「東京電力 (1925-1928)」の版間の差分

|解散 = [[1928年]]（昭和3年）[[45月118日]]<ref name="kanpo19280818">「商業登記 東京電力株式会社解散」『官報』第494号、1928年8月18日付。{{NDLJP|2956955/10}}</ref><br />（[[東京電灯]]と合併し解散）

|代表者 = 社長 [[田島達策]]（・副社長）<br />[[松永安左エ門]]（副社長）

|払込資本金 = 同上6825万円

|総資産 = 1億6678万6千6210円

|収入 = 758万2千2926円

|支出 = 456万7千7903円

|純利益 = 301万5千5022円

|特記事項 = 資本金以下は1927年11月期決算による時点<ref name="kabu1928report6">[[#kabu1928|『「東京電力株式年鑑』昭和3年度]]474頁。{{NDLJP|1075356/337}}会社第6回営業報告書」（J-DAC「企業史料統合データベース」収録）</ref>

'''東京電力株式会社'''（とうきょうでんりょく かぶしきがいしゃ）は、[[1925年]]（[[大正]]14年）から[[1928年]]（[[昭和]]3年）にかけて存在した[[日本の電力会社]]である。当時の大手電力会社[[東邦電力]]の系列で、社名の通りが[[東京]]への電力供給進出を行っ図るべく設立した。

前身は[[山梨県]]での水力開発を目的に設立された'''早川電力株式会社'''（はやかわでんりょく）と、[[群馬県]]での水力開発を目的に設立された'''群馬電力株式会社'''（ぐんまでんりょく）の2社を前身とする。東京電力は両社の合併により設立され、東京において[[明治]]期より存在する[[東京電燈|東京電灯]]を相手として激しい需要家争奪戦、通称「電力戦」を展開した。

東京電力株式会社は、[[1925年]]（大正14年）3月に早川電力と群馬電力の2社が合併し成立した電力会社である。本社は[[東京府]][[東京市]][[麹町区]]（現・[[東京都]][[千代田区]]）。明治時代から東京を地盤に営業する[[東京電灯]]が「東電」（とうでん）と通称されたのに対し、後発の東京電力は「'''東力'''」（とうりょく）と略される<ref>一例として「[http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?LANG=JA&METAID=10028433&POS=1&TYPE=IMAGE_FILE 東電と東力の合併決定す]」『[[中外商業新報]]』1927年12月15日付（神戸大学附属図書館「新聞記事文庫」収録）。</ref>。

前身の早川電力は、社名にある[[早川 (山梨県)|早川]]（[[富士川]]水系、[[山梨県]]を流れる）の開発を目的として[[1918年]]（大正7年））6月に設立。[[浜松市]]をはじめとるす[[静岡県]]西部に供給したほか、東京市などにおける電力供給許可を得ていた。一方の群馬電力は[[1919年]]（大正8年））7月に設立。[[群馬県]]を流れる[[利根川]]水系[[吾妻川]]を開発し、主として[[神奈川県]][[川崎市]]一帯の京浜地区に電気を供給していた。この2社を結びつけたのは、戦前期の大手電力会社「五大電力」の一つ[[東邦電力]]である。[[1923年]]（大正12年）から翌年にかけて早川電力・群馬電力の双方を傘下に収め、1925年に両社の合併を主導して東京電力を成立させた。東邦電力が経営を握るとともに、[[安田財閥]]が金融面で後援していた。

以下、東京電力の沿革のうち、前身会社早川電力・群馬電力の沿革について記述する。ただし両社の電源開発については下記[[#電源開発|電源開発の項推移]]を参照のことにて別途詳述する。

|本社所在地 = {{JPN}}<br />[[東京市]][[麹町区]][[丸の内|永楽町1丁目]]1番地

|設立 = [[1918年]]（大正7年）[[6月28日]]<ref name="kanpo19180821">「商業登記 株式会社（設立）」『官報』第1816号附録、1918年8月21日付。{{NDLJP|2953929/14}}</ref>

|解散 = [[1925年]]（大正14年）[[3月16日]]<ref name="kanpo19250807"/><br />（群馬電力と合併し東京電力を新設）

|歴代表者社長 = 初代 [[窪田四郎]]（1919 - 1924年）<br />2代目 [[松永安左エ門]]（社長（1924 - 1925年）

|総資産 = 48013676万0千883円（未払込資本金を除く）

|収入 = 182万7千7569円

|支出 = 108万9千9685円

|純利益 = 73万7千7883円

|特記事項 = 資本金以下は1924年11月期決算による時点<ref name="kabu1925-132reportH13">[[#kabu1925|『「早川電力株式年鑑』会社第13回大正1413年度]]132頁。{{NDLJP|986998/149}}下半期営業報告書」（J-DAC「企業史料統合データベース」収録）</ref>

東京電力の前身の一つ、'''早川電力株式会社'''は、[[1918年]]（大正7年）[[6月28日]]に創立総会をが開いて成立かれ発足した<ref name="toasa_19180629reportH1">「早川電力創立総株式会社第1回報告書」『[[東京朝日新聞]]』1918年6月29日付朝刊（J-DAC「企業史料統合データベース」収録）</ref>。設立時の[[資本金]]は800万円（うち200万円払込）<ref name="jitsugyo_192009kanpo19180821">[[#jitsugyo_192009|「解剖と批判 早川電力の前途」]]</ref>。設立の目的は、[[山梨県]]南部を流れる[[富士川]]支流[[早川 (山梨県)|早川]]の水力2万3,0003000[[馬力]]を開発し、それらの[[水力発電所]]を建設し、そからの電力を[[静岡県]]に内へ供給することにあった<ref name="jitsugyo_192009jitsugyo192009">[[#jitsugyo192009|「解剖と批判 早川電力の前途」（『実業之日本』）]]</ref>。

設立なった早川電力では発足後、早川開発の第一期工事に着手するが、有利な供給区域を持たないため[[1920年]]（大正9年）3月に[[日英水電|日英水電株式会社]]をの合併しに踏み切った<ref name="jitsugyo_192107jitsugyo192107">[[#jitsugyo_192107jitsugyo192107|「財界批判 早川電力」（『実業之日本』）]]</ref>。同社の資本金は300万円で、合併に際し同社株主に対し1株につき早川電力株式1株ずつ交付したため、早川電力の資本金は300万円増加して1100万円となっている<ref name="jitsugyo_192009"/>。合併により日英水電から水力発電所3か所などを引き継ぎ、[[浜松市]]を中心とする静岡県西部に電気の供給を開始した<ref name="jitsugyo_192107"/>。さらに[[1922年]]（大正11年）2月には[[天竜電力]]{{refnest|group=注釈|[[19081911年]]（明治4144年）9月）に設立され、[[磐田郡静岡県]]西部の[[天竜浜松市|二俣町浜松]]（現・浜松市[[天竜区島田市|島田]]）を地区に供給区域として開業いた電力会社で<ref name="shizuokahama-81">[[#shizuokahamamatsu|『静岡県「浜松地方電気事業概要』沿革史」]]281-486頁。{{NDLJP|976231/18}}</ref>。合併前年、早川電力と取締役の時点で一部が重なる（共通の取締役は二俣町のほか磐田郡内の[[見付町]]副島道正・[[中泉町]]（現・[[磐田市]]）や袋井町（現・[[袋井市]]）なども供給区域とした久野昌一<ref>[[#yoran13kabu1919|『電気事業要覧株式年鑑』第13回大正8年度]]58-59274頁。{{NDLJP|975006975421/59147}}</ref>）。}}・福田電力{{refnest|group=注釈|[[19161920年]]（大正59年）5）2月4日に逓信省から合併認可があり、磐田郡[[福田町同年3月15日の合併報告総会をもって手続きが完了した<ref (静岡県)|福島村]]（現・磐田市name="reportH4">「早川電力株式会社第4回報告書」（J-DAC「企業史料統合データベース」収録）ほか</ref>。日英水電の資本金は300万円で、合併に際し同社株主に対し1村株につき早川電力株式を供給区域と1株ずつ交付したため、早川電力の資本金は300万円増の1100万円となって開業いる<ref name="shizuokajitsugyo192009"/>。}}・東遠電気{{refnest|group=注釈|さらに[[19121922年]]（明治45大正11年）6）2月、25日合併認可・4月12日合併報告総会という手順で[[榛原郡天竜電力]][[川崎町 (静岡県)|川崎町]]（現・[[牧之原市]]）ほか2町村福田電力・東遠電気の3社を供給区域と合併して開業<ref name="shizuokareportH8"/>。}}の3「早川電力株式会社を第8回報告書」（J-DAC「企業史料統合併してデータベース」収録）</ref>、静岡県西部での供給区域を広げ拡大した<ref name="toho-187">[[#toho|『東邦電力史』]]187-189頁</ref>。なお3社合併で後の資本金は400万円増の1500万円となったである<ref name="kabu1925-132reportH8"/>。

