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[[ファイル:Sakurajima LavaMap J.jpg|thumb|町域の大部分が大正溶岩に覆われている]]
'''桜島赤水町'''（さくらじまあかみずちょう<ref>{{cite web|url=https://www.city.kagoshima.lg.jp/kensetu/toshikeikaku/tochiriyou/images.html|title=鹿児島市の町名|publisher=鹿児島市|accessdate=2020-07-30}}</ref>）は、[[鹿児島県]][[鹿児島市]]の[[町丁|町]]<ref name="pref-h16-1775"/>。旧[[大隅国]][[大隅郡]]桜島郷'''赤水村'''、[[鹿児島郡]][[桜島町|西桜島村]]'''大字赤水'''、[[鹿児島郡]][[桜島町]]'''大字赤水'''。[[郵便番号]]は891-1420<ref>{{cite web|url=https://www.post.japanpost.jp/cgi-zip/zipcode.php?pref=46&city=1462010&id=157995|title=鹿児島県鹿児島市桜島赤水町の郵便番号|publisher=日本郵便|accessdate=2021-06-18}}</ref>。人口は273人、世帯数は151世帯（2020年4月1日現在）<ref>{{Cite web|url=https://www.city.kagoshima.lg.jp/soumu/soumu/soumu/shise/toke-02/jinko/h2704age5.html|title=年齢（5歳階級）別・町丁別住民基本台帳人口（平成27～令和2年度）|date=2020-04-01|accessdate=2020-05-08|publisher=鹿児島市}}</ref>。
[[File:Karasujima View place.JPG|thumb|大正大噴火により桜島と陸続きとなった烏島]]
 
'''桜島赤水町'''（さくらじまあかみずちょう）は、[[鹿児島県]][[鹿児島市]]の[[町丁|町]]。旧[[大隅国]][[大隅郡]]桜島郷'''赤水村'''、[[鹿児島郡]]西桜島村'''大字赤水'''、鹿児島郡[[桜島町]]'''赤水'''。[[郵便番号]]は891-1420。人口は273人、世帯数は151世帯（2020年4月1日現在）<ref>{{Cite web|url=https://www.city.kagoshima.lg.jp/soumu/soumu/soumu/shise/toke-02/jinko/h2704age5.html|title=年齢（5歳階級）別・町丁別住民基本台帳人口（平成27～令和2年度）|date=2020-04-01|accessdate=2020-05-08|publisher=鹿児島市}}</ref>。
[[桜島]]の西部に位置しており、[[大正大噴火]]の際には噴火により流出した[[溶岩]]によって町域の大部分が埋没している{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=918}}。[[寛政]]12年（[[1800年]]）から[[2006年]]（平成18年）に新島町として分割されるまで桜島の北東に位置する[[新島 (鹿児島県)|新島]]が[[飛地]]として赤水に含まれていた{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=918}}<ref name="city-2005-12" />。[[2004年]]（平成16年）には赤水の[[採石場]]跡地に特設された桜島特設ステージにおいて[[シンガーソングライター]]である[[長渕剛]]の「桜島オールナイトライブ」が行われ7万5千人を動員した{{Sfn|南日本新聞|2015|p=1062}}<ref name="entopi"/>。
 
== 地理 ==
[[ファイル:Sakurajima LavaMap J.jpg|thumb|町域の大部分が大正溶岩に覆われている]]
[[桜島]]の西部、南岳の西麓に位置する。町域の北方は大正溶岩を隔てて[[桜島横山町]]、南方は[[野尻町 (鹿児島市)|野尻町]]に接し、西方は[[鹿児島湾]]に面している。旧桜島町の鹿児島市への合併時までは、桜島の北東海上にある[[新島 (鹿児島県)|新島]]（しんじま）も大字赤水に含まれていたが、合併後の2005年5月に同島の区域が分割され新島町として成立した。
[[桜島]]の西部、南岳の西麓に位置する{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=918}}。旧桜島町の南端に位置しており{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=1}}、町域の北方は大正溶岩を隔てて[[桜島横山町]]、南方は[[野尻町 (鹿児島市)|野尻町]]にそれぞれ隣接しており、西方は[[鹿児島湾]]に面している。
 
