「フランソワ・シャトレ」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
1i0p0t1j001 (会話 | 投稿記録) タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
Hparis11ed (会話 | 投稿記録) m Otheruses |
||
| (同じ利用者による、間の2版が非表示) | |||
1行目:
{{Otheruses|フランスの哲学者|その他|シャトレ}}
{{Infobox 学者
|名前 = フランソワ・シャトレ<br>François Châtelet
|画像 = François Chatelet.jpg
|画像サイズ = 250px
|画像代替説明 =
|画像説明 =
|全名 =
|別名 = ミシェル・シテ（Michel Cité）
|誕生名 =
|生年月日 = {{生年月日と年齢|1925|04|27|no}}
|生誕地 = {{FRA}}、[[オー＝ド＝セーヌ県]][[ブローニュ＝ビヤンクール]]
|没年月日 = {{死亡年月日と没年齢|1925|04|27|1985|12|26}}
|死没地 = {{FRA}}、[[パリ]]
|死因 =
|国籍 =
|出身校 = [[パリ大学|ソルボンヌ大学]]
|配偶者 = {{仮リンク|ミレイユ・プリジャン|fr|Mireille Prigent}}、{{仮リンク|ノエル・シャトレ|fr|Noëlle Châtelet}}
|時代 =
|活動地域 =
|学派 =
|研究分野 = [[哲学]]、[[哲学史]]、[[政治哲学]]
|研究機関 = [[パリ第8大学 (サン＝ドニ)|パリ第8大学]]<br>[[国際哲学コレージュ]]
|博士課程指導教員 =
|他の指導教員 =
|博士課程指導学生 =
|主な指導学生 =
|学位 = [[博士]]、[[アグレガシオン|大学教授資格]]
|称号 =
|特筆すべき概念 =
|主な業績 =
|主要な作品 = 『哲学史』（邦題『西洋哲学の知』、全8巻）共著監修
|影響を受けた人物 = [[プラトン]]、[[ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル|ヘーゲル]]、[[カール・マルクス|マルクス]]、[[アレクサンドル・コジェーヴ]]、{{仮リンク|エリック・ヴェイユ|fr|Éric Weil}}
|影響を与えた人物 =
|学会 =
|主な受賞歴 = [[ボルダン賞]]
|署名 =
|公式サイト =
|脚注 =
}}
'''フランソワ・シャトレ'''（François Châtelet、[[1925年]][[4月27日]] - [[1985年]][[12月26日]]）は[[フランス]]の[[哲学者]]。専門は[[ギリシア哲学]]、[[哲学史]]・[[政治哲学|政治思想]]史。[[アルジェリア]]、[[チュニジア]]の[[高等学校]]で6年間教鞭を執った後、帰国後も主に[[グランゼコール準備級]]で[[哲学]]を教える傍ら政治活動に参加し、[[フランス共産党]]のソ連支持・[[アルジェリア戦争]]政策に反対して[[アンリ・ルフェーヴル]]らとともに『レタンセル（火花）』誌を創刊。[[スターリン批判]]後は、[[カール・マルクス|マルクス]]を新たな視座で捉え直すために[[エドガール・モラン]]、{{仮リンク|コスタス・アクセロス|fr|Kostas Axelos}}、[[ロラン・バルト]]らによって創刊された哲学論文誌『{{仮リンク|アルギュマン|fr|Arguments}}』に寄稿し、これをもとに[[博士]]論文を執筆した。1969年に[[五月危機|五月革命]]の精神を受け継ぐ開かれた大学として[[パリ第8大学 (サン＝ドニ)|ヴァンセンヌ大学]]が設立された際に、[[ミシェル・フーコー]]、[[ジル・ドゥルーズ]]とともに哲学科を創設。1983年には[[ジャック・デリダ]]、[[ジャン＝ピエール・ファイユ]]、[[ドミニック・ルクール]]とともに、[[高等教育]]制度から独立した開かれた哲学のための[[国際哲学コレージュ]]を創設した。
== 生涯 ==
===
フランソワ・シャトレは1925年4月27日、[[パリ]]郊外の[[ブローニュ＝ビヤンクール]]（[[オー＝ド＝セーヌ県]]）に生まれた<ref>出生地を（ブローニュ＝ビヤンクールに隣接する）パリ[[16区 (パリ)|16区]]とする資料もあるが、シャトレ研究者でシャトレのドキュメンタリー映画も制作している哲学者イヴァン・ショーメイユ（Ivan Chaumeille）が編纂し、2015年に刊行された『''L’apathie libérale avancée et autres textes critiques''（進行したリベラルなアパシーほかの批判的テクスト）』の序文（ショーメイユ著）により、ブローニュ＝ビヤンクールとする（参考文献参照）。</ref>。[[小ブルジョワ|プチ・ブルジョワ]]家庭で、父ジャン・シャトレはパリ公共交通社（[[パリ交通公団]]の前身の一つ）の[[職員]]で、[[路面電車]]の[[車掌]]（後に[[オーベルヴィリエ]]の[[車庫]]係）であった<ref name=":1">{{Cite book|title=L’apathie libérale avancée et autres textes critiques (1961-1985)|date=|year=2015|publisher=Éditions du Seuil|author=François Châtelet|language=fr|chapter=Ivan Chaumeille, « Présentation - Un homme transférentiel »}}</ref><ref name=":2">{{Cite web|title=CHÂTELET François (CHÂTELET Michel, François, Jacques)|url=https://maitron.fr/spip.php?article19612|website=maitron.fr|accessdate=2020-05-05|publisher=Maitron|author=René Gallissot|date=2012-04-07|language=fr}}</ref><ref name=":3">{{Cite web|title=Nuit spéciale - François Châtelet avec Nathalie Perin et Ivan Chaumeille : Entretien 1/3 (1ère diffusion : 13/12/2015)|url=https://www.franceculture.fr/emissions/les-nuits-de-france-culture/nuit-speciale-francois-chatelet-avec-nathalie-perin-et-ivan-1|website=France Culture|accessdate=2020-05-05|language=fr|publisher=|date=2015-12-13}}</ref>。
