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[[ファイル:Guide michelin 1929 couverture-edit.png|200px|thumb|right|ミシュランガイド([[1929年]]版)]]
[[ファイル:Guide michelin 1929 nancy-edit.png|200px|thumb|right|ミシュランガイド(1929年版)]]
[[ファイル:Guide vert Auvergne Michelin.jpg|200px|thumb|right|緑のミシュランガイド([[1905年]]版)]]
'''ミシュランガイド'''({{lang-en-short|''the Michelin Guide''}}。{{lang-fr-short|''le Guide Michelin''}}、{{IPA-fr|gid miʃlɛ&#771;}} ギッ<small>ド</small>・ミシュラン<ref name="DicApollo">アポロ仏和辞典([[角川書店]] ISBN 4-04-012700-5)による発音のカタカナ表記より</ref>)は、[[フランス]]の[[ミシュラン]]社により出版されるさまざまなガイドブックの総称である。社名と同じ「ミシュラン」とも呼ばれる。
 
なお、殆どの日本人に知られていないが会員制・紹介制の店は、ミシュランの調査対象外となり、非掲載となる。
 
会員制・紹介制以外の店の掲載の判断はミシュランが行う。従って、「掲載を断ったから、出ていない」と非掲載の一部の店が述べても、それは、残念ながら誤りで、単にミシュランが、掲載する気がなかったということである。2021北陸特別版は、レストランにおけるフォークとスプーン印による「快適度評価」が、非掲載になり、長年のミシュラン愛好者は、レストラン選択の大きな指針がなくなったと、憤っている。
 
2021秋発売予定の『ミシュランガイド京都・大阪+和歌山2022』は、果たして、「快適度評価」を復活させるか、非掲載にして、長年のガイド愛好者を再度、悲しませるか、注目である。
 
== 概要 ==
代表的なものは、レストランの評価を星の数で表す[[レストラン]]・[[ホテル]]ガイドである。これは装丁が赤色であることから'''レッド・ミシュラン'''({{lang-en-short|''Red Guide''}}。{{lang-fr-short|''le Guide Rouge''}} '''ギッ<small>ド</small>・ルージュ'''<ref name="DicApollo"/><!--'''赤ミシュラン'''とも呼ばれる。-->)とも通称されている。日米欧各国にさまざまな地域版があり、合計で年間約100万部が販売されている<ref name="nyt">Martin Fackler ''[http://www.nytimes.com/2008/02/24/business/worldbusiness/24guide.html?_r=1&scp=1&sq=michelin+tokyo&st=nyt&oref=slogin Michelin gives stars, but Tokyo turns up nose]'' [[ニューヨーク・タイムズ]], [[2008年]][[2月24日]].</ref>。近年[[ヨーロッパ]]における本書の影響力は低下しており、代わって[[アメリカ合衆国]]や[[日本]]といった新市場に積極的に展開している<ref name="nyt" />。
 
レッド・ミシュランは、一度発売したら、戦争時などを除けば、いて半永久的に毎年改訂版を出す方針だったが、最近の日本版のみ発売されている特別版は毎年の継続調査をしていない。
 
ミシュランガイドとしては他に、緑色を基調とした装丁から'''グリーン・ミシュラン'''({{lang-en-short|''Green Guide''}}。{{lang-fr-short|''le Guide Vert''}} '''ギッ<small>ド</small>・ヴェール'''<ref name="DicApollo"/><!--'''緑ミシュラン'''とも呼ばれる-->)とも呼ばれる[[旅行ガイドブック]]や、自動車旅行向けの[[道路地図]]などがある。
 
== 歴史 ==
[[パリ万国博覧会 (1900年)|パリ万博]]が行われた[[1900年]]、[[自動車]]運転者向けのガイドブックとしてフランスで発行されたのが始まりである。内容は、[[郵便局]]や[[電話]]の位置まで示した市街[[地図]]のほか、都市別の[[ガソリンスタンド]]やホテルの一覧、さらには自動車の整備方法などである。これは353万5,000部が印刷されて無料で配布された。発行者であるミシュラン社は[[タイヤ]]会社であり、これにより自動車旅行が活発化し、タイヤの売れ行きが上がることが目論みだったといわれる。「ガイドはタイヤのため」「ガイドはミシュランにとって、ブランド名を売り込むため、タイヤ事業を発展させるために存在する」との原則は現在も引き継がれており、ミシュランの[[2010年]]第1四半期の売上高に占めるレストランガイドや旅行ガイドなどの出版物が占める割合は約1%とされる<ref name=asahi100614 />。
 
[[第一次世界大戦]]に伴い[[1915年]]から[[1918年]]まで出版が中断したものの、終戦後には旅行ガイドブックのシリーズとして『古戦場案内』も刊行された。このころ、ある修理工場を訪ねた際に傾いた作業台の足代わりとしてミシュランガイドが地面に積み重ねているのを見かけて「人間は金を払って買ったものしか大切にしない」と考えたミシュラン社のミシュラン兄弟はそれまでの無償配布を中止、[[1920年]]からは有償での販売となった<ref name="rekishi">{{cite web
|url=https://www.michelin.co.jp/JP/ja/guides-goods/michelin-guide/history.html
|title=ミシュランガイドの歴史
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|accessdate=2018-04-20}}</ref>。
 
[[1926年]]には料理を提供するホテルを星で格付けする方式が開始された<ref name="rekishi" />。星の数は当初の1つ星のみから、2つ星までとなり、3つ星方式は[[1931年]]に最初に導入され、[[1933年]]からパリ版でも用いられるようになった。またこのころ、ミシュラン社員が匿名で施設の調査を行うようになった<ref name="rekishi" />。[[第二次世界大戦]]に伴う[[1940年]]からの出版中断を経て、[[1945年]]に登場した改訂版では戦争で破壊されたレストラン・ホテルが点線で示された。星による格付けの再開は[[1950年]]版からである。
 
[[1956年]]、初めてのフランス国外版として「北イタリア」版ガイドが創刊され、[[ベネルクス]]版、[[スペイン]]版が続いた。[[2004年]]、第6代総責任者に{{仮リンク|ジャン=リュック・ナレ|en|Jean-Luc Naret}}が就任して拡大路線を推進<ref name=asahi100614 />。[[2005年]]には、初めて[[ヨーロッパ]]以外を対象とした「[[ニューヨーク市|ニューヨーク・シティ]]」版が登場、3つ星レストランがわずか4軒、しかもすべてがフランス人[[シェフ]]の店だったことで物議を醸した。その後アメリカ合衆国では、「[[ラスベガス]]」「[[ロサンゼルス]]」「[[サンフランシスコ]]とベイエリア」の各版が続けざまに加わった。[[2007年]]には[[欧米]]以外では初となる[[東京都|東京]]版([[2011年]]版からは東京・[[横浜市|横浜]]・[[鎌倉市|鎌倉]]<ref name=michelin20101124>[http://web-cache.stream.ne.jp/www09/michelin/guide/tokyo/ “「ミシュランガイド東京・横浜・鎌倉2011」を発行 三つ星が14軒、二つ星が54軒、一つ星が198軒に”], 日本ミシュランタイヤ, 2010年11月24日.</ref>)が、[[2008年]]には[[香港]]・[[マカオ]]版が<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20081203gr07.htm ミシュラン香港・マカオ版、中国人シェフに初の3つ星], 読売新聞, 2008年12月3日.</ref>、[[2009年]]には[[京都府|京都]]・[[大阪府|大阪]]版(2011年版からは京都・大阪・[[神戸市|神戸]]<ref name=michelin20101019>[http://web-cache.stream.ne.jp/www09/michelin/guide/kyoto/ “「ミシュランガイド京都・大阪・神戸2011」12 軒のレストランが三つ星 44軒のレストランと2軒の旅館 が二つ星 183軒のレストランと2軒の旅館が一つ星”], 日本ミシュランタイヤ, 2010年10月19日.</ref>)が、2010年11月には[[シカゴ]]版が刊行された<ref name=biz20101127>Angie Lau [http://www.sankeibiz.jp/macro/news/101127/mcb1011270503007-n1.htm “シカゴの景気 三つ星で回復”], [[ブルームバーグ (企業)|ブルームバーグ]]/[[フジサンケイ ビジネスアイ]], 2010.11.27.</ref><ref>{{en icon}} Ryan Sutton, Angie Lau ''[http://www.bloomberg.com/news/2010-11-16/chicago-s-195-alinea-l20-win-michelin-s-top-honors-for-obama-s-hometown.html Chicago's $195 Alinea, L20 Win Michelin's Top Honors for Obama's Hometown]'', ブルームバーグ, Nov 16, 2010.</ref><ref name=michelinus20101116>{{en icon}} ''[http://vocuspr.vocus.com/vocuspr30/Newsroom/MultiQuery.aspx?SiteName=Michelin&Entity=PRAsset&SF_PRAsset_PRAssetID_EQ=708838&XSL=Release&IncludeChildren=True FIRST-EVER MICHELIN GUIDE CHICAGO SHOWCASES CHICAGO AS A WORLD-CLASS DINING DESTINATION]'', Michelin North America, 11/16/2010.</ref>。なお、この拡大路線を推進したジャン=リュック・ナレは2010年いっぱいで退任し、後任の選定は遅れ、2011年8月にミシュランの2輪タイヤ販売部門の副社長だったニューヨーク生まれのアメリカ人、マイケル・エリス(Michael L. Ellis)が就任した<ref>{{en icon}} ''[http://www.michelin.com/corporate/EN/news/group/article?articleID=NMichael-L-Ellis-Appointed-International-Director-MICHELIN-Guides Michael L. Ellis Appointed International Director, MICHELIN Guides]'', Michelin, 08/01/2011.</ref>。2018年、マイケル・エリス(Michael L. Ellis)も、ミシュランを退社した。
 