集落は国道西側の海岸部に集中しており、主に[[ビワ]]を中心とした果樹生産を行っている{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=918}}。また、[[大正大噴火]]の際に西麓に流出した[[溶岩]]（大正溶岩）によって町域の大部分が埋没している<ref>『[[{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=918}}。大正溶岩上には[[クロマツ]] 46 鹿児の自生林があり、クロマツを中心として[[ネズミモチ]]、[[ノリウツギ]]などの[[陽樹]]の植生がみられる。赤水の海岸には[[ダンチク]]の群落や{{Sfn|桜島県』角川書店 町郷土誌編さん委員会|1988|p.918</ref>=28}}、[[ケカモノハシ]]の群落があるほか、[[ハマゴウ]]、[[ケカモノハシ]]、[[ススキ]]の植生がみられる{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=28}}。
 
かつては桜島の北東海上にある[[新島 (鹿児島県)|新島]]（しんじま）、硫黄島、中ノ島も桜島赤水町に含まれていたが、合併後の[[2006年]]（[[平成]]18年）[[2月13日]]に新島、硫黄島、中ノ島の区域が分割され新島町として新たに設置された<ref name="city-2005-12"/>。
地内の採石場跡地にて[[2004年]]に[[長渕剛]]オールナイトコンサートが行われた。[[2006年]]に叫びの肖像などのモニュメントが設置され、現在は赤水展望広場として整備されている<ref name="tenbo">[http://www.city.kagoshima.lg.jp/_1010/kanko/database/category/shizen/sakurajima/_35222/_31757.html 赤水展望広場] - 鹿児島市 2012年1月19日閲覧。</ref>。
 
=== 自然公園・自然保護地区 ===
桜島赤水町の一部は[[国立公園]]である[[霧島錦江湾国立公園]]の区域に指定されており<ref name="national-park-pdf">{{cite web|url=https://www.env.go.jp/park/kirishima/upload_test.pdf|title=霧島錦江湾国立公園（錦江湾地域）指定書、公園計画書及び公園計画変更書（平成30年8月）|publisher=環境省|accessdate=2021-06-19}}</ref>、特別区域特別保護地区（桜島西溶岩原・桜島山頂）・第1種特別地域（桜島西溶岩原・袴腰・桜島南斜面）・第3種特別地域（赤水）・普通地域から構成される<ref name="national-park-pdf"/><ref>{{cite web|url=https://www.env.go.jp/park/kirishima/%E9%8C%A6%E6%B1%9F%E6%B9%BE%E5%9C%B0%E5%8C%BA50%2C000%EF%BC%88%E6%A1%9C%E5%B3%B6%E3%83%BB%E5%A5%A5%E9%8C%A6%E6%B1%9F%E6%B9%BE%E5%9C%B0%E5%8C%BA%29.pdf-1.pdf|title=錦江湾地区 50,000（桜島・奥錦江湾地区A1 2013.4.4）|publisher=環境省|accessdate=2021-06-19}}</ref>。
 
=== 山岳 ===
* 引ノ平
* 愛宕山
 
=== 河川 ===
* 引ノ平川（[[水無川]]）
 
== 歴史 ==
=== 赤水の成立と中世 ===
赤水という地名は[[室町期時代]]より見え、[[大隅国]]向島のうちであり、った{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=58}}。[[永享]]11年（[[1439年]]）の[[北郷持久|島津持久]]袖判証状の中に見えるのが初見であると考えられている<ref name{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p="kadokawa"/>58}}。
 
