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== 来歴 ==
=== デビュー以前 ===
[[ファイル:Os, Norway - panoramio (19).jpg|サムネイル|355x355ピクセル|オーロラが育った町オスの風景|左]]<!-- タブレット横向き表示などを考慮し左寄せ -->
オーロラ・アクスネスは[[1996年]][[6月15日]]にノルウェーの[[スタヴァンゲル]]で、[[助産師]]の母と[[セールスマン]]の父の間に3人姉妹の末妹として生まれた{{sfn|Universal Music Japan, Bio|p=}}{{sfn|Página/12|2019}}{{sfn|Sandnesposten|2016}}{{Sfn|Paste|2016}}。3歳まで住んでいた小さな町の家で、自然や歌うこと、長いスカートや帽子などの伝統衣装への好みを育んだ{{sfn|Sandnesposten|2016}}<!-- 翻訳時出典未確認 -->。その後一家は、ホルダラン県[[ベルゲン]]近くの辺境の町{{仮リンク|オス (ホルダラン県)|en|Os, Hordaland|label=オス}}の外れにある海を見下ろす森のなかの家に引っ越した{{sfn|Sandnesposten|2016}}{{sfn|The Independent|2016}}{{Sfn|Coupe de Main|2017}}{{Sfn|Paste|2016}}。オーロラは、この土地について「車はほとんど見かけなくて、道は狭くて凸凹で、どこに行っても木があって、とっても静かでインターネットは繋がりにくい」と描写し{{Sfn|W Magazine|2016}}<!-- 英語版にはナルニア国に喩えているとあるが、確認したところ、別の町についての発言と思われる。 -->、家についてはノルウェーの民話のようだと述べている{{Sfn|Culture Trip|2018}}。後のインタビューにおいてオーロラは、子供のころからひとりでいるのが好きで、木々や茂みの中でただ座って考えているのが好きだったと述懐している{{Sfn|Interview|2015}}。オーロラの2人の姉{{efn2|2人は後に[[服飾デザイナー]]と[[メイクアップアーティスト|メイクアップ・アーティスト]]になり、オーロラともコラボレートしている{{Sfn|The Stanford Daily|2020}}。}}はいつもオーロラのことを心配していて、たとえば高校生のころにはその性格と奇妙な服装のせいで他の学生たちから苛められるのではないか気が気でなかった(しかしそれは杞憂だった)と後に語っている{{Sfn|The Stanford Daily|2020}}<ref>{{harvnb|YouTube|The Fader|2016}}, 3m31s〜.</ref>。
オーロラの家族には他に音楽を
オーロラは、もともとはプロのミュージシャンになるつもりはなく、医師や物理学者になるつもりだったという{{Sfn|Popular TV|2015}}{{sfn|Reuters|2015}}{{efn2|{{harvtxt|The Verge|2016}} においては、ダンサーや画家、あるいは宇宙飛行士になっていたかもしれないとも語っている。}}。彼女はただ曲を書きたかっただけで、長らくの間自分の曲を家族を含め誰にも聴かせることはなかった{{Sfn|Paste|2016}}{{sfn|Reuters|2015}}。オーロラが自分の曲を初めて披露したのは、16歳のときである<!-- Chris2016, Levin2016 -->。中学校最後の日{{efn2|[[ノルウェーの教育|ノルウェーの教育制度]]は6歳からの7-3-3制で、新学期は8月から始まる(1997年以降2019年現在)<ref>{{Cite web |author= |website=せかいじゅうライフ |publisher=シェルトン |date=2019.10.03 |url=https://sekai-ju.com/life/nor/life/nor-education/|title=ノルウェーの教育システムと実際。早期英語教育と教育費無料が大きな特徴 |accessdate=2021-02-04}}</ref>。}}、オーロラは音楽の授業でギターを弾きながら「アイ・ハド・ア・ドリーム」を歌い、それを動画に撮った同級生が[[Facebook]]にアップロードした{{Sfn|Paste|2016}}{{Sfn|Vice|2016}}。同年の12月には両親へのクリスマス・プレゼントとして録音した「パペット<small>({{Lang-en|Puppet}}</small>、<small>訳: 操り人形)</small>」を友人が音楽共有サイトにアップロードした{{Sfn|Paste|2016}}{{Sfn|W Magazine|2016}}。わずか数時間で、2つの歌は数千のアクセスを受けた{{Sfn|Popular TV|2015}}。そしてその2曲をノルウェーの
=== 2013年-2016年: デビューとファースト・アルバム ===
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=== 2016年–2019年: 2部構成のアルバム ===
