「聖デイヴィッド大聖堂」の版間の差分

| name = 聖デイヴィッド大聖堂

| fullname = St Davids Cathedral<br />''Eglwys Gadeiriol Tyddewi''

| image = St David's Cathedral and Bishop's Palace - geograph.org.uk - 774149.jpg

| caption = 聖デイヴィッド大聖堂の概南東からの外観

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| pushpin map = Wales Pembrokeshire

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|latd longd= 51-5.881944268333

|bull consecrated date= 1123年

|designated completed date = 13世紀中頃

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| chancellor =

| canonchancellor = Dr. Patrick Thomas

| prebendary =

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|asstpriest rector =

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[[1081年]]、[[ウィリアム1世 (イングランド王)|征服王ウィリアム]]は祈念のためにセント・デイヴィッズを訪れ<ref name=Evans_4_14 />、そこが神聖かつ敬虔な場所と認めた。[[1089年]]、デイヴィッドの祠堂が破壊され<ref name=Evans_14 />、その貴金属が剥奪された。[[1090年]]には、ウェールズの学者{{仮リンク|フリギファルク|en|Rhigyfarch}}が『デイヴィッドの生涯』 (“''The Life of David''”) を<ref name=>[[#Sakurai>{{Cite book |和書 |author=桜井俊彰 |year=(2012 |title=イングランド王国と闘った男 |publisher=[[吉川弘文館)]] |isbn=978-4-642-05750-9 |pages=91-、92}}頁</ref>[[ラテン語]]で記し、デイヴィッドの神聖さを際立たせたことで<ref name=Evans_4 />、彼は初期のほとんどカルト崇敬聖人（{{lang-en-short|cult}}）的な地位を獲得した。

[[14世紀]]中頃、主教{{仮リンク|ヘンリー・ガウアー|en|Henry Gower}}（1328（[[1328年|1328]]-[[1347年]]）のもとで大聖堂はさらに改装され、{{仮リンク|内陣障壁|en|roodRood screen}}をもつ[[身廊]]や[[クワイヤ]]などのほか、さらに大規模な改装が施され<ref name=history />、また、{{仮リンク|主教宮殿|en|Bishop's Palace}}（[[セント・デイヴィッズ主教宮殿]]）が彼<ref>[[#Evans|Evans (2001)]], pp. 11-12 14</ref>、ガウアーの[[監督制]]の不変的記念物として計画・構築された（宮殿は今日多くが崩壊している）。

[[1365年]]、主教{{仮リンク|アダム・ホートン|en|Adam Houghton}}<ref>{{Cite web |url=https://www.stdavidscathedral.org.uk/discover/cloister |title=Cloister |publisher=St Davids Cathedral |accessdate=2021-06-12}}</ref>とそれに[[ジョン・オブ・ゴーント]]は、セント・メアリーズ・カレッジ (St Mary's College) と[[礼拝堂]] ([[w:Chantry|Chantry]]) の構築に着手した<ref>[[#Evans|Evans (2001)]], pp. 12 14</ref>。彼は後に大聖堂にそれを接続する回廊をの追加にも着手した<ref>[[#Evans|Evans (2001)]], p. 12</ref><ref>Glanmor Williams, ‘Houghton, Adam (died 1389)’, in ''[[英国人名事典#『オックスフォード英国人名事典』|Oxford Dictionary of National Biography]]'' (2004)</ref>。