[[天文 (日本)|天文]]6年（[[1537年]]）には[[島津勝久]]が本田董親に向島[[地頭]]を任じた際に「赤水」などを宛がった{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=105}}。2年後の天文8年（[[1539年]]）に[[島津貴久]]によって[[島津忠俊|喜入忠俊]]へ赤水を宛がったが{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=105}}、[[弘治]]3年（[[1557年]]）には同じく島津貴久によって樺山幸久に宛がわれた{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=105}}。
 
=== 近世の赤水 ===
[[ファイル:Shinjima_Kagoshima.jpg|thumb|安永大噴火の際に隆起して生成された桜島北東沖にある[[新島 (鹿児島県)|新島]]。[[1800年]]から[[2006年]]までの206年にわたり赤水の[[飛地]]となっていた。]]
[[江戸期]]には大隅国[[大隅郡]]桜島郷（[[外城制|外城]]）のうちであり、村高は「天保郷帳」では163石余、「旧高旧領」では289石余であった<ref name="kadokawa"/>。
[[江戸時代]]には[[大隅国]][[大隅郡]]桜島郷（[[外城制|外城]]）のうちであった{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=58}}。[[石高|村高]]は「[[天保郷帳]]」では163石余{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=58}}、「郡村高辻帳」では163石余{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=105}}、「三州御治世要覧」では271石余{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=105}}、「[[旧高旧領取調帳]]」では289石余であった{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=58}}。江戸時代の桜島では水田がなかったことから[[ハゼノキ]]が多く栽培されており、赤水村には櫨を保管する倉庫が多く置かれていた{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=315}}。赤水村の沖合には烏島があり、烏島について[[薩摩藩]]の[[地誌]]である「[[三国名勝図会]]」では以下のように記述している{{Sfn|薩摩藩|1843}}。烏島は後述のとおり[[1914年]]（大正3年）に発生した大正大噴火の際に埋没した{{Sfn|中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会|2012a|p=34}}。
 
{{Quote|
安永8年に発生した安永大噴火によって高免村（現在の[[高免町]]）の沖合にできた島々は新島と称され、新島は赤水村に編入され、その後寛政12年には赤水村及び黒神村（現在の[[黒神町]]）から13名が移住している<ref>『鹿児島県史』（角川日本地名大辞典からの孫引き）</ref>。明治10年に起こった[[西南戦争]]では兵乱を避けるために臨時の県庁がおかれた<ref name="kadokawa"/>。
烏島 赤水村の南、三町許の海中にあり、文明七年八月十五日、野尻村火を發す、島人傳へいふ是時涌出せしといふ、今は雑木繁茂す、土俗に唯松樹の生ずる事を忌むといへり、今に一松樹を生ずるなし、烏鴉多く集り栖む、因て名を得るとかや、周匝半里許あり、人居なし、寛永十年五月、慈眼公辯財天の祠を創建し給へり、
|[[三国名勝図会]]巻之四十三}}
 
[[安永]]8年（[[1779年]]）に発生した桜島の安永大噴火では赤水村の住民は鹿児島城下に避難した{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=105}}。また噴火の影響により桜島北部にある高免村（現在の[[高免町]]）の沖合に[[島]]が隆起し、これらの島は「[[新島 (鹿児島県)|新島]]」と呼ばれた{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=105}}。[[寛政]]12年（[[1800年]]）には赤水村及び黒神村（現在の[[黒神町]]）から13名が移住し、新島は赤水村に属することとなった{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=58}}{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=14}}{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=105}}。
=== 町村制施行以降 ===
[[1889年]]（明治22年）に[[町村制]]が施行されたのに伴い、桜島の西半分より西桜島村が成立し、江戸期の赤水村は西桜島村の大字「'''赤水'''」となった。[[1914年]]（[[大正]]3年）の桜島の大正大噴火による溶岩流出により、赤水では家屋351戸が焼失し、1名が死亡している<ref>『[[南日本新聞]]』 2012年10月22日付 15面（特集 桜島大正噴火けた外れ）</ref>。
 