レストランが星を1つ獲得するとその店の売り上げは30%増え、ある国でミシュランガイドが刊行されると、その国でミシュランタイヤを買おうと思う人が3%増えるといわれる。一方、オンライン化の波に乗り遅れたガイド・地図事業自体は毎年15001,500万ユーロの赤字となっている<ref name="クーリエ201110">[http://gendai.ismedia.jp/articles/-/17443 “"星"を失いつつあるミシュランガイドの憂鬱”], [[クーリエ・ジャポン]]/[[週刊現代|現代ビジネス]], 2011年09月07日.</ref><ref name="ft20110715">{{en icon}} James Boxell ''[http://www.ft.com/intl/cms/s/2/b02d5c1a-adcb-11e0-9038-00144feabdc0.html Star-crossed]'', [[フィナンシャル・タイムズ]], July 15, 2011.</ref>。2010年に[[アクセンチュア]]がコンサルティングを行い、このままでは2015年には年間の赤字が19001,900万ユーロ、2011年から4年間の累積で80008,000万ユーロになるとし「廃刊」を含む3つのシナリオが提示されたとされる。ガイド・地図部門はデジタル・トラベル・アシスト部門と統合され、これに伴い[[パリ]]中心部7区にあったガイド・地図部門も、パリ郊外[[ブローニュ=ビヤンクール]]にあるデジタル・トラベル・アシスト部門のオフィスに引っ越した<ref name="クーリエ201110" /><ref name="ft20110715" />。
 
2011年版は、23か国をカバーする26種類のコレクションとなっている<ref name=michelin20101124 />。他方、[[オーストリア]]版は売れ行き不振から廃刊、2010年版以降ラスベガス、ロサンゼルス版は経済的事情により休刊となっている<ref name=biz20101127/><ref>{{en icon}} [http://www.foodfashionista.com/food_fashionista/2009/10/michelin-guide-2010-q-a-with-director-jeanluc-naret.html MICHELIN Guide 2010 Q & A with Director Jean-Luc Naret], Food Fashionista, October 27, 2009.</ref>。フランス版の累計発行部数は、[[2004年]]版までで30003,000万部を突破した<ref>[http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20040304 “ミシュラン・ガイド・フランス 2004年度版で累計発行部数3000万部に”]、[[ミシュラン]]、2004年2月27日。</ref>。また、世界の90か国を超える国で毎年約10001,000万部の地図、旅行ガイド、レストラン・ホテルガイドを発行しており、ミシュランガイドは2008年全世界で120万部以上<ref name=michelin091117>[http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20091117 “「ミシュランガイド東京2010」三つ星レストランは11軒に!二つ星が42軒、一つ星が144軒に”], 日本ミシュランタイヤ, 11.17.2009.</ref>、2009年は100万部以上販売された<ref name=michelin20101124 />。
 
== レストラン・ホテルガイド ==
これはミシュランガイドのなかで代表的なものであり、レストランとホテルを評価・案内している。伝統的に赤色の装丁を特徴とし、ホテルの紹介の多い国別版・ヨーロッパ主要都市版(ホテル&レストランガイド)とレストランの紹介を主とする都市別のもの(レストラン&ホテルガイド)に大別される。フランス国内を中心に日米欧各都市・地域と言語別の分冊になっている。なお、アメリカ都市2011年版はレストランガイドとのみ表記されてながらホテルもカバーされていたが、2014年版よりアメリカ版にホテル評価はまったくなくなった。
 
レストランやホテル1件ごとの記載があり、それぞれに対して各種記号による格付けがなされている。現地語での発行が基本であるが、英語やフランス語版をつものもある<ref name=findastar>[http://www.michelin.co.jp/Home/Maps-Guide/Red-guide/Find-a-Star ミシュランガイド東京・エピソード], 日本ミシュランタイヤ. 2010年12月5日</ref>。香港・マカオ版は中国語英語併記となっている<ref name=michelin20101203 />。宿泊施設と星付きレストランは通常1ページを使って写真とともに紹介される。その他は1ページにつき2か所ずつである<ref name=trendy20091119 />。
 
=== 評価と格付け ===
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: 星の数は次のような意味を持つ<ref name="guidetokyo">{{Cite web|url=http://www.michelin.co.jp/Home/Maps-Guide/Red-guide/About-the-Guide |title=ミシュランガイド―About the Guide|publisher=日本ミシュランタイヤ|archiveurl=https://web.archive.org/web/20100830145518/http://www.michelin.co.jp/Home/Maps-Guide/Red-guide/About-the-Guide|archivedate=2010-08-30|accessdate=2020-03-07}}</ref>。
: [[ファイル:Michelin star.gif]] (1つ星) - その分野で特に美味しい料理
: [[ファイル:Michelin star.gif]][[ファイル:Michelin star.gif]] (2つ星) - きわめて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理
: [[ファイル:Michelin star.gif]][[ファイル:Michelin star.gif]][[ファイル:Michelin star.gif]] (3つ星) - それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理
: ミシュランガイドでは、星印がかなくとも掲載されていること自体で一定の評価を得ていることを意味する。フランス2010年版では、掲載された3,453軒以上のレストランのうち26軒が3つ星を得ている。通常、全掲載レストランの1-2割程度が星きであるが、日本の東京・横浜・鎌倉版、京都・大阪・神戸版は星きレストランのみ掲載されている。一方、東京の気軽に楽しめるフランス料理店を紹介した『ミシュランガイド  ボンヌ・プティット・ターブル・東京』では星なしのレストランも掲載され、これにともない日本版にはじめてビブグルマンが登場することとなった<ref name=michelin20110708>[http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20110708 “『ミシュランガイド ボンヌ・プティット・ターブル・東京』初登場!気軽に楽しめるフレンチレストラン、ビストロ、ワインバー、クレープリーなどを紹介”], 日本ミシュランタイヤ, 07.08.2011.</ref>。
; フォークとスプーン印による評価(=快適さとサービスによる評価)2021北陸特別版は、非掲載!
: スプーンとフォークでX字形に組み合わせた印を5段階で用いることによって評価を現している<ref name="guidetokyo" />。ホテルの項目では[[ファサード]]をマーク化したものが用いられる。
:2021北陸特別版は、レストランにおけるフォークとスプーン印による評価が、非掲載になり、長年のミシュラン愛好者は、レストラン選択の大きな指針がなくなったと、憤っている。
; ビブグルマン(仏:Bib Gourmand、コストパフォーマンスによる評価)
: ビブとはミシュラン社のキャラクターである「ムッシュ・[[ミシュラン#ビバンダム(ミシュランマン)について|ビバンダム]]」のことである。レストランには[[1997年]]、ホテルには[[2003年]]から用いられるようになった比較的新しい基準で、それらのコストパフォーマンスを現している。レストランの場合[[パリ]]郊外では29[[ユーロ]]未満、パリでは35ユーロ未満<ref name="guidetokyo" />、[[アメリカ合衆国]]では40[[アメリカ合衆国ドル|米ドル]]未満でコース2皿とワインまたはデザートの提供<ref name=michelinus20101116 />、ボンヌ・プティット・ターブル・東京版では、5,500[[円 (通貨)|円]]以下でのコースやアラカルトの提供が条件となる<ref name=michelin20110708 />。ニューヨークシティー2011年版のように星のいていない店に与えられる場合がほとんどであるが、ビブグルマンを得ることは必ずしも星を得ないことを意味しないとされている<ref name=eater20101110>{{en icon}} Ari Bendersky [http://chicago.eater.com/archives/2010/11/10/michelin-director-jeanluc-naret-talks-bib-gourmand.php "Michelin Director Jean-Luc Naret Talks Bib Gourmand"], Eater, November 10, 2010.</ref>。
: <!--星付きレストランだけが話題に登りがちなミシュランガイドだが、-->ガイド編集側は実際のガイド利用者は星きレストランだけでなくガイド全体のセレクションに興味を持ち購読していると考えている。このためしばしばビブグルマン選定レストランが星きレストランの発表前に公表される<ref name=eater20101110 />。
; ミシュランプレート
: ミシュランの基準を満たした料理、適正な食材でつくられている<ref>ミシュランガイドの使い方説明文</ref>。{{要出典範囲|ミシュランの基準の具体的表記は、一切なし。公表していない。いわゆる、かつての無印店である| date = 2020年3月 }}。
; その他
: 平均予想金額($$$など)に加えコインマーク(アメリカ版では25ドル以下、日本版におけるコインマークは「5,000円以下で楽しめる店」となっている)の金額別カテゴリもある。Small platesのカテゴリや、ワイン、酒、カクテルの興味深い品揃えを持つ店には、それぞれ[[ブドウ]]の[[房]]、[[徳利]]と[[猪口]]、[[カクテル・グラス]]マークが付与される<ref name="howtoUS">{{en icon}} [http://www.michelinguide.com/us/pdf/use_guide_2010.pdf How to Use This Guide], Michelin, 2010年12月22日.</ref>。
 
