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m SI単位
m リンク、参考資料
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== 経緯 ==
以下に、SIの構造上の重要な決定を列挙する<ref>[[#国際単位系(SI)第9版(2019)]]p.122</ref>。
* 1948年 第9回[[CGPM]]:国際単位系の設立の決定。この時点では「国際実用計量単位系(practical system of units of measurement for international use)」と称していた。固有の名称を持つ[[一貫性 (単位系)|一貫性]]のある[[組立単位]]の一覧。
measurement for international use)」と称していた。固有の名称を持つ[[一貫性 (単位系)|一貫性]]のある[[組立単位]]の一覧。
* 1954年 第10回CGPM:最初の6つの[[基本単位]]の決定。名称「'Système international d'unités」の決定。
* 1960年 第11回CGPM:略称「SI」の決定。[[SI接頭辞]]、[[組立単位]]、[[補助単位]]などの包括的な規定が確立<ref>[[#国際単位系(SI)第9版(2019)]]p.173</ref>。
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== 名称、公式文書 ==
略称の SI は[[フランス語]]の「{{fr|Système International d'unités}}」に由来する。これは[[メートル法]]がフランスの発案であったという歴史的経緯があること、及び[[メートル条約]]・[[国際度量衡委員会]](CIPM)・[[国際度量衡局]](BIPM)の[[公用語]]がフランス語であるという事情による<ref>「図解入門 よくわかる最新単位の基本と仕組み」p23 伊藤幸夫・寒川陽美著 秀和システム 2004年8月10日第1版第1刷</ref>。SI は国際単位系の略称であるため「SI 単位系」というのは誤った用語である。ただし「[[SI 単位]]」({{Lang-fr-short|unit&eacute;(s) du SI}}、{{Lang-en-short|SI unit(s)}})は「国際単位系の単位」という意味で正しい用語である。
 
2019年5月20日以降の国際単位系についての公式文書は、[[BIPM]]によるフランス語と英語による第9版(2019年)<ref>[https://www.bipm.org/en/publications/si-brochure/ SI Brochure: The International System of Units (SI)]</ref>である。この文書の[[日本語]]訳は以下である。
* [https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/SI_9th/pdf/SI_9th_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88_r.pdf 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版] [[産業技術総合研究所]]、計量標準総合センター、2020年4月。
この文書は、英語で記述されたものを日本語に翻訳したものであるが、国際単位系の公式文書はフランス語によるものであり、正式な本文の確認が必要な場合、あるいは、文章の解釈に疑義がある場合は、フランス語版を参照する必要がある<ref>[https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/SI_9th/pdf/SI_9th_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88_r.pdf 国際単位系(SI) 第9版 (2019)日本語版、訳・監修 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター] p.93 本文に関する注釈</ref>。
 
== SIの定義 ==
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== SI単位 ==
現行のSIでは、7つの定義定数の数値を固定することでSIを定義しており、すべての[[SI単位]]が定義定数から直接に構成されるため、基本単位と組立単位の区別の必要性がない。しかし、基本単位と組立単位の考え方は便利であり、定着しているため現行のSIでも維持されている
しかし、基本単位と組立単位の考え方は便利であり、定着しているため現行のSIでも維持されている。
 
=== SI 基本単位 ===
{{main|SI基本単位の再定義 (2019年)}}
7つの定義定数の数値の固定によるSIの定義では、SI基本単位の定義は定義定数を用いて導き出される。
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|}
 
=== SI 組立単位 ===
{{main|SI組立単位}}
組立単位は基本単位のべき乗の積と定義される。このうち特に、積の係数が1である組立単位を「[[一貫性 (単位系)|一貫性]]のある組立単位」と言う<ref>[[#国際単位系(SI)第9版(2019)]]p.105</ref>。
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SIにおいて、一貫性のある組立単位の一部(全部で22個)には、固有の名称とその記号が与えられている。例えば、[[ラジアン]](rad)、[[ニュートン]](N)、[[パスカル]](Pa)、[[ジュール]](J)、[[ワット]](W)、[[ウェーバ]](Wb)、[[ルーメン]](lm)、[[ベクレル]](Bq)などである。
 
== SI 接頭辞 ==
{{main|SI接頭辞}}
SI接頭辞は、[[SI単位]]の[[10進数|10進]]の倍量単位・分量単位を作るための接頭辞(国際文書の日本語版では、「接頭'''語'''」の用語を用いてる。)である。前項までの基本単位や組立単位と組み合わせて用いることができる。しかし、接頭辞が SI単位と共に使われる場合、接頭辞によって、1 以外の係数が導入されるため、結果として生ずる単位は[[一貫性 (単位系)|一貫性]]を持たないものとなる(次項を参照)。
{{SI接頭辞}}
 
== 「SI単位」と「一貫性のあるSI単位」の違い ==
次項に述べる[[SI併用単位]]を除いた国際単位系(SI)全体が[[一貫性 (単位系)|一貫性]]のある単位系というわけではない。このことを明確にするために、[[CIPM]](2001年)は、「[[SI単位]]」の語と「一貫性のあるSI単位」の語とを区別して、次のように定義した<ref>[[#国際単位系(SI)第9版(2019)]]p.148</ref>。
 