[[嘉永]]3年（[[1850年]]）には[[薩摩藩]]によって赤水に[[砲台]]が築かれ、翌年の[[嘉永]]4年（[[1851年]]）には[[火薬庫]]も設置された{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=166}}。[[文久]]3年（[[1863年]]）時点では桜島赤水砲台には6門の大砲が設置されていた{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=166}}。同年[[7月2日 (旧暦)|7月2日]]には[[鹿児島湾]]において[[薩摩藩]]と[[グレートブリテン及びアイルランド連合王国]]（[[イギリス]]）との間で[[薩英戦争]]が勃発し{{Sfn|原口泉|永山修一|日隈正守|松尾千歳|2012|p=250}}、赤水砲台には国分郷・囎唹郡郷の兵が配備された{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=168}}。
[[1973年]]（昭和48年）には西桜島村が町制施行し、桜島町の大字となり<ref name="kadokawa">『[[角川日本地名大辞典]] 46 鹿児島県』角川書店 p.58</ref>、[[2004年]]（平成16年）に桜島町が鹿児島市に編入され、大字赤水は鹿児島市の町名「'''桜島赤水町'''」となった。
 
[[1877年]]（明治10年）に[[西郷隆盛]]を盟主とする[[士族]]による[[武力]][[反乱]]である[[西南戦争]]では主戦場となった鹿児島府下にある[[鹿児島県庁]]は兵乱を避けるため、赤水村に一時的に仮出張所を置いた{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=58}}{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=14}}{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=106}}。[[1887年]]（明治20年）[[4月2日]]には「{{ws|[[:s:鹿兒島縣下分郡ノ件|鹿兒島縣下分郡ノ件]]}}」（明治20年勅令第7号）により[[大隅郡]]が南北に分割され、赤水村は[[北大隅郡]]の所属となった{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=58}}<ref>鹿兒島縣下分郡ノ件（明治20年勅令第7号、明治20年4月2日付官報所収、{{ws|[[:s:鹿兒島縣下分郡ノ件|原文]]}}）</ref>。
=== 新島町の分立 ===
 
[[寛政]]頃に赤水村に編入されて以降、赤水の区域内となっていた桜島北東部に所在する新島・硫黄島・中ノ島の区域が鹿児島県告示第1871号「{{ws|[[:s:町の区域の設定及び変更 (平成17年鹿児島県告示第1871号)|町の区域の設定及び変更]]}}」が施行されたのに伴い、[[2006年]]（[[平成]]18年）[[2月13日]]に新島町として分割され独立した<ref>平成17年鹿児島県告示第1871号（町の区域の設定及び変更）</ref><ref>{{PDFlink|[http://kagoshima-hiroba.jp/wp/oldpdf/h17/h17_12_01.pdf かごしま市民のひろば2005年 (平成17年12月号) 第463号]}} p.4 - 鹿児島市（鹿児島市広報デジタルアーカイブ） 2012年4月16日閲覧。</ref><ref>{{PDFlink|[http://kagoshima-hiroba.jp/wp/oldpdf/h18/h18_02_01.pdf かごしま市民のひろば2006年（平成18年2月号） 第465号]}} p.4 - 鹿児島市（鹿児島市広報デジタルアーカイブ） 2012年6月17日閲覧。</ref>。
=== 町村制施行から鹿児島市編入まで ===
[[File:Sakurajima Akamizu 2004.svg|thumb|none|2004年時点の桜島赤水町の町域]]
[[File:Sakurajima Karasujima Viewspot 2013-08.JPG|thumb|大正大噴火により桜島と陸続きとなった烏島から望む桜島]]
[[1889年]]（明治22年）[[4月1日]]に[[町村制]]が施行されたのに伴い、桜島の西半分にあたる横山村、赤水村、小池村、赤生原村、武村、藤野村、西道村、松浦村、二俣村、白浜村の区域より[[北大隅郡]][[桜島町|西桜島村]]が成立した{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=495}}。それに伴いそれまでの赤水村は西桜島村の[[大字]]「'''赤水'''」となった{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=58}}。[[1897年]]（明治30年）[[4月1日]]には「{{ws|[[:s:鹿兒島縣下國界竝郡界變更及郡廢置法律|鹿兒島縣下國界竝郡界變更及郡廢置法律]]}}」（明治29年法律第55号）によって北大隅郡が[[鹿児島郡]]に統合され、西桜島村は鹿児島郡のうちとなった<ref>鹿兒島縣下國界竝郡界變更及郡廢置法律（明治29年法律第55号、明治29年3月29日付官報所収、{{ws|[[:s:鹿兒島縣下國界竝郡界變更及郡廢置法律|原文]]}}）</ref>。
 
