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== 来歴 ==
 
=== デビュー以前 ===
[[ファイル:Os, Norway - panoramio (19).jpg|サムネイル|355x355ピクセル|オーロラが育った町オスの風景|左]]<!-- タブレット横向き表示などを考慮し左寄せ -->
オーロラ・アクスネスは[[1996年]][[6月15日]]にノルウェーの[[スタヴァンゲル]]で、[[助産師]]の母と[[セールスマン]]の父の間に3人姉妹の末妹として生まれた{{sfn|Universal Music Japan, Bio|p=}}{{sfn|Página/12|2019}}{{sfn|Sandnesposten|2016}}{{Sfn|Paste|2016}}。3歳まで住んでいた小さな町の家で、自然や歌うこと、長いスカートや帽子などの伝統衣装への好みを育んだ{{sfn|Sandnesposten|2016}}<!-- 翻訳時出典未確認 -->。その後一家は、ホルダラン県[[ベルゲン]]近くの辺境の町{{仮リンク|オス (ホルダラン県)|en|Os, Hordaland|label=オス}}の外れにある海を見下ろす森のなかの家に引っ越した{{sfn|Sandnesposten|2016}}{{sfn|The Independent|2016}}{{Sfn|Coupe de Main|2017}}{{Sfn|Paste|2016}}。オーロラは、この土地について「車はほとんど見かけなくて、道は狭くて凸凹で、どこに行っても木があって、とっても静かでインターネットは繋がりにくい」と描写し{{Sfn|W Magazine|2016}}<!-- 英語版にはナルニア国に喩えているとあるが、確認したところ、別の町についての発言と思われる。 -->、家についてはノルウェーの民話のようだと述べている{{Sfn|Culture Trip|2018}}。後のインタビューにおいてオーロラは、子供のころからひとりでいるのが好きで、木々や茂みの中でただ座って考えているのが好きだったと述懐している{{Sfn|Interview|2015}}。オーロラの2人の姉{{efn2|2人は後に[[服飾デザイナー]]と[[メイクアップアーティスト|メイクアップ・アーティスト]]になり、オーロラともコラボレートしている{{Sfn|The Stanford Daily|2020}}。}}はいつもオーロラのことを心配していて、たとえば高校生のころにはその性格と奇妙な服装のせいで他の学生たちから苛められるのではないか気が気でなかった(しかしそれは杞憂だった)と後に語っている{{Sfn|The Stanford Daily|2020}}<ref>{{harvnb|YouTube|The Fader|2016}}, 3m31s〜.</ref>。
 
オーロラの家族には他に音楽をむ人はいない{{Sfn|Popular TV|2015}}。次姉は[[電子ピアノ]]をもっていたが、オーロラが6歳のときには弾かなくなっていた<!-- Chris2016,Darwin2015 -->。ピアノの音が恋しくなり、屋根裏部屋にそのピアノを探しに行ったオーロラは、見つけたピアノの鍵盤を偶然押したことを切っ掛けに、自分でお気に入りの[[クラシック音楽|クラシック]]の曲を弾けることに気づいた{{Sfn|Paste|2016}}{{Sfn|Popular TV|2015}}。その時のことをオーロラは「自分で演奏できるってことには、特別ななにかがあって……その中の感情的ななにかで、私は演奏し続けたいと思ったんです」と述懐している{{Sfn|Popular TV|2015}}。しばらくすると自分でクラシックの曲を作るようになり、英語をうまく扱えるようになった9歳のとき、曲に歌詞をつけるようになった{{Sfn|Paste|2016}}{{Sfn|W Magazine|2016}}。彼女の最初のオリジナル曲は「アイ・ハド・ア・ドリーム<small>({{Lang-en|I Had a Dream}}、訳: 私は夢見ていた)</small>」という題の世界がいかに過酷でありうるかを主題としたものだった{{Sfn|The Telegraph|2015}}{{Sfn|Interview|2015}}。同じ時期には虐めや死を主題とした歌詞も書いていたという{{Sfn|Coupe de Main|2017}}。「{{仮リンク|アイ・ウェント・トゥ・ファー|en|I Went Too Far|label=}}<small>(訳: 遠くに来すぎた)</small>」は9歳のときの、後に[[ビリー・アイリッシュ]]に影響を与えることになる「ラナウェイ<small>({{Lang-en|Runaway|links=no}}、訳: 逃亡)</small>」を含むいくつかの曲は11歳のときの作品である{{sfn|The Independent|2016}}{{Sfn|Billboard JAPAN|2019}}。また、6歳から16歳のころはダンスにも取り組んでいたという{{Sfn|NME|2019b}}。
 