[[初等教育]]を修了した後、[[第一次世界大戦|第一次大戦]]の勃発でフランス中部の[[クルーズ県]]に[[疎開]]したが、町が[[空爆]]を受けたためにパリに戻り<ref name=":1" /><ref name=":2" /><ref name=":3" />、{{仮リンク|リセ・ジャンソン＝ド＝サイイ|fr|Lycée Janson-de-Sailly}}（[[16区 (パリ)|16区]]）、次いで{{仮リンク|リセ・クロード＝ベルナール|fr|Lycée Claude-Bernard}}（16区）に学ぶ一方、対独[[レジスタンス運動|レジスタンス]]に参加した（[[ポスター]]を貼ったり、[[チラシ]]を配ったりという程度であった）<ref name=":1" /><ref name=":2" />。最初は[[文学]]に関心を持ち、[[アンドレ・ジッド]]、[[アンドレ・マルロー]]、[[フランツ・カフカ|カフカ]]、[[ウィリアム・フォークナー|フォークナー]]などを耽読し、さらに[[フランス革命]]への関心から[[歴史]]を学んだ<ref>{{Cite book|title=Chronique des idées perdues, conversations avec André Akoun|date=|year=1977|publisher=Stock|author=François Châtelet|pages=30-31|url=https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k4805068v/f44.image.texteImage|language=fr}}</ref>。
1943年に[[バカロレア (フランス)|バカロレア]]を取得し、[[パリ大学|ソルボンヌ大学]]に入学。哲学を専攻し、同大学哲学研究所の[[図書館]]に通った。この図書館は、「パリ解放の知識人」と呼ばれる、[[パリ解放]]時に20歳前後であった主に[[マルクス主義]]の[[知識人]]の拠点であり<ref name=":1" />、哲学科の教授陣には合理的[[唯物論]]の[[ガストン・バシュラール]]がいた<ref name=":2" />。シャトレがマルクス主義に出会ったのはこうした環境においてであり、さらに後に[[極左]][[トロツキズム|トロツキスト]]のグループに参加することになるが<ref name=":4">{{Cite news|title=François Châtelet philosophe populaire|url=https://www.lemonde.fr/archives/article/1980/07/07/francois-chatelet-philosophe-populaire_2795792_1819218.html|work=Le Monde.fr|date=1980-07-07|accessdate=2020-05-05|language=fr|author=Christian Descamps}}</ref>、学生時代により大きな影響を受けたのは古代ギリシア以降の[[理性主義]]、とりわけ、[[アレクサンドル・コジェーヴ]]と{{仮リンク|エリック・ヴェイユ|fr|Éric Weil}}から学んだ[[ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル|ヘーゲル]]哲学であった<ref name=":4" />。コジェーヴはすでに1933年から1939年まで[[高等研究実習院]]でヘーゲルの『[[精神現象学]]』に関する講義を行い<ref>{{Cite web|title=Introduction à la lecture de Hegel - Bibliothèque des Idées|url=http://www.gallimard.fr/Catalogue/GALLIMARD/Bibliotheque-des-Idees/Introduction-a-la-lecture-de-Hegel|website=www.gallimard.fr|accessdate=2020-05-05|publisher=Éditions Gallimard|language=fr}}</ref>、[[レーモン・クノー|レイモン・クノー]]、[[ジャック・ラカン]]、[[ミシェル・レリス]]、[[ジョルジュ・バタイユ]]ら後の「前衛」の作家・哲学者が受講したことでフランス思想に影響を与えることになるが<ref name=":4" />、大戦直後は、{{仮リンク|ヴィクトル・ルデュック|fr|Victor Leduc}}や[[ロジェ・ガロディ]]の正統派マルクス主義、[[ジャン＝ポール・サルトル|サルトル]]や[[モーリス・メルロー＝ポンティ|メルロー＝ポンティ]]の[[実存主義]]、{{仮リンク|アラン・ダニエルー|fr|Alain Daniélou}}の[[キリスト教哲学]]が主流であったため、シャトレにとってヘーゲルは「新鮮であった」<ref name=":4" />。一方で、サルトルの『イマジネール - 想像力の現象学的心理学』（原著、1940年）や『[[レ・タン・モデルヌ]]』誌（1945年創刊）における大胆で、斬新な試みにも惹かれたシャトレは、学生時代の自らを「ヘーゲル＝マルクス主義的実存主義者」と定義している<ref name=":2" />。
=== アルジェリア、チュニジア民族主義運動 ===