[[1914年]]（[[大正]]3年）[[1月12日]]に桜島の噴火が発生した（大正大噴火）{{Sfn|中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会|2012a|p=40}}。[[1月18日]]には赤水海岸に溶岩が到達した{{Sfn|中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会|2012a|p=41}}。赤水では火風（[[火砕流]]）が発生したとの証言があった{{Sfn|中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会|2012a|p=53}}。また、沖合500メートルにあった烏島が流出した溶岩に埋没した{{Sfn|中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会|2012a|p=34}}。
 
桜島の噴火が発生した直後、[[鹿児島県]]や桜島の対岸に位置する[[鹿児島市]]、西桜島村が所属する[[鹿児島郡]]は、鹿児島湾内に停泊していた船舶を徴発して赤水や横山・小池などの集落に向かい救助を行った{{Sfn|中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会|2012b|p=84}}{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=536}}。噴火発生時の赤水の人口は1,881名であったが、鹿児島方面に避難し谷山を経て伊集院へ避難した{{Sfn|中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会|2012a|p=52}}。赤水では家屋351戸が焼失し、1名が死亡している<ref>『[[南日本新聞]]』 2012年10月22日付 15面（特集 桜島大正噴火けた外れ）</ref>{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=106}}。また、当時の集落はすべて埋没し{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=576}}、噴火の終息後にかつての集落の南東に移住した{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=13}}。また、大正溶岩によって横山との間の交通が遮断されたことにより、横山に所在していた桜洲小学校（現在の[[鹿児島市立桜洲小学校]]）への通学が出来なくなり、[[1928年]]（昭和3年）に住民によって道路が開削されるまで隣接する[[東桜島村]]の東桜島小学校（現在の[[鹿児島市立東桜島小学校]]）へ委託通学が行われた{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=672}}。
{{See also|桜島#大正大噴火}}
 
[[1973年]]（昭和48年）[[5月1日]]には西桜島村が町制施行し[[桜島町]]となった{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=58}}。[[1976年]]（昭和51年）には赤水を縦断する[[国道224号]]のうち赤水から横山の袴腰までの区間について桜島の噴火災害の避難道路として道路拡張工事が行われた{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=444}}。
 
[[2004年]]（平成16年）[[8月21日]]から翌[[8月22日]]にかけ、赤水の[[採石場]]跡地に特設された桜島特設ステージにおいて鹿児島県出身の[[シンガーソングライター]]である[[長渕剛]]の「桜島オールナイトライブ」が行われた{{Sfn|南日本新聞|2015|p=1062}}。ライブは夜9時半から始まり翌日の朝6時半まで行われた<ref name="entopi">{{Cite web |author= |date=2016-08-11 |url=https://entertainment-topics.jp/16674 |title=【長渕剛】伝説の桜島オールナイトライブの感動を振り返ろう！ |website=エントピ |publisher=Candle.inc |accessdate=2018-11-24}}</ref>。会場の広さは[[東京ドーム]]3つ分に及び、当日は7万5千人を動員した<ref name="entopi"/>。また、聴衆以外にも[[警察官]]600人、警備員1,000人が配備された<ref name="entopi"/>。[[2006年]]（平成18年）には特設会場の跡地に「叫びの肖像」などのモニュメントが設置され、周辺は赤水展望広場として整備された<ref name="tenbo">{{cite web|url=https://www.city.kagoshima.lg.jp/kanshin/shisetsu/kanko/011.html|title=赤水展望広場|publisher=鹿児島市|accessdate=2012-01-19}}</ref>。
{{See also|長渕剛 ALL NIGHT LIVE IN 桜島 04.8.21}}
 