=== 調査方法 ===
ガイドブック内に[[広告]]は掲載されず、評価対象に対しては匿名での調査を基本とする。フランスの慣習「料理評論家が評価対象のレストランでの食事に代金を支払わない」には従わないが、身分を明かしたあとに写真撮影のための料理代金は店持ちとなるという<ref name="asahi1121">[http://book.asahi.com/news/TKY200711210415.html ミシュラン東京版発売 星150店「納得」「疑問」の声] 『朝日新聞』 2007年11月21日</ref>。
 
調査員は調査地域を固定されることなく、各地を転々とする。調査員の大半はホテル学校の卒業生で、5年から10年のレストラン・ホテル業界経験者のミシュラン社員であるとされる<ref name="guidetokyo" />。新人審査員は6か月の研修ののち、さらに6か月先任者と同伴して調査に臨み、適性が審査される。
 
典型的な国別ガイドの審査員は1人あたり年間130日ほどホテルに宿泊し、800ほどの自薦レストラン、ホテルを訪れ、240食ほどの食事をり、これらを評価する。これらはすべて偽名を使って行われる。同じ審査員が同じレストランを3年以内に再訪することはない<ref name=TGelenter /><ref name=trendy071122-3>内田麻紀 [http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20071121/1004665/?ST=life&P=2 “ミシュランの東京調査どうやって行われたの?―ミシュランガイド東京2008大研究”], 日経トレンディ, 2007年11月22日.</ref>。都市別ガイドの審査員は自宅から出勤し、ホテルを評価する代わりにレストランでより多く試食を行う<ref name=trendy20091119>わぐりたかし [http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20091119/1030337/?ST=life&P=1 “ミシュランガイド総責任者を直撃! 2010年東京版を斬る”], 日経トレンディ, 2009年11月24日.</ref>。
 
さらに、調査員の身分を明かしてレストラン・ホテルの経営者やシェフについて聞き取りを行う「訪問調査」が組み合わされる。すべてのレストランには少なくとも2年に一度、星などを与えられたレストランには年に数回という頻度での「試食調査」が行われているといわれる<ref name=TGelenter>{{en icon}} [http://www.paris-expat.com/interviews/12-06mich.htm MICHELIN MAN IN SAN FRANCISCO], Terrance Gelenter.</ref>。
 
最終的な決定は、調査員からの報告書とミシュランガイドに織り込まれている読者カードにより寄せられた読者の意見なども加味され、審査員全員の合議により決定される。また、各国の調査員は担当地域以外にも赴いて現地調査員の評価をクロスチェックしており、ガイドが国際間比較における[[ベンチマーク]]となることを意図している<ref>[[飯田香織]] [http://www.nhk.or.jp/bizspo-blog/200/66028.html “世界1のグルメ都市”], [[日本放送協会|NHK]][[Bizスポ]]ブログ, 2010年11月25日.</ref>。
; 編集長による説明
: フランス人以外として初のフランス版編集長に2009年に37歳で就任したドイツ人ユリアネ・カスパー(Juliane Caspar)<ref>{{en icon}} [http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2008/dec/17/foodanddrink-germany German woman appointed as editor of Michelin Guide], [[ガーディアン]], 17 December 2008.</ref><ref>{{en icon}} Hugh Schofield [http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7792384.stm German woman edits Michelin guide], [[BBCニュース]], 20 December 2008.</ref>によると<ref name=asahi100614 />、フランスの調査員は約15人、ガイドに掲載されているホテルやレストラン80728,072軒を担当する。世界中に調査員は約90人、日本にも7人の日本人調査員がいる。
: 1日あたり2 - 3軒、ガイド読者推薦のレストランを抜き打ちで訪問して調理場などを調べ、掲載候補はのちに覆面調査される。調査員は月曜昼から金曜昼まで昼夜連続9食をこなす。覆面なしの調査も少なくなく、覆面調査でも支払いを済ませてから調査終了時に身分を名乗り、店の評価についてオーナーと議論を交わす。この時点で素性が明らかになるので、数年間は同じ地方を担当しない。
: 調査のあと、1軒あたり約1時間かけて報告書を作る。星の獲得や喪失には必ず複数が覆面調査に入ったうえで協議し増減を決定する。
; 調査員による説明
: ミシュランの調査員を16年間務めたパスカル・レミ(Pascal Rémy)は自著『L'Inspecteur Se Met a Table』<ref>パスカル・レミ、吉田良子(訳) 『裏ミシュラン-ヴェールを剥がれた美食の権威』 [[バジリコ]], 2004/12/10. ISBN 4-901784-58-7</ref>において、3つ星レストランのなかにはすでにその価値がなくなっているにもかかわらず、しがらみから星の数を維持している店もあるなどの実態を暴露している。また、「ナレはすべてを変えた。3つ星店にしか興味を持たず、調査員を素人ばかりにしてしまった」と批判している<ref name=asahi100614 />。
 
=== 発行済みタイトル ===
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2007年における一覧については「True Michelin Guides 2007 By the Numbers」にまとめられている<ref name=michelinus20070328>{{en icon}} "[http://vocuspr.vocus.com/vocuspr30/Newsroom/MultiQuery.aspx?SiteName=Michelin&Entity=PRAsset&SF_PRAsset_PRAssetID_EQ=491608&XSL=Release&IncludeChildren=True Michelin Guides 2007 By the Numbers]", Michelin North America, 03/28/2007.</ref>。
 