オーロラは、もともとはプロのミュージシャンになるつもりはなく、医師や物理学者になるつもりだったという{{Sfn|Popular TV|2015}}{{sfn|Reuters|2015}}{{efn2|{{harvtxt|The Verge|2016}} においては、ダンサーや画家、あるいは宇宙飛行士になっていたかもしれないとも語っている。}}。彼女はただ曲を書きたかっただけで、長らくの間自分の曲を家族を含め誰にも聴かせることはなかった{{Sfn|Paste|2016}}{{sfn|Reuters|2015}}。オーロラが自分の曲を初めて披露したのは、16歳のときである<!-- Chris2016, Levin2016 -->。中学校最後の日{{efn2|[[ノルウェーの教育|ノルウェーの教育制度]]は6歳からの7-3-3制で、新学期は8月から始まる(1997年以降2019年現在)<ref>{{Cite web |author= |website=せかいじゅうライフ |publisher=シェルトン |date=2019.10.03 |url=https://sekai-ju.com/life/nor/life/nor-education/|title=ノルウェーの教育システムと実際。早期英語教育と教育費無料が大きな特徴 |accessdate=2021-02-04}}</ref>。}}、オーロラは音楽の授業でギターを弾きながら「アイ・ハド・ア・ドリーム」を歌い、それを動画に撮った同級生が[[Facebook]]にアップロードした{{Sfn|Paste|2016}}{{Sfn|Vice|2016}}。同年の12月には両親へのクリスマス・プレゼントとして録音した「パペット<small>({{Lang-en|Puppet}}</small>、<small>訳: 操り人形)</small>」を友人が音楽共有サイトにアップロードした{{Sfn|Paste|2016}}{{Sfn|W Magazine|2016}}。わずか数時間で、2つの歌は数千のアクセスを受けた{{Sfn|Popular TV|2015}}。そしてその2曲をノルウェーの管理マネジメント会社が見つけ、2013年の初めにオーロラをオフィスの会議に招待した<!-- Levin 2016 -->。オーロラは初め「NO」と思ったと述懐している。しかしその後、母親に「自分の音楽を世界にシェアするっていうアイデアについて考えてみなさい、だってきっとどこかのだれかがあなたの音楽をどうしようもなく必要としているから。それはきっといいことのはず」だと言われた<!-- Levin 2016 -->。そして彼女は、1年あまりにわたる曲作りに取り組みはじめ、1年後のノルウェーの[[ロック・フェスティバル|音楽フェスティバル]]において<q>最初の適切本格的なライヴ・パフォーマンス</q>をおこなった{{Sfn|Vice|2016}}。<!---->
 
=== 2013年-2016年: デビューとファースト・アルバム ===
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=== 2016年–2019年: 2部構成のアルバム ===
[[ファイル:Aurora_in_Paris_by_Maeva_Damas.jpg|サムネイル|272x272ピクセル| 2018年3月に[[フランス|フランスの]][[パリ]]にあるクラブで撮影されたオーロラ。|左]]<!---->