=== 鹿児島市編入後 ===
[[File:Sakurajima Akamizu 2004.svg|thumb|2004年時点の桜島赤水町の町域]]
[[2004年]]（平成16年）[[11月1日]]に[[桜島町]]が[[鹿児島郡]][[吉田町 (鹿児島県)|吉田町]]、[[日置郡]][[松元町]]、[[郡山町 (鹿児島県)|郡山町]]、[[揖宿郡]][[喜入町]]と共に[[鹿児島市]]に編入された<ref>市町の廃置分合（平成16年総務省告示第591号、{{ws|[[:s:市町の廃置分合 (平成16年総務省告示第591号)|原文]]}}）</ref>。合併に際して設置された[[法定合併協議会]]である鹿児島地区合併協議会における協議によって、桜島町の区域の大字については「字の区域を廃止し、当該廃止された字の区域に相当する区域により新たに町の区域を設定し、その名称については表示案に基づき、各町の意向を尊重し合併までに調整するものとする」と協定された<ref>{{cite web|url=http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/box-02/documents/2009915173311.pdf|title=合併協定項目一覧|publisher=鹿児島市|accessdate=2020-10-29}}</ref>。
 
前述の協定に基づいて、合併前の[[10月26日]]に[[鹿児島県]]の[[告示]]である「{{ws|[[:s:町の区域の設定及び字の廃止 (平成16年鹿児島県告示第1775号)|町の区域の設定及び字の廃止]]}}」が鹿児島県公報に掲載された<ref name="pref-h16-1775">平成16年鹿児島県告示第1775号（町の区域の設定及び字の廃止、{{ws|[[:s:町の区域の設定及び字の廃止 (平成16年鹿児島県告示第1775号)|原文]]}}）</ref>。この告示の規定に基づき、それまでの大字赤水は廃止され、大字赤水の全域を以て新たに鹿児島市の町「'''桜島赤水町'''」が設置された<ref>{{cite web|url=http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/box-02/jusho.html|title=合併後の住所表示|publisher=鹿児島市|accessdate=2020-10-29}}</ref>。
 
[[2006年]]（[[平成]]18年）[[2月13日]]には、[[江戸時代]]の[[寛政]]年間頃に赤水村に編入され、町村制施行以後も赤水の[[飛地]]となっていた桜島北東部に所在する新島・硫黄島・中ノ島の区域が「{{ws|[[:s:町の区域の設定及び変更 (平成17年鹿児島県告示第1871号)|町の区域の設定及び変更]]}}」（鹿児島県[[告示]]）の施行に伴って、「新島町」として分割された<ref>平成17年鹿児島県告示第1871号（町の区域の設定及び変更）</ref><ref name="city-2005-12">{{cite web|url=http://kagoshima-hiroba.jp/wp/oldpdf/h17/h17_12_01.pdf|title=かごしま市民のひろば2005年 (平成17年12月号) 第463号|page=4|publisher=鹿児島市（鹿児島市広報デジタルアーカイブ）|accessdate=2012-04-16}}</ref><ref>{{cite web|url=http://kagoshima-hiroba.jp/wp/oldpdf/h18/h18_02_01.pdf|title=かごしま市民のひろば2006年（平成18年2月号） 第465号|page=4|publisher=鹿児島市（鹿児島市広報デジタルアーカイブ）|accessdate=2012-06-17}}</ref>。
{{Main|新島 (鹿児島県)}}
 
