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'''バス停留所'''(バスていりゅうじょ、バスていりゅうしょ 英:Bus stop)は、[[乗合バス|路線バス]]や[[高速バス]]において旅客が乗降できる地点である。[[日本]]においては'''バス停'''(バスてい)と略称され、法令・行政用語としては'''乗合自動車停留所'''と表現されることもある<ref>[http://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/annai/90directions.htm 乗合自動車停留所(124-A)~(124-C)]国土交通省 道路 案内標識一覧(2020年1月26日閲覧)</ref>。
バス停留所は[[公道]]上の多くあるほか、バス乗客の目的地となる[[鉄道駅]]や[[空港]]・[[飛行場]]といった[[交通結節点]]、自治体の役場など[[官公庁]]<ref>一例として、[[秋田中央交通]]の[[リムジンバス]]は[[秋田市|秋田市役所]]と[[秋田駅]]、[[秋田空港]]を結んでいる。[https://www.akita-chuoukotsu.co.jp/rimzin.html 秋田空港 リムジンバス時刻表](2020年1月26日閲覧)参照。</ref>、大規模な[[医療機関]]<ref>一例として、[[長野県]][[飯田市]]のバス路線網は、[[飯田駅]]のほか[[飯田市立病院]]を経由するよう編成されている。[https://www.city.iida.lg.jp/site/yuiturn/basu.html 市民バス・広域バス]飯田市ホームページ(2020年1月26日閲覧)参照。</ref>、商業・観光施設<ref>一例として、[[道の駅とよはし]]([[愛知県]][[豊橋市]])の[https://www.michinoeki-toyohashi.jp/access/index.php シャトルバス案内](2020年1月26日閲覧)参照。</ref>の敷地内や近くにも置かれる。
[[時刻表]]付き[[標識]]が立てられているだけの簡素なバス停もあれば、[[屋根]]や[[ベンチ]]、これらに[[壁]]を加えた[[待合所]]を備えたバス停もある。バス停留所のうちバスの始発・終着地を施設化したものは'''[[バスターミナル]]'''と呼ばれる。バス事業者の営業所や車庫に、始発・終着バス停が併設されていることも多い<ref>[[神奈川中央交通]]の[https://www.kanachu.co.jp/bus/route/office.html 営業所案内](2020年1月26日閲覧)には、「車庫」「営業所」がついた最寄停留所が多数掲載されている。</ref>。
また、[[日本]]の[[高速道路]]上にあるバス停留所と付随する施設については、「'''バスストップ'''」と呼ばれることがある。この点については、[[#高速道路|後節]]を参照。
なお、運行する路線において停留所以外の任意の場所で乗降できる制度を[[フリー乗降制]]と呼ぶ。
[[停留場]]については、当該項目や[[路面電車停留場]]を参照。
== 概要 ==
路線を定めて運行を行う乗合バス(路線バス)では、始発地点と終着地点及び区間途中に旅客が乗降する地点を定め、標識を立てるなどしてバス停留所であることを示す。フリー乗降制を除いて基本的に、停留所においてのみ乗降の取扱を行う([[急行バス]]など、バス停が設定されていても利用できない便も一部にある)。原則として、区間中の停留所は乗降車共に可能だが、場所により乗車専用や降車専用のバス停もある<ref>北海道バスの[[高速バス]]「ニュースター号」の[http://www.hokkaidoubus-newstar.jp/guide/guide4 ご利用ガイド](2020年1月16日閲覧)には、乗車専用バス停と降車専用バス停が存在することが記載されている。</ref>(「[[クローズドドアシステム]]」も参照)。
バス停留所の標識の多くは「標識版(標示柱、標柱、ポール)」と呼ばれ、停留所の名称、[[時刻表]]や[[路線図]]などが印字あるいは掲示されている。[[バスターミナル]]を除く多くのバス停は、屋根やベンチ、待合所があっても、[[鉄道駅]]などに比べ、設備は簡素である。標識のみのバス停では、利用者が屋外で立ったままバスを待つことを強いられる。このため[[群馬県]]は、バス停100メートル圏内でバス利用者の待合所としてスペースを提供してくれる店舗や企業を「バスまち協力施設」として登録している<ref>[https://www.pref.gunma.jp/04/h21g_00083.html 群馬県「バスまち協力施設」を募集します【随時募集】](2020年1月26日閲覧)</ref>。