1948年に哲学の[[アグレガシオン|大学教授資格]]を取得し、ジャンヌ＝マリー・マトン（Jeanne-Marie Mathon）と結婚（1957年離婚）<ref name=":1" /><ref name=":2" />。同年、[[オラン]]（アルジェリア）の高等学校リセ・ラモリシエールに赴任した<ref>{{Cite book|title=Chronique des idées perdues, conversations avec André Akoun|date=|year=1977|publisher=Stock|author=François Châtelet|page=27|url=https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k4805068v/f41.image.texteImage|language=fr}}</ref>。同校の教員に[[歴史学]]の[[マルク・フェロー]]、哲学の{{仮リンク|ジャン・コーアン|fr|Jean Cohen}}、文学の{{仮リンク|ジャクリーヌ・レヴィ＝ヴァランシ|fr|Jacqueline Lévi-Valensi|label=ジャクリーヌ・ローザンブルム}}（[[アルベール・カミュ|カミュ]]研究者）らがいた<ref name=":1" />。シャトレとマルク・フェローは[[フランス労働総同盟]]の教員労働組合を結成し、シャトレが書記長に就任。現地の軍備拡張反対、[[脱植民地化]]、[[反戦運動]]を支持した<ref name=":2" />。1949年に現地のフランス語日刊紙『{{仮リンク|オラン・レピュブリカン|fr|Oran républicain}}（共和政オラン）』からの依頼で、後の同僚で哲学者・[[シャルル・フーリエ|フーリエ]]研究者の[[ルネ・シェレール]]とともに週刊コラムを担当した<ref name=":1" />。同紙は、フランス共産党の支部として1920年に結成された{{仮リンク|アルジェリア共産党|fr|Parti communiste algérien}}（1936年に独立）の[[機関紙]]であったが、党員の多くは[[ピエ・ノワール|欧州系の住民]]であり<ref name=":5">{{Cite web|url=https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-25380198/25380198seika.pdf|title=2015年度 研究成果報告書 - 植民地帝国主義崩壊の国際関係史的研究|accessdate=2020-05-05|publisher=[[科学研究費助成事業]]|author=藤井篤|date=2016-06-21|language=ja}}</ref>、シャトレはマルクス主義を支持しながらも、[[ソビエト連邦|ソ連]]を支持する共産党とは特に[[国家]]のあり方について意見が対立することが多かった<ref name=":2" />。
翌1950年には歴史学者{{仮リンク|アンドレ・マンドゥーズ|fr|André Mandouze}}の紹介で、同年創刊の『コンシアンス・アルジェリエンヌ（''Consciences algériennes''、アルジェリアの良心・信条）』誌に編集委員として参加した。同誌には欧州系知識人のほか、現地の[[ナショナリズム|民族主義]]の知識人アブデルカデル・マハダッド（[[:fr:Abdelkader Mahdad|Abdelkader Mahdad]]）やアブデルカデル・ミムーニ（Abdelkader Mimouni）らも参加し<ref>{{Cite journal|author=Saddek Benkada|year=|date=2006-03-31|title=Henri-Irénée MARROU, André MANDOUZE, Paul-Albert FÉVRIER... ou l’engagement politique des intellectuels chrétiens durant la Guerre de libération algérienne (1954-1962). À propos de trois ouvrages récents|url=http://journals.openedition.org/insaniyat/9881|journal=Insaniyat / إنسانيات. Revue algérienne d'anthropologie et de sciences sociales|volume=|issue=31|page=|pages=147–175|language=fr|issn=1111-2050}}</ref>、マンドゥーズが執筆した創刊の趣意には「[[人種差別]]と[[植民地主義]]を撤廃しない限り、アルジェリアの[[良心]]は不可能である」と書かれ、創刊号にはシャトレのマルクス主義的政治思想の出発点となった「民族主義と[[階級意識]]」、マンドゥーズの「アルジェリア問題に関する一キリスト教徒の考察」が掲載された<ref name=":2" />。同誌は1954年に『コンシアンス・マグリビーヌ（''Consciences maghribines''）』に改題された。[[フランス語]]では「マグレビーヌ（''maghrébine、マグレブ）''」とすべきところ、「マグリビーヌ（[[マグリブ]]）」としたのは、[[宗主国]]フランスではなく[[中東]]（[[アラビア語]]）での[[発音]]に忠実な表記にすべきであるという民族主義者の主張によるものであった<ref>{{Cite journal|author=Saddek Benkada|year=|date=2014-12-31|title=HommagePr Pierre CHAULET (Alger, 1930-Montpellier 2012)|url=http://journals.openedition.org/insaniyat/14751|journal=Insaniyat / إنسانيات. Revue algérienne d'anthropologie et de sciences sociales|volume=|issue=65-66|page=|pages=7–8|language=fr|issn=1111-2050}}</ref>。だが、このときシャトレはすでにチュニジアに移住していた。港湾労働者の[[ストライキ]]を支持する演説をするなど、労働総同盟の現地支部で積極的な活動を展開したために帰国処分を受けたが、チュニスのカルノ高等学校（[[:fr:Lycée Carnot de Tunis|Lycée Carnot de Tunis]]）へ転任する機会を得て出国し、同校の文学[[グランゼコール準備級]]で哲学を教えることになったからである<ref name=":1" />。著書『マルクス主義と構造主義』<ref>リュシアン・セバーク『マルクス主義と構造主義』田村俶訳、[[人文書院]]（人文選書）1971年。</ref>で知られる人類学者{{仮リンク|リュシアン・セバーク|fr|Lucien Sebag}}は同校の教え子の一人である<ref name=":1" />。だが、ここでもまた、チュニジアの民族主義運動を主導した[[ハビーブ・ブルギーバ]]の{{仮リンク|ネオ・デストゥール|fr|Néo-Destour}}党（新立憲党）<ref>{{Cite web|title=ネオデストゥール党|url=https://kotobank.jp/word/%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%85%9A-1575084|website=[[コトバンク]]|accessdate=2020-05-05|language=ja|publisher=}}</ref>を公然と支持したため、大学区長{{仮リンク|リュシアン・ペイ|fr|Lucien Paye}}（のちに[[ミシェル・ドブレ]]内閣の[[国民教育省|国民教育相]]）から叱責を受けた<ref name=":2" />。
