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{{馬齢新}}{{競走馬
|名 = トーホウジャッカル
|英 = {{Lang|en|Toho Jackal}}<ref name="JBIS" />
|画 = [[File:Toho-Jackal Kikuka-Sho 2014(IMG2).jpg|300px]]
|説 = 2014年菊花賞表彰式
|性 = [[牡馬|牡]]<ref name="JBIS" />
|色 = [[栗毛
|種 = [[サラブレッド]]<ref name="JBIS" />
|生 = {{生年月日と馬齢|p=0|2011|03|11}}<ref name="JBIS" />
|死 =
|抹 = 2017年1月13日<ref>{{Cite web |title=エイシンヒカリ＆トーホウジャッカル抹消…ともに種牡馬へ - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2017/01/13/kiji/20170112s00004048302000c.html |website=スポニチ Sponichi Annex |accessdate=2022-03-01 |language=ja}}</ref>
|父 = [[スペシャルウィーク]]<ref name="JBIS" />
|母 = トーホウガイア<ref name="JBIS" />
|母父 = [[アンブライドルズソング|Unbridled's Song]]<ref name="JBIS" />
|産 = 東豊物産株式会社<ref>{{Cite web |url=https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?sid=888273225 |title=トーホウジャッカル |accessdate=2022-3-1 |publisher=公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル |archiveurl=https://web.archive.org/web/20220301115908/https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?sid=888273225 |archivedate=2022-3-1}}</ref>
|
|国 = {{JPN}}（[[北海道]][[日高町 (北海道)|日高町]]）<ref name="JBIS" />
|主 =
|調 = [[谷潔]]（[[栗東トレーニングセンター|栗東]]）<ref name="JBIS" />
|厩 = 佃幸一<ref>『優駿』2014年12月号 142頁</ref><ref group="注釈">トーホウジャッカルと出会ったのは、キャリア35年を超えた60代の頃。菊花賞が1991年秋のフェイムオブラス以来の担当馬のJRA-{{GI}}出走であり、{{GI}}優勝は初めてだった。</ref>
|績 = 13戦3勝<ref name="JBIS" />
|金 = 2億1328万0000円<ref name="JBIS" />
|medaltemplates = {{medalGI|[[菊花賞]]|2014年}}
}}
'''トーホウジャッカル'''
[[2014年]]の[[菊花賞]]（{{GI}}）優勝馬。デビュー149日目で菊花賞優勝を果たし、史上最速記録を樹立した。[[東日本大震災]]当日に生まれたことで知られる。
=== 誕生までの経緯 ===
==== 母トーホウガイア ====
トーホウガイアは、2001年にアメリカで生産された父[[アンブライドルズソング]]、母父[[ヌレイエフ]]の牝馬である<ref name="JBIS-トーホウガイア">{{Cite web |title=トーホウガイア(USA)｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000763911/ |website=www.jbis.or.jp |accessdate=2022-03-01}}</ref>。[[冠名]]「トーホウ」を用いる日本の[[馬主]]、東豊物産株式会社が購入し、2003年に輸入、持ち込まれた<ref name="サンスポ-馬主高橋">{{Cite web |title=【菊花賞】高橋照夫氏、馬主歴２０年でＧＩ初Ｖ「夢みたい」 |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20141027/ope14102705040008-n1.html |website=予想王TV＠SANSPO.COM |date=2014-10-27 |accessdate=2022-03-01 |language=ja-JP}}</ref><ref name="優駿-2014-12-105">『優駿』2014年12月号 105頁</ref>。JRA[[美浦トレーニングセンター]]の[[古賀史生]]厩舎のもと、競走馬としてデビューし2戦0勝<ref name="JBIS-トーホウガイア-競走成績">{{Cite web |title=競走成績：全競走成績｜トーホウガイア(USA)｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000763911/record/?sort=ymd&page=1&order=A |website=www.jbis.or.jp |accessdate=2022-03-01}}</ref><ref>{{Cite web |title=4R サラ系３歳 未勝利｜2004年3月6日（土）1回中京1日｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/race/result/20040306/107/04/ |website=www.jbis.or.jp |accessdate=2022-03-01}}</ref>。それから[[岩手県競馬組合|岩手競馬]]・[[千葉四美]]厩舎に移籍、転厩し、5連勝や3連勝を含む18戦9勝を記録<ref name="JBIS-トーホウガイア" /><ref name="JBIS-トーホウガイア-競走成績" />。 