このほかにも、手ごろな価格で気軽に楽しめる美味しいレストランを紹介する「ボンヌ・プティット・ターブル(い小さな皿=おいしい小さなレストラン)」シリーズ(フランス版、ベネルクス版、スペイン・ポルトガル版、東京版)<ref name=michelin20110708/>、「[http://www.wasabi.fr/ La revue WASABI]」主催者によるパリなどヨーロッパ都市の日本食レストランを網羅した『Itadakimasu Guide』<ref>{{fr icon}} Patrick Duval ''[http://www.michelin-boutique.com/guides-cartes/guides-dhotels-restaurants/france/guide-itadakimasu-p-736.html Itadakimasu : Le guide des meilleurs restaurants japonais ed. 2008-2009] '', Théma Press, 2008. ISBN 978-2953204209</ref>やミシュランガイド創刊100号を記念して作成された『ミシュランガイド 世界の三つ星レストラン 〜世界の美食を巡る旅〜』<ref>『ミシュランガイド 世界の三つ星レストラン 〜世界の美食を巡る旅〜』日本ミシュランタイヤ株式会社, 2010. ISBN 9784904337516. {{fr icon}} Michelin ''[http://www.michelin-boutique.com/guides-cartes/guides-dhotels-restaurants/france/etoiles-guide-michelin-p-1108.html Les 3 étoiles du guide MICHELIN]'' 2009. ISBN 9782067143111</ref><ref>[http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20101202 「ミシュランガイド 世界の三つ星レストラン 〜世界の美食を巡る旅〜」を 12月9日 に刊行], 日本ミシュランタイヤ, 12.02.2010.</ref>などが刊行されている。韓国では[[2016年]]11月に韓国政府機関の[[韓食財団]]と[[韓国観光公社]]がソウル版発行のために4億ウォンを広告費の名目でミシュランに支払っていたことが報道された<ref>{{Cite news|title=ミシュランガイドに国の資金4億ウォン|date=2016-11-21|url=http://www.sisain.co.kr/?mod=news&act=articleView&idxno=27604|accessdate=2018-08-14|language=ko|work=시사IN}}</ref>。
 
<gallery>
Fileファイル:Dishes made by Michelin star restaurants.jpg|ある星きレストランの料理
Fileファイル:A culinary journey to the Finnish archipelago.jpg|フィンランド・ヘルシンキの掲載レストランの定食コース
Fileファイル:Carte Printemps Spring menu Switzerland Michelin starred restaurant.jpg|スイス・ジュネーブのある星きレストランの料理
Fileファイル:Italian Restaurant Antica Osteria Del Ponte 2 Michelin Star.jpg|東京のある星きレストランの料理
</gallery>
 
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==== ミシュランガイド東京 ====
===== 東京2008 =====
[[2007年]]([[平成]]19年)[[11月20日]]発売。[[東京]]版は初めての欧米以外の版であり、また、[[和食|和食店]]や[[寿司屋]]が3つ星を取得した初めての例でもある。格付けは3つ星がパリの10軒に次ぐ8軒だったのをはじめ、150の掲載店すべてが1つ星以上を獲得、星の累計は191でパリの64軒97個の倍以上を獲得して世界最多となり、ミシュランガイド総責任者ジャン=リュック・ナレも含め、世界を驚かせた<ref name="nyt" />。また、28軒のホテルも掲載され、7軒のホテルが「豪華で最高級」と評価された<ref name=trendy071122-2>内田麻紀 [http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20071121/1004665/?ST=life&P=2 “大御所に冷たいミシュランガイド―ミシュランガイド東京2008大研究”], 日経トレンディ, 2007年11月22日.</ref>。発売に際しナレは「東京は、世界一の美食の街である」とし<ref name=asahi>[http://www.asahi.com/food/news/TKY200711190221.html 三つ星レストランは8軒 - ミシュランガイド東京版発表], [[朝日新聞]], 2007年11月19日.</ref>、また、[[中央日報]]のインタビューに答える中で、[[日本料理]]の[[板前|料理人]]に数世代、数百年かけて伝えられた料理人固有の技術と伝統の継承性を、どの都市のレベルよりも高いものであるとし、特に飲食店の専門性について「パリの日本飲食店に行けば、寿司、[[刺し身]]、[[焼き鳥]]など、メニューが沢山たくさんある。このため、日本でもそうだと思っていたが、私が行った飲食店はほとんど寿司店、刺し身店、焼き鳥店、[[うどん]]店など、専門店に細分化されていた。非常に印象的だった。こうした特性から日本の飲食店の相当数は誰も追いつけない専門性を確保していた。当然、高い評価につながる」と述べた<ref name=joins090205>[http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=110951 「日本料理は世界最高、西洋で韓国料理と言えば…」(1)], [[中央日報]], 2009.02.05. {{ko icon}} 전진배 [http://article.joins.com/article/article.asp?total_id=3481745 한식이 세계인 사랑 받으려면 스타 셰프 발굴 육성해야], 中央日報, 2009.02.05.</ref>。
 
発売日から4日間で日本語版初版12万部をほぼ完売<ref>[http://www.michelin.co.jp/media_center/news/corporate/071127.html 「ミシュランガイド東京」、発売初日に9万部販売 日本語版12万部をほぼ完売し、重版決定] 日本ミシュランタイヤ(プレスリリース、2007年11月27日)</ref>、2008年2月末までに29万部以上を販売した<ref name="nyt" />。発売初日に9万部も売れたのは、ミシュランガイド史上初めてという。
 
欧米以外の最初の都市に東京を選んだ理由として、30003,000万人の人口、16万軒のレストランを擁する首都圏は、世界最大でもっとも洗練された飲食市場のひとつであるためとしている<ref name="nyt" />。
 
; 調査
: 調査対象は[[品川区]]、[[渋谷区]]、[[新宿区]]、[[中央区 (東京都)|中央区]]、[[千代田区]]、[[豊島区]]、[[港区 (東京都)|港区]]、[[目黒区]]の8区<ref name=trendy091117 />。調査員はフランス人3名、日本人2名の計5名で、調査対象は約15001,500軒だったとも言われる<ref name=asaduma />。さらに最終段階では欧州から調査員10人が合流し、総勢15人で格付けを決定した<ref name=trendy071122-3 />。あらかじめ選び出された東京のレストラン約10001,000軒を覆面調査員が1年半をけて訪問、盛りけの見た目、味、食材の鮮度、仕込みの度合いなどといった観点から星が評価された<ref name=asahi />。
; 掲載店
: 掲載対象となるのはミシュランの取材を受け入れた店のみである。総責任者ナレは日本のテレビ番組で「東京版で星を獲得した店から掲載を拒否されたことはない」としている<ref>情報番組『[[ブロードキャスター]]』、[[TBSテレビ|TBS]]、2007年11月24日放送。</ref>が、ミシュランからの取材や撮影依頼を受けたものの、その手法を嫌って協力を拒否し掲載されなかった有名店<!--日本料理店『麻布かどわき』-->もある<ref name="asahi1121" />。選ばれた店の80 - 90%は個人店で、大きなブランドや有名シェフの店はほとんど入っていなかった<ref name=trendy081119 /><ref name=trendy071122-2 />。
; 評価
: 東京版について、「平凡な店に星が与えられている」「星の大盤振る舞いは、マーケティング上の配慮にぎないのでは」「根本的に文化も違うのに[[日本料理]]が本当に分かるのか」「格付けをすることで料理人の間に上下関係を作ってしまうのではないか」などの批判もある<ref name="nyt" /><ref name="asahi1121" /><ref name=trendy071122 />。
: 一部の料理評論家や雑誌記事をはじめ、[[東京都知事]]・[[石原慎太郎]]も、読後にミシュランガイドを酷評した<ref>[http://www.sponichi.co.jp/society/news/2007/12/03/05.html 石原知事ミシュラン酷評「いいかげん」] 『スポニチ』 2007年12月3日</ref>。3つ星を獲得した店が、[[Yahoo!グルメ]]の評価では5点満点中平均3.09点だった例も指摘されている<ref>[http://www.j-cast.com/2007/11/20013580.html ミシュラン3つ星「すきや橋 次郎」 「最悪」から「絶賛」までの評判] 『J-CASTニュース』 2007年11月20日</ref>。
: フランス人調査員の中には、[[モズク]]等、など日本料理に使用される食材に嫌悪感を示す者がおり、店側が気を遣い、通常のメニューとは異なる食材で料理を提供した例もあったという<ref name=asaduma>浅妻千映子 「都内有名店が明かす『ミシュラン』バレバレ覆面調査 - フランス人がやってきて『もずくは苦手です』…」 『週刊文春』 49巻46号、文藝春秋、2007年11月29日、34頁.</ref>。
: 日本では、フランス人の来店客は目立つことに加え、
:# 席に着いた直後に皿を裏返してしげしげと眺める
:# 2名で来店し、1人がアラカルト、1人がコースで料理を注文する
:# コースのうち、数皿だけ省略するよう要望する
:# 電子辞書で食材を調べる
:# メモを取る
: といった特異な行動を取ることで、ミシュランガイドの調査員であること店側に見破られることもあったという<ref name=asaduma />。
: 「フランス人が和食を適切に評価出来できるのか」との疑問に対して、総責任者ナレは「調査員に日本人が加わっていることで問題はない」としている<ref name="nyt" /><ref name=trendy071122-3 />。
: 東京版と名乗りながら、[[東京都区部|東京23区]]のうち8区の店舗しか取り上げられていない、[[焼き肉]]・[[焼き鳥]]店の掲載が皆無など[[日本料理]]の分野に偏りがある、等のといった批判もあった<ref name=akada>赤田康和・松村北斗 「ミシュランに賛否 - 質の高さ気付かせた/評価ばらつき」, [[朝日新聞]], 2007年11月22日31面。</ref>。
: 東京の星の合計が191と、パリの97、ニューヨーク市の54を大きく上回ることについては、東京のレストラン総数16万店に対して、パリの1万30003,000店、ニューヨーク市の2万50005,000店という「分母の違いが考慮されるべきだ」との指摘もある<ref name="nyt" />。また、[[ミシュラン]]は「ミシュランガイドはタイヤのため」を原則としており、東京版での星の大盤振る舞いは、日本でのタイヤ事業も含めた「ブランドイメージ向上のための戦略にぎない」との評価もある<ref name=asahi100614 />。
: 一方、東京が食の都としてやっと[[世界]]に認知されたとする意見や、オリジナリティーに優れた若手料理家が世界にも評価され、また、[[年功序列]]がモノを言いがちな日本においても、広く紹介されるい機会であるとする意見もある<ref name="nyt" />。
 
