「たった独りのあなたのために」の版間の差分
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{{混同|x1=[[アメリカ合衆国の映画]]|たった一人のあなたのために}}
{{基礎情報 テレビ番組
| 番組名 = たった独りのあなたのために<br />- 12月24日の青春 -<ref name="日本テレビドラマ史19860925_p407">{{
| 画像 = <!--入力例:Example.svg-->
| 画像サイズ = <!--pxを含まない入力例:200-->
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| ジャンル = [[テレビドラマ]]
| 原作 =
| 原案 = [[島田荘司]]{{R|日本テレビドラマ史19860925_p407}}<ref name="
| 企画 = 小坂敬、山本時雄{{R|イメージフォーラム19860301_p157}}
| 構成 =
| 脚本 = [[今野勉]]{{R|日本テレビドラマ史19860925_p407|
| 台本 =
| 総監督 =
| 監督 = [[石橋冠]]{{R|日本テレビドラマ史19860925_p407
| 演出 = 石橋冠{{R|日本テレビドラマ史19860925_p407|
| 監修 =
| 出演者 =[[岸本加世子]]、[[松村雄基]]、[[刀根麻理子]]、[[柳生博]]
| ナレーター =
| 音楽 = [[木森敏之]]{{R|イメージフォーラム19860301_p157}}(音楽協力:[[日本テレビ音楽]]
| EDテーマ = 「[[25時の愛の歌]]{{R|テレビドラマデータベース}}」
| 国・地域 = {{JPN}}
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<!--「製作」ヘッダ-->
| 製作総指揮 = <!--「エグゼクティブ・プロデューサー」・「チーフ・プロデューサー」・「制作統括」も使用可-->
| プロデューサー =
| 制作プロデューサー =
| 撮影地 =
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<!--「放送」ヘッダ-->
| ヘッダ = <!--既定値は「放送」-->
| 放送チャンネル = [[日本テレビネットワーク協議会|日本テレビ系列]]{{R|イメージフォーラム19860301_p157|みんな、いい人_p257}}
| 映像形式 =
| 音声形式 =
| 放送国 = {{JPN}}
| 放送時間 = 21:02 - 22:54<ref name="毎日新聞19851224m_p22">{{Cite news|和書|language=ja|date=1985-12-24|title=火曜サスペンス劇場「たった独りのあなたのために」|newspaper=[[毎日新聞]]|edition=朝刊|publisher=[[毎日新聞社]]|page=22}}</ref>
| 放送枠 = [[火曜サスペンス劇場]]{{R|
| 放送期間 = [[1985年]][[12月24日]]{{R|
| 放送分 = 112
| 放送回数 = 1{{R|テレビドラマデータベース}}
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| 特記事項 = [[生放送]]
}}
『'''たった独りのあなたのために'''{{R|日本テレビドラマ史19860925_p407|脚本データベース2012}}』(たったひとりのあなたのために)は、[[1985年]][[12月24日]]に[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]の「[[火曜サスペンス劇場]]」において放送された[[テレビドラマ|単発ドラマ]]である。[[東京都]]、[[札幌市]]、[[横浜市]]、[[名古屋市]]の4か所を結び、[[クリスマス・イヴ]]の特別番組直前の怪電話による騒動を、2時間の[[生放送]]で描く
== あらすじ ==
クリスマス・イヴの夜。[[テレビ局]]ではチャリティの特別番組の放送の準備が進められており、番組内で新人歌手である奈々井純子
放映開始の1時間前、涼子のもとへ脅迫の電話が入る。電話の内容によれば、純子のデビュー曲『たった独りのあなたのために{{R|イメージフォーラム19860301_p149}}』は盗作であり、出演させれば、電話の主は抗議のために自殺するという{{R|毎日新聞19851224m_p22}}<ref name="朝日新聞19851224m_p22">{{Cite news|和書|language=ja|date=1985-12-24|title=火曜サスペンス劇場「たった独りのあなたのために」|newspaper=[[朝日新聞]]|edition=朝刊|publisher=[[朝日新聞社]]|page=22}}</ref>。
== 製作 ==▼
脅迫電話に緊迫するテレビの現場を表現するため、生放送という形式がとられた<ref name="価格.com20100927">{{Cite web|url=https://kakaku.com/tv/channel=4/programID=22704/episodeID=436552/ |title=価格.com -「DON!」2010年9月27日(月)放送内容|accessdate=2020-11-30|date=2010-9-27|website=[[価格.com]]|publisher=[[カカクコム]]}}</ref>。2時間ドラマとしては初の生放送であり{{R|朝日新聞19851224m_p22}}、火曜サスペンス劇場の中で唯一の生放送である{{R|価格.com20100927}}。作家の鳥山拡は、東京2か所、大阪2か所の計4か所を結んだ1時間の生放送ドラマ『追跡』([[日本放送協会|NHK]]、1955年)との類似性を指摘している{{R|日本テレビドラマ史19860925_p407}}<ref>{{Cite web|url=https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009040030_00000 |title=ドラマ 追跡|accessdate=2020-11-30|website=[[NHKアーカイブス]]|work=NHK放送史|publisher=[[日本放送協会]]}}</ref>。▼
純子は涼子に、電話の主はかつての同棲相手の男性である三島宅次だと告白するが、曲は自作だといい、盗作であることは否定する。局は混乱に陥り、純子に歌わせるかどうかの決断に迫られた末、札幌にいる宅次と東京のテレビ局を[[テレビ電話]]で接続し、純子に盗作を認めさせることを約束し、放送が始まる。しかし純子は番組内で、曲を自作と言い切り、テレビ局から逃亡する{{R|イメージフォーラム19860301_p149}}。