|本社所在地 = {{JPN}}<br />東京市麹町区[[大手町 (千代田区)|永楽町2丁目]]10番地

|設立 = [[1919年]]（大正8年）[[7月5日]]<ref name="kanpo19191009">「商業登記 株式会社（設立）」『官報』第2155号附録、1919年10月9日付。{{NDLJP|2954268/14}}</ref>

|解散 = [[1925年]]（大正14年）[[3月16日]]<ref name="kanpo19250807"/><br />（早川電力と合併し東京電力を新設）

|代表者 = 初代社長 [[安田善三郎]]（1919 - 1920年）<br />2代社長 [[安田善五郎]]（1920 - 1923年）<br />3代社長 [[田島達策]]（社長（1923 - 1924年）<br />副社長 松永安左エ門（副社長（1923 - 1924年）

|株式数 = 旧株：24万株（25円払込）<br />合併新株：5000株（額面50円払込済）

|総資産 = 32472647万7千7142円（未払込資本金を除く）

|収入 = 144万0千863円

|支出 = 118万6千6271円

|純利益 = 25万4千4592円

|特記事項 = 資本金以下は1924年11月期決算による時点<ref name="kabu1925-139reportG11">[[#kabu1925|『「群馬電力株式年鑑』大正14年度]]139頁。{{NDLJP|986998/152}}会社第11回報告書」（J-DAC「企業史料統合データベース」収録）</ref>

もう一つの前身会社である'''群馬電力株式会社'''は、[[1919年]]（大正8年）[[7月5日]]に資本金700万円（うち175万円払込）で設立された電力会社である<ref name="zaikei_192008kanpo19191009"/><ref name="zaikei192008">[[#zaikei_192008zaikei192008|「群馬電力株式会社」]]（『財政と経済』）]]</ref>。[[群馬県]]を流れる[[利根川]]支流の[[吾妻川]]における水力発電を設立の目的とした<ref name="zaikei_192008zaikei192008"/>。

吾妻川は、途中で[[白砂川]]（当時の呼称は「須川」、上流部に[[草津温泉]]がある）が流れ込む影響で水質が[[酸|酸性]]を帯びており、工事への懸念から県内のほかの河川にて水力発電計画が浮上する中でも計画が立てられず取り残されていた<ref name="tajima-125">[[#tajima|『城山翁喜寿の賀』]]125-133頁</ref>。群馬県出身の実業家[[田島達策]]（[[ミツウロコグループホールディングス|ミツウロコ]]初代社長）はこの吾妻川に目をつけ、[[1906年]]（明治39年）に吾妻川下流の水利権を取得する<ref name="tajima-125"/>。開発にあたっては[[安田財閥]]が後援となり<ref name="tajima-133">[[#tajima|『城山翁喜寿の賀』]]133-139頁</ref>、1919年に群馬電力が発足すると社長の設立に際しては安田家から[[安田善三郎]]が就任2万株、善三郎が社長<!--1918年から1923年-->を務める京浜電気鉄道（後に現・[[安田善五郎京浜急行電鉄]]に交代）、専務も安田系の小倉鎮之助が入同じく2万株を持つ筆頭株主となった<ref name="tajimakanto-133336">[[#tajimakanto|『城山翁喜寿関東の賀電気事業と東京電力』]]133336-139338頁</ref>。田島社長には安田善三郎、副社長となったがには田島達策、専務には安田系の小倉鎮之助がそれぞれ就任<ref name="tajima-133"/>。安田家から社長が出されたのは同家の慣例によるもので、実際の仕事は田島や専務の小倉に任されていたという<ref name="tajima-133"/>。本社は東京市内{{Refnest|group=注釈|当初の所在地は[[京橋区]][[銀座|西紺屋町]]3番地<ref>「群馬電力株式会社第1回報告書」（J-DAC「企業史料統合データベース」収録）</ref>。関東大震災で事務所が全焼したため麹町区[[大手町 (千代田区)|永楽町2丁目]]10番地の[[永楽ビルディング|永楽ビル]]に仮移転ののち<ref name="reportG9">「群馬電力株式会社第9回報告書」（J-DAC「企業史料統合データベース」収録）</ref>、翌1924年5月正式に同地へ移転<ref name="reportG10"/>。}}に置かれた<ref name="kanpo19191009"/>。

群馬電力は吾妻川において[[#金井発電所（吾妻川）|金井発電所]]の建設を計画していたが、同発電所の放水を利用する発電所を別個に建設すべく吾妻電気株式会社という電力会社も設立されていた<ref name="jitsugyo_192108jitsugyo192108">[[#jitsugyo_192108jitsugyo192108|「財界批判 群馬電力」（『実業之日本』）]]</ref>。吾妻電気同社は資本金は500万円で、1920年6月1日創に設立総<ref name="kanpo19201228">「商業登記 株式会を開催社（設立）」『官報』第2523号附録、1920年12月28日付。{{NDLJP|2954638/31}}</ref>。安田善三郎が社長、小倉鎮之助が専務となり、田島達策らが取締役に就任名を連ねた<ref name="yomiuri_19200603">「吾妻電気成立」『[[読売新聞]]』1920年6月3日付朝刊。</ref>。株式払い込みの都合上別に設立された姉妹会社であり<ref name="zaikei_192008zaikei192008"/>、群馬電力では同年76月同社21日付で合併契約を吸収締結し、資本金11月5日合併報告総会を1200万円とし終えて合併手続きを遂げた<ref name="kabu1925-139reportG3"/>「群馬電力株式会社第3回報告書」（J-DAC「企業史料統合データベース」収録）</ref name="jitsugyo_192108"/>。さらに[[1924年]]（大正13年）9月に、吾妻川沿いの[[中之条町]]などに電気を供給し[[電気鉄道|電気軌道]]事業も営む[[吾妻軌道]]を合併し、後の資本金を1225は500万円増の1200万円としなっている<ref name="toho-192reportG3"/>。なお合併報告総会後に経営陣の改選があり、安田善三郎に代わって[[#toho|『東邦電力史』安田善五郎]]192-194頁が社長に就任した</ref name="reportG3"/>。

[[ファイル:MATSUNAGAMatsunaga Yasuzaemon (before 1923).jpg|thumb|upright|[[松永安左エ門]]]]