[[ファイル:Aurora_in_Paris_by_Maeva_Damas.jpg|サムネイル|272x272ピクセル| 2018年3月に[[フランス|フランスの]][[パリ]]にあるクラブで撮影されたオーロラ。|左]]
オーロラは、デビュー・アルバム発表の翌日、すでに 同年5月の時点でオーロラは次の作品は11曲入りのアルバムになると語っていたが{{Sfn|Standard|2018}}、9月に2部構成のアルバムの前半として8曲入りの『{{仮リンク|インフェクション・オブ・ア・ディファレント・カインド(ステップ1)|en|Infections of a Different Kind (Step 1)|label=}}<small>[訳: 異種感染症(第一段階)]</small>』{{efn2|本記事においては、『インフェクション・オブ・ア・ディファレント・カインド(ステップ1)』を『ステップ1』、『ディファレント・カインド・オブ・ヒューマン(ステップ2)』を『ステップ2』と略す。なお、日本国内盤は『ステップ1』と『ステップ2』をまとめボーナス・トラックを追加した『インフェクションズ・オブ・ア・ディファレント・カインド・オブ・ヒューマン』として2020年9月に発売されている{{sfn|NME Japan|2020}}{{sfn|Universal Music Japan, IoDKoH}}。|name=日本国内盤}}をサプライズ的に発表した{{Sfn|NME|2018}}{{Sfn|Live in Limbo|2018}}。この作品についてオーロラは「とっても力を与えるもの<small>({{Lang-en|empowering|links=no}})</small>」であり「多くの曲は、人々が自分自身のために選び取ったり、復讐のために戻ってきたりすることについて」であると語っている{{Sfn|NME|2018}}。オーロラ自身はタイトル・ソングをこれまでで最も重要な曲と位置付けているが、最も話題を呼んだのは「クイーンダム<small>({{Lang-en|Queendom|links=no}}、訳: 女王国)</small>」である{{Sfn|the Music|2019}}{{Sfn|Live in Limbo|2018}}。この「クイーンダム」のミュージック・ビデオについてのインタビューでは、[[ゲイ]]・コミュニティへの共感を語っており{{Sfn|i-D|2018}}、内省的な前作に比べより外向きな作風になったことは、初めてのツアーにおいてファンとの間でおこなった交流に起因するとも述べている{{Sfn|Idolator|2018}}。
2019年6月には前作のフォローアップである『{{仮リンク|ディファレント・カインド・オブ・ヒューマン(ステップ2)|en|A Different Kind of Human (Step 2)}}<small>[訳: 別の種類の人間(第ニ段階)]</small>』{{efn2|name=日本国内盤}}が発表された
この間、2018年12月にはドキュメンタリー『オーロラ 私の歌を探して<small>({{Lang-no|''En gang Aurora''|links=no}}</small>、<small>{{Lang-en|''Once Aurora''|links=no}})</small>』が公開されている{{sfn|NRK|2018}}{{sfn|ナタリー|2020}}。
=== 2019年以降 ===
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== 音楽性 ==
ジャンルは[[エレクトロ・ポップ]]に分類されることが多いほか{{Sfn|The Stanford Daily|2020}}、[[フォーク (音楽)|フォーク]]との関連もしばしば指摘される。ファースト・アルバムについて、{{harvtxt|Paste|2016}} は、ほとんどの曲の旋律や構造はフォークを土台としており、それをエレクトロニックな感触が装飾していると述べ、{{harvtxt|Vice|2016}} は、讃歌的な[[ポップ・ミュージック|ポップ・ソング]]と[[フォークソング|フォーク]]的な素材の曲が含まれており、両者がブレンドされていると評した。{{harvtxt|CR Fashion Book|2019}} は、「逃避感」のある「巧妙に<small>({{Lang-en|slickly|links=no}})</small>プロデュースされたポップス」で
神秘的に<!--uD,HMV-->冷たく<!--ind-->透きとおり<!--uD-->高く純粋<!--NYT,CR-->に響き渡る<!--ind-->[[ボーカル]]
歌詞については、{{harvtxt|Paste|2016}} が
{{Quote|みんな、とくにポップ・ミュージックにおいては、政治的であることをとても怖がっています。[……]だからこそ私は、良質かつ知的で感情的
▲歌詞については、{{harvtxt|Paste|2016}} が「哀愁を帯びた[[ロマンティシズム]]」と評したほか、[[#思想や価値観|後述]]するように「怒り」などの感情を表すものや、政治やセクシャリティー、死を主題とするものが多い。音楽と政治との関係については次のように語っている{{Sfn|Gay Times|2019|p=}}。