=== 帰国後の教育・研究 (1954-1969) ===
アルジェリアで2年間、チュニジアで4年間教えた後、1954年10月、公教育省中央視学局勤務の後にバシュラールの後任としてソルボンヌ大学で[[科学哲学]]の講座を担当していた[[ジョルジュ・カンギレム]]の勧めで帰国し<ref name=":1" />、北部の[[アミアン]]（[[ソンム県]]）の[[リセ]]に就任した。翌1955年に博士論文を執筆するために[[フランス国立科学研究センター|国立科学研究所]]（CNRS）の研修生になり、パリに戻って1959年まで研究と論文の執筆に専念し、同年に博士論文「[[ペルシア戦争]]末期から[[カイロネイアの戦い]]までの古代ギリシアの哲学における歴史思想の形成」を提出。1961年に[[深夜叢書]]から『歴史の誕生 - ギリシアにおける歴史思想の形成』として刊行され、翌年に増補版『[[ロゴス]]と[[実践|プラクシス]] - マルクス主義の理論的意義に関する研究』を発表した（著書参照）。論文提出後1969年までの10年間は、再び高等学校教員としてパリの{{仮リンク|リセ・サン＝ルイ|fr|Lycée Saint-Louis}}（[[6区 (パリ)|6区]]）、[[リセ・ルイ＝ル＝グラン]]（[[5区 (パリ)|5区]]）などの主に[[グランゼコール準備級]]で哲学を教えた<ref>{{Cite web|title=Châtelet, reprise du travail. Hommages et colloques pour les dix ans de la mort du philosophe.|url=https://next.liberation.fr/culture/1995/12/16/chatelet-reprise-du-travail-hommages-et-colloques-pour-les-dix-ans-de-la-mort-du-philosophe_152206|website=Libération.fr|date=1995-12-16|accessdate=2020-05-05|language=fr|publisher=|author=Robert Maggiori}}</ref>。
=== アルジェリア戦争、スターリン批判 ===
シャトレはアミアンのリセに就任したときにフランス共産党に入党した。これは1948年に哲学者[[コルネリュウス・カストリアディス]]と[[クロード・ルフォール]]によって結成された革命的マルクス主義のグループ「{{仮リンク|社会主義か野蛮か|fr|Socialisme ou barbarie}}」に参加するためであったが<ref name=":1" />、パリに戻ってからは、研究・教育活動と並行して、作家・哲学者の{{仮リンク|ラファエル・ピヴィダル|fr|Rafaël Pividal}}、人類学者・[[民族学]]者[[ピエール・クラストル]]、リュシアン・セバーク、哲学者・[[精神分析家]]の[[フェリックス・ガタリ]]らソルボンヌ大学を拠点とするマルクス主義知識人と活動を共にし、アルジェリア戦争、1956年の[[ソ連共産党第20回大会]]における[[ニキータ・フルシチョフ|フルシチョフ]]報告（[[スターリン批判]]）と[[ハンガリー動乱]]におけるソ連軍の介入といった一連の事件に対する共産党の方針に真っ向から反対した<ref name=":1" />。実際、共産党は植民地主義を批判し、アルジェリアの独立を主張する唯一の政党であったにもかかわらず、フランスの植民地主義的支配を廃絶し、アルジェリアが主権国家を建設することを明確に支持したわけではなく、スターリン批判についてもその正当性を認めることに終始していた<ref name=":5" />。
同様に、1956年には、同じマルクス主義の哲学者ヴィクトル・ルデュック、アンリ・ルフェーヴルとともに、共産党のソ連支持・アルジェリア戦争政策に反対して「レタンセル（''L’Étincelle''、火花）」グループを結成し、機関誌『レタンセル』を創刊。ミシェル・シテ（Michel Cité）の偽名で寄稿した<ref name=":1" />。レタンセルの活動は、グループの一員{{仮リンク|ジェラール・スピツェール|fr|Gérard Spitzer}}を介して、直接または地下組織「[[フランシス・ジャンソン|ジャンソン]]機関」<ref>[[矢内原伊作]]『サルトル - [[実存主義]]の根本思想』[[中央公論新社|中央公論社]]（[[中公新書]]）、1967年、49-53頁「地下組識・ジャンソン機関」参照。</ref>を介して[[アルジェリア民族解放戦線]]（FLN）を支援した{{仮リンク|ドゥニ・ベルジェ|fr|Denis Berger}}、フェリックス・ガタリ創刊の月刊誌『共産主義の道（''Voie communiste''）』の活動につながった<ref>{{Cite web|title=Denis Berger 1932 – 2013|url=https://blogs.mediapart.fr/michael-lowy/blog/070513/denis-berger-1932-2013|website=Club de Mediapart|accessdate=2020-05-05|language=fr|publisher=Mediapart|author=Michael Lowy|date=2013-05-07}}</ref>。