東邦電力は成立の過程において、[[天竜川]]に発電所を持ち浜松方面へと電力を供給する[[天竜川水力電気]]を合併し、日本楽器製造（現・[[ヤマハ]]）などの工場に対して供給しており<ref>[[#hamamatsu|「浜松地方電気事業沿革史」]]8988-90・94頁</ref>、浜松を含む静岡県西部に供給する早川電力とは一部で競合する立場にあった<ref name="toho-189"/>。余剰そこで東邦電力の供給先を求めてでは早川電力と提携交渉との関係強化を進めてい試みたがものの、関東大震災以前の段階では機が熟さず実現していなかった<ref name="toho-189"/>。ところが震災で早川電力の事業が行き詰ると、打開策として同社早川電力側から取締役の[[前田米蔵]]が松永に話を持ち込み掛け、両社合併関係強化の運びとなる話が具体化されていった<ref name="toho-189"/>。[[そして1924年]]（大正13年）33月、東邦電力は早川電力との合併を決定しについて、早川電力側の内容整備を待って3年以内に吸収合併することと決定した<ref name="toho!-189"/>。その上、自社の出資-『東邦電力史』による早川興業は東邦電力臨時株式主総会社（資本金1500万円）を設立、で1924年3月15日にこれを早川電力に合併させた<ref name="toho-189"/>。早川電力は合併に伴い資本金を1500万円増資して3000万円決議とすあるとともに、東邦電力が過半数総会開催の株式を保有する大株主と事実なってその支配下に入った<ref name="tohoし--189"/>。また松永安左エ門が新たに社長に就任した<ref name="toho-189"/>。

[[ファイル:Shohachi wakao.jpg|thumb|upright|東京電灯第8代社長[[若尾璋八]]]]

早川電力や群馬電力が進出を図った東京は、日本で最初の電力会社[[東京電灯]]の地盤であった。同社は[[1887年]]（明治20年）11月に[[東京市]]内での配電を開始した、日本における電気供給事業の先駆者である<ref>[[#zenshozensho13|『日本コンツエェルン全書』13]] 35-37頁。{{NDLJP|1278498/27}}</ref>。

明治末期になると、水力開発の活発化と政府の電気普及促進政策により東京電灯以外にも複数の事業者が東京市内へ進出するようになる<ref name="zensho-70">[[#zenshozensho13|『日本コンツエェルン全書』13]] 70-75頁。{{NDLJP|1278498/45}}</ref>。明治末期に許可を得て大正までに開業する[[鬼怒川水力電気]]・[[桂川電力]]・[[猪苗代水力電気]]・[[利根発電]]などの会社が該当し、後に早川電力に引き継がれる日英水力電気も明治末期の1908年に事業許可を受けている<ref name="zensho-70"/>。これらの会社と東京電灯は電力受給契約を締結しており市内供給について直接競合することはなかったが、電灯供給の許可を得て1907年に開業した[[東京市営電気供給事業と|市営電気事業]]および[[1913年]]（大正2年）に開業した[[日本電灯]]は東京電灯に対して攻勢を仕掛け、市内で激しい電灯需要家の争奪戦を展開した（いわゆる「三電競争」）<ref name="zensho-70"/>。3事業者の競争は[[1917年]]（大正6年）に停戦協定が交わされるまで続いた<ref name="zensho-70"/>。

大正後期から東京電灯は積極経営を展開する<ref name="zensho-233">[[#zenshozensho13|『日本コンツエェルン全書』13]] 233-242頁。{{NDLJP|1278498/135}}</ref>。かつての競合会社日本電灯や電力供給元の猪苗代水力電気などを相次いで合併し、東京市内に供給権を持つ電力会社を鬼怒川水力電気と未開業の日英水力電気を除いて統合したのである<ref name="zensho-233"/>。合併の結果、[[関東大震災]]前の時点で東京電灯の資本金は2億5800万円に達し、供給区域は[[関東地方]]一帯に拡大した<ref name="zensho-233"/>。[[1923年9]]（大正12年）9月の関東大震災では変電・配電設備および営業設備を中心に被災し、需要家の罹災で需要の激減を来たして特に電灯供給では震災前の水準に回復するまで2年余りを要した<ref name="zensho-8885">[[#zenshozensho13|『日本コンツエェルン全書』13]] 8885-90頁。{{NDLJP|1278498/52}}</ref>。一方震災を機に工場電化が進んだことから電力需要はかえって増加し、震災から1年で震災前の水準に戻っている<ref name="zensho-8885"/>。

震災翌年から東京電灯は事業の拡張を再開、[[京浜電力]]や[[富士水電]]を合併したほか[[1926年]]（大正15年）には[[帝国電灯]]を合併した<ref name="zensho-240">[[#zenshozensho13|『日本コンツエェルン全書』13]] 240-242頁。{{NDLJP|1278498/139}}</ref>。帝国電灯の合併をもって資本金は3億4572万4000円に膨らみ、関東以外にも[[山陰地方]]や[[北海道]]・[[樺太]]にも供給区域を持つに至った<ref name="zensho-240"/>。大正後期からの拡張時代に経営を担ったのは社長の[[神戸挙一]]<ref name="jinteki-27">[[#jinteki|『人的事業大系』電力篇]]27-30頁。{{NDLJP|1458891/36}}</ref>。1922年には副社長に[[若尾璋八]]が就き、1926年に神戸が死去すると後任社長となった<ref name="jinteki-27"/>。神戸・若尾ともに[[甲州財閥]]に属する実業家である<ref name="jinteki-27"/>。

[[ファイル:Fukuzawa Momosuke 45-year-old.jpg|thumb|upright|大同電力初代[[福澤桃介]]（大同電力社長）]]

大正後期、東京電灯が関東を中心に巨大化したのに並行して、[[中京圏|中京地方]]と[[九州]]北部では[[東邦電力]]、[[関西地方]]では[[宇治川電気]]が勢力を拡大<ref name="chubu-161">[[#chubu|『中部地方電気事業史』上巻]]161頁</ref>。さらに電力の卸売り<ref {{Refnest|group="注釈">|一般の需要家に直接供給せず、[[発電]]・[[送電]]・[[変電]]設備を保有して大量の電力を他の電気事業者に供給することを電力の「卸売り」という。逆に一般需要家への[[配電]]設備を持ち[[電灯]]・電力の供給をなすことを「小売り」という。なお、当時の[[電気事業法]]では[[電気鉄道]]の経営も電気事業に含まれる（「電気事業 経営百態おろし売と小売」『[[東京朝日新聞]]』1925年9月22日付。<ref>「[http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?LANG=JA&METAID=00056258&POS=1&TYPE=IMAGE_FILE 電気事業 経営百態おろし売と小売]」『[[東京朝日新聞]]』1925年9月22日付。神戸大学附属図書館「新聞記事文庫]」収録、2015年12月25日閲覧）。</ref>。}}を主体とする新興の[[大同電力]]と[[日本電力]]とあわせ、電力業界では「五大電力」と呼ばれる大手5社の勢力が著しく伸長した<ref name="chubu-161"/>。五大電力のうち、後発の大同電力・日本電力は積極的な大規模水力開発を手がけ、続々と完成する発電所の発生電力を消化するために既存事業者に対して「電力戦」と呼ばれる激しい需要家争奪戦を演じた<ref name="kanto-310">[[#kanto|『関東の電気事業と東京電力』]]310-312頁</ref>。この時期の「電力戦」は、当時の[[逓信省]]が電灯供給および小口の電力供給については既存事業者の地域独占供給を認める一方で、大口の電力供給については独占の弊害を除去するためとして新規事業者の参入を許可したことから、大口電力需要家の争奪戦という形で展開された<ref name="kanto-310"/>。

