「オブジェクト指向プログラミング」の版間の差分

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[[プロトタイプベース]]は動的な[[関数型プログラミング]]に似た性質になっているが、オブジェクトの柔軟な用法に対しての一定の枠組みが必要であるとも考えられるようになり、静的な[[クラス (コンピュータ)|クラス]]定義が積極的に導入されるようになった。現状のプロトタイプベースは元来の[[The Art of the Metaobject Protocol|メタオブジェクト]]構想から離れて、関数型とOOPのハイブリッドのようなパラダイムに落ち着いている。
 
=== アラン・ケイのメッセージング ===
メッセージングはオブジェクト指向の父である[[アラン・ケイ]]が最重視していた源流思想である。ここでは各自が解釈できるように彼の言葉をそのまま引用して本節の結びとする。{{Quotation|''I thought of objects being like biological cells and/or individual computers on a network, only able to communicate with messages.''<br>(さながら生物の細胞、もしくはネットワーク上の銘々のコンピュータ、それらはただメッセージによって繋がり合う存在、僕はオブジェクトをそう考えている)|Alan Kay}}{{Quotation|''... each object could have several algebras associated with it, and there could be families of these, and that these would be very very useful.''<br>(銘々のオブジェクトは関連付けられた幾つかの「代数」を持つ、またそれらの系統群も持つかもしれない、それらは極めて有用になるだろう)|Alan Kay}}{{Quotation|''The Japanese have a small word - ma ... The key in making great and growable systems is much more to design how its modules communicate rather than what their internal properties and behaviors should be.''<br>(日本語には「間」という言葉がある・・・成長的なシステムを作る鍵とは内部の特徴と動作がどうあるべきかよりも、それらがどう繋がり合うかをデザインする事なんだ)|Alan Kay}}
== 歴史 ==
1954年に初の[[高水準言語]]・[[FORTRAN]]が登場すると、開発効率の劇的な向上と共にソフトウェア要求度も自然と高まりを見せてプログラム規模の急速な拡大が始まった。それに対応するために肥大化したメインルーチンを[[サブルーチン]]に分割する手法と、[[スパゲティプログラム|スパゲティ化]]した[[Goto文|goto命令]]を[[制御構造|制御構造文]]に置き換える手法が編み出され、これらは1960年に公開された言語「[[ALGOL|ALGOL60]]」で形式化された。当時のALGOLは[[アルゴリズム]]記述の一つの模範形と見なされたが、それと並行して北欧を中心にした計算機科学者たちはより大局的な観点によるプログラム開発技法の研究を進めていた。