1957年以降、シャトレは民族解放戦線支援のために奔走した。同年、歴史学者の[[ピエール・ヴィダル＝ナケ]]が、25歳のアルジェリア共産党員・独立運動家で数学者の[[モーリス・オーダン]]がフランス軍に[[拷問]]され、失踪した事件について真相究明を求める「オーダン委員会」を結成した。委員会には[[アンドレ・ブルトン]]、{{仮リンク|ジャック・ベルク|fr|Jacques Berque}}、[[ジャン＝マリー・ドムナック]]、[[マルグリット・デュラス]]らの知識人が多数参加し<ref>{{Cite journal|author=Pauline Schmitt Pantel|year=|date=2012-04-01|title=Pierre Vidal-Naquet, historien engagé. Autour de L’affaire Audin|url=http://journals.openedition.org/anabases/3631|journal=Anabases. Traditions et réceptions de l’Antiquité|volume=|issue=15|page=|pages=11–25|language=fr|doi=10.4000/anabases.3631|issn=1774-4296}}</ref>、1960年9月6日には「アルジェリア戦争における不服従の権利に関する宣言」と題する左派知識人「{{仮リンク|121人のマニフェスト|fr|Manifeste des 121}}」が発表された。これは「アルジェリア戦争を合法的な独立闘争であると認め、フランス軍が行っている拷問を非難し、フランス人の良心的兵役拒否者を政府が尊重することを政府と市民によびかける公開状」であり<ref>{{Cite journal|author=額田康子|year=2010|title=Female Circumcision(FC) / Female Genital Mutilation(FGM)論争再考|url=http://doi.org/10.24729/00002515|journal=[[大阪府立大学]]学位論文|volume=|page=9頁}}</ref>、さらに125人の署名を得て大規模な運動に発展した<ref>{{Cite web|title=Le manifeste des 121|url=https://www.larousse.fr/encyclopedie/divers/le_manifeste_des_121/181930|website=www.larousse.fr|accessdate=2020-05-05|language=fr|publisher=Éditions Larousse}}</ref><ref>{{Cite web|title=Algérie, Manifeste des 121. «Déclaration sur le droit à l'insoumission dans la guerre d'Algérie»|url=https://www.liberation.fr/cahier-special/1998/01/12/algerie-manifeste-des-121-declaration-sur-le-droit-a-l-insoumission-dans-la-guerre-d-algerie_544819|website=Libération.fr|date=1998-01-12|accessdate=2020-05-05|language=fr|publisher=|author=Jean-François Sirinelli}}</ref>。「121人のマニフェスト」にはオーデン委員会の委員のほか、アンドレ・マンドゥーズ、[[アルチュール・アダモフ]]、[[ロベール・アンテルム]]、[[シモーヌ・ド・ボーヴォワール]]、[[モーリス・ブランショ]]、[[ジャン＝ポール・サルトル]]、[[アラン・ロブ＝グリエ]]、[[クロード・シモン]]、[[クロード・ランズマン]]、[[アラン・レネ]]、[[エドゥアール・グリッサン]]、[[ミシェル・レリス]]、[[シモーヌ・シニョレ]]、[[クロード・ロワ]]、[[フランソワーズ・ドボンヌ]]、[[ジャン＝ピエール・ヴェルナン]]、[[モード・マノーニ]]、アンリ・ルフェーヴル、[[ミシェル・ビュトール]]、[[アンドレ・マッソン]]、[[ジャン＝フランソワ・ルヴェル]]、[[ダニエル・ゲラン]]らが署名し、シャトレ、[[ギー・ドゥボール]]、[[ローラン・シュヴァルツ]]、[[フランソワ・トリュフォー]]、[[フランソワーズ・サガン]]らはマニフェスト発表後に署名した<ref>{{Cite web|url=https://excerpts.numilog.com/books/9782348039348.pdf|title=Le droit à l'insoumission|accessdate=2020-05-05|publisher=Numilog.com|language=fr|date=1961}}</ref>。
ソルボンヌ大学哲学研究所の図書館で行われた会合で、[[フランス社会党 (SFIO)|労働インターナショナル・フランス支部]]（SFIO）の議員{{仮リンク|フランソワ・タンギー＝プリジャン|fr|François Tanguy-Prigent}}の娘で哲学教員の{{仮リンク|ミレイユ・プリジャン|fr|Mireille Prigent}}に出会い、1958年に再婚した（1968年に離婚）<ref name=":2" />。1959年に共産党を離党し、1960年に結成された[[統一社会党 (フランス)|統一社会党]]に入党したが、まもなく離党。以後、政党との関わりは一切断ち、アルジェリアの歴史学者で民族解放戦線の活動家モハメド・ハルビ（[[:fr:Mohammed Harbi|Mohammed Harbi]]）を亡命させてかくまうなど、民族解放戦線がフランス本土で結成した「FLNフランス連合会（[[:fr:Fédération de France du FLN|Fédération de France du FLN]]）」<ref>{{Cite journal|和書|author=藤井篤|year=2014|title=史料紹介 民族解放戦線側から見たアルジェリア戦争 ―アルジェリア国立公文書館所蔵 GPRA 文書―|url=https://doi.org/10.32200/bsfjsh.29.0_46|journal=日仏歴史学会会報|volume=29|page=|pages=46-52|publisher=日仏歴史学会}}</ref>の活動を支援した。