翌[[1925年]]（大正14年）[[3月16日]]、両社合併による新会社'''東京電力株式会社'''の創立総会が開催されるた<ref name="kanto-338"/>。成立した東京電力の資本金は、早川電力の3000万円と群馬電力の1225万円をあわせた4225万円で、（うち2800万円払込）<ref name="kanto-338"/>。東邦電力はそのうち4割を東邦電力が出資し<ref name="kanto-338"/>、会社の経営については同社がを取り仕切った<ref name="chugai_19260406chugai19260406">「[http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?LANG=JA&METAID=00056417&POS=1&TYPE=IMAGE_FILE 京浜に備うる電力戦線の陣容]」『中外商業新報』1926年4月6日 - 10日連載。神戸大学附属図書館「新聞記事文庫」収録</ref>。設立時、東邦電力との間に1928年を目処に合併するという了解があったという<ref name="chugai_19260406chugai19260406"/>。また[[安田財閥|安田保善社]]が第2の株主（持株出資比率8%パーセント）で<ref name="kanto-338"/>、金融関係は[[安田財閥]]の後援を受けた<ref name="chugai_19260406">「京浜に備うる電力戦線の陣容」『[[中外商業新報]]』1926年4月6日 - 10日連載。神戸大学附属図書館「[http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?LANG=JA&METAID=00056417&POS=1&TYPE=IMAGE_FILE 新聞記事文庫]」収録</ref>。本社は東京市[[麹町区]]（現・[[東京都]][[千代田区]]）である<ref name="kanto-338chugai19260406"/>。社長は群馬電力社長の田島達策、副社長は松永安左エ門、専務は群馬電力の宮口竹雄、常務は東邦電力の[[進藤甲兵]]と早川電力の[[結城安次]]がそれぞれ就任した<ref name="kanto-338"/>。田島・宮口は安田関係の代表者で金融方面、結城は[[貴族院 (日本)|貴族院]]方面、1年遅れて常務に就任した[[佐竹義文 (内務官僚)|佐竹義文]]は政党方面に対するいわば「看板」で、会社の実権は東邦電力の松永や進藤が握っていたという<ref name="zensho-288"/>。

合併以外さらにも事業拡大策を矢継ぎ早に打ち出す。設立直後の19251926年312月25日、株式の大井川水系寸又川の開発部分を計画す握る寸又川電気株式傍系会社（として資本金1501000万円、1924年6月設立）の須川電力株式を取得し、松永が会社長を兼任設立して経営を引き受けた<ref name="kanto-338kokumin19270107">「[http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=10033299&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA 須川電力会社創立さる 東京電力が中心となって]」『[[國民新聞]]』1927年1月7日付。神戸大学附属図書館「新聞記事文庫」収録</ref>。次いで同年12月に社は資本金1000万円で東京電力と[[上毛電関東水力|上毛電力株式会社気]]を設立し、・[[利根吾妻川電力]]の3社から水系利権を集めて起業されたもので<ref name="kokumin19270107"/>、東京電力からは金井発電所の上流側にある吾妻川の未開発水利権3地点が提供された<ref name="jea-211">[[片品川#jea|『日本の発電所』東部日本篇]]などの211-223頁。{{NDLJP|1257046/233}}</ref>。須川電力では開発を計画するを見直した上毛製紙で翌1927年11月に松谷発電所を吸収着工した<ref name="kantojea-338211"/>。翌1926年12月また傍系会社には利根川水系[[吾妻川]]などの開発を目的ほかに須川東京湾電力気株式会社を資本金1000万円で設立し、さらなる電源増強を図があった<ref name="kanto-338"/>。また同社は1926年5月20日に資本金500万円で設立<ref name="kanpo19261009">「商業登記 株式会社設立」『官報』第4239号附録、1926年10月9日付。{{NDLJP|2956389/24}}</ref>。早川電力の時代から電力を供給していた[[浅野財閥]]系の[[東亜建設工業|東京湾埋立]]から電気事業を分離させて自立ち上げた新会社系列であり、神奈川県下の[[東京湾電気株式会社（資本金500万円）に移し、]]埋立地のうち橘樹郡[[鶴見町 (神奈川県)|鶴見町]]・[[田島町 (神奈川県)|田島町]]両地先の埋立地における供給事業を引き継いで間接的に供給区域を拡大した<ref name="toho-196">[[#toho|『東邦電力史』]]196-199頁</ref>。この操作により東京電力は間接的に供給区域を拡大した形となっている<ref name="toho-196"/>。

[[1926年]]（大正15年）[[5月24日]]<ref name="jigyo_192608jigyo192608"/><ref name="toho-201">[[#toho|『東邦電力史』]]201-202頁</ref>、東京電力は東京市郊外の[[南葛飾郡]]・[[南足立郡]]および[[北豊島郡]][[南千住町]]における大口（一構内あたり50馬力以上）の電力供給を許可された<ref name="kanto-342">[[#kanto|『関東の電気事業と東京電力』]]342-344頁</ref>。この地域への参入は、東京方面への本格進出を図るためのものである<ref name="kanto-342"/>。

当時、上記地域は東京府内でも有数の工業地帯であり、大口需要が比較的密集して存在することから効率的な供給が可能で、その上[[紡績]]や[[モスリン]]といった負荷の高い工場が集中するため、東京電灯にとっても収益を支える重要な地域であった<ref name="kanto-342"/>。実際に、1926年上期の時点における東京電灯の同地域内の電力供給契約は約4万5,000キロワット000kWにのぼり、東京電灯全体の電力需要の約13%に相当していた<ref name="kanto-342"/>。東京電力がこの地域における電力供給許可を申請したのは、前年8月に時の[[加藤高明内閣]]が[[憲政会]]単独内閣となってからで、許可を与えた逓信大臣は[[安達謙蔵]]である<ref name="toho-201"/>。東京電灯は副社長の若尾璋八が[[立憲政友会]]総務であるなど立憲政友会系の会社と目されていたことから、東京電灯の重要地域への東京電力参入を許可したのは政友会と対立する憲政会の党略である、との指摘がある<ref>[[#kozai|『電力界の功罪史』]]</ref>。

ともあれ南葛飾・南足立・北豊島3郡における大口電力供給権を獲得した東京電力は、供給体制の整備に着手。金井発電所（群馬県）から川崎へと至る既設11キロボルト11kV送電線（群馬本線）の途中から支線を分けて南葛飾郡[[松江町]]に変電所を設置し、さらに2次変電所を同郡[[大島町 (東京府)|大島町]]と東京市内[[本所区]]・[[深川区]]の3か所に配置して、群馬県下金井・[[#渋川発電所（吾妻川）|渋川]]両発電所からの電力と上毛電力からの受電をあわせた合計2万8,800キロワット800kWをこの地域に供給することとした<ref name="jigyo_192608jigyo192608"/>。さらに渇水時の予備として3万5,000キロワット000kWの出力を備える火力発電所の建設にも着手している<ref name="jigyo_192608jigyo192608"/>。

[[1927年]]（昭和2年）[[1月1日]]、東京電力は南葛飾・南足立・北豊島3郡および東京市深川区・本所区方面での電力供給を開始した<ref name="kanto-342"/>。この地域で最大の需要家である南葛飾郡の[[日清紡績]]への供給（供給電力2,700キロワット）700kW）を東京電灯から奪い取るなど需要家を相次いで獲得するが、一方で東京電灯の反撃にあって需要家を奪い返されるなど、同社との間で激しい需要家の争奪戦を展開する<ref name="kanto-342"/>。また群馬電力時代から競合していた京浜電気鉄道沿線地域でも、1924年6月に競争的行為を避けるという協定が締結されていたにもかかわらず競争が激しくなり、[[横浜船渠]]への供給（1 (1,700キロワット）700kW) を東京電力が奪うといったことが起きた<ref name="kanto-342"/>。こういった激しい「電力戦」について需要家側からは、東京電灯のみに頼ると無理を押し付けられるので競争会社は必要である、と歓迎する意見が出ている<ref name="kanto-342"/>。