* SI単位(SI units<ref group="注">units of the SIとも。</ref>):[[基本単位]]、[[一貫性 (単位系)|一貫性]]のある[[組立単位]]、および推奨される[[SI接頭辞]]<ref group="注">倍量および分量接頭語</ref>と結合することによって得られる全ての単位の名称。
 
* 一貫性のあるSI単位(coherent SI units):基本単位と一貫性のある組立単位のみに制限される単位の名称。つまりSI接頭辞を付加しない単位の集合である<ref group="注">ただし例外としてキログラムは、一貫性のある SI 単位の中で唯一つ、歴史的経緯により、その名称と記号に接頭語が含まれている。</ref><ref>[[#国際単位系(SI)第9版(2019)]]p.105</ref>。
 
つまり、「基本単位+一貫性のある組立単位」の範疇の単位であれば、一貫性のある単位系であるが、これにSI接頭辞を付加すると、もはや一貫性は失われるのである<ref>[[#国際単位系(SI)第9版(2019)]]p.106、しかし、接頭語が SI単位と共に使われる場合、接頭語によって、1 以外の係数が導入されるため、結果として生ずる単位は一貫性を持たないものとなる。</ref><ref>[https://unit.aist.go.jp/nmij/library/units/si/R8/SI8J.pdf 国際単位系(SI)国際文書第8版(2006)] p.16下欄訳注、* 訳注:第2章で述べる SI基本単位(表1),そのべき乗の積からなる SI組立単位(表2),固有の名称と記号を与えられた SI組立単位(表3),及び SI基本単位とSI組立単位のべき乗の積からなる SI組立単位(表4)のことを本文書では「一貫性のあるSI単位」と呼ぶ.第3章で述べる SI接頭語(表5)を付した単位は,SI単位ではあるが一貫性のある単位ではない.
</ref>。
 
== SI 単位と併用される非 SI 単位 ==
{{main|SI併用単位}}
日々の生活で広く SI とともに用いられているため、[[CIPM]] により国際単位系と併用することが認められている[[ SI 単位]]である。これらの使用は今後ずっと続くものと考えられ、[[SI 単位]]によって正確な定義が与えられている<ref>[[#国際単位系(SI)第9版(2019)]]p.114 </ref>。
 
以下に、SI国際文書SI第9版(2019年)第4章「SIとの併用が認められる非SI単位(Non-SI units that are accepted for use with the SI
)」の表8<ref>[https://www.bipm.org/utils/common/pdf/si-brochure/SI-Brochure-9.pdf The International System of Units(SI) 9th edition 2019] Bureau International des Poids et Mesures, 2019-05-20, pp.145-146</ref>で挙げられている[[非SI単位]]の全てを列挙する。この表中の単位は、SI単位との併用が認められる。ただし、これらのSI併用単位を[[国際単位系#)「SI単位」と「一貫性のあるSI単位」の違い|一貫性のあるSI単位]]と組み合わせると、もはや一貫性は失われることに注意すべきである。
 
なお、[[計量法]]では[[分]]、[[時]]、[[日]]、[[度 (角度)|度]]、[[分 (角度)|分]]、 [[秒 (角度)|秒]] の各単位は、[[SI接頭辞]]とは併用されない(1 kh などとは'''しない''')([[SI接頭辞#計量法による使用制限]])。また、[[日]]は計量法上は計量単位ではなく、暦の単位とされている<ref>[http://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/51_qanda_tani.html#(2)-2Q5]知的基盤・計量行政、経済産業省   単位に関するよくあるご質問と答え(2)計量単位に関する質問/取引又は証明に使用する際の質問 Q5・A5 「時間の計量単位としてd(日)を取引又は証明に使用できるか。」「A:計量法が規定している物象の状態の量のうち、「時間」に対する物象の状態の量の概念は、秒、分、時で表すことができる物理的な量であり、計量法が規定している時間の計量であれば、取引又は証明に使用できる計量単位はs(秒)、min(分)、h(時)のみである。日、週、月、年は暦の単位であり、計量法における単位の使用規制の対象外である。したがって、暦の単位としてd(日)を用いることは可能である。
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== 関連項目 ==
* [[SI基本単位の再定義 (2019年)]]
* [[SI基本単位]]
* [[SI組立単位]]
285 ⟶ 283行目:
* [[非SI単位]]
* [[一貫性 (単位系)]]
* [[SI基本単位の再定義 (2019年)]]
* [[数量の比較]]
* [[単位の換算]]
301 ⟶ 300行目:
* [https://www.bipm.org/en/publications/si-brochure/ SI brochure] &mdash; 国際単位系の利用案内書。[[国際度量衡局]] (BIPM) による。
* {{EoE|International_System_of_Units_%28SI%29|International System of Units (SI)}}
* [https://www.keiryou-keisoku.co.jp/databank/kokusai/si/si.pdf 新計量法とSI化の進め方] 通商産業省、SI単位等普及推進委員会、1999年3月
* [https://kikakurui.com/z8/Z8203-2000-01.html JIS Z8203「国際単位系 (SI) 及びその使い方」] KIKAKURUI.COM
* {{Kotobank}}