「岡田更生館事件」の版間の差分

'''岡田更生館事件'''（おかだこうせいかんじけん）とは、[[岡山県]][[吉備郡]]岡田村（現：[[倉敷市]][[真備町]]岡田）に[[1946年]]（昭和21年）12月から[[1950年]]（昭和25年）まで存在した[[ホームレス|浮浪者]]収容施設・'''県立岡田更生館'''で起きた組織的な監禁、暴行傷害、殺人事件である。外部からは「模範施設{{Sfnp|大森実|1968|pp=79&ndash;80}}」と評価されて施設の内情が閉ざされていたことから、犠牲者は開設から2年余りで76名<ref name=sanyo1>{{Cite news|和書|url=https://www.sanyonews.jp/article/934659|title=収容された戦災者 真備・更生館事件70年(1)70余人の死 路上生活者を隔離 劣悪極めた施設環境|newspaper=[[山陽新聞]]デジタル|publisher=山陽新聞社|date=2019-09-02|accessdate=2019-09-27}}</ref>{{Efn2|name=Victims}}にものぼった。

この実情は、[[1949年]]（昭和24年）2月に施設収容者の一人が脱走して[[毎日新聞大阪本社]]にリークしたことを契機に、同社社会部の記者であった[[大森実]]と小西健吉が潜入取材した結果、社会的に知られることとなった<ref name="sanyo2">{{Cite news|和書|url=https://www.sanyonews.jp/article/934918?rct=mabi_koseikan|title=収容された戦災者 真備・更生館事件70年(2)潜入 人権侵害 白日の下に 記者変装し取材|newspaper=[[山陽新聞]]デジタル|publisher=山陽新聞社|date=2019-09-03|accessdate=2019-09-27}}</ref>。その後、本件は国会でも取り上げられて、[[太平洋戦争]]後の混乱期における弱者支援制度の構造的な問題が指摘された{{R|ndl21|Yamashita|Kanda}}。事件発覚から1年後には館長や県職員らに判決が下っているものの、執罪状は業務上横領ないし私文書偽造であり、殺人・暴行猶予付きとは含まれていなったい{{R|Judge-MainichiMainichi2}}。

事件発覚から1年後の[[1950年]]2月28日、[[岡山地方裁判所|岡山地裁]]で裁判が開かれ、N館長に[[横領罪|業務上横領]]と[[文書偽造の罪|私文書偽造]]で懲役1年執行猶予 (求刑懲役3年からの減軽)、岡山県会計課主事の男性が同罪私文書偽造で懲役1年執行猶予 (求刑懲役2年からの減軽)、岡田更生館指導員の男性が同罪業務上横領と私文書偽造で懲役8か月・執行猶予3年 (求刑懲役1年からの減軽)、同僚会計係が同罪で懲役6か月・執行猶予2年 (求刑懲役1年からの減軽) の判決が下り、った。N館長と会計課主事の男性計2名は控訴した<ref name=Judge-MainichiMainichi1>{{Cite news|和書|title=元岡田更生館長に判決|newspaper=[[毎日新聞]]|publisher=[[毎日新聞社]]|date=1950-03-01|page=東京朝刊}}</ref>{{信頼性要検証|date=2020-10}}<ref name=Judge-Mainichi2>{{Cite news|title=元岡田更生館長に懲役一年 |newspaper=[[毎日新聞]] |publisher=[[毎日新聞社]] |date=1950-03-01 |page=東京朝刊 2頁5段目}}</ref>{{Efn2|[[第一法規]]社が運営する判例データベース「D1-Law.com」には一審の岡山地裁、控訴審ともに2020年9月時点で判決未収録。}}。<!-- 「元岡田更生館長に判決」の記事は見つからず。旧版ではN館長と県会計主事が執行猶予付きと書かれていましたが、同日の「元岡田更生館長に懲役一年」記事では執行猶予ではなく検察側の求刑年数として表記されていました。よってWikipedia本文は2名の執行猶予は記述除去しています。 -->