オーロラは、デビュー・アルバム発表の翌日、すでに5つもの自作に収録されることになる曲を作り始めていたという{{Sfn|L’officiel|2018}}。2018年の1月、オーロラは[[南フランス]]の[[録音スタジオ|スタジオ]]兼[[シャトー]]に入り、1ヶ月かけて新作の録音をおこなった{{Sfn|L’officiel|2018}}{{Sfn|Standard|2018}}{{sfn|The Line of Best Fit|2018a}}。プロデュースには、{{訳語疑問点範囲|アスクイェル|Askjell|date=2021年1月|cand_prefix=原語}}・ソルストラン<small>([[:en:Askjell|英語版]])</small>、{{仮リンク|フリーランス・ヘルライザー|en|The Freelance Hellraiser|label=ロイ・カー}}、{{仮リンク|ティム・ブラン|en|Tim Bran|label=}}が参加し、オーロラ自身もプロダクションに関わった{{Sfn|Standard|2018}}。同年5月のインタビュー新しいアルバムいてオーロラは、新し同年5月の{{harvtxt|YouTube|LDN|2018|loc=18m19s〜}} におアルバムはて、前作のストーリーのいくつかを持ち越しているとともに、感情的で、すこし政治的で、そして官能性を主題としていると述べた<ref>。また9月の{{harvnbharvtxt|YouTube|LDNL’officiel|2018}}, 18m19s〜.</ref>。まにおいては、(前作の主題として示し9月ように)自分自身インタビューでは戦士となり自らアルバムは「あるデーモンと折り合いをつけてより勝っ能力を手に入いれたリスナーを、<q>自分には物事を気にかける能力がないという感覚を押し退ける」も</q>から解き放ち、そ能力あり、「あなたは<q>他の人のための戦士にもなれる」こ</q>のだ示すものであことが主題となると語っている{{Sfn|L’officiel|2018}}
 
同年5月の時点でオーロラは次の作品は11曲入りのアルバムになると語っていたが{{Sfn|Standard|2018}}、9月に2部構成のアルバムの前半として8曲入りの『{{仮リンク|インフェクション・オブ・ア・ディファレント・カインド(ステップ1)|en|Infections of a Different Kind (Step 1)|label=}}<small>[訳: 異種感染症(第一段階)]</small>』{{efn2|本記事においては、『インフェクション・オブ・ア・ディファレント・カインド(ステップ1)』を『ステップ1』、『ディファレント・カインド・オブ・ヒューマン(ステップ2)』を『ステップ2』と略す。なお、日本国内盤は『ステップ1』と『ステップ2』をまとめボーナス・トラックを追加した『インフェクションズ・オブ・ア・ディファレント・カインド・オブ・ヒューマン』として2020年9月に発売されている{{sfn|NME Japan|2020}}{{sfn|Universal Music Japan, IoDKoH}}。|name=日本国内盤}}をサプライズ的に発表した{{Sfn|NME|2018}}{{Sfn|Live in Limbo|2018}}。この作品についてオーロラは「とっても力を与えるもの<small>({{Lang-en|empowering|links=no}})</small>」であり「多くの曲は、人々が自分自身のために選び取ったり、復讐のために戻ってきたりすることについて」であると語っている{{Sfn|NME|2018}}。オーロラ自身はタイトル・ソングをこれまでで最も重要な曲と位置付けているが、最も話題を呼んだのは「クイーンダム<small>({{Lang-en|Queendom|links=no}}、訳: 女王国)</small>」である{{Sfn|the Music|2019}}{{Sfn|Live in Limbo|2018}}。この「クイーンダム」のミュージック・ビデオについてのインタビューでは、[[ゲイ]]・コミュニティへの共感を語っており{{Sfn|i-D|2018}}、内省的な前作に比べより外向きな作風になったことは、初めてのツアーにおいてファンとの間でおこなった交流に起因するとも述べている{{Sfn|Idolator|2018}}。
 