=== 字域の変遷 ===
{| class="wikitable"
!分割実施変更後
!分割実施変更年
!分割実施変更前
|-
|新島町（新設）
|[[2006年]]（[[平成]]18年）[[2月13日]]
|桜島赤水町の一部（新島の・硫黄島・中ノ島域）
|}
 
== 人口 ==
以下の表は[[国勢調査]]による小地域集計が開始された1995年以降の人口の推移である。
{|
!colspan="2"|統計年
!colspan="2"|人口
|-
|[[1995年]]（平成7年）
|<ref>{{cite web|url=https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?&stat_infid=000023630600|title=国勢調査 / 平成７年国勢調査　小地域集計 / 小地域集計 46鹿児島県|publisher=総務省統計局|accessdate=2021-06-18}}</ref>
|style="text-align:right;"|451
|<div style="width:45.1px;height:10px;background:#9999ff"></div>
|-
|[[2000年]]（平成12年）
|<ref>{{cite web|url=https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?&stat_infid=000025138246|title=国勢調査 / 平成12年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県|publisher=総務省統計局|accessdate=2021-06-18}}</ref>
|style="text-align:right;"|411
|<div style="width:41.1px;height:10px;background:#9999ff"></div>
|-
|[[2005年]]（平成17年）
|<ref>{{cite web|url=https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?&stat_infid=000025514538|title=国勢調査 / 平成17年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県|publisher=総務省統計局|accessdate=2021-06-18}}</ref>
|style="text-align:right;"|388
|<div style="width:38.8px;height:10px;background:#9999ff"></div>
|-
|[[2010年]]（平成22年）
|<ref>{{cite web|url=https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?&stat_infid=000012671630|title=国勢調査 / 平成22年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県|publisher=総務省統計局|accessdate=2021-06-18}}</ref>
|style="text-align:right;"|348
|<div style="width:34.8px;height:10px;background:#9999ff"></div>
|-
|[[2015年]]（平成27年）
|<ref name="gov-2015">{{cite web|url=https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?&stat_infid=000031522312|title=国勢調査 / 平成27年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県|publisher=総務省統計局|accessdate=2021-06-18}}</ref>
|style="text-align:right;"|302
|<div style="width:30.2px;height:10px;background:#9999ff"></div>
|}
 
== 施設 ==
[[File:Sakurajima Akamizu Viewspot 2013-08.JPG|thumb|赤水展望広場に設置されている「叫びの肖像」]]
;公共
=== 公共 ===
*赤水展望広場<ref name="tenbo"/>
* 赤水避難舎{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=611}}
*烏島展望所
* 赤水展望広場<ref name="tenbo"/>
** 「叫びの肖像」
* 烏島展望所
 
=== 寺社 ===
* 愛宕枚聞神社{{Sfn|桜島町郷土誌編さん委員会|1988|p=719}}{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=106}}
 
== 小・中学校の学区 ==
117 ⟶ 192行目:
==交通==
===道路===
*;[[一般国道224号]]
:*[[国道224号]]
 
=== 路線バス ===
; [[鹿児島市交通局]]
:* サクラジマアイランドビュー
:*: 鳥島展望所 - 赤水展望広場 - 赤水麓 - 赤水湯之平口
; [[鹿児島交通]]
:* 桜島港 - [[垂水港]]
:*: 薩摩赤水
 
=== 港湾 ===
* 赤水港（避難港（1番）<ref>{{cite web|url=https://www.city.kagoshima.lg.jp/faq-kankyomachizukuri/kasenkowan/documents/sakurajimahinankou.pdf|title=鹿児島市の港湾位置図|publisher=鹿児島市|accessdate=2021-07-01}}</ref>、第1種漁港<ref>{{cite web|url=https://www.pref.kagoshima.jp/af06/sangyo-rodo/rinsui/gyoko/seibi/documents/8882_20190307110829-1.pdf|title=漁港種別一覧|publisher=鹿児島県|accessdate=2021-07-01}}</ref>）
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}
 