2005年11月26日付で[[地方競馬]]の競走馬登録を抹消した<ref>{{Cite web |title=トーホウガイア 出走履歴 |url=https://www.keiba.go.jp/KeibaWeb/DataRoom/HorseMarkInfo?k_lineageLoginCode=40032407084&k_activeCode=2 |website=www.keiba.go.jp |accessdate=2022-03-01}}</ref>。抹消後は、東豊物産が所有を継続し、[[北海道]][[日高町 (北海道)|日高町]]の竹島幸治牧場に[[繁殖牝馬]]として繋養<ref>{{Cite web |url=https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?sid=492211800 |title=トーホウガイア |accessdate=2022-3-1 |publisher=公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル |archiveurl=https://web.archive.org/web/20220301113338/https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?sid=492211800 |archivedate=2022-3-1}}</ref>。「[[仔分け]]」という形式で所有された<ref name="サンスポ-馬主高橋" />。
====
1963年開業の竹島幸治牧場は、[[繁殖牝馬]]およそ15頭を繋養する[[サラブレッド]]生産牧場{{Efn|始まりはアラブ種の生産。サラブレッド生産は1989年から<ref name="道新-竹島" />。}}<ref name="道新-竹島">{{Cite web |url=https://www.hokkaido-np.co.jp/news/sports/570830.html |title=北海道・日高のミニ牧場からGI馬 トーホウジャッカル菊花賞 |accessdate=2022-3-1 |publisher=[[北海道新聞]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20141029093129/https://www.hokkaido-np.co.jp/news/sports/570830.html |archivedate=2014-10-29}}</ref>である<ref name="優駿-2015-2-48">『優駿』2015年2月号 48頁</ref>。2代目の竹島幸治と牧場長の飯田秀倫、高根将来とパートスタッフ2人で運営していた<ref name="優駿-2015-2-48" />。牧場生産馬初めてのJRA[[重賞]]タイトルは、トーホウシャインで制した2008年[[マーメイドステークス]]（{{GIII}}）であった<ref name="ふるさと-2008マーメイドS">{{Cite web |title=2008年06月22日 マーメイドＳ Ｇ３ {{!}} 重賞ウイナーレポート {{!}} 競走馬のふるさと案内所 |url=https://uma-furusato.com/winner_info/37039.html |website=uma-furusato.com |accessdate=2022-03-01}}</ref>。牧場長の飯田秀倫は、[[スペシャルウィーク]]をきっかけに競馬に魅了されており、それまで馬に触れたことすらなかったが、馬産の道を選択<ref name="ふるさと-2008マーメイドS" />。[[名古屋大学]]を卒業後、竹島牧場に就職していた<ref>{{Cite web |title=竹島牧場／飯田秀倫さん｜BOKUJOB - 競走馬 生産・育成牧場就業応援サイト - |url=https://bokujob.com/know/senior/iida.html |website=BOKUJOB - 競走馬 生産・育成牧場就業応援サイト - |accessdate=2022-03-01 |language=ja}}</ref>。入社後の飯田の働きぶりを見ていた竹島は、飯田とともに「将来の夢を持とう<ref name="ふるさと-2008マーメイドS" />」と、竹島が所有する繁殖牝馬にスペシャルウィークを交配<ref>{{Cite web |url=https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?hid=28464491400 |title=ホークズフォーチュン |accessdate=2022-3-1 |publisher=公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル |archiveurl=https://web.archive.org/web/20220301113907/https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?hid=28464491400 |archivedate=2022-3-1}}</ref><ref name="ふるさと-2008マーメイドS" />。そして産まれた仔が、東豊物産に売却されてトーホウシャインとなり、牧場に重賞タイトルをもたらしていた<ref name="ふるさと-2008マーメイドS" />。
仔分けという形で、2006年から竹島牧場で繋養されたトーホウガイアは、東豊物産株式会社社長の高橋照夫が交配相手を決めていた<ref name="サンスポ-馬主高橋" />。初年度から[[デュランダル (競走馬)|デュランダル]]、[[トーホウエンペラー]]、[[フジキセキ]]、[[ファンタスティックライト]]と交配を行い、4年で3頭を生産<ref name="優駿-2014-12-105" />。父フジキセキの2番仔は後に芝1200メートルの重賞を勝利することになるトーホウアマポーラ{{Efn|24戦6勝。2014年の[[CBC賞]]（{{GIII}}）優勝馬である<ref>{{Cite web |title=トーホウアマポーラ｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001109923/ |website=www.jbis.or.jp |accessdate=2022-03-01}}</ref>。}}である。5年目、2010年の交配相手には、高橋が「中長距離適性のある種牡馬<ref name="ふるさと-2014菊花賞">{{Cite web |title=2014年10月26日 菊花賞 Ｇ１ {{!