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[[Image:Stretching 1200825.jpg|thumb|静的ストレッチの例]]▼
[[Image:USMC-120214-M-GU681-042.jpg|thumb|ペアで行うストレッチの例(異性)]]
[[Image:Bundesarchiv Bild 183-37600-0014, Leipzig, DHfK, Gymnastik.jpg|thumb|ペアで行うストレッチの例(同性)]]
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== 歴史 ==
「ストレッチ」という言葉は、[[1960年]]頃に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で発表されたスポーツ科学の論文中で使われ始め、[[1970年代]]後半より急速に概念が広がった。
ボブ・アンダーソンの著した『STRETCHING』([[1975年]])が普及を大きく促進したといわれる<ref name=SUZUKI1999_p2>[[鈴木重行]]『
ストレッチには静的ストレッチのほかにも、筋肉の伸張・収縮を繰り返す
今日、ストレッチは[[スポーツ]]におけるウォーミングアップ、クールダウンの中で盛んに行われ、重要な役割を果たしている。
== ストレッチの
<!-- 本文に無関係な画像 [[Image:Siberian Tiger by Malene Th.jpg|thumb|ストレッチを行う[[シベリアトラ]]]]
[[Image:Felis silvestris catus (cat stretching).jpg|thumb| リラックスしきった姿勢でストレッチする家畜化されたイエ[[ネコ]]]] -->
ストレッチの分類方法にはいろいろあるが、以下が一般的である<ref name=MIT_ToS>{{cite web|url=http://web.mit.edu/tkd/stretch/stretching_4.html |title=Types of Stretching |Publisher=[[マサチューセッツ工科大学]] |accessdate=2019年8月27日}}</ref>。
=== バリスティックストレッチ ===▼
通常の可動域を超えて反動をつけ弾むような動作で筋肉を伸ばす方法である<ref name=MIT_ToS />。いわゆる柔軟体操はこれにあたる<ref
静的ストレッチ(スタティックストレッチ)に対して動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)がある。動的なストレッチの例としては、ゆっくりと制御された脚のスイング、腕のスイング、または胴体のねじれがある<ref name=MIT_ToS />。これはやさしく稼働範囲内で行うが、対してバリスティックストレッチは、反動をつけ可動域を超えようとする点が異なる<ref name=MIT_ToS />。
肉体的なウォームアップを図りながら行う物であるため、運動前の静的ストレッチがパフォーマンスを下げるのに対し、怪我の予防、パフォーマンス向上に有効である。2000年に発表されたDr. Herbert Popeによる論文<ref name=Pope2000>{{Cite journal|last=Pope|first=R. P.|last2=Herbert|first2=R. D.|last3=Kirwan|first3=J. D.|last4=Graham|first4=B. J.|date=February 2000|title=A randomized trial of preexercise stretching for prevention of lower-limb injury|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10694106|journal=Medicine and Science in Sports and Exercise|volume=32|issue=2|pages=271–277|issn=0195-9131|pmid=10694106}}</ref>により議論が進んだ
=== アクティブストレッチ ===
静的アクティブストレッチとも呼ばれ、ヨガの多くの形態に見られるような[[主動作筋]]のみで体勢を支えるストレッチであり<ref name=MIT_ToS />、柔軟性を高め[[主動作筋]]を強化する<ref name=MIT_ToS />。
=== パッシブストレッチ ===
リラックスストレッチ、静的パッシブストレッチとも呼ばれ、体の他の部分、またはパートナーや器具の補助を受けて通常の稼働域内で体位を取り、保持するストレッチである<ref name=MIT_ToS />。運動後の「クールダウン」に適している<ref name=MIT_ToS />。
=== 静的ストレッチ ===
▲[[Image:Stretching 1200825.jpg|thumb|静的ストレッチの例]]
筋肉をゆっくりと伸ばし、やわらかくして可動域(動く範囲)を広げる。パッシブストレッチと静的ストレッチ(スタティックストレッチ)の用語を区別されていない場合があるが<ref name=MIT_ToS />、静的ストレッチは通常の可動域を超えて筋肉を伸ばそうとするストレッチを指す<ref name=MIT_ToS />。