自らの曲については、
▲{{Quote|みんな、とくにポップ・ミュージックにおいては、政治的であることをとても怖がっています。[……]だからこそ私は、知的で感情的で、人々に届いて、なにか大切なことを伝える、私たちが本当は気にしていないこと以外のなにかを思い出させてくれるような、良質なポップ・ミュージックを作りたいんです。|||}}
そのほか、{{harvtxt|The Independent|2018}} は<q>暗い[[叙情|叙情性]]と陽気な性格</q>とオーロラを紹介し、{{harvtxt|The Line of Best Fit|2018b}} はオーロラの[[音楽プロデューサー|プロデューサー]]としての能力を高く評価している。
▲自らの曲については、「自分自身の経験というよりも世界の経験についての物語」であるとも語っている{{sfn|MYP Magazine|2019}}。また、母語である[[ノルウェー語]]ではなく[[英語]]で歌詞を書く理由は、自分の言葉を伝える先をノルウェー語を理解する人だけに留めたくなかったからだと述べている{{Sfn|L’officiel|2018}}。なお、「フォーガトゥン・ラブ<small>({{Lang-en|Forgotten Love}}、訳: 忘れられた愛)</small>」においては、セカンド・[[コーラス (ポピュラー音楽)|コーラス]]にオリジナル言語を使用しており、それはオーロラの感情を反映したものであるという{{Sfn|L’officiel|2018}}。
=== 他のミュージシャンとの影響関係など ===
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=== 感情と政治について ===
オーロラは、怒りや悲しみを含んだ感情の表現に対して肯定的である{{Sfn|Paste|2016}}。
{{Quote|私の身体の内側には新しいエネルギーがあって、それを私は怒りと勘違いしてしまいそうです。それは怒りとは違いますが、同じような輝きをもっていて……それは私を目覚めさせ、私に警告してくれるなにかなんです。
{{Quote|それは、全と無に同時に向けられるような種類の怒りではありません。それは、とても明らかで、あなたが変えたいと思う物事に……環境やこの地球上や政治に向けられるものです。それはむしろ、あなたが目覚め続け、目指し続け、そしてなにか重要なことのために力を使えるようになる、そうさせるための火のようなものなんです。|||}}▼
▲{{Quote|それは、全と無に同時に向けられるような種類の怒りではありません。それは、とても明らかで、あなたが変えたいと思う物事に……環境やこの地球上や政治に向けられるものです。それはむしろ、あなたが目覚め続け、目指し続け、そしてなにか重要なことのために力を使えるようになる、そうさせるための火のようなものなんです。
▲{{Quote|私の身体の内側には新しいエネルギーがあって、それを私は怒りと勘違いしてしまいそうです。それは怒りとは違いますが、同じような輝きをもっていて……それは私を目覚めさせ、私に警告してくれるなにかなんです。|||}}
たとえば「ザ・シード<small>({{Lang-en|The Seed|links=no}}、訳: 種)</small>」は、環境についての怒りを表現しているという{{sfn|NME|2019a}}。{{harvtxt|RIFF|2019}} は、オーロラの歌について<q>人類が地球上に残してきたものを守ることについて思い出させてくれる</q>ものであると評しており、オーロラ自身は{{harvtxt|Billboard JAPAN|2019}} において[[環境問題]]
その他、[[動物虐待]]や[[女性に対する暴力]]といった問題にも関心を払っているという{{sfn|The Verge|2016}}。
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=== セクシャリティーについて ===
前述のとおりオーロラは、ブラジル訪問後に[[同性愛]]を巡る政治的立場は場所によって非常に劣悪であることに気付かされたと語り、2018年に次の作品の主題の一つとして政治性と官能性を挙げている<!-- 前述の要約につき、出典略 -->。同じ時期、「クイーンダム<small>({{Lang-en|Queendom|links=no}}、訳: 女王国)</small>」の[[ミュージック・ビデオ]]についてのインタビューでは、次のように語っている{{Sfn|i-D|2018}}。
{{Quote|私の女王国では、あらゆる種類の愛が受容されられ許容されていることを明らかにしたかったんです。キスすることは、あなたができることの中で最も脆く<small>({{Lang-en|vulnerable|links=no}})</small>美しいことの一つだと、私は考えています。それから私はキスをダンサーの一人に……とってもきれいな人にしています。これは、私からファンへの小さなメッセージのようなもので、なぜなら私のファンのとても多くが[[ゲイ・コミュニティ]]から来ているからです。彼女らや彼らが進む道にはいろんな障碍があることを知っているので、そのことを考えると私は落ち着いていられませんし、怒りを覚えずにはいられないんです。