一方、スターリン批判以降、マルクスを新たな視座で捉え直す動きが生まれ、1956年にエドガール・モラン、コスタス・アクセロス、{{仮リンク|コレット・オードリー|fr|Colette Audry|label=}}、ロラン・バルト、{{仮リンク|ジャン・デュヴィニョー|fr|Jean Duvignaud}}、[[フランソワ・フェイト]]らによってマルクス主義の哲学雑誌『アルギュマン』が創刊された<ref>{{Cite web|title=《アルギュマン》|url=https://kotobank.jp/word/%E3%80%8A%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%80%8B-1265463|website=コトバンク|accessdate=2020-05-05|language=ja|publisher=}}</ref><ref>{{Cite web|title=Ressource «Arguments» -|url=https://portail-collections.imec-archives.com/ark:/29414/a011462785659MO3YCZ|website=Mnesys|accessdate=2020-05-05|language=fr}}</ref><ref>{{Cite web|title=Arguments (1956-1962) - Fragments d'Histoire de la gauche radicale|url=https://archivesautonomies.org/spip.php?rubrique487|website=archivesautonomies.org|accessdate=2020-05-05|publisher=}}</ref>。1962年に終刊となったが、シャトレは同誌に寄稿した論文をもとに博士論文を執筆した<ref>{{Cite journal|author=Gil Delannoi|year=1984|date=|title=Arguments, 1956-1962, ou la parenthèse de l'ouverture|url=https://www.persee.fr/doc/rfsp_0035-2950_1984_num_34_1_394112|journal=Revue française de science politique|volume=34|issue=1|page=|pages=127–145|language=fr|doi=10.3406/rfsp.1984.394112}}</ref>。
=== 哲学の教育 - 五月革命以降 ===
シャトレにとって、1968年の五月革命（Mai 68）が一つの転機となった。私生活では[[社会党 (フランス)|社会党]]の[[リオネル・ジョスパン]]の妹{{仮リンク|ノエル・シャトレ|fr|Noëlle Châtelet|ノエル・ジョスパン}}と結婚し、息子のアントワーヌが生まれた<ref name=":2" />。公的には、1969年に長年勤めた高等学校教員を辞任し、五月革命の精神を受け継いで[[労働者]]、[[外国人]]を含む、すべての人に開かれた大学として{{仮リンク|ヴァンセンヌ大学|fr|Centre universitaire de Vincennes}}が創設された際に、ジル・ドゥルーズ、[[ジャン・フランソワ・リオタール|リオタール]]、ミシェル・フーコー、[[エレーヌ・シクスー]]、[[アラン・バディウ]]、[[ルネ・シェレール]]、[[ミシェル・セール]]、[[ダニエル・ベンサイド]]らの新傾向の哲学者とともに参加し、伝統的なパリ大学では扱われることのなかった分野を研究対象とする新しい学部を創設<ref>{{Cite news|title=Paris-VIII, l’université de toutes les radicalités|url=https://www.lemonde.fr/m-actu/article/2018/04/28/paris-viii-l-universite-de-toutes-les-radicalites_5291873_4497186.html|accessdate=2020-05-05|language=fr-FR|work=Le Monde|date=2018-04-28|author=Zineb Dryef}}</ref><ref>{{Cite news|title=Histoire de l’université Paris-VIII|date=2013-09-26|url=https://www.humanite.fr/tribunes/histoire-de-l-universite-paris-viii-549721|accessdate=2020-05-05|language=fr|work=L'Humanité|author=Jean-Jacques Cadet}}</ref><ref name=":0">{{Cite web|url=http://www.univ-paris8.fr/Historique-de-Paris-8|title=Historique de Paris 8|accessdate=2020-05-05|website=www.univ-paris8.fr|language=fr|publisher=Université Paris 8}}</ref>。シャトレはフーコー、ジル・ドゥルーズとともに哲学科を創設し、ギリシア哲学を担当。フーコーとジル・ドゥルーズは哲学史を担当し、それぞれ独自の研究方法やテーマを紹介した<ref name=":7">{{Cite journal|author=Charles Soulié|year=1998|date=|title=Histoire du département de philosophie de Paris VIII. Le destin d’une institution d’avant-garde|url=https://www.persee.fr/doc/hedu_0221-6280_1998_num_77_1_2941|journal=Histoire de l'éducation|volume=77|issue=1|page=|pages=47–69|language=fr|doi=10.3406/hedu.1998.2941}}</ref>。シャトレはまた、哲学の「[[教育]]」という観点からも、[[講義]]形式だけでなく[[カリキュラム]]すら廃した哲学の「実践」を提唱した<ref name=":7" />。
だが、歴史学の助手を務めた[[ミシェル・ヴィノック]]が「フランス左翼行動主義<ref>{{Cite journal|和書|author=野崎次郎|year=2009|title=ミシェル・ヴィノック, 塚原史・立花英裕・築山和也・久保昭博訳, 2007, 『知識人の時代:バレス/ジッド/サルトル』, 東京, 紀伊國屋書店, 834 p.|url=https://doi.org/10.24495/rjdf.4.2_180|journal=Revue japonaise de didactique du français|volume=4|issue=2|page=|pages=180-182|publisher=[[日本フランス語教育学会]]}}</ref>の荒療治（''abcès de fixation du gauchisme français''）」<ref name=":6">{{Cite web|title=Inventer Vincennes - Ép. 3/5 - Michel Winock : ses lieux de mémoire|url=https://www.franceculture.fr/emissions/voix-nue/michel-winock-35|website=France Culture|accessdate=2020-05-05|language=fr|publisher=|date=2012-04-11|author=Michel Winock|coauthors=Emmanuel Laurentin}}</ref>と呼ぶヴァンセンヌ大学の試みは、運営面で多くの問題を抱えていたため、1980年にパリ郊外の[[サン＝ドニ]]への移転を余儀なくされ、[[パリ第8大学 (サン＝ドニ)|パリ第8大学]]として再出発することになった<ref name=":0" />。