2019年6月には前作のフォローアップである『{{仮リンク|ディファレント・カインド・オブ・ヒューマン(ステップ2)|en|A Different Kind of Human (Step 2)}}<small>[訳: 別の種類の人間(第ニ段階)]</small>』{{efn2|name=日本国内盤}}が発表された<!-- Andrew 2019 -->。この作品においては自然が主要な主題の一つであり{{Sfnsfn|Gay TimesNME|20192019a}}、オーロラ自身によると、前作よりもさらに広い視野をもっていて、「内面的で、私たちの内的な過程について扱っている」{{sfnharvtxt|NMERIFF|2019a2019}}。またこの『ステップ2』は作品について、人生を向上させるよう内的に促すものであった『ステップ1』に対し、世界の変革を後押しするものであると評した。オーロラ自身によると、この作品は「より深く私たちの内的な過程について扱った」ものであり、また自身の感情の振れ幅の大きさが反映されており、そして[[#感情と政治につて|後述]]すように、その感情には変革への備えであるような怒りが含まれているのだという。そのような変革の対象の一つである自然は、この作品の主要な主題に含まれている{{sfn|NME|2019a}}{{Sfn|RIFFGay Times|2019}}。また同時期の{{harvtxt|the Music|2019}} おいてオーロラは、自身が以前よりもはっきりと政治的になっていると述べている{{Sfn|the Music|2019}}
 
この間、2018年12月にはドキュメンタリー『オーロラ 私の歌を探して<small>({{Lang-no|''En gang Aurora''|links=no}}</small>、<small>{{Lang-en|''Once Aurora''|links=no}})</small>』が公開されている{{sfn|NRK|2018}}{{sfn|ナタリー|2020}}。その他また、2019年4月に発表された[[ケミカル・ブラザーズ]]の『{{仮リンク|ノー・ジオグラフィー|en|No Geography|label=}}』には3曲提供し、みずからボーカルも担当している{{sfn|AllMusic, NG}}。その他、子供向けの[[アンソロジー]]番組『{{仮リンク|世にもおぞましい物語|en|Creeped Out|label=}}』でナレーターを務めたり、実写版『[[ダンボ (2019年の映画)|ダンボ]]』の予告編で「{{仮リンク|ベイビー・マイン|en|Baby Mine (song)|label=}}」を歌うなど、活動を多様化させてる{{Sfn|the Music|2019}}。
 
=== 2019年以降 ===
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== 音楽性 ==
ジャンルは[[エレクトロ・ポップ]]に分類されることが多いほか{{Sfn|The Stanford Daily|2020}}、[[フォーク (音楽)|フォーク]]との関連もしばしば指摘される。ファースト・アルバムについて、{{harvtxt|Paste|2016}} は、ほとんどの曲の旋律や構造はフォークを土台としており、それをエレクトロニックな感触が装飾していると述べ、{{harvtxt|Vice|2016}} は、讃歌的な[[ポップ・ミュージック|ポップ・ソング]]と[[フォークソング|フォーク]]的な素材の曲が含まれており、両者がブレンドされていると評した。{{harvtxt|CR Fashion Book|2019}} は、「逃避感」のある「巧妙に<small>({{Lang-en|slickly|links=no}})</small>プロデュースされたポップス」であり、「説得力のある<small>({{Lang-en|potent}})</small>ブレンド」として熱狂的なフォロワーを獲得したと記述している。
 