運動前での実施でその後の練習での怪我が予防でき、パフォーマンスを発揮することが出来るといわれていたが<ref>『みるみる上達!スポーツ練習メニュー8陸上競技』15頁。</ref>、近年は運動前の静的ストレッチはパフォーマンスを低下させ、逆に怪我を増やすと言われている。可動域を一時的に広げることにより、力の伝達のロスや、不安定な関節が怪我を発生しやすくする。[[ザグレブ大学]]の研究チームは、45秒以上同じ箇所を伸ばさないよう警告しているが<ref>{{cite web|url=https://www.excite.co.jp/news/article/Rocketnews24_314047/ |title=【衝撃研究結果】 運動前にストレッチすると怪我しやすくなる |date=2013年4月8日 |accessdate=2019年8月27日 |publisher=Mail Online}}</ref>、一方で伸張時間が6秒間であれば筋出力は向上し、30秒間では低下するとした研究結果もある<ref>{{cite web|url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptcse/21/1/21_51/_pdf |format=PDF |title=短時間の静的ストレッチングが柔軟性および筋出力に及ぼす影響 |author=[[谷澤真]]、[[飛永敬志]]、[[伊藤俊一]] |date=2014年 |accessdate=2019年8月27日}}</ref>。
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逆に運動後に行うことで、パフォーマンス向上や怪我防止につながると言われている<ref>{{cite web|url=https://style.nikkei.com/article/DGXMZO31200390R30C18A5000000?channel=DF130120166093&page=3 |title=体が柔らかい人は不要? ストレッチ7つの誤解をとく |author=[[中村格子]] |date=2018年7月13日 |accessdate=2019年8月27日}}</ref>。時間については団体・学者により推奨値が異なるが、20秒程度を適当とすることが多い<ref>鈴木重行『IDストレッチング』第2版 三輪書店 1999年</ref>。
はじめに筋肉をゆっくり伸ばすのは伸張反射を防ぐためである。筋肉には[[骨格筋#神経と感覚器|筋紡錘]]と呼ばれるセンサーがあり、筋肉が瞬間的に引き伸ばされると筋紡錘から[[脊髄]]へ信号が送られる。すると脊髄から筋肉を収縮させる信号が出され、結果として筋肉が反射的に(つまり意思とは関係なく)収縮する。これを「伸張反射」あるいは「伸展反射」と呼ぶ。伸張反射は筋肉が急激に引き伸ばされたときに起こる防御反応であるが、静的ストレッチにおいては逆効果となるため、これを避ける<ref
===
体(四肢等)の動きを伴わないという意味では静的ストレッチに含まれるが、筋肉の長さと関節の角度を変えず、収縮強度のみ変化させる{{仮リンク|等尺性運動|en|Isometric exercise}}の一種である<ref name=MIT_ToS />。
▲肉体的なウォームアップを図りながら行う物であるため、運動前の静的ストレッチがパフォーマンスを下げるのに対し、怪我の予防、パフォーマンス向上に有効である。2000年に発表されたDr. Herbert Popeによる論文<ref>{{Cite journal|last=Pope|first=R. P.|last2=Herbert|first2=R. D.|last3=Kirwan|first3=J. D.|last4=Graham|first4=B. J.|date=February 2000|title=A randomized trial of preexercise stretching for prevention of lower-limb injury|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10694106|journal=Medicine and Science in Sports and Exercise|volume=32|issue=2|pages=271–277|issn=0195-9131|pmid=10694106}}</ref>により議論が進んだ。反面、動作の定義が定まっていない。日本の[[ラジオ体操]]は動的ストレッチに近いとも言われる。
▲=== バリスティックストレッチ ===
▲反動をつけ弾むような動作で筋肉を伸ばす方法。いわゆる柔軟体操はこれにあたる<ref>鈴木重行『IDストレッチング』第2版 三輪書店 1999年、2頁</ref>。また、いわゆる日本の[[ラジオ体操]]をバリスティックストレッチに分類する学者もいる。バリスティックストレッチでは上述の伸張反射がおきやすいため<ref>覚張秀樹・矢野雅知 『実践スポーツPNFコンディショニング』 大修館書店、1998年、40頁</ref>、[[フィットネス]]においては使われなくなってきている<ref>小沢治夫・西端泉 『Fitness Handy Notes 30』補訂版 (社)日本エアロビックフィットネス協会、2001年、168頁</ref>。一方、競技スポーツにおいては現在でもバリスティックストレッチが使われている。