[[ファイル:Sakaemachieki kotuhiroba.jpg|サムネイル|[[札幌市]][[東区 (札幌市)|東区]]の[[栄町駅 (札幌市)|栄町]]交通広場。駐輪場と待合所が整備されている。]]
利用者の自宅などとの往来に[[自転車]][[駐輪場]]や[[パークアンドライド]]用[[駐車場]]を併設しているバス停もある。
国・地域や事業者にもよるが、停留所の名称が付されている場合とそうでない場合がある。
[[ファイル:Fujinoki-BusStop.jpg|サムネイル|1つの乗降場で事業者毎に標識を立てる場合]]
[[ファイル:Bus stops of Kushiro bus at Aeon Kushiro ten (Katsuragi 2 tyoume).jpg|サムネイル|同一事業者による同一地点の停留所だが路線によって名称が異なる例([[くしろバス]] [[イオン釧路店]]停留所 兼 桂木2丁目停留所)]]
一つのバス停留所には、上り方面と下り方面の2つの乗降場が、道路を挟んで向かい合わせに設けられるものが一般的で、方向毎の外側車線に乗降場があることが多い。このとき、一つの停留所に複数の路線や異なる事業者のバスが停留する場合、路線別、事業者別に独立した標識を立てる場合と、複数の路線、事業者をまとめた標識を立て、時に数字等で乗降場を区別する場合があり、後者の場合はバスターミナルなどで用いられることが多い。路線が分岐する地点などにおいては、路線の方向毎に異なる道路上に乗降場を設けることがある。また、分岐点ではないバス停留所においても、同名の停留所であっても路線や事業者によって乗降場が異なる場合や、一方で同じ乗降場であるにも関わらず路線や事業者によって停留所名が異なる場合もある。他に、[[一方通行]]道路を経由する場合や、[[環状運転]]になるような場合、および用地が確保不可能である場合などには、乗降場が片方向のみ設置される場合がある。また、諸般の事情(交差点の形状、道路に接する住宅・商店などの状況など)により千鳥状に乗降場が設けられる場合もある。場所によっては、乗降客の少ないバス停留所は標識をどちらか1本のみ立て、上下兼用とする場合もある。この時、標識が設けられていない方向のバスを利用したい場合は、標識の真向かいに立っているとバスが停車する。
狭い範囲に点在しているバス停留所を一か所に集約し[[バスターミナル]]を設置する場合もある。
== 設置箇所 ==
=== 一般道路など ===
[[一般道路]]においては、それを示す標識板(標示柱)が道路上に存在し、時刻表や路線図が掲示されている。形状は[[歩道]]または[[路肩]]に標識版を設置するだけのものが一般的だが、屋根や待合室などの施設を設置しているものや、屋根とベンチを備えたものは'''バスシェルター'''ともいい、この中には壁面を持つものもある。
[[ファイル:Bus_Stops_2_curitiba_brasil.jpg|サムネイル|220x220ピクセル|[[ブラジル]]・[[クリチバ]]の[[:en:Rede Integrada de Transporte|RITシステム]]のバスシェルター。"''tubo''" (''tube'') の名で知られている。]]
このほか、
=== バスターミナル ===
[[ファイル:
バス停留所のうち、複数のバス路線の発着点に設置される施設を'''[[バスターミナル]]'''という<ref>{{Cite web
'''バスセンター'''または'''駅'''([[国鉄]]の自動車路線では'''[[自動車駅]]'''といった)と呼ばれることもある。前者の例は[[広島バスセンター]]([[広島市]])、[[万代シティバスセンター]]([[新潟市]])、後者の例では[[十和田湖駅]]([[青森県]][[十和田湖町]])などがある。ただし、[[東日本大震災]]で被災鉄道の代替として[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)が開設した[[気仙沼線・大船渡線BRT]]では、ターミナル機能がなくても「駅」と呼ばれている<ref>[https://www.jreast.co.jp/railway/train/brt/guide.html#g_sec04 BRTの駅について](2020年1月26日閲覧)</ref>。
=== 高速道路上 ===
==== 設置形態 ====
高速道路の[[本線車道]]上にバス停留所が設けられることがあり、[[高速バス]]などが発着する。
そうした停留所の設置形態として大別して2種類ある。一つは、停留所とその前後に、路線バス用に一般用とは独立した車線を設ける形態である。これは本線車道の一部だが路線バスに限って
他に、一般路線バスと接続させることを企図した場合には、インターチェンジの[[料金所]]外にバスストップが設置される事があり、この場合は料金所を出るごとに通行料金が区々別々となるため[[運賃]]が余分にかかることになる。また、この形態の場合、料金所での渋滞に巻き込まれやすく、都市部を中心に交通量が大きい道路ではこのような形態の