[[16世紀]]、主教エドワード・ヴォーン（[[w:Edward Vaughan (bishop)|Edward Vaughan]]、[[1509年|1509]]-[[1522年]]）のときには、[[ヴォールト#扇形ヴォールト|扇形ヴォールト]]を用いた聖三位一体礼拝堂 (Holy Trinity chapel) の建造が見られた<ref>[[#Evans|Evans (2001)]], pp. 14 17</ref>。また、この時代には屋上および[[オーク]]<!--（[[フユナラ]] (〈'Irish oak', ''Quercus petraea'') 〉）-->の天井が[[1530年|1530]]-[[1540年]]にかけて構築され、[[身廊]]の大きな進展が見られる<ref>[[#Evans|Evans (2001)]], pp. 14 19</ref>。[[プロテスタント]]としての主教ウィリアム・バーロウ (（[[w:William Barlow (bishop of Chichester)|William Barlow]]) 、[[1536年|1536]]-[[1548年]]）は、前任歴代の主教とは異なり、デイヴィッドに追随することへの抑制を考え図り、聖デイヴィッドの祠堂から宝飾を剥奪し、[[1538年]]には「迷信」を打ち消すために、聖デイヴィッドおよび同時代の{{仮リンク|聖ユスティニアン|en|Justinian of Ramsey Island}}の遺物を差し押さえ取り除いた<ref name=history /><ref name=Evans_20>[[#Evans|Evans (2001)]], p. 20</ref>。[[1540年]]には、リッチモンドの伯爵で[[ヘンリー7世 (イングランド王)|ヘンリー7世]]の父である[[エドマンド・テューダー (リッチモンド伯)|エドモマンド・チューダー]]の遺体亡き骸が、[[カーマーゼン]]の解散したグレイフライアー小修道院 (Greyfriars' Priory) の墓から運ばれ<ref>[[#Evans|Evans (2001)]], pp. 14 20-21</ref>、祭壇のある内陣の手前に埋葬安置されたている。

[[オリバー・クロムウェル]]のもとでの[[イングランド共和国]]の設立は、多くの大聖堂や教会、特にセント・デイヴィッズにも大きな影響をもたらした。[[1648年]]、大聖堂はほとんどクロムウェル議会の部隊により破壊され、主教の宮殿の屋根からは鉛が剥ぎ取られた<ref>[[#Evans|Evans (2001)]], pp. 14 20</ref>。

[[ファイル:StDavids-wyrdlight-2N16.jpg|thumb|西端の正門・より後方の[[身袖廊]]・南[[翼廊]]と塔]]

[[1950年代]]に師カール・ウィットン＝デイヴィス (Carl Witton-Davies) が大聖堂の主任司祭 ([[w:Dean (religion)|dean]]) に任命された。30歳代で任命された彼の推進的な構想や行動力は、オックスフォード大執事 ([[w:Archdeacon of Oxford|Archdeacon of Oxford]]) の昇任を思わせるようないくつかの提言を示したものの束の間に終わった。しかし、教会に残る彼の任期によりその地位を退かなかった。大聖堂が再び活力をもち始めると、セント・デイヴィッズへの有名なウェールズ青年巡礼 (Cymry'r Groes) が教会の礼拝生活へと多くの者を導き、ウェールズの教会に良き聖職者を10年間提供した。

[[1960年代]]、大聖堂教区の利用および美術展や詩の朗読会の場として使用するための大聖堂の会館として、セント・メアリーズ・カレッジの修復が見られた。 それは[[1966年]]に大<ref name=Evans_27 />主教エドウィン・モリス ([[w:Edwin Morris (bishop)|Edwin Morris]]) によって献呈され、その第1回記念行事は、{{仮リンク|バンゴール教区|en|Bishop of Bangor}}の主教代理を務めた有名な詩人{{仮リンク| R・S・トーマス|en|R. S. Thomas}}による詩の朗読であった。

[[1980年代]]には大聖堂の歴史的公式行事が数多く行われた。[[1981年]]、[[チャールズ (プリンス・オブ・ウェールズ)|ウェールズ公チャールズ]]が大聖堂の奉献800周年の式典に出席した。また、[[1982年]]の[[洗足木曜日]]、女王[[エリザベス2世]]が大聖堂において{{仮リンク|王室洗足式|en|Royal Maundy}}の硬貨 ([[w:Maundy money|Maundy Coin]]) を分配した<ref name=Evans_14 />。これは、その式典が初めて[[イングランド]]の外で執り行なわれたものであった。[[1989年|1989]]-[[1990年]]には聖デイヴィッド没後1,4001400周年が、{{仮リンク|ウェールズ大主教|en|Archbishop of Wales}}でセント・デイヴィッズ教区の主教でもあった{{仮リンク|ジョージ・ノークス|en|George Noakes}}の主催により行なわれた。その後、イギリス政府はセント・デイヴィッズに「[[イギリスのシティの一覧#ウェールズ|シティ]]」の称号<ref name="#60chapter_37" />の復帰を決定し、[[1995年]]<ref name=Evans_14 />6月1日、女王エリザベス2世により正式に授けられた。