脚本を手掛けた[[今野勉]]によれば、番組スタッフの緊張感は大変なもので、進行に非常に苦労したが、番組としてはそれなりに成功した{{R|番組研究200405_p5}}。しかし視聴者からの反応はほとんどなく、「生放送だとわかったところで、ドラマとして何の意味があるのか」と問い返された{{R|番組研究200405_p5}}。このことで今野は、ニュースやバラエティ番組などで生放送が一般化したため、生放送という手段による緊迫感が薄れ、視聴者にとっては生放送がすでに普遍化してしまっており、ドラマにとって生放送であることが利点にはならなかったと分析している{{R|番組研究200405_p5}}。▼
札幌で待つ宅次に対して涼子は、純子は宅次だけのために歌を作ったと説得し、宅次は怒りを鎮める{{R|イメージフォーラム19860301_p149}}。そこへ純子が現れ、涙を流しつつ、かつての恋人1人のためだけに、歌を歌い上げる{{R|日本テレビドラマ史19860925_p407|イメージフォーラム19860301_p149}}。
== キャスト ==
* 相川涼子 - [[岸本加世子]]{{R|
* 三島宅次 - [[松村雄基]]{{R|
* 奈々井純子 - [[刀根麻理子]]{{R|
* 乃本 - [[小林克也]]{{R|イメージフォーラム19860301_p157}}
* 頭師 - [[蟹江敬三]]{{R|イメージフォーラム19860301_p157}}
* 染井 - [[伊武雅刀]]{{R|イメージフォーラム19860301_p157}}
* 近藤部長 - [[山本耕一]]{{R|イメージフォーラム19860301_p157}}
他、[[柳生博]]らが出演{{R|みんな、いい人_p257}}
== スタッフ ==
*原
*脚本:[[今野勉]]{{R|日本テレビドラマ史19860925_p407|
*演出:[[石橋冠]]{{R|日本テレビドラマ史19860925_p407|
*音楽:[[木森敏之]]{{R|イメージフォーラム19860301_p157}}
▲== 製作 ==
脚本を手掛けた[[今野勉]]によれば、今野がテレビ局に入社した1959年(昭和34年)頃は、ドラマの約半分が生放送であったため([[生放送#ドラマ]]も参照)、その原点に立ち返ろうとしたこと、[[テレビ]]自体を題材としたドラマがそれまで存在しなかったことで、その二つを結びつけるという発想のもとに、今野と監督の[[石橋冠]]により製作された<ref name="イメージフォーラム19860301_p150">{{Harvnb|今野|1986|pp=150-151}}</ref>。また生放送という形式がとられたのは、脅迫電話に緊迫するテレビの現場を表現するためでもあった<ref name="価格.com20100927">{{Cite web|url=https://kakaku.com/tv/channel=4/programID=22704/episodeID=436552/ |title=価格.com -「DON!」2010年9月27日(月)放送内容|accessdate=2020-12-19|date=2010-9-27|website=[[価格.com]]|publisher=[[カカクコム]]}}</ref>。今中と石橋による提案が出たのが放送同年の10月頃で、脚本を始め、製作自体は非常にハイペースで進められた{{R|イメージフォーラム19860301_p150}}。
▲
作中ではテレビ電話で遠隔地同士を接続して会話する場面があるが、これは当時の技術的にはまだ普及した手段ではなかったため、会話する人物のみを映すカメラを双方に設置、テレビの視聴者のためにその両方を映すためのカメラを設置し、さらに作中のテレビ局での模様を捉えるためのカメラも必要と、非常に複雑な手段がとられた。こうした事情もあり、通常のドラマであればカメラは4台程度あれば済むところが、本作での数は約30台に達した{{Sfn|今野|1986|pp=151-153}}。
== 作品の評価 ==
今野勉によれば、番組スタッフの緊張感は大変なもので、進行に非常に苦労したが、番組としてはそれなりに成功した<ref name="番組研究200405_p5">{{Cite web|url=https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/domestic/pdf/050201_01.pdf |title=テレビ・今も「お前はただの現場にすぎない」か|accessdate=2020-12-19|date=2020-5-15|format=PDF|page=5|author=横江広幸|publisher=[[NHK放送文化研究所]]}}</ref>。生放送であることのハプニングは、出演者が緊張で台詞を少し誤る程度で、ほとんどないといって良かった{{R|イメージフォーラム19860301_p153}}。[[視聴率]]は約16パーセントであり、さほど高いとはいえないものの、当日の放送では最高の数字を記録した<ref name="イメージフォーラム19860301_p154">{{Harvnb|今野|1986|pp=154-155}}</ref>。新人歌手役を演じた刀根麻理子は、演技派は初体験であったが、今野は「非常の存在感のある人でした」「歌が良くなければドラマはどうしようもない」「歌い方が生の強さをとてもよく表した」と評価した{{R|イメージフォーラム19860301_p153}}。
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== 脚注 ==
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{{Reflist|30em}}
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author=[[小倉一郎]]|title=みんな、いい人 35年の俳優生活で出会った心に残る人たち|date=1995-7-15|publisher=太陽企画出版|isbn=978-4-88466-254-7|ref={{SfnRef|小倉|1995}}}}
* {{Cite book|和書|author=鳥山拡|title=日本テレビドラマ史|date=1986-9-25|publisher=映人社|isbn=978-4-87100-213-4|ref={{SfnRef|鳥山|1986}}}}
* {{Cite journal|和書|author=[[今野勉]]|date=1986-3-1|title=ドラマ本質に未知なる部分を孕みたい 生中継ドラマ『たった独りのあなたのために』をめぐるテレビの可能性|journal=月刊イメージフォーラム|issue=66|publisher=[[ダゲレオ出版]]|id={{NCID|AN10338102}}|ref={{SfnRef|今野|1986}}}}
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[[Category:火曜サスペンス劇場]]
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