1983年にシャトレはジャック・デリダ、ジャン＝ピエール・ファイユ（国立科学研究所）、ドミニック・ルクール（[[パリ第7大学]]）とともに、高等教育制度から独立した開かれた哲学のための国際哲学コレージュを創設した。これはヴァンセンヌ大学における哲学教育・実践の反省を踏まえてのことであり、同時にまた、「[[アバンギャルド|前衛]]」哲学の新たな試みであった<ref name=":7" />。
この間、シャトレは[[パンテオン・ソルボンヌ大学|パリ第1大学]]や[[パリ第3大学]]の政治思想史の講座、[[パリ政治学院]]の哲学のセミナーを担当し、[[パリ第10大学]]の[[政治社会学]]・哲学・[[人類学]]研究グループに参加した<ref name=":4" /><ref>{{Cite web|title=François Châtelet, exercices critiques|url=https://www.entrevues.org/surlesrevues/11723-2/|website=Ent’revues|accessdate=2020-05-05|language=fr-FR|publisher=|author=François Bordes}}</ref>。
シャトレは1970年に発表した『教員の哲学』において、哲学教育の批判的分析だけでなく、フランス[[教育制度]]（特に[[高等教育|大学教育]]）において哲学をどのように位置づけるか、哲学が社会においてどのような役割を担うべきかを問い直す必要があるという<ref name=":8">{{Cite journal|author=Alain Vergnioux|year=2015|date=|title=La philosophie de François Châtelet|url=https://doi.org/10.3917/tele.047.0009|journal=Le Télémaque|volume=47|issue=1|page=|pages=9|language=fr|doi=10.3917/tele.047.0009|issn=1263-588X}}</ref>。そしてこのためには、教育課程の見直し、[[教育改革]]、[[教育機関]]の[[民主化]]よりむしろ、歴史との関連で哲学の意味を捉えなおすことによって、教育の問題をより広い文化的枠組みのなかに位置づけることが重要になる。この意味で、ヴァンセンヌ大学の試みは、従来の学問領域の「外に出て」、[[演劇]]、[[映画]]、[[音楽]]といった文化領域を対象とすること、言い換えるなら、「[[芸術]]の力を動員すること」であったし、哲学の教育は今後も、社会における[[思想の自由]]、文化に対する「権利」につながるものでなければならないと語っている<ref name=":8" />。
1974年、シャトレが監修した『哲学史』（邦題『西洋哲学の知』）に対して、アカデミー・フランセーズの[[ボルダン賞]]が与えられた<ref>{{Cite web|title=François CHATELET|url=http://www.academie-francaise.fr/francois-chatelet|website=www.academie-francaise.fr|accessdate=2020-05-06|publisher=Académie française}}</ref>。
1985年12月26日、パリにて死去、享年60歳<ref>{{Cite web|title=Colloque : François Chatelet, un philosophe au présent - Université Paris 8|url=https://www.univ-paris8.fr/Colloque-Francois-Chatelet-un|website=www.univ-paris8.fr|accessdate=2020-05-06|publisher=Université Paris 8|language=fr}}</ref>。
== 著書 ==
* ''Périclès et son siècle'' ([[ペリクレス]]とその時代), 1960 ; (再版) Complexes, 1982
* ''La naissance de l'histoire : la formation de la pensée historienne en Grèce'' (歴史の誕生 - ギリシアにおける歴史思想の形成), Minuit, 1961 ; (再版) UGE 10/18, 1974
* ''Logos et praxis : recherches sur la signification théorique du marxisme'' ([[ロゴス]]と[[実践|プラクシス]] - [[マルクス主義]]の理論的意義に関する研究), Paris, SEDES, 1962, 1972 ; Logos et Praxis, Hermann, 2009
* ''Platon'' (プラトン), Paris, Gallimard, Collection « Folio », 1965, 1990
* ''Hegel'' (ヘーゲル), Le Seuil, 1968
* ''La philosophie des professeurs'' (教員の哲学), Grasset, 1970 ; (再版). 10/18, 1972
* ''Histoire de la philosophie. Idées. Doctrines'' (哲学史 - 思想、学説), (共著監修、全8巻) 1972-1973, (改題再版、全4巻) La philosophie, Marabout, 1979