東京電力の進出は、工場電化の進展や電力利用の普及を促進したという面もあった<ref name="kanto-342"/>。東京電灯から奪った需要家も相当数あったが、全体の8割近くは新規の需要であったのである<ref name="kanto-342"/>。[[富士製紙]]江戸川工場（2 (2,000キロワット）000kW) や[[日本電気]]（1 (1,715キロワット）715kW)、[[東芝|芝浦製作所]]（1 (1,600キロワット）600kW) などはそういった新規の需要家である<ref name="kanto-342"/>。京浜方面とあわせると、毎年3万キロワットkW以上の需要増加が見込まれる電力市場であったという<ref name="toho-201"/>。

電力戦の傍ら、1926年後半から建設中の発電所が相次いで竣工する。まず1926年5月、建設中の[[#早川第三発電所|早川第三発電所]]から川崎第一変電所へ至る送電線（田代本線、送電電圧154キロボルト154kV<ref name="toho-199">[[#toho|『東邦電力史』]]199-201頁</ref>）が完成<ref name="kanto-338"/>。翌1927年1月より早川第三発電所が運転を開始し、続いて[[#田代川第一発電所|田代川第一発電所]]が8月に、[[#田代川第二発電所|田代川第二発電所]]が11月にそれぞれ運転を開始した<ref name="kanto-338"/>。これらの水力発電所以外にも鶴見町の[[#東京火力発電所|東京火力発電所]]が1926年12月に完成、1927年5月には発電機がもう1基完成して竣工した<ref name="kanto-338"/>。さらに1926年10月には系列の上毛電力の手により伏田発電所が完成し、ここからの受電も開始している<ref name="kanto-338"/>。

東京電力対東京電灯の電力戦が行われていた当時、五大電力の一つで卸売り会社の[[日本電力]]も東京進出を目指し、東京への送電線を建設中であった<ref>[[# name="kanto|『関東の電気事業と東京電力』]]-348-349頁<"/ref>。東京電力はこの日本電力と提携して同社の東京進出に協力、相呼応して東京電灯を攻撃しようと企てた<ref name="jigyo_192608jigyo192608"/>。一方東京電灯は[[大同電力]]から電力を購入し東京方面へと供給していたことから、大同電力は東京電灯の側についた<ref name="jigyo_192608jigyo192608"/>。東京電力の親会社東邦電力と大同電力はともにかつての[[名古屋電灯]]を前身としており、大同電力は姉妹会社の競合会社に味方したことになる<ref>[[# name="zensho|『日本コンツエルン全書』13]] 101-104頁<95"/ref>。

東京電力発足半年後の1925年12月、大同電力取締役に東京電灯副社長の若尾璋八が就任した<ref>[[#daido|『大同電力株式会社沿革史』]]62-65頁</ref>。大同電力が自社の株式を東京電灯に引き受けさせたため、大株主となった東京電灯を代表して若尾が入ることとなったものである<ref name="masuda-188">[[#masuda|『増田次郎自叙伝』]]188-191頁</ref>。ところが東邦電力もまた大同電力の設立の経緯から大株主であり、松永安左エ門も元から取締役に名を列ねていた<ref name="masuda-188"/>。当時大同電力副社長のであった[[増田次郎]]によると、東京電力を設立したばかりの松永は若尾の大同電力入りに反対し、株主総会上でも大株主の立場をもって拒否しようと試みるほどで、先輩の[[福澤桃介]]（大同電力社長、松永の[[慶應義塾]]時代以来の先輩）に対して謀反を起こしたと騒がれたという<ref name="masuda-188"/>。

東京電力が東京郊外3郡での電力供給を許可された直後の1926年5月29日、東京電灯の若尾ら幹部は大同電力と協議し、大同が当時愛知・[[岐阜県|岐阜]]両県における電力供給許可を申請していたところに東京電灯も加わり、両社協力して東邦電力の地盤である中京地方への進出を目指すことを申し合わせた<ref name="jigyo_192608jigyo192608"/>。若尾らはその足で名古屋へと向い、翌30日に名古屋逓信局に対して中京地方での電力供給許可を申請する<ref name="jigyo_192608jigyo192608"/>。申請内容は、名古屋市をはじめとする愛知・[[三重県|三重]]両県下を供給区域とし、建設中の奈川発電所（長野県）を起点とする154キロボルト154kV送電線を架設、同発電所などの余剰電力を電源として5万キロワットkWを供給する、というものである<ref name="toho-211">[[#toho|『東邦電力史』]]211-213頁</ref>。東京電灯のこの行動は東京電力の東京進出に対する報復とされる<ref name="kanto-347">[[#kanto|『関東の電気事業と東京電力』]]347-348頁</ref>。6月には名古屋営業所を設置し、需要家獲得に向けて予備勧誘を始めた<ref name="toho-211"/>。

1927年1月に東京への本格進出を果たした東京電力では、それ以来東京・川崎方面での供給成績を大きく伸ばし、1927年下期末（11月末）の時点では1年前の実績の約2.5倍にあたる約7万7,000キロワット000kW<!--103,310馬力-->の電力（数字は電熱用を除く）を供給していた<ref name="kanto-338"/>。会社全体での供給実績は、電灯供給71万5,0785078灯・電力供給13万1,5831583馬力（約9万8,000キロワット）000kW）に及ぶ<ref name="kanto-338"/>。事業の拡張に伴い1927年下期の電力料収入は前年同期比1.5倍の407万円に拡大し、総収入は758万円となった<ref name="kanto-344">[[#kanto|『関東の電気事業と東京電力』]]344-347頁</ref>。だが供給設備の相次ぐ拡充に伴う[[固定資産]]の増加率に比べて収入の増加率は伸び悩み、固定資産利益率についても東京電灯より低い4 - 5%で低迷した<ref name="kanto-344"/>。つまり積極経営の効果が収益面で現れておらず、好調な経営とは言い難い状況であった<ref name="kanto-344"/>。一方東京電灯[[配当|配当率]]では見ても、東京電力と発足時の電力戦の影響年率8パーセントから1926年上期により年率9パーセントに増配されていたが、1927年上期より電力料収入が減少に転じ元の水準に減配となっている<ref name="kanto-355344"/>[[#kanto|『関。親会社東の電気事業と東京邦電力』]]355-357頁</ref>、の配当率は同時期年率12パーセント（1927年下期の電力料収入は前より年同期に比べ146万円少ない1665万円に低下した率10パーセント）である<ref name="kanto-366">[[#kantotoho|『関東の電気事業と東京邦電力史』]]366-368頁</ref>。元々東京電灯の業績は利巻末付表「賃借対照表」「損益率が低下して悪化傾向にあったが計算書」<ref name="kanto-355"/>、電力戦はさらなる利益率の低下をもたらしたのである<ref name="kanto-366"/>。

* 合併に際して東京電灯を存続会社とし、東京電力は[[解散]]する。

* 役員への功労金や従業員退職金など東京電力が解散に際して要する費用については、東京電灯が支払う（別途協定により110万円と決定）。

翌1928年[[1月16日]]、両社はそれぞれ臨時株主総会を開き上記合併契約の承認を得た<ref name="reportT84">「東京電灯株式会社第84回報告書」（J-DAC「企業史料統合データベース」収録）</ref><ref name="kanpo19280118">「公示催告」『官報』第314号、1928年1月18日付。{{NDLJP|2956775/13}}</ref>。2か月後の3月22日には逓信省からの合併認可も得ている<ref name="reportT84"/>。この認可に際し、需要家の便宜を図って独占的にならないこと、料金をすみやかに統一すること、という条件が付けられ、東京電灯は需要家に対する既存契約を料金を改定せずそのまま引き継ぐこととなった<ref name="kanto-344"/>。そして期日通りに同1928年4月1日付で両社の合併は実行に移され、東京電力は解散した<ref name="kanto-344"/>。水力9万3,247キロワット・火力4万8,150キロワットに及ぶ発電設備をはじめとする発送変電設備は東京電灯に引き継がれた<ref name="kanto-344"/>。また東京電力の傍系会社については、東京湾電気は東京電灯傘下に入り<ref name="kanto-338"/>、関東地方の上毛電力と同年[[群馬水電5月18日]]（須川電力から改称）は付で東京電灯へ供給する発電側にて合併報告総会社としが開かれて存合併手続きが完了したが<ref name="kanto-484reportT84"/>[[#kanto|『関東の電気事業と、同日をもって東京電力』]]484-488頁</ref>、[[大井川電力]]（寸又川電気から改称）は東邦電力の傘下に残っ解散した<ref name="toho-482kanpo19280818">[[#toho|『東邦電力史』]]482-483頁</ref>。

