「新幹線N700系電車」の版間の差分

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'''N700系'''(エヌ700けい)は、[[東海旅客鉄道]](JR東海)、[[西日本旅客鉄道]](JR西日本)および[[九州旅客鉄道]](JR九州)に在籍する[[新幹線車両|新幹線]][[電車]]である。
 
[[東海道新幹線|東海道]]・[[山陽新幹線]]の第五世代、[[九州新幹線]]の第二世代の営業用車両にあたる。
 
== 概要 ==
[[新幹線700系電車|700系]]を土台に、さらなる高速性と快適性・環境性能向上の両立を目指し、[[東海旅客鉄道]](JR東海)・[[西日本旅客鉄道]](JR西日本)によって共同開発された。開発当初は'''700N'''と称しN700系は[[通称]]だったが、[[2004年]][[5月28日]]にN700系が正式な[[新幹線の車両形式|形式称号]]に決定したと発表された。数字の前に表記される N は new や next などの意味と説明されている。[[東海道新幹線|東海道]]・[[山陽新幹線]]の第五世代、[[九州新幹線]]の第二世代の営業用車両にあたる。
 
東海道・山陽新幹線用の16両編成(JR東海が0番台、JR西日本が3000番台)は[[新幹線300系電車|300系]]と山陽新幹線にわずかに残存していた[[新幹線0系電車|0系]]を完全に置き換え、設備が陳腐化した[[新幹線500系電車|500系]]と700系を定期「[[のぞみ (列車)|のぞみ]]」運用から撤退させるための次期主力車種として、[[2007年]][[7月1日]]の[[2001年以降のJRダイヤ改正|ダイヤ改正]]から営業運転を開始。これをベースにJR西日本と[[九州旅客鉄道]](JR九州)によって山陽・九州新幹線用の8両編成(JR西日本が7000番台、JR九州が8000番台)が共同開発され、[[2011年]][[3月12日]]の九州新幹線全線開業による山陽・九州新幹線の直通運転開始と、[[新幹線100系電車|100系]]の完全置き換えを目的に営業運転を開始した。
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** 新下関駅 ← 博多駅 ← 博多南駅間: 上り1本
** 小倉駅 → 博多駅 → 博多南駅間: 下り1本
 
== 重大インシデントによる影響 ==
[[2017年]][[12月11日]]、「のぞみ34号」([[博多駅]]13時33分発[[東京駅]]行き)で運転中のN700系5000番台K5編成(JR西日本・[[博多総合車両所]]所属、[[川崎重工業]]製)が異臭騒ぎにより[[名古屋駅]]で運転を取りやめた。係員が床下の点検を行ったところ、13号車の台車付近に油漏れが見つかった。翌12日、JR西日本は台車に亀裂が見つかったことを発表した。JTSB([[国土交通省]][[運輸安全委員会]])は脱線事故に繋がる危険性があると判断、新幹線史上初の'''重大インシデント'''に認定した。
{{main|のぞみ34号重大インシデント}}
 
== 今後の予定 ==
JR東海では2015年8月15日にZ編成のX編成への改造が完了した<ref>{{Cite web|author=大坂直樹|url=http://toyokeizai.net/articles/-/81199|title=東海道新幹線の"後継車両"はいつ現れるのか|work=[[東洋経済新報社|東洋経済オンライン]]|date=2015-08-22|accessdate=2016-06-26}}</ref>。引き続き、G編成を増備し、最終的に51編成まで増やす計画が発表されている<ref name="jr-central/000028233">{{Cite press release|title=N700Aの追加投入について~全ての東海道新幹線が「N700Aタイプ」になります~|publisher=東海旅客鉄道|date=2015年10月22日|url=http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000028233.pdf|format=PDF|language=ja|accessdate=2019-01-26<!--|archiveurl=https://web.archive.org/web/20151022114421/http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000028233.pdf |archivedate=2015年10月22日-->}}</ref>。
 