==== アクセス ====
一般的に、高速道路は都市の中心部から少し外れた場所を通っているため、高速道路上のバス停留所も都市の外れにあるものがほとんどである。都市中心部とその停留所の間を結ぶ路線バスが運行されている場合もあるが、[[自家用車]]や[[タクシー]]以外のアクセス手段がない所も少なくない。また高速道路上のバス停まで、[[階段]]や坂道を登らなくてはいけない所もある。
[[大分自動車道]]の[[大板井バスストップ]]のように、高速道路に並行する[[鉄道路線]]([[甘木鉄道甘木線]])に[[大板井駅]]を設置してアクセス向上を図った例もある。
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ファイル:Ooitai Bus stop for Oita.jpg|大板井バスストップ
ファイル:Ooitai Bus stop near Ooitai-Station.jpg|大板井バスストップより大板井駅を見ゆる
ファイル:Ooitai-Station exit For Bus Stop.jpg|大板井駅の大板井バスストップ方面の出口
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== バス停留所の構造 ==
バス停留所の構造には、以下のような形式がある<ref>{{Cite web|url=http://www.mlit.go.jp/road/sign/data/chap4.pdf|title=道路の移動円滑化整備ガイドライン第2部第4章乗合自動車停留所|accessdate=2019-11-27|publisher=国土交通省}}</ref>。
=== バスベイ型 ===
[[ファイル:函館バス「なないろ・ななえ」停留所.jpg|サムネイル|[[道の駅なないろ・ななえ]]にあるバスベイ型のバス停留所]]
'''バスベイ'''('''バスカット'''、'''バスターンアウト'''、'''バスプルアウト'''、'''バスレイバイ'''ともいう)は、バスや[[トラム]]が交通の流れから外れて停車できる乗降場のことを指す。多くの場合、[[歩道]]または歩行者専用区域に切り欠いて設置される。
: '''利点'''
:* バスが停留所に[[停車]]している間、他の交通の妨げにならず、後続車が停車中のバスを[[追い越し]]することが容易。
: '''欠点'''
:* 切り込みの形状や周辺の路上[[駐車]]、停留所内の違法駐車の状況によっては、バスが停留所から離れずにぴったり停車(正着)することが難しい。
:* [[渋滞]]時の発車が難しく、遅延の原因となりやすい。縦列停車したバスがある場合、後続のバスは前のバスの影響を受けやすい。
:* 歩道を切り欠くため、対策をしない限りは歩道の幅員が狭くなる。
:* 停車時のバスの車体の向きによっては運転手が後方確認を行うことが困難になる。
=== テラス型 ===
[[ファイル:Przystanek półwyspowy w Budapeszcie.jpg|サムネイル|[[ブダペスト]]にあるテラス型のバス停留所]]
'''テラス'''('''バスバルブ'''、'''ボーダー'''ともいう)は、停留所を歩道から車道側([[路肩]]、[[停車帯]]、または[[車道]])に張り出し、バス利用者と歩行者の衝突などを回避しながら、待合所などを含む利用者の[[アメニティ]]の為のスペースが提供できる乗降場のことを指す。
: '''利点'''
:* テラス部の幅が十分にあれば、周囲の路上駐車の状況に関わらずに停留所に正着できる。
:* 歩道の有効幅員を狭めることがなく待機所を設けられるため、歩道の混雑を低減できる。
:* バスが出発しやすく、遅延拡大を防ぎやすい。
: '''欠点'''
:* 道路が狭まるため、広い路肩や停車帯を持たない道路では適用が困難。
:* 外側車線を走行する[[自転車]]がバス停前後で車道中央に寄るため危険。
:* 後続車の追い越しが困難である。
=== ストレート型 ===
[[ファイル:Hirabari License Center Stop 20180217.jpg|サムネイル|[[名古屋市]]にあるストレート型のバス停留所]]
道路の全幅員に余裕がなく、歩道を切り欠いて停車帯を設けることができない場合等に用いられる型式の乗降場のことを指す。
: '''利点'''
:* 既存の道路構造を比較的大きく変更せずに設置できる。
: '''欠点'''
:* 停留所に必要な施設を設置することで歩道の幅員が狭まる。
:* 駐車車両があると停留所に正着することが難しくなる。
:* 後続車の追い越しが困難である。
=== 島式型 ===