東京電力の合併により伴い東京電灯では東邦電力の持株比率が高まり、同社系列の東邦証券が全株式のうち4.6%パーセントを保有する筆頭株主となり、東邦電力自身本体も1.7%パーセントの株式を持つ大株主となった（1929年下期時点）<ref name="kanto-364">[[#kanto|『関東の電気事業と東京電力』]]364-368頁</ref>。合併時の合意の通り、合併後の1928年5月の株主報告総会でにて松永らと宮口竹雄が東京電灯取締役に就任している<ref name="kanto-364"/><ref name="reportT84"/>。また合併により、水力93,247kW・火力48,150kWに及ぶ発電設備をはじめとする発送変電設備は東京電灯社内では、同年3月に副社長となった小林一三により、さらなる経営改革引き継が進められた<ref name="kanto-364344"/>。東京電力の合併傍系会社に伴つい継承した諸設備によって電力の運用効率が改善されて供給コストの低減をもたらしは、東京湾電力戦の終結による無理な料金値気は東京電灯傘下げに歯止めがかけられたこととあわせて一時的に経営の安定に繋がった入り<ref name="kanto-344338"/>。しかし[[1929年]]（昭和4年）9月、日本関東地方の上毛電力が南葛飾・南足立・北豊島3郡と[[横浜市群馬水電]][[鶴見区 (横浜市)|鶴見区]]における（須川電力から改称）は東京電灯へ供給を許可され、翌年より実際に供給を開始したことにより、今度は日本する発電力会社との間で需要家争奪戦を開戦して存続したが<ref name="kanto-351484">[[#kanto|『関東の電気事業と東京電力』]]351484-354488頁</ref>。対日本、[[大井川電力の]]（寸又川電力戦気から改称）は東京邦電力のときとは異な傘下に残って既存需要家の争奪戦が主体であり経営への影響はより大きくた<ref name="kantotoho-351482"/>、[[#toho|『東京邦電灯の業績低迷は続いた力史』]]482-483頁</ref name="kanto-366"/>。

1928年時点における金井発電所の設備等は以下の通り<ref name="yoran20y20-302">[[#yoran20|『電気事業要覧』第20回]]302-305頁。{{NDLJP|1076983/179}}</ref>。

* 使用水量：毎秒1：1,200[[才|立方尺]]毎秒（約33.39[[立方メートル毎秒]]）

* [[発電用水車|水車]]：[[電業社機械製作所|電業社]]製横軸[[フランシス水車]]3台（うち1台予備）

* [[変圧器]]：芝浦製作所・[[三菱電機]]・[[ウェスティングハウス・エレクトリック|ウェスティングハウス]]製

東京電灯への合併後、金井発電所は[[1941年]]（昭和16年））10月に金井発電所は東京電灯から[[日本発送電]]へと出資された<ref name="kanpo_19410527kanto-566">「日本発送電株式会社法第五条の規定に依る出資に関する公告」『[[官報#kanto|『関東の電気事業と東京電力』]]』第4313号、1941年5月27日付。{{NDLJP|2960811/11}}566-568頁</ref>。続く[[太平洋戦争]]後[[1951年]]（昭和26年）のに行われた[[電力気事業再編成令|電気事業再編成]]では[[東京電力]]に継承されている<ref name="kantoshiryokanto-302s302">[[#kantoshiryokanto-s|『関東の電気事業と東京電力』資料編]]302-303・312頁</ref>、東京電力金井発電所（{{ウィキ座標|36|31|21.5|N|138|59|18.5|E|region:jp|地図}}）となっている。

金島井発電所を建設とともに群馬県に位置した発電所が'''渋川発電所'''（{{ウィキ座標|36|30|13.5|N|139|00|22.5|E|region:jp|name=渋川発電所|地図}}）である。元は旧群馬電力はの姉妹会社・吾妻電気が計画した地点だが、旧群馬電力がこれを吸収し<ref name="jitsugyo192108"/>、金井発電所建設に続く第2期工事として[[1923年]]（大正212年）1月に'''群馬郡金島村大字阿久津（現・渋川発電所'''を市）にて着工した<ref name="shibukawashibu-363">[[#shibukawa|『渋川市誌』第3巻]]363頁</ref>。所在地は金島発電所と同じく北群馬郡金島村<ref name="shibukawa"/>。出力は5,800キロワットで、日本で最初2年後の[[サイフォン|サイフォン式]]水路を持つ発電所である<ref name="shibukawa"/>。先に完成した金井発電所の放水を利用している<ref name="jitsugyo_192108"/>。[[1925年]]（大正14年）3）2月に完落成し<ref name="shibukawa"/>、同年42月22日より試運転を始めたところ[[渇水]]期にあたり電力不足が生じていたため直ちに送電が開始しされた<ref name="kantoshiryo-90report1"/>[[#kantoshiryo|『関東。完成後検査の電気事業と終了は東京電力』資料編]]90頁発足後の同年4月である</ref name="report1"/>。

* 使用水量：毎秒1：1,200立方尺毎秒（約33.39立方メートル毎秒）

* 発電機：ウェスティングハウス・エレクトリック製三相交流発電機2台（容量4,250キロボルトアンペア）

金井発電所と同様に1941年東京電灯から日本発送電へ出資された<ref name="kanpo_19410527kanto-566"/>。、戦後は東京電力に継承された<ref name="kantoshiryokanto-302s302"/>、東京電力渋川発電所（{{ウィキ座標|36|30|13.5|N|139|00|22.5|E|region:jp|地図}}）となっている。

[[山梨県]]を流れる[[富士川]]水系[[早川 (山梨県)|早川]]の名を開冠する3か所の発すべく1918年に設立された電所で最大規模のものが'''[[#早川第一発電力の設立|早川電力所]]は、まず大島発電所'''（後の{{ウィキ座標|35|25|37.0|N|138|24|15.5|E|region:jp|name=早川第二一発電所、1944年8月廃止|地図}}）である。所在地は[[南巨摩郡]][[五箇村 (山梨県)|五箇村]]大字榑坪<ref name="kantoshiryo-91">[[#kantoshiryoohm|『関東の全国大発電気事業と東京電力所一覧』資料編]]918頁。{{NDLJP|1210456/25}}</ref>（現・[[早川町]]）。旧早川電力の第1期工事として「榑坪発電所」の名で建設されたもので<ref name="koron192309"/>、1920年秋に着手工<ref name="jitsugyo_192107jitsugyo192107"/>。、[[19211923年]]（大正1012年）1）6月末に完成させし<ref name="koron192309"/>、27月15日より運転を開始した<ref name="jitsugyo_192107reportH11"/>。この大島発電所の発生電力の一部を利用し、「早川電力は2番目の発電所建設（1920年秋着工株式会社第11回報告書」（J-DAC「企業史料統合データベース」収録）を進めた</ref name="jitsugyo_192107"/>。そして1年後の[[19231924年]]（大正1213年）6）4月に'''榑坪は4号発電所'''（後の'''[[早川第一発電所]]'''<ref name="kantoshiryo-91"/>）を機も完成させ、同年7月より同発電所の運転を開始したている<ref name="koron_192309reportH12"/>。