===== 東京2009 =====
[[2008年]](平成20年)[[11月21日]]発売。2008年版よりも調査対象地域が5区拡大し、[[台東区]]、[[世田谷区]]、[[杉並区]]、[[大田区]]、[[墨田区]]を加え13区になった<ref name=trendy081119 />。2008年版に比べ3つ星レストランは1軒増えて9軒に、2つ星は14軒、1つ星は35軒それぞれ増加した一方、17軒が星を失った。累計では227個の星を獲得し、2008年版同様掲載レストラン173軒すべてに星がいておりその65%は日本料理店、これにホテル30軒を含め合計203軒が掲載された<ref name=trendy081119>[http://trendy.nikkeibp.co.jp/lc/cover/081119_michelin/ “発表!ミシュランガイド東京2009”], [[日経トレンディ]], 2008年11月19日.</ref>。2009年版では日本の食文化を反映したマークが採用され、[[日本酒]]の品揃えがい店や珍しい銘柄を揃えたレストランには「興味深い日本酒」マーク、[[座敷]]に上がる店には「靴を脱ぐ」というマークが記載された。また、2008年版に比べ文章の質の大幅な向上も指摘されている<ref>[[わぐりたかし]] [http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20081204/1021558/?ST=life&P=1 “【発見】ミシュランガイド東京2009 (3)覆面調査員がよく使う大好きな日本語トップ10”], 日経トレンディ, 2008年12月6日.</ref>。一方、掲載拒否をした3軒のレストランは店の紹介写真なしに掲載された<ref>[[わぐりたかし]] [http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20081121/1021172/?ST=life&P=1 “【衝撃】ミシュランガイド東京2009(1)「掲載拒否の拒否」の真相。荻窪白山神社が初登場1つ星?”], 日経トレンディ, 2008年11月22日.</ref>。
 
===== 東京2010 =====
[[2009年]](平成21年)[[11月20日]]発売。[[江東区]]と[[文京区]]が加わり15区が対象となった。3つ星は3軒昇格1軒降格により2軒増え世界最多の11軒に、2つ星は6軒増の42軒、1つ星は42軒増の144軒となった一方、19軒が星の数を減らしたり失ったりしため、合計では2009年版より24軒多い197軒が星を獲得した<ref name=yomiuri091117>[http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20091117-OYT8T00912.htm “東京、2010年版は和食が充実”], 読売新聞, 2009年11月17日.</ref><ref name=trendy091117>[http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20091112/1030195/ “『ミシュランガイド東京 2010』の二つ星、一つ星レストラン全店”], 日経トレンディ, 2009年11月17日.</ref>。またそれ以前の版同様、掲載されたレストラン全店197軒に星がつき累計261個の星を獲得、世界一ミシュランの星が多い都市として2位の京都以下を大きく引き離した。2010年版では審査員7人全員が日本人となったため和食部門が充実して掲載店の67%が日本食レストランとなり、[[居酒屋]]、[[串揚げ]]、焼き鳥、[[精進料理]]店も初掲載されほとんどの和食ジャンルがカバーされた<ref name=yomiuri091117 />。一方、掲載拒否店は18軒となった<ref name=zakzak20091014>[http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20091014/dms0910141630018-n2.htm “京都・大阪版ミシュラン狂騒曲 笑顔、冷静、取材拒否”], [[Zakzak]], 2009.10.14.</ref>。
 
===== 東京・横浜・鎌倉2011 =====
[[2010年]](平成22年)[[11月27日]]発売。東京都の調査対象地域に[[足立区]]、[[荒川区]]を加え計17区にするとともに、[[横浜市]]と[[鎌倉市]]にも調査対象を広げて『ミシュランガイド東京・横浜・鎌倉』となった<ref name=michelin20101124 />。発行部数は日本語版15万部、英語版3万部が予定されている<ref name=yomiuri100423>[http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20100423-OYT8T00320.htm “ミシュランガイド、11年版からカバー範囲を拡大”], 読売新聞, 2010年4月23日.</ref>。横浜の候補店約300軒、鎌倉約80軒も含め、7人の日本人調査員が匿名調査を行った<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/business/20100423-OYT8T00264.htm ミシュランガイド、新たに横浜、鎌倉も格付け], 読売新聞, 2010年4月23日.</ref>。
 
3つ星は3軒増の14軒(東京14軒、横浜0軒、鎌倉0軒)で3つ星レストランが世界一多い街として東京がリードを拡大、2つ星は12軒増の54軒(東京52軒、横浜2軒、鎌倉0軒)、1つ星は54軒増の198軒(東京174軒、横浜14軒、鎌倉10軒)の計266軒となり、全店星きとなっている<ref>[http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20101124/1033708/?ST=life&P=1 “ミシュランガイド東京版に横浜と鎌倉が追加!二つ星・一つ星全リスト”], 日経トレンディ, 2010年11月24日.</ref>。
 
また、1たり50005,000円以下でランチやディナーを楽しめる星きレストランを示すコインをあしらった「50005,000円以下マーク」も京都・大阪・神戸版に引き続いて導入され、全掲載レストランの1/3分の1超の95軒(東京81軒、横浜7軒、鎌倉7軒)に50005,000円以下マークが与えられている。
 
掲載レストランの73%は日本料理で、[[牛肉]]料理、[[とんかつ]]、[[おでん]]の店も加わった。一方、[[横浜中華街]]からは[[神戸南京町]]同様掲載店が出ず、一部で困惑が広がった<ref>[http://www.asahi.com/food/news/TKY201011250187.html “☆なし横浜中華街、がっかり 大型店多いのが裏目?”], 朝日新聞, 2010年11月26日.</ref>。
 
===== 東京・横浜・湘南(2012 - 2014) =====
[[2012年]]版からは調査対象を湘南地区まで広げ、『ミシュランガイド東京・横浜・湘南2012』となった<ref>{{Cite web |date=2011-06-08 |url=http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20110608 |title=湘南エリアへセレクションを拡大し「ミシュランガイド東京・横浜・湘南2012」を12月上旬に刊行 |publisher=日本ミシュランタイヤ |accessdate=2016-03-23}}</ref><ref>{{Cite news |title=湘南の実力は? 「ミシュランガイド 東京・横浜・湘南 2012」二つ星・一つ星リスト |newspaper=[[日経トレンディ]] |date=2011-11-29 |author= |url=http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20111129/1038779/ |accessdate=2013-12-19}}</ref>。
 
2014年版からは、他国・都市のレッドガイドと同様に星きでない店も掲載されるようになり、東京のフレンチとイタリアンを対象にした「ビブグルマン」(5,000円以下)が登場、コインマークは1,050円以下の店対象に変更され、2011年発売の『ボンヌ・プティット・ターブル東京』を吸収する形となった<ref>{{Cite news |title=5000円以下の“ビブグルマン”も選定!「ミシュランガイド東京・横浜・湘南2014」 |newspaper=[[日経トレンディ]] |date=2013-12-04 |author= |url=http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20131203/1053886/ |accessdate=2013-12-19}}</ref><ref name=michelin20130902/>。
 