[[ファイル:PDG-KV234N2 NagoyaCity NKH-18 PJ-MP35JM Meitetsu 1635 Kikan2 Shirakabe.jpg|サムネイル|名古屋市にある[[基幹バス (名古屋市)|基幹バス]]の島式のバス停留所]]
バスを中央走行方式で運行している場合に、乗降場を道路の中央に島式の形状で設けたものを指す。道路中央に[[バス専用レーン]]を持つ[[基幹バス]]や[[バス・ラピッド・トランジット]](BRT)では、バス停留所も[[路面電車]]の[[安全地帯 (交通)|安全地帯]]のように道路中央寄りに設けられている。
: '''利点'''
:* 駐停車車両の影響を受けにくく正着しやすい。
: '''欠点'''
:* バス利用者は必ず道路を横断しなければならない。
== 世界のバス停留所 ==
{{節スタブ|日本国外のバス停留所について|date=2020年3月14日 (土) 05:22 (UTC)}}
=== 日本 ===
日本
多くのバス停留所がバス営業所との特段の連絡設備(無線設備・有線放送・電光掲示板など)などを欠くため、悪天候(たとえば強風・[[大雪]])などを原因としてバスが大幅遅延や臨時運休になったとしても、基本的には
付帯施設として[[ベンチ]]・[[屋根]]・[[待合所]]
==== 法令や道路行政での位置づけ ====
旅客自動車運送事業運輸規則([[昭和
バス停が[[横断歩道]]に近いと[[交通事故]]を誘発すると指摘されており、[[国土交通省]]が対策に着手している<ref>[https://www.yomiuri.co.jp/national/20191213-OYT1T50334/ 「危険なバス停」、全都道府県に検討会…事故リスク高いものから移設][[読売新聞]]オンライン(2019年12月14日)2020年1月26日閲覧</ref>。
==== 設置箇所 ====
; 一般道路など
: 日本では2003年に広告パネル付きのバスシェルターについてその設置・管理に[[PFI]]手法が認められ、以後各都市で設置されている。また、近年では[[バスロケーションシステム]]を内蔵したものや[[発光ダイオード|LED]]式のもの、鉄道駅のように音声アナウンスが流れるものなども増えてきている
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ファイル:Totoro Busstop.jpg|[[となりのトトロ]]のバス停 ([[大分県]][[佐伯市]])
ファイル:Bus location.jpg|[[京都市営バス]]がバス停で提供する[[バスロケーションシステム]]
ファイル:Tobus Location.jpg|[[都営バス]]における高機能型接近表示付バス停の例
ファイル:Bus-Location-Board Kumamoto.jpg|[[熊本都市圏]]における接近表示の例
ファイル:Osaka Highway bus station 20111029.jpg|[[バスターミナル]]での標識例 ([[大阪駅]]JR高速バスターミナル)
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; 高速道路
[[
: [[ネクスコ|高速道路管理会社]]で用いられている高速バスの停留所の正式名称は'''バスストップ'''である(減速車線・加速車線の部分までを含める)。そのため、道路管理上の正式名称である「バスストップ」という呼称を、そのまま利用者への案内(停留所の名前)に使用している所もある。
: 高速バス運行会社の利用者の案内の際には、一般に前述の「○○バスストップ」のほか「□□道○○」、「高速○○」(□□は走行する高速道路の略称([[東名高速道路]]、[[名神高速道路]]、[[新名神高速道路]]はそれぞれ東名、名神、新名神)、○○はバス停の名称)など様々な表記がある。
=== 中国 ===
中国のバス停には時刻表の掲示がないことが多い<ref name="clair">{{Cite web
また、 書店などでは[[公共交通機関]](バスや地下鉄、空港リムジンバス)の情報を網羅した『指路者』という本が販売されており、大学、病院、公園や観光地など主な路線を通過するバス停の一覧が掲載されている<ref name="clair" />。
=== オランダ ===
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{{Commons&cat}}
{{multimedia|バス停画像}}
* [[停留所]]、[[停留場]]
* [[バスターミナル]]
* [[自動車駅]]
* [[操車場]]
* [[バス停飛ばし]]
* [[クローズドドアシステム]]
* [[バスロケーションシステム]]
* [[バス専用レーン]]
* [[都市新バスシステム]]
{{公共交通}}
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