所在地は山梨県[[南巨摩郡]][[五箇村 (山梨県)|五箇村]]（現・[[早川町]]）で、発電所出力は2万富士川本流との合流点から4キロワッメートルほど早川をさかのぼった場所の左岸側（北側）に位置する<ref name="yoran20jea-11526">[[#yoran20jea|『日本の発電気事業要覧所』第20回東部日本篇]]23426-23529頁。{{NDLJP|10769831257046/14548}}</ref>。富士その取水口は早川本流との合流点かをさら4に約20キロメートルほど早川を遡さかのぼった場所の左岸側南巨摩郡[[三里村 (山梨県)|三里村]]大字新倉（現・早川町）に発電所はあり、そこの上流間に約2010キロメートルの地点導水路を通している<ref name="jea-26"/>。導水路は完成後の改造により途中の渓流からも取水堰堤が可能である<ref name="psjea-26"/>。導水路終端が繋がる上部水槽は調節池の機能を併せ持つ（有効貯水量5万2000[[#ps|『日本の発電所』東部日本篇立方メートル]]26）<ref name="jea-29頁26"/>。発電所出力は当初20,000kWであったが<ref name="kanto-s89"/><ref name="jea-26"/>。取水口は後に建設される早川第三発電所および田代川第一発電所の直下上に位置し、こ下記のうち田代川第一発電所の水路が完成して田代川（[[大井川]]上流）からの通水が始ま建設されると、水量増加によって早川第一発電所でも常時出力が増加し、後に最大の出力も2万525,100キロワット100kWに拡大増加した<ref name="psjea-26"/>。

1928年時点における早川第一発電所の設備等は以下の通り<ref name="yoran20y20-302"/>。

* 使用水量：毎秒430：430立方尺毎秒（約11.97立方メートル毎秒）

1941東京電灯への合併後の[[1928年に早川第]]（昭和3年）末、一部設備の改造により発生電所は力の[[商用電源周波数|周波数]]が50[[ヘルツ]]から60ヘルツへと転換された<ref name="jea-26"/>。1941年10月に東京電灯から日本発送電へ出資された<ref name="kanpo_19410527kanto-566"/>。、戦後は1951年に東京電力にへと継承されている<ref name="kantoshiryokanto-302s302"/>、東京電力早川第一発電所（{{ウィキ座標|35|25|37.0|N|138|24|15.5|E|region:jp|地図}}）となっている。

=== 田代早川第一二発電所 ===

* 使用水量：毎秒217：217立方尺毎秒（約6.04立方メートル毎秒）

1941東京電灯合併後の[[1929年]]（昭和4年）1月に出力制限解除に伴う16,723kWへの最大出力変更が許可された<ref>[[#nenkan1930|『電気年鑑』昭和5年]]69頁。{{NDLJP|1139432/30}}</ref>。田代川第一二発電所はとともに1941年に東京電灯から日本発送電へ出資されたのち<ref name="kanpo_19410527kanto-566"/>。、戦後は東京電力に継承されている<ref name="kantoshiryokanto-302s302"/>、東京電力田代川第一発電所（{{ウィキ座標|35|29|12.5|N|138|19|44.0|E|region:jp|地図}}）となっている。

* 使用水量：毎秒191：191立方尺毎秒（約5.31立方メートル毎秒）

田代川などでの水力開発と崎市内にあわせて予備ったもう一つの火力発電所として建設されたのが'''東京火力発電所'''（後である。これも渇水期に[[鶴見火おける水力発電所]]へ改称<ref>[[#kantoshiryo|『関東量減少を補給するための発電気事業と東京所であり、旧早川電力』資料編]]85頁によって計画された<ref name="kanto-308"/><ref name="kanto-338"/>）。従って早川・田代川での水力開発に対応する関係にある<ref name="psjea-81">[[#psjea|『日本の発電所』東部日本篇]]81-96頁。{{NDLJP|1257046/103}}</ref>。[[1925年京浜運河]]に面する埋立地（川崎市大正14年）7月より基礎工事に着手川町、建築工事と機械の据付を同時並行かつ昼夜兼行で進めて完成を急ぎ<ref {{ウィキ座標|35|29|44.8|N|139|42|56.9|E|region:JP|name="ps-81"/>、[[1926年]]（大正15年）12月鶴見第一火力発電機1基がまず完成<ref name="kanto-338"/>、翌[[1927年]]（昭和2年）1月より営業運転を開始し<ref name="ps-81"/>、5月所跡|地図}}）には残位置する1基も竣工した<ref name="kantojea-33881"/>。

* 発電機：ゼネラル・エレクトリック製三相交流発電機2台（容量35,000キロワット000kW、うち1台予備）

1939年に東京電灯から日本合併後は「鶴見火力発送電へ所」と出資された称する<ref name="kanto-308"/>「日本発送。東京電株式会社法第五条灯時代の規定[[1934年]]（昭和9年）から[[1936年]]（昭和11年）に依かけて大規模な増設工事が行われ発電機計4台を擁する最大出資に関す力178,500kWの火力発電所となっている公告」<ref>[[#kanto|『官報関東の電気事業と東京電力』第3482号、1938]]434-435頁</ref>。[[1939年8]]（昭和14年）4月11の日付。{{NDLJP|2959973/21}}本発送電設立と同時に同社へと出資され</ref name="kanto-566"/>。、戦後は東京電力に継承されたが<ref>[[#kantoshiryokanto-s|『関東の電気事業と東京電力』資料編]]312頁</ref>、同社[[1965年]]（昭和40年）によって1・2号発電機が廃止となり、[[1984年]]（昭和59年）には残る設備も廃止されており現存しないた<ref>[[#kanto|『関東の電気事業と東京電力』]]933-934頁</ref>。

* [[東京府]]

* [[神奈川県]]

*** [[中原住吉村 (神奈川県)|中原住吉村]]（1925年より[[中原町 (神奈川県)|中原町]]）

*** [[住吉中原村 (神奈川県)|住吉中原村]]（同上）

==== 群馬・山梨・静岡供給区域一覧 ====

1926年12月末時点での、における群馬県・山梨県・静岡・愛知の4県における供給区域は以下の通りである<ref name="yoran19y19-115"/><ref>[[#yoran19kannai8|『管内電気事業要覧』第198回]]11526-11727頁。{{NDLJP|10769461145213/8433}}</ref>。いずれも電灯・電力供給区域である、電力供給区域はない。

!style="white-space:nowrap;"|[[吾妻郡]]<br />（1町2村）

!style="white-space:nowrap;"|[[南巨摩郡]]<br />（20村）

!style="white-space:nowrap;"|[[西八代郡]]<br />（13村）

!style="white-space:nowrap;"|市部<br />（1市）

!style="white-space:nowrap;"|[[浜名郡]]<br />（4町30村）

|[[曳馬町|曳馬村]]・[[富塚村]]・[[白脇村]]・[[蒲村]]・[[河輪村]]・[[五島村]]・[[新津村]]・[[笠井町]]・[[中ノ町村]]・[[和田村 (静岡県浜名郡)|和田村]]・[[豊西村 (静岡県)|豊西村]]・[[市野村]]・[[天王村 (静岡県)|天王村]]・[[飯田村 (静岡県浜名郡)|飯田村]]・[[芳川村 (静岡県)|芳川村]]・[[吉野村 (静岡県)|吉野村]]{{Refnest|group=注釈|1921年11月供給区域に追加<ref name="reportH7">「早川電力株式会社第7回報告書」（J-DAC「企業史料統合データベース」収録）</ref>。}}・[[神久呂村]]・[[入野村 (静岡県)|入野村]]・[[積志村]]・[[和地村 (静岡県)|和地村]]・[[伊佐見村]]・[[篠原村 (静岡県)|篠原村]]・[[北庄内村]]・[[南庄内村 (静岡県)|南庄内村]]・[[村櫛町|村櫛村]]・[[可美村]]・[[雄踏町]]・[[舞阪町]]・[[赤佐村]]・[[中瀬村 (静岡県)|中瀬村]]・[[北浜村 (静岡県)|北浜村]]・[[竜池村 (静岡県)|竜池村]]・[[浜名町|小野口村]]（現・浜松市）、<br />[[新居町 (静岡県)|新居町]]（現・[[湖西市]]）