また、[[2016年]][[6月24日]]に次期新幹線車両である「'''[[新幹線N700S系電車|N700S]]'''(Sは、Supreme(スプリーム、最高の)の頭文字」の確認試験車を製作することを発表した<ref>{{Cite press release|url=http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000030982.pdf|format=PDF|title=東海道・山陽新幹線 次期新幹線車両 N700S 確認試験車の製作について|publisher=東海旅客鉄道|date=2016-06-24|accessdate=2016-06-26}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://news.mynavi.jp/news/2016/06/25/008/|title=JR東海「N700S」東海道・山陽新幹線次期車両の確認試験車、2018年春完成へ|newspaper=マイナビニュース|date=2016-06-25|accessdate=2016-06-26}}</ref>。[[2018年]][[6月23日|3月]]に試験走行開始した。[[2020年]]7月に営業運転を開始し、2020年度に12編成、2021・2022年度にはそれぞれ14編成ずつ増備し、費用は2400億円(1編成あたり60億円程度)である<ref>{{Cite press release|title=次期新幹線車両「N700S」量産車の仕様および投入計画について|publisher=東海旅客鉄道|date=2019年1月25日|url=https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000039300.pdf|format=PDF|language=ja|accessdate=2019年1月26日<!--|archiveurl=https://web.archive.org/web/20190125234507/https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000039300.pdf |archivedate=2019年1月25日-->}}</ref>。なお、N700SはJR東海による単独開発である<ref>{{Cite news|url=https://style.nikkei.com/article/DGXMZO25202380Y7A221C1000000?channel=DF260120166491|title=次世代の新幹線N700S 細かすぎる5つの変更点|newspaper=NIKKEI STYLE|date=2018-01-10|accessdate=2018-01-10}}</ref>。N700Sの量産車が登場後は、先行試作車であるX0編成は、試験用車両としての用途をN700Sの確認試験車である9000番台(J0編成)に後を譲って廃車となる見込みり、既に一部車両が[[リニア・鉄道館]]展示されてい([[#保存車|後述]])<ref>{{Cite web|url=https://toyokeizai.net/articles/-/228291|title=試運転用「N700S」は営業運転に使わないのか|accessdate=2019-01-26|author=松沼 猛|date=2018-07-14|website=東洋経済オンライン|publisher=[[東洋経済新報社]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180717200920/https://toyokeizai.net/articles/-/228291|archivedate=2018-07-17}}</ref>。N700S確認試験車J0編成は営業運転には使用せず各種試験用に用いられ、J1編成は量産第1編成として新たに製造される予定である。
 
== 保存車 ==
;[[リニア・鉄道館]]([[名古屋市]][[港区 (名古屋市)|港区]])
:2019年7月17日にX0編成3両が[[国鉄117系電車|117系電車]]と置き換えでの屋外展示の計画がなされた<ref>{{Cite press release|title=リニア・鉄道館 N700系車両の展示について~初めて屋外に新幹線車両を展示します!~|publisher=東海旅客鉄道|date=2019-05-17|url=https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000039557.pdf|format=PDF|language=ja|accessdate=2019-05-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20190517083804/https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000039557.pdf|archivedate=2019-05-17}}</ref>。同年6月19日には搬入しており、1号車(783-9001)・14号車(786-9201)・8号車(775-9001)の連結順で保存され<ref>{{Cite web|website=[[鉄道ファン (雑誌)|railf.jp(鉄道ニュース)]]|date=2019年6月19日|url=https://railf.jp/news/2019/06/19/190000.html|title=N700系量産先行車783-9001がリニア・鉄道館へ|publisher=[[交友社]]|accessdate=2019年7月11日}}</ref>、同年7月17日より見学および休憩スペースとして一般公開された<ref>{{Cite web|website=[[鉄道ファン (雑誌)|railf.jp(鉄道ニュース)]]|date=2019年7月18日|url=https://railf.jp/news/2019/07/18/093000.html|title=リニア・鉄道館でN700系先行試作車の屋外展示開始|publisher=[[交友社]]|accessdate=2019年7月19日}}</ref>。
 
== 重大インシデント ==
[[2017年]][[12月11日]]、「のぞみ34号」([[博多駅]]13時33分発[[東京駅]]行き)で運転中のN700系5000番台K5編成(JR西日本・[[博多総合車両所]]所属、[[川崎重工業]]製)が異臭騒ぎにより[[名古屋駅]]で運転を取りやめた。係員が床下の点検を行ったところ、13号車の台車付近に油漏れが見つかった。翌12日、JR西日本は台車に亀裂が見つかったことを発表した。JTSB([[国土交通省]][[運輸安全委員会]])は脱線事故に繋がる危険性があると判断、新幹線史上初の'''重大インシデント'''に認定した。
{{main|のぞみ34号重大インシデント}}
 
== 高速鉄道シンポジウム (N700-I) ==