunami - Dec 2018]{{en icon}} - [[リリーフウェブ]]
 
{{Disaster-stub}}