神秘的に<!--uD,HMV-->冷たく<!--ind-->透きとおり<!--uD-->高く純粋<!--NYT,CR-->に響き渡る<!--ind-->[[ボーカル]]について、「氷のように剥がれる」{{Sfn|The Independent|2018}}、「魔法のように透き通った」{{sfn|uDiscovermusic|2020}}{{sfn|HMV|2020}}{{sfn|New York Times|2016}}{{sfn|CR Fashion Book|2019}}、「高く純粋天衣無縫あるとも{{sfn|HMV|2020}}、<small>[……]</smallq>穏やかな信念染み込んだ」でいる</q>{{sfn|New York Times|2016}}などされ、そのテクニックや[[ハーモニー]]のはポップ・ミュージックとしては異例なほどに多様性が評価されていである{{Sfn|The Independent|2019|p=}}{{sfn|The Line of Best Fit|2018b}}。[[シンセサイザー]]と[[ドラムセット|ドラム]]、[[キーボード]]の[[メロディ|メロディー]]を特徴とする{{harvtxtSfn|The IndependentStanford Daily|2020}}サウンドは、ポップかつダーク{{sfn|HMV|2020}}、エレクトロニックかつオーケストラル{{Sfn|RIFF|2019}}であると評される。{{harvtxt|New York Times|2016}} は[[ケルト音楽]]やアジア音楽を想起させるとしており、『ステップ2』にいて「ポップ・アルバムに期待される以上に多様は民族的ボーカル・テクニック」が打楽器も用いられていると述べている{{Sfn|The Independent|2019}}
 
歌詞については、{{harvtxt|Paste|2016}} が<q>哀愁を帯びた[[ロマンティシズム]]</q>と評したほか、[[#思想や価値観|後述]]するように「怒り」などの感情を表すものや、政治やセクシャリティー、死を主題とするものが多い。音楽と政治との関係については次のように語っている{{Sfn|Gay Times|2019|p=}}。
サウンドは、[[シンセサイザー]]と[[ドラムセット|ドラム]]、[[キーボード]]の[[メロディ|メロディー]]を特徴としており{{Sfn|The Stanford Daily|2020}}、「エレクトロニックであると同時にオーケストラル」{{Sfn|RIFF|2019}}な「大自然を思わせる幻想的なサウンド」{{Sfn|CR Fashion Book|2019}}であると描写されている。{{harvtxt|New York Times|2016}} は[[ケルト音楽]]やアジア音楽を想起させるとしており、『ステップ2』においては民族的な打楽器も用いられている{{Sfn|The Independent|2019|p=}}。そのほか、{{harvtxt|The Independent|2018}} は「暗い[[叙情|叙情性]]と陽気な性格」とオーロラを紹介しており、{{harvtxt|The Line of Best Fit|2018b}} はオーロラの[[音楽プロデューサー|プロデューサー]]としての能力を高く評価している。
 
{{Quote|みんな、とくにポップ・ミュージックにおいては、政治的であることをとても怖がっています。[……]だからこそ私は、良質かつ知的で感情的なポップ・ミュージックを人々ちゃんとみんなに届いて、なにか大切なことを伝えてくれてそして自分たちが本当は気にしていない取るに足らないあれやれや以外のなにかを思い出させてくれるような、良質なそういうポップ・ミュージックを作りたいんです。|||}}
歌詞については、{{harvtxt|Paste|2016}} が「哀愁を帯びた[[ロマンティシズム]]」と評したほか、[[#思想や価値観|後述]]するように「怒り」などの感情を表すものや、政治やセクシャリティー、死を主題とするものが多い。音楽と政治との関係については次のように語っている{{Sfn|Gay Times|2019|p=}}。
 
自らの曲については、<q>自分自身の経験というよりも世界の経験についての物語</q>であるとも語っている{{sfn|MYP Magazine|2019}}。また、母語である[[ノルウェー語]]ではなく[[英語]]で歌詞を書く理由は、自分の言葉を伝える先をノルウェー語を理解する人だけに留めたくなかったからだと述べている{{Sfn|L’officiel|2018}}。なお、「フォーガトゥン・ラブ<small>({{Lang-en|Forgotten Love}}、訳: 忘れられた愛)</small>」においては、セカンド・[[コーラス (ポピュラー音楽)|コーラス]]にオリジナル言語を使用しており、それはオーロラの感情を反映したものであるという{{Sfn|L’officiel|2018}}。
{{Quote|みんな、とくにポップ・ミュージックにおいては、政治的であることをとても怖がっています。[……]だからこそ私は、知的で感情的で、人々に届いて、なにか大切なことを伝える、私たちが本当は気にしていないこと以外のなにかを思い出させてくれるような、良質なポップ・ミュージックを作りたいんです。|||}}
 