!style="white-space:nowrap;"|[[引佐郡]]<br />（3町6村）

!style="white-space:nowrap;"|[[磐田郡]]<br />（6町31村）

!style="white-space:nowrap;"|[[周智郡]]<br />（1村）

!style="white-space:nowrap;"|[[小笠郡]]<br />（3町42村）

!style="white-space:nowrap;"|[[榛原郡]]<br />（3町13村）

!style="white-space:nowrap;"|[[志太郡]]<br />（5町20村）

|[[島田市|島田町]]・[[大長村 (静岡県)|大長村]]・[[大津村 (静岡県)|大津村]]・[[六合村 (静岡県志太郡)|六合村]]（現・島田市）、<br />[[藤枝町]]・[[高洲村]]・[[大洲村 (静岡県)|大洲村]]・[[青島町]]・[[稲葉村 (静岡県)|稲葉村]]・[[瀬戸谷村]]・[[葉梨村]]・[[岡部町 (静岡県)|岡部町]]（現・[[藤枝市]]）、[[広幡村 (静岡県)|広幡村]]・[[西益津村]]（現・藤枝市・[[焼津市]]）、<br />[[焼津市|焼津町]]・[[東益津村]]・[[豊田村 (静岡県志太郡)|豊田村]]・[[小川町 (静岡県)|小川町村]]・[[大富村 (静岡県)|大富村]]・[[和田村 (静岡県志太郡)|和田村]]・[[静浜村]]・[[相川村 (静岡県)|相川村]]・[[吉永村 (静岡県志太郡)|吉永村]]（現・焼津市）、<br />[[徳山村 (静岡県)|徳山村]]・[[東川根村]]（現・川根本町）

!style="white-space:nowrap;"|[[安倍郡]]<br />（4村）

!style="white-space:nowrap;"|[[庵原郡]]<br />（1町3村）

!style="white-space:nowrap;"|[[富士郡]]<br />（1村）

* {{Cite book|和書|author=関西地方電気事業百年史編纂委員会（編）| title=関西地方電気事業百年史 |publisher=関西地方電気事業百年史編纂委員会 |year=1987 |ref=kansai }}

* {{Cite book|和書|author=京浜急行電鉄社史編集班（編） |title=京浜急行八十年史 |publisher=[[京浜急行電鉄]] |year=1980 |ref=keikyu }}

* {{Cite book|和書|author=新富士製紙百年史編纂委員会（編） |title=新富士製紙百年史 |publisher=[[王子エフテックス|新富士製紙]] |year=1990 |ref=shinfuji }}

* {{Cite book|和書|author=大同電力社史編纂事務所（編） |title=大同電力株式会社沿革史 |publisher=大同電力社史編纂事務所 |year=1941 |ref=daido}}

* {{Cite book|和書|author=[[大日本電力]]（編） |title=大日本電力二十年史 |publisher=大日本電力 |year=1940 |ref=dainihon }}

* {{Cite book|和書|author=[[東京電力]]（編） |title=関東の電気事業と東京電力 |publisher=東京電力 |year=2002 |ref=kanto }}

** {{Cite book|和書|author=東京電力（編） |title=関東の電気事業と東京電力 |volume=資料編 |publisher=東京電力 |year=2002 |ref=kantoshiryokanto-s }}

* {{Cite book|和書|author=東邦電力史編纂委員会（編） |title=東邦電力史 |publisher=東邦電力史刊行会 |year=1962 |ref=toho }}

=== 逓信省関連官庁資料 ===

** {{Cite book|和書|author= 逓信省電気局（編）|title=電気事業要覧 |volume=第13回 |publisher=逓信協会 |year=1922 |id={{NDLJP|975006}} |ref=yoran13 }}

** {{Cite book|和書|author= 逓信省電気局（編）|title=電気事業要覧 |volume=第1914回 |publisher=電気協会 |year=19281922 |id={{NDLJP|1076946975007}} |ref=yoran19yoran14 }}

** {{Cite book|和書|author= 逓信省電気局（編）|title=電気事業要覧 |volume=第2018回 |publisher=電気協会 |year=19291927 |id={{NDLJP|10769831076898}} |ref=yoran20yoran18 }}

=== その他書籍自治体資料 ===

* {{Cite book|和書|author=駒村雄三郎 群馬県吾妻教育会（編）|title=電力界の功罪史群馬県吾妻郡誌 |publisher=交通経済社出版部群馬県吾妻教育会 |year=19341929 |id={{NDLJP|1209825}} |ref=kozaiagatsuma }}

* {{Cite book|和書|author=中部電力[[天竜市]]役所（編）|title=大井川 その歴天竜市史と開発 |volume=下巻 |publisher=[[中部電力]]天竜市役所 |year=19611988 |ref=oigawatenryu }}

* {{Cite book|和書|author=電気[[中之友社条町]]役場（編）|title=電気年鑑 |volume=昭和2年版群馬県吾妻郡中之条町郷土誌 |publisher=電気中之友社条町役場 |year=19271919 |id={{NDLJP|1139309960661}} |ref=nenkan1927nakanojo }}

* {{Cite book|和書|author=[[日本経済新聞社]]松平町誌編纂委員会（編）|title=[[私の履歴書]] |volume=第21集松平町誌 |publisher=日本経済新聞社豊田市教育委員会 |year=19641976 |ref=rirekishomatsudaira }}

* {{Cite book|和書|author=日本動力協会[[三宅晴輝]] |title=日本の発電所コンツェルン全書 |volume=東部日13 電力コンツェルン読本篇 |publisher=工業調査協会春秋社 |year=1937 |id={{NDLJP|12570461278498}} |ref=pszensho13 }}

* {{Cite journal|和書|title=群馬電力株式会社 |journal=財政と経済 |volume=4 |number=8 |publisher=財政経済社 |date=1920-08 |pages=21 |ref=zaikei_192008zaikei192008 }}

* {{Cite journal|和書|title=解剖と批判 早川電力の前途 |journal=実業之日本 |volume=23 |number=17 |publisher=[[実業之日本社]] |date=1920-09 |pages=79-80 |ref=jitsugyo_192009jitsugyo192009 }}

* {{Cite journal|和書|title=財界批判会社近況 早川電力の前途 |journal=実業之日本[[週刊ダイヤモンド|ダイヤモンド]] |volume=249 |numberissue=1418 |publisher=実業之日本[[ダイヤモンド社]] |date=1921-0706-21 |pages=9040-9141 |ref=jitsugyo_192107dia192106 }}

* {{Cite journal|和書|title=財界批判 群馬早川電力 |journal=実業之日本 |volume=24 |number=1514 |publisher=実業之日本社 |date=1921-0807 |pages=9290-9391 |ref=jitsugyo_192108jitsugyo192107 }}

* {{Cite journal|和書|title=早川財界批判 群馬電力株式会社の現況 |journal=実業公論之日本 |volume=924 |number=815 |publisher=実業公論之日本社 |date=19231921-0908 |pages=14392-14593 |ref=koron_192309jitsugyo192108 }}

* {{Cite journal|和書|title=東京早川電力は東京電灯を倒せるかどうか株式会社の現況 |journal=事実業之日本公論 |volume=59 |number=8 |publisher=事実業之日本公論社 |date=19261923-0809 |pages=42143-46145 |ref=jigyo_192608koron192309 }}