「バット (野球)」の版間の差分
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木製バットの材料には、アッシュ材や、[[カエデ|ハードメイプル]]、ヒッコリーなどが使用されている。長らく[[メジャーリーグベースボール|メジャーリーグ]]では硬い(反発力の強い)[[ホワイト・アッシュ]]が使われ、近年ではハードメイプルも多く使われているが、ヒッコリーは重いためあまり使われなくなっている。一方、日本の[[日本プロ野球|プロ野球]]では「材質が柔らかく、振ったときにしなりが出る」として[[ヤチダモ]]や[[アオダモ]]といった[[タモ]]系の木材がよく使われ、特に良質なバット材として北海道産のアオダモが好まれている。これは、寒冷地産であればあるほど反発力と弾力性、耐久性に優れるとされるためである。[[メジャーリーグベースボール|メジャーリーグ]]へ日本人野手が移籍することが多くなった[[2000年代]]からは、ボールの材質や気候が違うことから日本人選手もホワイトアッシュなどを使用し始め、日本球界でもアオダモ以外の材質バットを使用する選手が増えている。
[[松井秀喜]]、[[イチロー]]、[[ピート・ローズ]]などのバットを手掛けていた[[ミズノ|ミズノテクニクス]]のバット職人・久保田五十一<ref>バットが
木製バットの場合、バットの含水率は7 - 10%程度が理想と言われている。日本のように夏季の湿度が高い環境では、バットを裸のまま放置すると空気中の水分を吸い込んでしまい、含水率が理想の状態よりも高い値(最大で12 - 13%程度)になってしまう。含水率が高くなると当然ながらバットの重量が重くなり選手の感覚を狂わせる上、バットにボールが当たった際の反発力にも影響が出る。一方で冬季にエアコンのそばにバットを放置した場合など、バットが乾燥して逆に含水率が低くなり、事実上使えなくなるほど折れやすくなることもある<ref>[https://web.archive.org/web/20140412202755/http://www.sponichi.co.jp/baseball/special/2009npb/giants/KFullNormal20091205099.html 小笠原 湿度一定に保って“エコバット宣言”](2014年4月12日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]) - スポーツニッポン・2009年12月5日</ref>。これらの要因から、近年プロ野球選手の間では、[[シリカゲル]]入りの[[ジュラルミン]]ケースにバットを入れて持ち運ぶことでバットの含水率を一定に保つことが一般的となっている<ref>[[東京中日スポーツ]]・2009年8月26日 3面「竜CHANGE ペナントレース編」</ref>。
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|date=2018-07-04
|accessdate=2020-01-07
}}</ref>。なお、当地には、往年のプロ野球選手の約500本のバットが展示されている「南砺バットミュージアム」が存在する。<ref>[https://www.toyama-brand.jp/TJN/?tid=103332 富山県 特産品] 2020年1月7日閲覧。</ref>
==== バット材料の不足 ====
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[[アルミニウム]]に[[銅]]と[[亜鉛]]を加えた[[合金]]などの金属パイプを成形・[[焼入れ]]して作られる中空のバットである<ref>[http://kksi.co.jp/process-bat.html 金属バットのできるまで] コクサイ株式会社 2016年10月28日閲覧</ref><ref>[http://hamarepo.com/story.php?page_no=1&story_id=3208&from= 「日本シャフト」に突撃取材] はまれぽ.com (2014年8月13日)2016年10月28日閲覧</ref><ref>[https://sciencechannel.jst.go.jp/B980601/detail/B010601089.html THE MAKING (89) 金属バットができるまで |サイエンス チャンネル](動画) 科学技術振興機構(2001年)</ref>。一般には、木製バットと比べ、ジャストミートできる「芯」が広く、強い打球を打てるとされる<ref name="yakyutaro">[http://makyu.yakyutaro.jp/post-484/ 今日も甲子園に鳴り響く金属音! 高校野球の金属バットのヒミツに迫る]</ref>。耐久性も木製バットを上回るため、予算の乏しいアマチュアで使用が認められることがある。アメリカでは事故防止などのために、[[リトルリーグ]]から高校野球、大学野球までにおいて、[[反発係数]]を木製バットと同等程度に制限している<ref>[https://news.yahoo.co.jp/byline/kikuchiyoshitaka/20170928-00076308/ 水面下で続いている金属バットの日米格差を放置したままでいいのか(菊地慶剛) - 個人 - Yahoo!ニュース](2017年9月28日)</ref><ref name ="asahi">[http://www.asahi.com/koshien/news/OSK200703270056.html 金属バット離れ、海外で進む 「けがする危険」で波紋] 朝日新聞(2007年03月27日)</ref>。
金属バットは、[[芝浦工業大学
=== その他 ===
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サインバットはもっぱらサインを記念として残す目的で製作されているバットである。