=== PNF
パッシブストレッチ、アイソメトリックストレッチとアクティブストレッチを併用する固有受容神経筋促進(Proprioseptive Neuromascular Facilitation:[[PNF]])がある<ref name=prevention>{{cite book |last1=Zaffagnini |first1=Stefano |last2=Raggi |first2=Federico |last3=Silvério |first3=Jorge |last4=Espregueira-Mendes |first4=Joao |last5=di Sarsina |first5=Tommaso Roberti |last6=Grassi |first6=Alberto |editor1-last=Mayr |editor1-first=Hermann O. |editor2-last=Zaffagnini |editor2-first=Stefano |title=Prevention of injuries and overuse in sports : directory for physicians, physiotherapists, sport scientists and coaches |date=2016 |publisher=Springer |isbn=978-3-662-47706-9 |chapter=Chapter 4: General Prevention Principles of Injuries}}</ref>{{rp|42}}<ref name="PNFSciendo">{{cite journal |last1=Hong |first1=Junggi |last2=Briggs |first2=Wyatt |last3=Whitcomb |first3=Tyler |last4=Hindle |first4=Kayla |title=Proprioceptive Neuromuscular Facilitation (PNF): Its Mechanisms and Effects on Range of Motion and Muscular Function |journal=J Hum Kinet |date=2012-03-31 |volume=31 |issue=1 |pages=105–113 |doi=10.2478/v10078-012-0011-y |pmid=23487249 |pmc=3588663 }}</ref>。なおPNFは本来はストレッチの一種ではなくPNFストレッチという呼称は間違いである<ref name=MIT_ToS />がそのように呼称されていることが散見される。当初、PNFは脳卒中の被害者をリハビリする方法として開発された<ref name=MIT_ToS />。PNFには、拮抗筋、作動筋、またはその両方(CRAC)の収縮が含まれる<ref name="PNFSciendo" />。PNFはアイソメトリックストレッチとともに子供など骨の成長過程の者には推奨されておらず、筋肉部位ごとに36時間の実施間隔を置く必要がある<ref name=MIT_ToS />。
▲=== ダイナミックストレッチ ===
== ストレッチの効果 ==
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== 実施にあたっての注意 ==
; 運動前に静的ストレッチを行わない<ref name=Pope2000 />
; 無理をしない
: 無理に筋肉をのばそうとすると筋肉や腱<!--、神経-->を痛める恐れがある<ref name=SUZUKI1999_p45>鈴木重行『IDストレッチング』第2版 三輪書店 1999年、45頁</ref>。ともすれば他人と比較しがちであるが柔軟性には個人差があり、また男女の差もある<ref>小沢治夫・西端泉 『Fitness Handy Notes 30』補訂版 (社)日本エアロビックフィットネス協会、2001年、167頁</ref>。段階を踏みながら自分に合ったことを継続し、'''毎日続けることが重要'''である。
; 温まった状態で行う
: 筋肉は温度によって柔軟性が異なる。特に冬では冷えた状態では硬く、適度に温まった状態のほうが柔らかい。筋肉が適度に温まった状態でストレッチを行うことが好ましい。例えば、前もって軽い運動をしておくとよい<ref
; リラックスして行う
: 精神的な緊張は筋肉も緊張させる<ref>鈴木重行『IDストレッチング』第2版 三輪書店 1999年、19頁</ref>。また、呼吸を止めると筋肉が緊張する。ストレッチを行うときはリラックスして呼吸を続ける<ref
; 怪我をしたときは行わない
: 例えば捻挫をしたとき、骨折したときは損傷した筋や神経等の組織の炎症を広げる可能性が高いため、当該部位のストレッチを避ける。
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</gallery>
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{{出典の明記|date=2019年8月|section=1}}
=== 担ぎ合い ===
*背合わせで腕を組んで立ち、交互に前屈と後ろ反りを行う。
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