===== 東京(2015 - ) =====
2014年12月に発表された2015年版からは調査範囲が東京のみに絞られた<ref>{{cite news
|url=http://www.sankei.com/life/news/141202/lif1412020017-n1.html
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==== ミシュランガイド京都・大阪 ====
===== 京都・大阪2010 =====
東京、香港/マカオに次ぐアジアにおける3地域目として、『ミシュランガイド京都・大阪2010』(英語版/日本語版)が[[2009年]](平成21年)[[10月16日]]に出版された。レストランは3つ星7軒、2つ星24軒、1つ星116軒の評価を受け、また、東京版と同じく掲載レストラン147軒すべてに星が与えられた。掲載店はほとんどが日本食レストランで、[[京都市]]では97%、[[大阪市]]では82%と、東京の7割弱に比べかなり高い割合となっている<ref>{{fr icon}} ''[http://levifweekend.rnews.be/fr/style-de-vie/lifestyle/le-guide-michelin-2010-dedie-aux-tables-kyoto-osaka/article-1194552094115.htm guide Michelin 2010 dédié aux tables Kyoto-Osaka]'', Le Vif, 2009-10-13.</ref>。
 
これに加え、ホテル34軒、さらに日本ならではの宿として、[[旅館]]22軒(うち3軒(2つ星1軒、1つ星2軒)が料理も評価され星も獲得)、合計203軒が掲載された<ref name=michelin091013>[http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20091013 “「ミシュランガイド京都・大阪」初登場。 伝統に磨かれ、未来を拓く7軒が3つ星に! 新たに旅館も掲載”] 日本ミシュランタイヤ, 2009年10月13日.</ref>。旅館の評価マークにも独自のものが用いられた。ミシュランガイド総責任者ジャン=リュック・ナレは、京都では伝統を受け継ぎ発展させてきた料理店が数多く選ばれ、大阪では才能溢れる新進気鋭のシェフたちの創造性と、独創性に溢れる料理を評価したと語っている。
 
; 調査
: [[2007年]](平成19年)秋より、調査員によって調査が開始された。調査対象は約10001,000軒。
; 掲載拒否論争
: 当初、京都では多くの老舗料理店が掲載を拒否していると新聞や雑誌などで報じられた<ref name=asahi100614>{{Cite web| url = http://globe.asahi.com/movers_shakers/100614/01_01.html | title = ミシュランという「権力」 ブランドはタイヤのために | author = 国末憲人 | publisher = 朝日新聞 | archiveurl = https://web.archive.org/web/20150626205716/http://globe.asahi.com/movers_shakers/100614/01_01.html | archivedate = 2015-06-26 | accessdate = 2020-03-03 }}</ref>。20軒(京都15軒、大阪5軒)が掲載拒否したが、ミシュランは掲載を強行、店舗の写真は掲載されず、写真が省かれたり、あまり関係のない写真が添付された例もあった<ref name=trendy20091031>[[わぐりたかし]] [http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20091029/1029923/?ST=life&P=1 “『ミシュランガイド京都・大阪』掲載拒否店ミステリーツアー”], 日経トレンディ, 2009年10月31日.</ref>。
: 一方、『[[週刊文春]]』にミシュランへの掲載を拒否するとのコメントを掲載された「菊乃井」店主の[[村田吉弘]]は、「週刊文春の記事はまったく本意ではなく、掲載は大歓迎であり、掲載されることによって起こるかも知れない心配面の部分だけを誇張して書かれた」と発言している<ref name="trendy090604">[http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090604/1026731/ “『ミシュランガイド京都・大阪』衝撃事実発覚!名店「京都吉兆」「菊乃井」が……”]、日経トレンディネット、2009年6月8日</ref>。また、掲載拒否と噂の流れた「[[京都吉兆]]」総料理長の徳岡邦夫は「オファーがあったときに断ったのは事実だが、それは[[船場吉兆#不祥事|吉兆グループの不祥事]]が理由であって掲載拒否ではない。次にオファーがあったとき是非ぜひとも受けたい」と発言している<ref>[http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090406/1025287/ “『ミシュランガイド京都・大阪』独占スクープ! 京都老舗料亭「掲載拒否」の真相”], 日経トレンディネット, 2009年4月8日.</ref>。一方、「[[瓢亭]]」当主の高橋英一は「星の数の増減で店が左右されるのは心配だ」とミシュランへの掲載を断っているが、3つ星で掲載されている<ref name="trendy090604" />。
: ナレは会見にて、掲載拒否を表明している店に対して「店の売り上げが伸びるのに残念なことだ。評価されたくなければ違う仕事をすべきだ」と批判している<ref>[http://mainichi.jp/life/food/news/20090901ddf041040028000c.html “ミシュランガイド:京都・大阪版発売へ会見 「格付け嫌なら転業したら」”], 毎日新聞大阪夕刊, 2009/09/01.</ref>。
: [[2010年]](平成22年)[[3月]]、3つ星と認定された[[割烹]]料理店で[[ノロウイルス]]による[[食中毒]]が発生した<ref name=jcast100312>[http://www.j-cast.com/2010/03/12062217.html 食中毒の「ミシュラン」3つ星店 次回掲載せずか「降格」か?] [[J-CASTニュース]], 2010/3/12.</ref><ref>[http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20100305-OHT1T00052.htm 京都の“ミシュラン3つ星”日本料理店で食中毒], [[スポーツ報知]], 2010年3月5日.</ref>。日本ミシュランタイヤ広報部によると、評価対象店が食中毒を起こしたことがあるかどうかは把握しておらず、2011年版に該当店を掲載するかどうかについては、店の対応と監督官庁の判断を見たうえで決定するとしている。ただし、基本的にガイド掲載店は翌年追跡調査されるのが慣例で、これまで3つ星を取った店が翌年の号から消えたこと休業以外にはなかったし、考えられないとしている<ref name=jcast100312 />。
 
===== 京都・大阪・神戸2011 =====
2010年(平成22年)[[10月22日]]発売。調査対象地域に神戸地区(神戸市、[[芦屋市]]、[[西宮市]])が加えられ、『ミシュランガイド京都・大阪・神戸2011』となった<ref name=michelin20101019 />。3つ星は5軒増の12軒(京都7軒、大阪3軒、神戸2軒)、2つ星は22軒増の46軒(京都レストラン22軒旅館2軒、大阪12軒、神戸10軒)、1つ星は69軒増の185軒(京都レストラン71軒旅館1軒、大阪75軒、神戸レストラン37軒旅館1軒)を含むレストラン計239軒、ホテル42軒、旅館31軒が掲載された。2010年版に掲載後食中毒を出した割烹料理店も3つ星を守った。[[おばんざい]]、[[鶏肉|鳥]]、[[ゆば]]料理店が新たに加わり、掲載レストランのうち6割近くが日本料理で、そば、寿司、天ぷらなども含めると日本食は8割となった。また、掲載レストランは全店星きだが、星きレストランは高いというイメージを払拭するため、他国・地域版の「ビブ・グルマン」マークに相当する1たり50005,000円以下でランチやディナーを楽しめる星きレストランを示す「50005,000円以下マーク」が初めて導入され、3つ星2つ星レストランも含む40軒にコインをあしらった50005,000円以下マークが与えられた<ref name=trendy20101020>[http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20101019/1033389/?ST=life&P=1 “12軒が三つ星! 関西版「ミシュラン」三つ星、二つ星”], 日経トレンディ, 2010年10月20日.</ref>。
 
===== 京都・大阪・神戸・奈良(2012 - 2013) =====
2011年(平成22年)[[10月21日]]発売。[[2012年]]版は京都・大阪・神戸に奈良を加え、『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012』となった<ref>[http://web-cache.stream.ne.jp/www09/michelin/guide/kansai/ “「ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012」三つ星が15軒、二つ星が61軒(旅館2軒)、一つ星が224軒(旅館2軒)”], 日本ミシュランタイヤ, 2011年10月18日.</ref>。
 