[[1994年]]、主任司祭に任命された{{仮リンク|ウィン・エヴァンス|en|Wyn Evans}}の前には多くの課題が累積していた。新しいオルガンがどうしても必要であり、そして西側正面は大規模な修復が求められた。その時期、大聖堂では鐘塔内に[[ビジターセンター]]を設けてその将来性に投資することや、鐘を8口から10口に増やして鐘の音を大きくすること、また、大聖堂の[[回廊]]の「再建」ないし補完により、大聖堂[[聖歌隊]]や教区委員会の建物、教育室、教区用の部屋、それに初期の修道院を想起させるような食堂（リフェクトリー、[[w:refectory|refectory]]）なども思案された。最初の事業は西側正面の修復であり、[[1998年|1998]]-[[2001年]]になされ<ref name=Evans_14 />、それには当初の採石場として再開されたケアバーディー湾 (Caerbwdi Bay) の石が使用された<ref>{{Cite web |url=http://www.geograph.org.uk/photo/741366 |title=Caerbwdi stone, St David's cathedral |publisher=Geograph |accessdate=2017-02-12}}</ref>。オルガンは{{仮リンク|ハリソン・アンド・ハリソン|en|Harrison & Harrison}}により解体され、再製建される時期に間に合うよう、[[1998年]]9月に解体が完了した。オルガンは2000年中頃に完成したオルガンは、同年10月15日に奉納された<ref name=organ>{{Cite web |url=http://www.stdavidscathedral.org.uk/index.php?id=698discover/music/organ |title=Cathedral Music - The Organ |publisher=St Davids Cathedral |accessdate=20172021-0206-1210}}</ref>。

[[ファイル:Porth y Tŵr (3946).jpg|thumb|大聖堂から見た[[ポルス・ア・トゥル]] (''Porth-y-Tŵr'')]]

! [[センチミリメートル|cmmm]]

| 1 || {{convert|591|lb|0|kg|0||disp=table}} || F♯ || || || 2000 || Whitechapel Bell Foundry

| 2 || {{convert|611|lb|0|kg|0||disp=table}} || E || || || 2000 || Whitechapel Bell Foundry

| 3 || {{convert|638|lb|0|kg|0||disp=table}} || D || {{convert|30.00|in|mm|0|disp=table}} || 1928 || Mears & Stainbank

| 4 || {{convert|667|lb|0|kg|0||disp=table}} || C♯ || {{convert|31.00|in|mm|0|disp=table}} || 1928 || Mears & Stainbank

| 5 || {{convert|797|lb|0|kg|0||disp=table}} || B || {{convert|33.00|in|mm|0|disp=table}} || 1928 || Mears & Stainbank

| 6 || {{convert|955|lb|0|kg|0||disp=table}} || A || {{convert|35.75|in|mm|0|disp=table}} || 1928 || Mears & Stainbank

| 7 || {{convert|1,207|lb|0|kg|0||disp=table}} || G || {{convert|39.00|in|mm|0|disp=table}} || 1928 || Mears & Stainbank

| 8 || {{convert|1,311|lb|0|kg|0||disp=table}} || F♯ || {{convert|41.00|in|mm|0|disp=table}} || 1928 || Mears & Stainbank

| 9 || {{convert|1,934|lb|0|kg|0||disp=table}} || E || {{convert|46.00|in|mm|0|disp=table}} || 1928 || Mears & Stainbank

|10 || {{convert|2,797|lb|0|kg|0||disp=table}} || D || {{convert|52.00|in|mm|0|disp=table}} || 1928 || Mears & Stainbank