== 公認野球規則 ==
[[公認野球規則]]
===
* バットはなめらかな円い棒である(公認野球規則3.02(a))。
*
*
* 先端をえぐったカップバットについては、くぼみは深さ1¼インチ (3.2cm) 以内、直径1インチ以上2インチ (5.1cm) 以内としなければならない(公認野球規則3.02(b))。また、くぼみの断面は、椀状にカーブしていなければならず、直角にえぐったり、異物を付着させてはならない(公認野球規則3.02(b))。
*
日本のアマチュア野球では、各連盟が公認すれば、金属製バット、接合バット(木片の接合バット
== 各団体における規則 ==
=== オリンピック ===
{{節スタブ}}
[[近代オリンピック|
=== 日本のプロ野球 ===
=== 日本の高校野球 ===
日本の[[高校野球]]では、上記の通り木製バット、木片の接合バット、竹の接合バット、金属製バットの使用が認められている
バットの色は木目色、金属の地金の色、黒色のみとされ、それ以外の着色バットは認められていない。
金属製バットは甲高い打球音が球審や捕手の[[難聴]]の原因になるとされ、1991年には打球音を抑えた消音バット
=== 日本の社会人野球 ===
[[社会人野球]]では、[[2005年]]シーズンからはすべての大会で木製バットの使用が義務付けられ、接合バット、樹脂加工バット、着色バット(ダークブラウン、赤褐色、淡黄色で、木目が目視できるもの)の使用が認められている。
かつても木製バットが使用されていたが、野球の国際的な普及を目的に、国際大会で金属バットが導入されたことから[[1979年]]シーズンから金属バットの使用が認められていた。しかし、[[近代オリンピック|オリンピック]]におけるプロ参加が解禁されるようになり、国際大会でも木製バットが使用されるようにな
== トピック ==
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* [[川上哲治]]は赤く着色した'''赤バット'''を使用し、それに対抗して[[大下弘]]は'''青バット'''を使用。両者の代名詞となった<ref group="注釈">このほか[[南村侑広]]が学生時代より使った'''黒バット'''もあった。</ref>。しかし、バックスクリーンに反射しやすい、塗料が粗悪でボールに付いてしまうなどという理由で後にカラーバットの使用が全面的に禁止された<ref>球界「黄金時代」譚 104 川上哲治 1 - 「月刊リベラルタイム」 2014年1月号(2013/12/03発行) p.64-65 [[秋津弘貴]]</ref>。上記の通り、黒は現在は認められているが、赤や青のカラーバットは規則上使用できない<ref group="注釈">ただし[[平田良介]]や[[伊藤裕季也]]など、この色に近い色(橙色)のバットを使用する選手もいる。</ref>。
* 他に機能上の特性に関しては、[[イチロー]]が打撃後に欠けた部位を発見しやすくするために黒塗りバットを導入している<ref group="注釈" name ="ichiro" />。
* [[新庄剛志]]は、[[2005年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|2005年のオールスターゲーム]]第2戦で金色に着色されたバットを持って打席に立った<ref>{{Cite web|url=http://www5.nikkansports.com/baseball/professional/shinjo/487/0724-12441.html|title=やっぱり輝いてた金色バットでファンを魅了 - 新庄カウントダウン プロ野球|publisher=nikkansports.com|date=2005-7-24|accessdate=2016-11-25}}</ref>。また、[[2006年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|2006年のオールスターゲーム]]第1戦では虹色のバットを使用した<ref>{{Cite web|url=http://www5.nikkansports.com/baseball/professional/shinjo/488/0722-17490.html|title=光った!優秀選手賞/オールスター - 新庄カウントダウン プロ野球|publisher=nikkansports.com|date=2006-7-22|accessdate=2016-11-25}}</ref>。いずれも公式戦では違反になるものであるが、球審が木製のバットであることを確認し使用が認められた。
* [[メジャーリーグベースボール|メジャーリーグ]]では、[[ピンクリボン]]・キャンペーン([[乳癌]]撲滅運動)へ協賛するイベントとして、運動に賛同する選手が[[母の日]]の開催ゲームにおいて、ピンク色のバット([[:en:Pink bat]])を使用している。NPBにおいても、[[2021年]]の母の日である[[5月9日]]の試合にて一日限りの使用が認められた<ref>{{Cite web|url=https://mainichi.jp/articles/20210509/k00/00m/050/108000c|title=プロ野球「母の日」企画 選手がピンクのバットやスパイク使用|publisher=毎日新聞|date=2021-5-9|accessdate=2021-5-9}}</ref>。
=== 形状 ===
* [[藤村富美男]]は、当時のプロ野球で一般的だった35インチ程度のものよりさらに数インチ長い「'''[[物干し#物干しざお|物干し竿]]'''」とあだ名されるバットを使用し、赤バットの川上、青バットの大下と共に「物干し竿の藤村」として代名詞となった。