そのほか、{{harvtxt|The Independent|2018}} は<q>暗い[[叙情|叙情性]]と陽気な性格</q>とオーロラを紹介し、{{harvtxt|The Line of Best Fit|2018b}} はオーロラの[[音楽プロデューサー|プロデューサー]]としての能力を高く評価している。
自らの曲については、「自分自身の経験というよりも世界の経験についての物語」であるとも語っている{{sfn|MYP Magazine|2019}}。また、母語である[[ノルウェー語]]ではなく[[英語]]で歌詞を書く理由は、自分の言葉を伝える先をノルウェー語を理解する人だけに留めたくなかったからだと述べている{{Sfn|L’officiel|2018}}。なお、「フォーガトゥン・ラブ<small>({{Lang-en|Forgotten Love}}、訳: 忘れられた愛)</small>」においては、セカンド・[[コーラス (ポピュラー音楽)|コーラス]]にオリジナル言語を使用しており、それはオーロラの感情を反映したものであるという{{Sfn|L’officiel|2018}}。
 
=== 他のミュージシャンとの影響関係など ===
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=== 感情と政治について ===
オーロラは、怒りや悲しみを含んだ感情の表現に対して肯定的である{{Sfn|Paste|2016}}。2019年のインタビュー{{harvtxt|L’officiel|2018}} において、自らの作品の中にある[[は「怒り]]について問われた際には「それはとても特殊な種類の怒り」であると答え、続けてつぎのように述べている{{sfn|NME|2019a}}。
 
{{Quote|私の身体の内側には新しいエネルギーがあって、それを私は怒りと勘違いしてしまいそうです。それは怒りとは違いますが、同じような輝きをもっていて……それは私を目覚めさせ、私に警告してくれるなにかなんです。|||}}
{{Quote|それは、全と無に同時に向けられるような種類の怒りではありません。それは、とても明らかで、あなたが変えたいと思う物事に……環境やこの地球上や政治に向けられるものです。それはむしろ、あなたが目覚め続け、目指し続け、そしてなにか重要なことのために力を使えるようになる、そうさせるための火のようなものなんです。|||}}
 
えば「ザ・シード<small>({{Lang-en|The Seed|links=no}}、訳: 種)</small>」は、環境についての怒りを表現し述べているという。その後、{{sfnharvtxt|NME|2019a}}。な、2018年いて自らインタビュー作品の中ある[[怒り]]について問われた際には、「それはとても特殊な種類の怒り」についであると答え、続けつぎのように述べている{{Sfn|L’officiel|2018}}
 
{{Quote|それは、全と無に同時に向けられるような種類の怒りではありません。それは、とても明らかで、あなたが変えたいと思う物事に……環境やこの地球上や政治に向けられるものです。それはむしろ、あなたが目覚め続け、目指し続け、そしてなにか重要なことのために力を使えるようになる、そうさせるための火のようなものなんです。|||}}
{{Quote|私の身体の内側には新しいエネルギーがあって、それを私は怒りと勘違いしてしまいそうです。それは怒りとは違いますが、同じような輝きをもっていて……それは私を目覚めさせ、私に警告してくれるなにかなんです。|||}}
 
たとえば「ザ・シード<small>({{Lang-en|The Seed|links=no}}、訳: 種)</small>」は、環境についての怒りを表現しているという{{sfn|NME|2019a}}。{{harvtxt|RIFF|2019}} は、オーロラの歌について<q>人類が地球上に残してきたものを守ることについて思い出させてくれる</q>ものであると評しており、オーロラ自身は{{harvtxt|Billboard JAPAN|2019}} において[[環境問題]]についてはへの関心を表明しそれはすべての人に関わる[[持続可能性|持続的]]で感情的かつ政治的なとて関心をもっのであると述べている問題であり。また、いまが[[連帯|団結]]して行動を起こすためには最適のときである考えていると述べている{{Sfnharvtxt|Billboard JAPANNME|20192019a}}。また では、諸々の問題の答えは言われているよりも単純であり、自分たちの世代においては人々が互いにバラバラになってしまっていると感じていたがいまではそれぞれの力を繋ぎ合わせれば大きな力になることを知っていると語っている{{sfn|NME|2019a}}
 