回廊を教育センターや食堂（リフェクトリー）として再構築する大作業は[[2003年]]に始まり、[[2007年]]5月に完成した。[[2009年]]、ウィン・エヴァンスが主任司祭から主教へと移り、追って{{仮リンク|ジョナサン・リーン|en|Jonathan Lean}}が主任司祭に任命された。

[[2012年]]、{{仮リンク|聖デイヴィッドの日|en|Saint David's Day}}<ref>[[#60chapter|『ウェールズを知るための60章』(2019)]]、144頁</ref>（セント・デイヴィッズ・デイ）<ref>[[#60chapter|『ウェールズを知るための60章』(2019)]]、198-201・214頁</ref>である3月1日に、復元された聖デイヴィッドの祠堂の除幕式および再奉納が主教ウィン・エヴァンスにより行われ<ref>{{cite web |urlname=http://www.stdavidscathedral.org.uk/index.php?id=930shrine |title=A Shrine Restored |publisher=St Davids Cathedral |accessdate=2017-02-12}}</ref>、5日間の祝祭が開催された<ref>{{cite web |url=http://www.stdavidscathedral.org.uk/index.php?id=951 |title=News Archive 2012 |publisher=St Davids Cathedral |accessdate=2017-02-12}}</ref>。

各週7日のうち5日ある賛美礼拝とともに、毎日少なくとも3度の礼拝に説教もしくは詠唱がある。セント・デイヴィッズにおける大聖堂の聖歌隊は、少年や男性ではなく少女と男性を主聖歌隊に起用したイギリス連合王国で初も例のない大聖堂聖歌隊であった<ref name=music>{{citeCite web |url=httphttps://www.stdavidscathedral.org.uk/index.php?id=699discover/music |title=The ChoirsMusic |publisher=St Davids Cathedral |accessdate=20172021-0206-12}}</ref>。多くはこれを[[ソールズベリー大聖堂]]に起因するとも捉えられるが、ソールズベリーでは少年と少女を同様に採用するのに対して、セント・デイヴィッズでは少女が大聖堂の聖歌隊員の「主体」になっている。少年の聖歌隊もあり<ref name=music />、毎週の{{仮リンク|晩祷 (聖公会)|en|Evening Prayer (Anglican)|label=夕べの歌}}は、大聖堂の週のうちの主要な行事である<ref>{{cite web |url=http://www.stdavidscathedral.org.uk/fileadmin/Rebecca/Music/Cathedral_Choir_Information.pdf |format=PDF |title=St Davids Cathedral Choir |publisher=St Davids Cathedral |accessdate=2017-02-12}}</ref>。

聖デイヴィッド大聖堂祭が毎年、聖霊降臨祭 ([[w:Whitsun|Whitsun]]) の学校の休暇を通して開催され、いくつかの世界最高水準の演奏を披露している。その週にはプロフェッショナルおよび若々しい手の演奏者が、何千人もの人の前に出演する<ref>{{Cite web |url=https://stdavidscathedralfestival.co.uk/ |title=Festival of Classical and Contemporary Music |website=St Davids Cathedral Festival |accessdate=2021-06-12}}</ref>。大聖堂聖歌隊は、最終の夜に演奏される一流の合唱やオーケストラの祭典と同様にじく、毎年ハイライトの1つとして非常に人気の高い演奏会を行っている。

{{Reflist|2}}

{{commons categorycommonscat|St David's Cathedral}}

* {{Citation |url=httphttps://www.afsdcvisitwales.orgcom/attraction/historic-site/st-davids-cathedral-509444 |title=AmericanSt FriendsDavids ofCathedral St|website=Visit David'sWales Cathedral|publisher=[[w:Welsh Goverment|Welsh Goverment]]}}

[[Category:ウェールズの第一級指定建築物]]