** [[藤沢令夫]]監訳『西洋哲学の知 I - ギリシア哲学』[[白水社]]、1998年
** [[山田晶]]監訳『西洋哲学の知 II - [[中世]]の哲学』白水社、1998年
** [[竹内良知]]監訳『西洋哲学の知 III - [[近代]]世界の哲学 - [[トーマス・ミュンツァー|ミュンツァー]]から[[ゴットフリート・ライプニッツ|ライプニッツ]]へ』白水社、1998年
** [[野沢協]]監訳『西洋哲学の知 IV - [[啓蒙時代]]の哲学』白水社、1998年
** [[野田又夫]]監訳『西洋哲学の知 V - 哲学と歴史 - [[イマヌエル・カント|カント]]から[[カール・マルクス|マルクス]]へ』白水社、1998年
** [[花田圭介]]監訳『西洋哲学の知 VI - [[産業社会]]の哲学 - [[フリードリヒ・ニーチェ|ニーチェ]]から[[エトムント・フッサール|フッサール]]へ』白水社、1998年
** [[田島節夫]]監訳『西洋哲学の知 VII - [[人間科学]]と哲学』白水社、1998年
** [[中村雄二郎]]監訳『西洋哲学の知 VIII - 二十世紀の哲学』白水社、1998年
* ''La Révolution sans modèle'' (範のない革命), Mouton, 1974 - {{仮リンク|ジル・ラプージュ|fr|Gilles Lapouge}}、{{仮リンク|オリヴィエ・ルヴォー・ダロンヌ|fr|Olivier Revault d'Allonnes}}共著
* ''Les marxistes et la politique'' (マルクス主義者と政治), Thémis, 1975 - {{仮リンク|エヴリーヌ・ピシエ|fr|Évelyne Pisier|label=エヴリーヌ・ピシエ=クシュネール}}、{{仮リンク|ジャン＝マリー・ヴァンサン|fr|Jean-Marie Vincent (philosophe)}}共著
* ''Les Années de démolition'' (解体の年代), Hallier, 1976
* ''Chronique des idées perdues, conversations avec André Akoun'' (失われた思想の歴史- {{仮リンク|アンドレ・アクーン|fr|André Akoun}}との対話)), Stock, 1977
* ''Histoire des idéologies'' (思想史), (共著、全3巻) Hachette, 1978, (改題再版) Les idéologies, Marabout, 1981 - 共著・{{仮リンク|ジェラール・メレ|fr|Gérard Mairet}}共同監修
* ''Questions, objections'' (疑問、反論), Denoël-Gonthier, 1979
* ''Les conceptions politiques du <abbr>xx<sup>e</sup></abbr> siècle'' (20世紀の政治概念), PUF, 1982 - エヴリーヌ・ピシエ=クシュネール共著
* ''Histoire des conceptions politiques'' (政治概念の歴史), PUF, 1982 - {{仮リンク|オリヴィエ・デュアメル|fr|Olivier Duhamel}}、エヴリーヌ・ピシエ=クシュネール共著
* ''Dictionnaire des œuvres politiques'' (政治書事典), PUF, 1986 - オリヴィエ・デュアメル、エヴリーヌ・ピシエ=クシュネール共著
* ''Une histoire de la raison. Entretiens avec Émile Noël'', Le Seuil, 1992
** 『理性の歴史を語る - エミール・ノエルとの対話』宮崎隆・[[山形頼洋]]訳、[[青山社]]、1997年
* ''L’apathie libérale avancée et autres textes critiques (1961-1985)'' (進行したリベラルな[[アパシー]]ほかの批判的テクスト (1961-1985)), Le Seuil, 2015
== 脚注 ==
{{Reflist|2}}
== 参考文献 ==
* Ivan Chaumeille, « Présentation - Un homme transférentiel » in François Châtelet, ''L'apathie libérale avancée et autres textes critiques (1961-1985)'', Éditions du Seuil, 2015
== 外部リンク ==
* René Gallissot、[https://maitron.fr/spip.php?article19612 CHÂTELET François (CHÂTELET Michel, François, Jacques)] - ''Maitron''
* [https://www.ina.fr/contenus-editoriaux/articles-editoriaux/1980-francois-chatelet-explique-la-philo-aux-enfants/ 1980, François Châtelet explique la philo aux enfants] - 哲学とは何かについて子どもたちの質問に答えるフランソワ・シャトレ（1980年、[[フランス国立視聴覚研究所]]）
* [https://www.franceculture.fr/creation-sonore/nuit-speciale-francois-chatelet-par-christine-goeme-du-samedi-12-decembre-au Nuit spéciale - François Châtelet] - フランソワ・シャトレに関する[[フランス・キュルチュール]]の番組
* [http://www.film-documentaire.fr/4DACTION/w_fiche_film/33179_1 Avec François Châtelet, un voyage différentiel] - イヴァン・ショーメイユ（Ivan Chaumeille）作のドキュメンタリー映画の情報
{{Normdaten}}
{{デフォルトソート:しやとれ ふらんそわ}}
[[Category:フランスの哲学者]]
[[Category:フランスの哲学史家]]
[[Category:フランスの政治哲学者]]
[[Category:パリ大学の教員]]
[[Category:パリ大学出身の人物]]
[[Category:ブローニュ＝ビヤンクール出身の人物]]
[[Category:1925年生]]
[[Category:1985年没]]
| |||