===== 関西(2014 - 2015) =====
『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良』は対象エリアを同じくしながら2014年版から『ミシュランガイド関西』に題名が変更された<ref name=michelin20130902>{{Cite press release |和書|title=ミシュランガイド2014年版、発売日決定!!2014年版にはフレンチとイタリアンのビブグルマンが初登場!! |publisher=日本ミシュランタイヤ |date=2013-09-02 |url=http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20130902 |format= |language= |accessdate= |archiveurl= |archivedate=|quote=}}</ref>。また、他国・都市版と同じく、星はかないがコストパフォーマンスの高い食事を50005,000円以下で提供する調査員おすすめのレストランとして「ビブグルマン」が登場した。
 
===== 京都・大阪(2016 - ) =====
 
==== Bonnes Petites Tables 東京 ====
美味しい一皿を気軽に味わえるレストランを紹介する「ボンヌ・プティット・ターブル(Bonnes Petites Tables)」シリーズの第4弾として、2011年7月13日、『ミシュランガイド ボンヌ・プティット・ターブル・東京〜ちょっと気になる東京のフレンチ〜』が発売された<ref name=michelin20110708 />。日本語版のみで、他版とは異なり東京版ではフランス料理店のみの295軒が掲載されている。当初、2011年4月21日の発売が予定されていたが、[[東日本大震災]]を受け延期されていた<ref>[http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20110518 “「ミシュランガイド ボンヌ・プティット・ ターブル・東京」新たな発売日を2011年7月13日に決定”], 日本ミシュランタイヤ, 05.18.2011.</ref>。気軽に楽しめるフランス料理店を紹介し、日本における「高級すぎて入りづらいフランス料理店」というイメージを変えるというコンセプトから、掲載店は快適度・豪華度がスプーン・フォーク2つ以下の店の中から選ばれ、これまでの日本版には掲載されていなかった星なしのレストランも掲載された。これにともない日本版にはじめてビブグルマン(5,500円以下でのコースやアラカルトの提供、103軒)が登場することとなった。また、東京・横浜・鎌倉2011版とは異なり、コインマークは1,050円以下でのランチ提供店となっている(39軒)。
 
==== 特別版 ====
日本語版のみが発売されている。レッド・ミシュランは毎年改訂版を出す方針なのに対し、特別版は毎年の継続調査をしていない。ただし、数年後に改訂版が発行されている地域もある。
 
特別版には、それまでレストラン・ホテルガイドが発行されていなかった地域を対象するもの(『北海道2012特別版』など)や、かつてレストラン・ホテルガイドが発行されていた地域の一部を対象とするもの(『横浜・川崎・湘南2015特別版』など)がある。
 
===== 北海道2012特別版/北海道2017特別版 =====
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===== 広島2013特別版/広島・愛媛2018特別版 =====
日本ミシュランタイヤは2012年11月22日、『ミシュランガイド広島 2013 特別版』を2013年春に発刊すると発表<ref name="asahi20121122">[http://www.asahi.com/culture/update/1123/OSK201211220247.html ミシュランガイド、広島でも 13年春に発刊] - 朝日新聞 2012年11月22日</ref><ref>[http://tiiki.jp/news/01_news/6-chugoku/1498.html ミシュランガイド広島県版,5月17日に発売 - ブランド総合研究所]</ref>。2013年1月23日に発刊日が同年5月17日に決まった<ref>[http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20130122 「ミシュランガイド広島2013特別版」を5月17日に刊行]</ref><ref name="chugoku20130123">[http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201301230008.html ミシュラン広島版、5月発売] - 中国新聞 2013年1月23日</ref>。2011年秋より調査員8人を派遣調査していた<ref name="asahi20121122" /><ref name="chugoku20130123"/>。首都圏、関西、北海道に続いて広島が選ばれた経緯について、日本ミシュランタイヤ社長室長・森田哲史は「ワールドワイドな視点から見て自然な流れ」と述べた<ref>[[日々感謝。ヒビカン]]、[[中国放送]]、2013年5月10日放送、[http://www.1350.jp/hibikan/ RCCラジオ「日々感謝。ヒビカン」]</ref>。しかし、いまだに名古屋および「愛知版」が出ていないなど、整合性に欠ける面も散見される。
 
2018年4月12日には、愛媛県を加えた広島・愛媛2018特別版が発売されている<ref name="広島・愛媛2018" />。
 
===== 福岡・佐賀2014特別版/福岡・佐賀・長崎2019特別版 =====
日本ミシュランタイヤは2014年4月23日、『ミシュランガイド[[福岡]]・[[佐賀]]2014特別版』を同年7月10日に発刊すると発表<ref name="日本ミシュランガイド">[http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20140423 「ミシュランガイド福岡・佐賀2014特別版」2014年7月10日に発売]</ref>。発行された2014特別版では2つの店が3つ星、12の店と旅館が2つ星、43の店が1つ星を取得した<ref name="日テレNEWS24">[http://www.news24.jp/nnn/news8644343.html 「ミシュランガイド福岡・佐賀版発表]</ref>。さらに星はつかないがおすすめのお店が229軒、「北海道2012特別版」「広島2013特別版」と同様、ビブグルマンのマークのお店が74軒など、計489店(福岡368店、佐賀121店)が掲載されている<ref name="レスポンス">[http://response.jp/article/2014/07/07/227099.html 「ミシュランガイド 福岡・佐賀版、7月10日発売…福岡で三つ星2店誕生]</ref><ref name="天神経済新聞">[http://tenjin.keizai.biz/headline/4549/ 「「ミシュランガイド福岡・佐賀2014特別版」、三つ星に福岡から2店舗]</ref>。またうどん、ラーメン、[[餃子]]、[[水炊き]]といった福岡、佐賀らしい料理を出しているお店も多数掲載しており、非常に多様なセレクションとなっている<ref name="レスポンス">[http://response.jp/article/2014/07/07/227099.html 「ミシュランガイド 福岡・佐賀版、7月10日発売…福岡で三つ星2店誕生]</ref>。
 
2019年7月13日には、長崎県を加えた福岡・佐賀・長崎2019特別版が発売予定。
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* 愛知・岐阜・三重2019特別版<ref>2018年10月24日[[中日新聞]]朝刊24面</ref>
* 新潟2020特別版
* 北陸2021特別版
* 北陸2021特別版 北陸2021特別版は、レストランにおけるフォークとスプーン印による「快適度評価」が、非掲載になり、長年のミシュラン愛好者は、レストラン選択の大きな指針がなくなったと、憤っている。
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==== レストラン・ホテルガイド日本版の特徴と評価 ====
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緑色の装丁を特徴とし、対象地域の観光地を案内するガイドブック・シリーズである。
 
レストランガイドと同様、観光地の見所を星の数で評価している。自動車旅行者を念頭にいており、項目は通常アルファベット順にならべられている。写真、イラスト、平面図などで旅行者に理解を与える工夫がなされている。なお、一時期までは写真をまったく使用せず図版のみだった。
 
かつて[[実業之日本社]]から日本語版の各国ガイドが出版されたこともあるが、現在は販売されていない。
 
[[2009年]](平成21年)[[3月]]に日本の観光地を案内する『ミシュラン・グリーン・ガイド・ジャポン』のフランス語版が、[[10月]]には英語版が出版された<ref>[http://www.carview.co.jp/news/0/75977/ ミシュラン・グリーンガイドに日本が誕生]{{リンク切れ|date=2019年9月}} - carview ニュース、2008年7月7日</ref>。また、改訂第2版フランス語版は[[2011年]](平成23年)[[5月13日]]、[[東日本大震災]]にともなう延期を経て発売された<ref>{{Cite web |url=http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20110511_02 |accessdate=2019年9月19日 |title=日本に関する旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」掲載地をさらに充実させて、改訂第2版を発行 |publisher=日本ミシュランタイヤ |date=2011-05-11 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20110516202832/http://www.michelin.co.jp/Home/News-Promotions/News/20110511_02 |archivedate=2011年5月16日}}</ref>。
 
=== 実用旅行ガイド ===
[[2005年]](平成17年)3月から発行されている実用旅行ガイドブック「'''Voyager pratique'''」は、現在、以下のタイトルが発行されている。
 