その他、[[動物虐待]]や[[女性に対する暴力]]といった問題にも関心を払っているという{{sfn|The Verge|2016}}。
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=== セクシャリティーについて ===
前述のとおりオーロラは、ブラジル訪問後に[[同性愛]]を巡る政治的立場は場所によって非常に劣悪であることに気付かされたと語り、2018年に次の作品の主題の一つとして政治性と官能性を挙げている<!-- 前述の要約につき、出典略 -->。同じ時期、「クイーンダム<small>({{Lang-en|Queendom|links=no}}、訳: 女王国)</small>」の[[ミュージック・ビデオ]]についてのインタビューでは、次のように語っている{{Sfn|i-D|2018}}。
{{Quote|私の女王国では、あらゆる種類の愛が受容されられ許容されていることを明らかにしたかったんです。キスすることは、あなたができることの中で最も脆く<small>({{Lang-en|vulnerable|links=no}})</small>美しいことの一つだと、私は考えています。それから私はキスをダンサーの一人に……とってもきれいな人にしています。これは、私からファンへの小さなメッセージのようなもので、なぜなら私のファンのとても多くが[[ゲイ・コミュニティ]]から来ているからです。彼女らや彼らが進む道にはいろんな障碍があることを知っているので、そのことを考えると私は落ち着いていられませんし、怒りを覚えずにはいられないんです。|||}}
 
別のインタビュー{{harvtxt|The Independent|2018}} においては、自分は女性なのでフェミニストであるが、同性愛は自分の曲に対して[[フェミニズム]]以上に大きな触発を与えたと述べている。のインタビューでは、いま自分にはマニッシュなボーイフレンドがいるが、以前はガールフレンドがいたこともあると語り、以下のように続けている{{Sfn|The Independent|2018}}
 
{{Quote|私はそこにあるものを享受し、そして探求したいんです。自分の周りの全てを愛しましょう、それだけで、あなたは自分自身を愛しているんです。|||}}
 
その後{{harvtxt|Gay Times|2019}} において、自らが[[LGBT|LGBTQ]]コミュニティーの一員であることを肯定するとともに、他人が自分を定義したりカテゴライズすることは構わないが、自分で自分を定義する必要があるとは思わないと述べている。また、神話時代のようなあるがままの愛や性における快楽の享受を称揚し<!--{{sfn|Gay Times|2019}}-->同年の別のインタビュー{{harvtxt|MYP Magazine|2019}} においては[[ジェンダー]]や種族を超えた尊敬や愛の重要性についても語っている{{sfn|MYP Magazine|2019}}
 
=== 死について ===
[[死]]はオーロラの作品においてしばしば取り上げられる主題であり{{Sfn|Billboard JAPAN|2019}}{{harvtxt|CR Fashion Book|2019年のインタビュー}} においてオーロラは、今後のアルバムにおいてこの主題についてさらに掘り下げたいと述べている<!-- Studarus 2019, Billboard JAPAN 2019 -->また、彼女は死を恐れることに否定的であり、死について考えると心が安らぐ、あるいは正気になれると語っている{{Sfn|CR Fashion Book|2019}}{{Sfn|Billboard JAPAN|2019}}。
 
=== 各国の文化について ===
オーロラは、自分の曲のいくつかがもつ暗さは、[[ノルウェー]]の気候や文化の暗さ、ノルウェー人の内向性に由来していると述べている{{Sfn|Vice|2016}}。
 