{{Quote|私はそこにあるものを享受し、そして探求したいんです。自分の周りの全てを愛しましょう、それだけで、あなたは自分自身を愛しているんです。
その後{{harvtxt|Gay Times|2019}} においては、自らが[[LGBT|LGBTQ]]コミュニティーの一員であることを肯定するとともに、他人が自分を定義したりカテゴライズすることは構わないが、自分で自分を定義する必要があるとは思わないと述べている。また、神話時代のようなあるがままの愛や性における快楽の享受を称揚し<!--{{sfn|Gay Times|2019}}-->、
=== 死について ===
[[死]]はオーロラの作品においてしばしば取り上げられる主題であり{{Sfn|Billboard JAPAN|2019}}、{{harvtxt|CR Fashion Book|2019
=== 各国の文化について ===
オーロラは、自分の曲のいくつかがもつ暗さは、[[ノルウェー]]の気候や文化の暗さ、ノルウェー人の内向性に由来していると述べている{{Sfn|Vice|2016}}。
オーロラのスタイルは、[[日本]]の伝統的なファッションや美学からも影響を受けている{{Sfn|The Stanford Daily|2020}}。2019年のアジア・ツアーにおける訪日時のインタビューでは、[[スタジオジブリ|ジブリ]]映画や[[村上春樹]]といった[[日本の文化|日本文化]]が好きで、神秘的なものへの信仰や[[もったいない]]文化などの国民性を尊敬しており、[[日本語]]の勉強もしていると語っている<!--
[[ネイティヴ・アメリカン]]の音楽は幼少時より好きで、ネイティヴ・アメリカンにずっと憧れているとも語っている{{Sfn|L’officiel|2018}}。たとえば「ザ・シード」は、[[ネイティブ・アメリカン]]の文化に触発された曲である{{Sfn|KEXP|2019}}。
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== コンサートやファンとの関係 ==
前述のとおり、初めてのツアーにおけるファンとの交流が、作品がより外向的になる切っ掛けとなったと述べている{{Sfn|Idolator|2018}}。オーロラは自分の[[ファン]]{{efn2|オーロラは、「ファン」という表現が好きではないという{{harvtxt|MYP Magazine|2019}} のインタビュワーの言葉に同意し、「サポーター」という表現を代わりに使うことを提案している。また{{harvtxt|Gay Times|2019}} においても、「サポーター」という表現を用いている。}}のことを「ウォーリアー<small>({{Lang-en|warriors|links=no}}、訳: 戦士)</small>」や「ウィアード<small>({{Lang-en|weirdos|links=no}}、訳: 奇人)</small>」と呼ぶ{{
コンサートについては、2014年のインタビューにおいて、はじめはステージに立つのが怖かったが、いまでは毎回コンサートが待ち遠しく、ファンに最高の体験をしてもらうことだけを考えていると語っている{{Sfn|Ja Ja Ja|2014}}。
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:* {{Cite web|website=[[オールミュージック|AllMusic]]|url=https://www.allmusic.com/album/step-2-a-different-kind-of-human-mw0003270780|title=Step 2: A Different Kind of Human - AURORA {{!}} Songs, Reviews, Credits|accessdate=2021-02-01|language=en |ref={{sfnref|AllMusic, Step 2}}}}
:* {{Cite web|website=[[AllMusic]]|url=https://www.allmusic.com/album/no-geography-mw0003249864|title=No Geography - The Chemical Brothers {{!}} Songs, Reviews, Credits|accessdate=2021-01-29|last=Yeung|first=Neil Z.|language=en |ref={{sfnref|AllMusic, NG}}}}
:* {{Cite web|title=Warrior - AURORA {{!}} Releases|website=[[AllMusic]]|url=https://www.allmusic.com/album/warrior-mw0002926879/releases|accessdate=2021-04-08|ref={{sfnref|AllMusic, Warrior}}}}
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