== 参考文献 ==
*{{Cite book|和書
|author = 角川日本地名大辞典編纂委員会
|year = 1983
|title = 角川日本地名大辞典 46 鹿児島県
|publisher = [[角川書店]]
|isbn = 978-4040014609
|ref = {{SfnRef|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983}}
}}
*{{Cite book|和書
|author = 桜島町郷土誌編さん委員会
|year = 1988
|title = 桜島町郷土誌
|publisher = 桜島町長 横山金盛
|url = http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/shishi/sakurajima.html
|ref = {{SfnRef|桜島町郷土誌編さん委員会|1988}}
}}
*{{Cite book|和書
|author1 = [[芳即正]]
|author2 = [[五味克夫]]
|year = 1998
|title = [[日本歴史地名大系]]47巻 鹿児島県の地名
|publisher = [[平凡社]]
|isbn = 978-4582910544
|ref={{SfnRef|芳即正|五味克夫|1998}}
}}
*{{Cite journal ja-jp
|author = [[中央防災会議]]災害教訓の継承に関する専門調査会
|year = 2012
|title = 第2章 大正噴火の経過と災害
|url = http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1914_sakurajima_funka/pdf/05_chap02.pdf
|format = pdf
|serial = 災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 1914 桜島噴火
|publisher = [[内閣府]]
|ref = {{SfnRef|中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会|2012a}}
}}
*{{Cite journal ja-jp
|author = [[中央防災会議]]災害教訓の継承に関する専門調査会
|year = 2012
|title = 第3章 救済・復旧・復興の状況
|url = http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1914_sakurajima_funka/pdf/06_chap03.pdf
|format = pdf
|serial = 災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 1914 桜島噴火
|publisher = [[内閣府]]
|ref = {{SfnRef|中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会|2012b}}
}}
*{{Cite book|和書
|author = [[原口泉]]、永山修一、日隈正守、松尾千歳、皆村武一
|year = 2012
|title = 鹿児島県の歴史
|edition=第2版
|publisher = [[山川出版社]]
|isbn = 978-4-634-32461-9
|ref = {{SfnRef|原口泉|永山修一|日隈正守|松尾千歳|2012}}
}}
*{{Cite book|和書
|author = [[南日本新聞]]
|year = 2015
|title = 鹿児島市史 第五巻
|publisher = 鹿児島市長 [[森博幸 (政治家)|森博幸]]
|ref = {{SfnRef|南日本新聞|2015}}
|url = http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/kagoshima-05.html
}}
*{{cite book|和書
|author=橋口兼古、五代秀堯、橋口兼柄
|year=1843
|title=[[三国名勝図会]]
|publisher=[[薩摩藩]]
|editor=[[島津久光]]
|ref={{SfnRef|薩摩藩|1843}}
}}{{近代デジタルライブラリー|992145}}
 
== 関連項目 ==
* [[赤水]]（曖昧さ回避ページ）
* [[鹿児島市]]
* [[桜島町]]
 
{{Geographic Location
|Centre = 桜島赤水町
|North = [[桜島横山町]]
|Northeast = [[高免町]]
|East = [[高免町]]
|Southeast = [[東桜島町]]
|South = [[野尻町 (鹿児島市)|野尻町]]・[[東桜島町]]
|Southwest = [[鹿児島湾]]
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|image =
}}
{{ウィキ座標2段度分秒|31|34|23.2|N|130|36|36.2|E|region:JP|display=title}}
{{DEFAULTSORT:さくらしまあかみすちよう}}
{{鹿児島市の町丁}}
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{{Japan-block-stub}}
[[Category:鹿児島市の町丁]]
[[Category:桜島]]
[[Category:1889年制定の町・字]]
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