オーロラのスタイルは、[[日本]]の伝統的なファッションや美学からも影響を受けている{{Sfn|The Stanford Daily|2020}}。2019年のアジア・ツアーにおける訪日時のインタビューでは、[[スタジオジブリ|ジブリ]]映画や[[村上春樹]]といった[[日本の文化|日本文化]]が好きで、神秘的なものへの信仰や[[もったいない]]文化などの国民性を尊敬しており、[[日本語]]の勉強もしていると語っている<!-- Eto 2019 DIGLE2019-->。また、[[和服|着物]]が好きで、ヘア・スタイルやファッションは[[アニメ]]を含む日本文化からインスピレーションを受けているという{{Sfn|DIGLE|2019}}。
 
[[ネイティヴ・アメリカン]]の音楽は幼少時より好きで、ネイティヴ・アメリカンにずっと憧れているとも語っている{{Sfn|L’officiel|2018}}。たとえば「ザ・シード」は、[[ネイティブ・アメリカン]]の文化に触発された曲である{{Sfn|KEXP|2019}}。
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== コンサートやファンとの関係 ==
前述のとおり、初めてのツアーにおけるファンとの交流が、作品がより外向的になる切っ掛けとなったと述べている{{Sfn|Idolator|2018}}。オーロラは自分の[[ファン]]{{efn2|オーロラは、「ファン」という表現が好きではないという{{harvtxt|MYP Magazine|2019}} のインタビュワーの言葉に同意し、「サポーター」という表現を代わりに使うことを提案している。また{{harvtxt|Gay Times|2019}} においても、「サポーター」という表現を用いている。}}のことを「ウォーリアー<small>({{Lang-en|warriors|links=no}}、訳: 戦士)</small>」や「ウィアード<small>({{Lang-en|weirdos|links=no}}、訳: 奇人)</small>」と呼ぶ{{Sfn|Pasteefn2|2016}}{{sfn|フロントロウ|2020}}。前者年にはファンを念頭向けおいて作られ曲である「ウォーリアーに由来すという曲を発表している{{Sfn|Coupe de Main|2017}}{{sfn|AllMusic, Warrior}}。また前述のとおり}}が初めてのツアーにお名付けることによってファンとの交流、作品がより外向的自分属す切っ掛けかのように扱うこなったと述べていには否定的である{{Sfn|IdolatorPaste|20182016}}{{sfn|トロウ|2020}}{{Sfn|Coupe de Main|2017}}。両者の繋がりについて、自分が作ったものではなく、ファンが自発的に作り上げていった、互いに必要としあう双方向関係であり、オーロラはその関係について魔法のようで愛すべきものであると語っている{{sfn|MYP Magazine|2019}}{{Sfn|Coupe de Main|2017}}。
 
コンサートについては、2014年のインタビューにおいて、はじめはステージに立つのが怖かったが、いまでは毎回コンサートが待ち遠しく、ファンに最高の体験をしてもらうことだけを考えていると語っている{{Sfn|Ja Ja Ja|2014}}。
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:* {{Cite web|website=[[オールミュージック|AllMusic]]|url=https://www.allmusic.com/album/step-2-a-different-kind-of-human-mw0003270780|title=Step 2: A Different Kind of Human - AURORA {{!}} Songs, Reviews, Credits|accessdate=2021-02-01|language=en |ref={{sfnref|AllMusic, Step 2}}}}
:* {{Cite web|website=[[AllMusic]]|url=https://www.allmusic.com/album/no-geography-mw0003249864|title=No Geography - The Chemical Brothers {{!}} Songs, Reviews, Credits|accessdate=2021-01-29|last=Yeung|first=Neil Z.|language=en |ref={{sfnref|AllMusic, NG}}}}
:* {{Cite web|title=Warrior - AURORA {{!}} Releases|website=[[AllMusic]]|url=https://www.allmusic.com/album/warrior-mw0002926879/releases|accessdate=2021-04-08|ref={{sfnref|AllMusic, Warrior}}}}
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