* [[フランス語圏]]
** フランス本土:[[ブルターニュ半島|ブルターニュ地方]]、[[コルシカ島]]
** [[フランスの地方行政区画#海外県および海外地域圏|フランス海外県]]など:[[グアドループ]]、[[マルティニーク]]、[[レユニオン]]と[[モーリシャス]]と[[ロドリゲス島]]
** フランス国外:[[チュニジア]]、[[モロッコ]]、[[マラケシュ]]-[[エッサウィラ]]、[[ベトナム]]
* [[スペイン語]]圏・[[ポルトガル語]]圏
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** [[ポルトガル]]
* その他の[[地中海]]諸国
** [[ギリシャ]]-[[イオニア諸島]]、ギリシャの島-[[アテネ]]、[[アイルランド]]
** 南[[イタリア]]-[[ローマ]]、イタリア-[[トスカーナ州]]と[[ウンブリア州]]
** [[クロアチア]]、[[トルコ]]
* [[アフリカ]]
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{{出典の明記|section=1|date=2010年8月}}
{{雑多な内容の箇条書き|section=1|date=2018年4月}}
* [[1940年]]の[[ナチス・ドイツのフランス侵攻]]の際、[[電撃戦]]の前線にいたドイツ軍兵士はミシュランガイドを携行して侵攻の助けにした。[[1944年]]、連合軍は[[ノルマンディー上陸作戦]]のあと、兵力が増強されるにつれ、兵員の移動が特にフランス都市部で滞ることを憂慮した。ドイツ軍が道路標識を破壊したり撤去していたからためである。連合軍はパリのミシュランと秘密協定を結び、ミシュランガイドの最新版(1939年版)を[[ワシントンD.C.]]で印刷し、士官らに配布した。
* ミシュランガイド(レストラン・ホテル)フランス[[2003年]]版の表紙には、愛称だった『LE GUIDE ROUGE』が記され、イギリス版も『THE RED GUIDE』と、他言語でも同様に表紙を飾った。しかし翌年[[2004年]]版からはその記述がなくなった。<!--ミシュランの他のガイドブックと区別するため「ギド・ルージュ」は愛称として使用される。-->
* 1976年のフランス映画『[[手羽先とモモ]]』は、レストランガイドブック会社の社長デュシュマンとその息子を描いた[[コメディ映画]]である。デュシュマンガイドなる本は、ロゴや色、覆面調査と星による評価が明らかにミシュランガイドの[[隠喩]]となっている<ref name=RTS>{{Cite web|url=http://www.rts.ch/la-1ere/programmes/travelling/6363696-travelling-du-21-12-2014.html#6363692|title=L'aile ou la cuisse|accessdate=2015-02-14}}</ref>。デュシュマンを演じる[[ルイ・ド・フュネス]]は、映画内で老婦人やけ髭の老人に大胆に変装して、様々さまざまなレストランの味見をする。しかしその変装は、映画の観客には大げさすぎるために不自然で滑稽に見える。
* 世界一安いミシュラン星きレストランには諸説ある。[[CNN]] Travelでは、シンガポールにあるチキンヌードル等を供する[[Hong Kong Soya Sauce Chicken Rice and Noodle]]<ref>{{Cite web|url=http://edition.cnn.com/2017/02/27/foodanddrink/singapore-cheapest-michelin-star-restaurant/index.html CNN Travel: |title=Singapore offers the world's cheapest Michelin-starred meal|accessdate=2017-02-28}}</ref>で、2シンガポールドル(約1.42USドル)のチキンライスが紹介されている。他には、香港の[[Tim Ho Wan]](添好運點心專門店)という飲茶専門店も世界一安いミシュラン1つ星レストランとして紹介された例がある<ref>{{Cite web|url=https://www.vice.com/en_uk/article/a-visit-to-the-cheapest-michelin-starred-restaurant-in-the-world-998 Vice.com: |title=The Cheapest Michelin-Starred Restaurant in the World Is Also One of the Best|accessdate=2017-02-28}}</ref>。
* 2017年、サラリーマンながら、世界の三ツ3つ星レストランのほとんどで食事した藤山純二郎の『世界のミシュラン三ツ星レストランをほぼほぼ食べ尽くした男の過剰なグルメ紀行』(KKベストセラーズ)が出版された。この類の書籍は日本初である。
 
=== 三ツ星まつわる逸話 ===
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* [[1966年]]、[[パリ]]の人気レストラン「ルレー・デ・ポルクロール」のシェフ、アラン・ジックが自殺。ミシュランの評価が下がったことを気にしたのが原因とされる<ref name=trendy071122>内田麻紀 [http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20071121/1004665/?ST=life&P=5 光と陰に包まれたミシュランの歴史-ミシュランガイド東京2008大研究], 日経トレンディ, 2007年11月22日.</ref>。
* 伝記『星に憑かれた男』の主人公であり<ref>ウィリアム エチクソン (著), 小林千枝子 (訳) 『星に憑かれた男』 [[青山出版社]], 1996/05. ISBN 978-4900845121</ref>、「キュイジーヌ・ア・ロー(水の料理)」で[[1980年代]]に天才料理人ともてはやされた[[ベルナール・ロワゾー]]が[[2003年]]に自殺。レストラン・ガイド『[[ゴー・ミヨ]]』誌が同年にロワゾーの3つ星レストラン「ラ・コート・ドール」を最高点の19点から17点に落としたことに加え、ミシュランガイドでも3つ星から2つ星への降格が近いとする[[フィガロ (新聞)]]などの記事も一因といわれている<ref name=trendy071122/><ref>{{en icon}} William Echikson ''[http://www.newyorker.com/archive/2003/05/12/030512fa_fact2 Death of a Chef: The changing landscape of French cooking]'', [[ザ・ニューヨーカー]], 2003/05/12.</ref>。
* パリを代表する高級レストランのひとつとして3つ星を得ていた「[[マキシム (フランスのレストラン)|マキシム]]([[:fr:Maxim's|Maxim's]])」だが、[[1978年]]版から突然掲載されなくなった。マキシムは「当方はレストランではなく劇場。したがってミシュランは正しい」としたが、実際のところは3つ星から2つ星への降格を打診され、これを受けたマキシムがレストランとしての掲載を拒否したというものである。ナレは「自分から辞退したという店があるが、それはウソ。単に私たちが選ばなかっただけだ。マキシムだって同じ」と述べている<ref name=asahi100614 />{{独自研究範囲|が、この事件は1978年版のことであり、ナレは、ミシュラン入社前の学生時代の出来事であり、関わっていない。その後パリの「マキシム本店」は2021版まで連続43年ミシュラン・フランス版に掲載されていない。現在の「マキシム本店」のオーナーは、有名デザイナーの[[ピエール・カルダン]]に交代している。同様に、東京・銀座に存在した「マキシム・ド・パリ・銀座」も、一度も掲載されずに閉店した|date=2021年6月}}。
 
=== NHKでの扱い ===
[[日本放送協会]](NHK)では、他の商標の扱いと同じく「ミシュランガイド」を避け、「権威ある世界的なレストランガイド」などと表現されていたが、2017年頃から「MICHELIN」ロゴの入ったガイド誌そのものを画面に出すようになり、2018年3月27日には『[[BS世界のドキュメンタリー]] 「ミシュラン 星をめぐる物語」』が放送された<ref>[https://www.nhk.or.jp/co-pro/recent/20180327.html ミシュラン 星をめぐる物語]</ref>。
 
2020年10月7日、[[NHK教育テレビジョン|NHK Eテレ]] にて放送されたトークバラエティ『[[ねほりんぱほりん]]』に、「“世界一”のグルメガイド本調査員」と題して、現役の50代男性調査員が「シロウさん」という仮名で「声の出演」をした<ref>[https://www.nhk.jp/p/nehorin/ts/N1G2WK6QW5/episode/te/YZ978MJMXR/ 「“世界一”のグルメガイド本調査員」 NHK「ねほりんぱほりん」]</ref>。ミシュランガイド調査員が声だけとはいえテレビメディアに登場するのは世界初とされる<ref>[https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/10/05/kiji/20201005s00041000373000c.html ミシュラン現役調査員が世界初の“テレビ出演”「ブタの人形ならば」と許可 Eテレ「ねほりんぱほりん」] スポーツニッポン 2020年10月5日</ref>。これまで調査員の詳細を公には一切いっさい明かさなかったミシュランが出演を許可したのは、この番組では基本的にゲストは「(デフォルメキャラクター化された)[[ブタ]]の人形([[パペット]])」を[[アバター]]として声のみ登場するため、匿名性は(ある程度)維持できるからとのこと。
 
== 脚注 ==