* ヘッドの部分やグリップエンドの部分を極端に大きくしたバットを使用することがある。前述のカウンターバランスバットの一種であり、かつてメジャーで[[タイ・カッブ]](タイ・カップ)が使用したことから'''タイカップ式バット'''と呼ばれる。中でもヘッドが太く重い形状のバットは'''[[すりこぎ]]バット'''・'''[[ツチノコ]]バット'''、グリップエンドがタイカップ式以上に大きなバットは'''[[こけし]]バット'''などと呼ばれている。日本での先駆者は[[武上四郎]]であり、武上型のすりこぎバットで[[若松勉]]、[[藤原満]]、[[福本豊]]が好成績を収めたことで<ref>[[門田隆将]]『甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯』([[講談社]]、2008年)196-197頁</ref><ref>[[福本豊]]『走らんかい!』([[ベースボール・マガジン社]]、2009年)158頁</ref>、その後[[大石大二郎]]、[[山崎賢一]]、[[正田耕三]]、[[土橋勝征]]、[[久慈照嘉]]、[[小坂誠]]、[[森谷昭仁]]らに広まっている。使用法は若松・福本らのように強撃するタイプと、藤原・正田らのように確実に短打を狙うタイプとに分かれる。
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=== その他 ===
* [[ダリル・スペンサー]]は、[[オリックス・バファローズ|阪急ブレーブス]]時代の1965年10月3日、敬遠([[故意四球
* [[読売ジャイアンツ
* [[大杉勝男]]は、[[引退試合]]の最終打席で[[王貞治]]からもらったサイン入りのバットを持って打席に入ろうとしたところ、
== 野球以外での使用
バットは凶器となりうることから、公共の場所や乗り物において、人に不安を覚えさせるような方法で携帯すること等は[[迷惑防止条例]]などで禁止されている<ref>[http://www.pref.ibaraki.jp/kenkei/a01_safety/security/meiwaku.html 迷惑防止条例 〜茨城県公衆に著しく迷惑をかける行為の防止に関する条例の一部改正の概要〜] 茨城県警察本部</ref>。
スポーツでは野球から派生した競技や野球のようにボールを打ち返す用途として「バット」と呼ばれる用具が使われることがあるが、[[ラケット]]や[[クラブ_(曖昧さ回避)|クラブ]]などバットと呼ばれない場合もある。
{{see also|釘バット|棍棒}}
* 野球から派生した球技である[[ソフトボール]]でもバットが使われる({{要出典範囲|date=2018年12月25日 (火) 00:43 (UTC)|形状は野球用とほぼ同じで、練習や非公式の大会では代用可能である。ただし、公式競技ではソフトボール専用の物が
* [[クリケット]]では[[クリケットバット]]と呼ばれる棒状の道具がボールを打ち返す同様の目的で使われるが、野球用とは形状が著しく異なる。バットを扱う状態の選手の
* [[日本]]では、初期の[[ローンテニス]]におけるラケットのことを、バットとも呼んでいたといわれる<ref>[http://www.jta-tennis.or.jp/museum/racket/02.html 日本テニス協会公式サイト - ミュージアム明治のテニス・ラケット物語 2 和製ラケットの製造と「庭球」の成長 ]</ref>。
* 『テニスバット』と
* [[卓球]]のラケットは英語でバットとも呼ばれる<ref>[https://www.experttabletennis.com/best-table-tennis-bat-for-beginners/]</ref>。
* 各種メディアにおいて不良の持つ武器として描かれることも多い。
* [[神奈川金属バット両親殺害事件]]、[[岡山金属バット母親殺害事件]]、[[時津風部屋力士暴行死事件]]、[[山口母親殺害事件]]、[[六本木クラブ襲撃事件]]のように、実際に殺人・傷害致死事件の凶器として用いられた例がある。
* 野球の普及していない地域では金属バットが主に武器として用いられると推測される。例えば、2011年8月のイギリス暴動の時期にはイギリスの[[Amazon.com|Amazon]]で
* また、禁酒法時代の有名な[[ギャング]]、[[アル・カポネ]]も1929年5月7日に、ジュゼッペ・ギュンタ、[[アルバート・アンセルミ、ジョン・スカリーゼ]]の3名が裏切りを企んだため、処刑する際に自らバットで滅多打ちにしている。それをもじって1994年に公開されたアメリカ映画『[[今そこにある危機]]』(Clear and Present Danger) では麻薬組織「カリ・カルテル」のボス・エルネスト・エスコベドは裏切り者を粛正するための手段としてバットを使用しようとする設定になっている。
* 臀部をバットで叩く行為を俗に'''ケツバット'''といい、昭和期には学校の運動部において「しごき」の手段として存在した。平成以降は、[[笑ってはいけないシリーズ|バラエティーショーの罰ゲーム]]として目にすることがある。
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== 脚註 ==
{{脚注ヘルプ}}
===注釈===
{{Notelist}}
===出典===
{{Reflist}}
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* [[Mafia: The City of Lost Heaven]]
* [[ゲッタウェイ (ゲーム)]]
* [[ヤチダモ]]、[[アオダモ]]
== 外部リンク ==
* [http://www.mizuno.jp/baseball/rule/ 野球・ソフトボール用具規則]
{{野球}}
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