「Déraciné (ゲーム)」の版間の差分

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== 開発 ==
はじめて話が持ち上がったのは、『Bloodborne』の[[ダウンロードコンテンツ]]リリースの打ち上げで、『Déraciné』は想定していたより制作時間が掛かったといわれている{{R|gamespark_20181109}}。本作はVRの実在感と実際には実在していないという感覚に衝撃を受けた宮崎が、その感覚をゲームに落とし込めないかと考えたことが着想に至った経緯であると[[Electronic Entertainment Expo|Electronic Entertainment Expo 2018]]で発表された際のインタビューで述べている{{R|dengekionline_20180615}}。その後PS Awardの表彰式の後にプロデューサーとなる山際眞晃との会話で、SIEのVRタイトルを増やしたいという意向と合致したこともあって、プロジェクトが開始された{{R|famitsu_20180618}}。宮崎はフロム・ソフトウェアとしてVR技術に触れておきたかったことや、過去に制作したアドベンチャーゲーム『[[エコーナイト]]』のような当時フロム・ソフトウェアができていない、種類や規模において多彩なゲームを作りたかったこと、挑戦的な作品を作る部分を残したいことなどの考えを述べている{{R|dengekionline_20180615}}。また古典的なアドベンチャーゲームをVRで制作することで、付加価値が発生するとの見込みも示している{{R|polygon_20180622}}。本作は技術系ニュースサイト『[[ザ・ヴァージ]]』にて同じく挑戦的と評された『[[SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE]]』(以下『SEKIRO』)と同時期に開発された{{R|verge_20190521}}。宮崎は同時進行で制作を進めることでインスピレーションが湧きやすいとしている{{R|verge_20190521}}。またどの程度お互いに影響があったかの明言は難しいものの、『SEKIRO』の存在は本作をより静謐な作品にし、本作は『SEKIRO』をより暴力性の高い作品にした可能性があると述べている{{R|verge_20190521}}。
 
本作のコンセプトについて山際は“実在感”と“非実在感”とファミ通のインタビューで述べている{{R|famitsu_20181115}}。その中で語りを強める必要があるとして、アドベンチャーゲームというジャンルが選ばれた{{R|psblog_20181105}}。作品の傾向として、山際はファミ通のインタビューにて『[[Demon's Souls]]』や『Bloodborne』のフレーバーテキスト{{efn2|カードゲームで使用される用語。雰囲気で世界観に没入させることを目的とした文章{{R|weblio_flavortext}}。}}を好むプレイヤーであれば楽しめるという考えを示している{{R|famitsu_20181115}}。またジャンルアドベンチャーゲームとして新しいものではないものの、VRの要素が加わることによってプレイヤーの取る行動そのものの価値が変わるという考えを述べている{{R|famitsu_20181115}}。
 
=== 世界観 ===
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=== シナリオ ===
電撃オンラインは今までフロム・ソフトウェアの制作した『[[DARK SOULS]]』や『Bloodborne』と比べて、ストーリーラインが明確だと評している{{R|dengekips_20181105}}。本作のストーリーは明確な目標はあるものの、その詳細は前述の情報や、作中に登場するフレーバーテキストから断片的に組み上げられている{{R|gigazine_20181105}}。このテキストは宮崎によって書かれた{{R|ign_japan_20181105}}。山際はPlayStation.Blogにて本作で最も大切なものとしてプレイヤーと子供たちの関係性を挙げ、これは「物語り」によって断片的な情報が組み合わさることで内容がプレイヤーに伝わるようにしたと語っている{{R|psblog_20180611}}。このストーリーテリングの手法について、宮崎は自身の幼少期の経験を振り返っている{{R|psblog_20180619}}。それによると難しい本を読んだ際に、自分の中で話を組み上げることで読み直した際に内容の理解に繋がったと、PlayStation Blogのインタビューで触れている{{R|psblog_20180619}}。この手法はかつてフロム・ソフトウェアがリリースしたゲームでも見られるものとなっている{{R|cgmagazine_20180726}}。Kimは、過去の作品と比較することに躊躇いがあったとしつつ、本作のストーリーテリングの手法から、[[:en::Souls (series)|ソウルシリーズ]]のサブクエストのように感じられたと述べている{{R|usgamer_20181105}}。
電撃オンラインは今までフロム・ソフトウェアの制作した『[[DARK SOULS]]』や『Bloodborne』と比べて、ストーリーラインが明確だと評している{{R|dengekips_20181105}}。
本作のストーリーは明確な目標はあるものの、その詳細は前述の情報や、作中に登場するフレーバーテキストから断片的に組み上げられている{{R|gigazine_20181105}}。このテキストは宮崎によって書かれた{{R|ign_japan_20181105}}。山際はPlayStation.Blogにて本作で最も大切なものとしてプレイヤーと子供たちの関係性を挙げ、これは「物語り」によって断片的な情報が組み合わさることで内容がプレイヤーに伝わるようにしたと語っている{{R|psblog_20180611}}。このストーリーテリングの手法について、宮崎は自身の幼少期の経験を振り返っている{{R|psblog_20180619}}。それによると難しい本を読んだ際に、自分の中で話を組み上げることで読み直した際に内容の理解に繋がったと、PlayStation Blogのインタビューで触れている{{R|psblog_20180619}}。この手法はかつてフロム・ソフトウェアがリリースしたゲームでも見られるものとなっている{{R|cgmagazine_20180726}}。Kimは、過去の作品と比較することに躊躇いがあったとしつつ、本作のストーリーテリングの手法から、[[:en::Souls (series)|ソウルシリーズ]]のサブクエストのように感じられたと述べている{{R|usgamer_20181105}}。
 
=== キャラクターデザイン ===
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=== コントローラー ===
本作のプレイには2つのPS Moveモーションコントローラー(以下PS Move)が必要となっている。これは制作中に試運転で、一つだと探索が単調になりプレイヤーが世界観への没入が薄れると判断されたためとなっている{{R|dengekionline_20180615}}。SIEの吉田修平はインタビューにて、VRの値段が発売当初より廉価になったことやPS Moveが2つセットで販売されるエキサイティングパックの販売もあって、VRとの相性がいいことから今後両手を使ったVRのタイトルリリースは増えていくと予想している{{R|panora_20180928}}。ファミ通のクロスレビューでは四人中二人がPS Moveが二本必要なことが敷居が高いと指摘している{{R|famitsu_20191129}}。エスラはPS Moveはあくまで体験の拡張であって、必須ではないとする考えを述べている<ref>「[[#IGNJapan 2019|フロム・ソフトウェアのPS VRアドベンチャー『Déraciné』ネタバレトーク]]」. 該当時間 9:32.</ref>。加えて、福山がVRによってアドベンチャーゲームでできることを拡張したと述べた後に、エスラはPS Move2本が必要というハードルによってプレイを断念する層がいたことを指摘している<ref>「[[#IGNJapan 2019|フロム・ソフトウェアのPS VRアドベンチャー『Déraciné』ネタバレトーク]]」. 該当時間 11:38.</ref>。
 
=== 技術 ===