}} 重賞ウイナーレポート {{!}} 競走馬のふるさと案内所 |url=https://uma-furusato.com/winner_info/79148.html |website=uma-furusato.com |accessdate=2022-03-01}}</ref>」「長距離で活躍する馬を作りたい<ref name="サンスポ-鈴木淑-竹島" />」としてスペシャルウィークを選択していた<ref name="ふるさと-2014菊花賞" />。2011年3月11日、竹島牧場にてトーホウガイアの4番仔である牡馬（後のトーホウジャッカル）が誕生する<ref name="サンスポ-鈴木淑-竹島">{{Cite web |title=【鈴木淑子のごめんあそ馬せ】竹島氏「出走にこぎつけたのは運の強さ」 - 予想王TV＠SANSPO.COM |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150623/etc15062305020002-c.html |website=race.sanspo.com |accessdate=2022-03-01}}</ref>。4番仔は[[栗毛]]、それも[[尾花栗毛]]であった<ref name="尾花栗毛">{{Cite web |title=尾花栗毛ヴェローチェオロ連闘で重賞参戦も／ＰＯＧ｜極ウマ・プレミアム |url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=4&id=202008300000339&year=2020&month=08&day=30 |website=p.nikkansports.com |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>。
=== 幼駒時代 ===
===== 3月11日 - 生い立ち =====
4番仔が生まれた2011年3月11日は、[[東日本大震災]]の当日である<ref name="サンスポ-鈴木淑-竹島" />。誕生は、発災した午後2時46分の「その数時間後<ref name="number-村本">{{Cite web |title=なぜか日高産馬が活躍する宝塚記念。3連覇を目指すエースか、奇跡の馬か。（村本浩平） |url=https://number.bunshun.jp/articles/-/823612?page=2 |website=Number Web - ナンバー |accessdate=2022-03-01 |language=ja}}</ref>」（村本浩平）だったという。牧場や馬への被害はなく、特に影響はなかった<ref name="number-村本" /><ref name="サンスポ-菊花賞結果">{{Cite web |title=【菊花賞】ジャッカル、デビュー最速１４９日でＶ！ |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20141027/ope14102705060011-n3.html |website=予想王TV＠SANSPO.COM |date=2014-10-27 |accessdate=2022-03-01 |language=ja-JP}}</ref>。飯田によれば[[津波]]の映像を見たのはその日の夜遅くになってからだという<ref name="優駿-2015-2-48" />。竹島は「地震があると産気づく馬が多いんです。この子の母親はお産が遅れることが多いのに、普通の早さで生まれた<ref name="日刊-菊花賞結果" />」と述べている。誕生直後は、体重62キログラムを有する「立派な栗毛馬<ref name="ふるさと-2014菊花賞" />」（飯田）だったが、少食で体重が増加しなかった<ref name="ふるさと-2014菊花賞" />。飯田によれば体を大きくするために「試行錯誤した一頭<ref name="ふるさと-2014菊花賞" />」だったという。また気性は穏やかで、人に歯向かうことはなかった<ref name="ふるさと-2014菊花賞" />。2012年、1歳2月には、高い牧柵を飛び越えてしまったが、軽い擦り傷に留まっている<ref name="ふるさと-2014菊花賞" />。この様子を見た竹島は「[[障害競走|ジャンプレース]]の馬みたいだな<ref name="ふるさと-2014菊花賞" />」と感じていた。
1歳11月2日、北海道[[浦河町]]の武田ステーブルに移動し、育成を実施<ref name="netkeiba-田中哲-武田">{{Cite web |title=トーホウジャッカル余話 - 田中哲実 {{!}} 競馬コラム |url=https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=28263 |website=netkeiba.com |accessdate=2022-03-03 |language=ja}}</ref>。2歳となってからは[[軽種馬育成調教センター]]（BTC）を使った運動もなされていた<ref name="netkeiba-田中哲-武田" />。武田ステーブルでの評価は高く、ステーブル専務の武田浩典が、[[ペーパーオーナーゲーム]]の取材に対し、この4番仔を1番手で推奨するほどだった<ref name="netkeiba-田中哲-武田" />。この4番仔は、東豊物産の冠名「トーホウ」に「[[ジャッカル]]」を組み合わせた「'''トーホウジャッカル'''」という競走馬名が与えられる<ref name="競馬ラボ-菊花賞結果">{{Cite web |title=【菊花賞】トーホウジャッカル超速レコードV！史上最速菊制覇 {{!}} 競馬ニュース {{!}} 競馬ラボ |url=https://www.keibalab.jp/topics/24733/ |website=www.keibalab.jp |accessdate=2022-03-03 |language=ja}}</ref>。トーホウジャッカルは、[[栗東トレーニングセンター]]の[[谷潔]]調教師による管理が決定した<ref name="優駿-2014-12-82">『優駿』2014年12月号 82頁</ref>。トーホウアマポーラなど兄姉は、[[田島良保]]厩舎に入厩していたが、2013年に田島が調教師を勇退して厩舎が解散<ref name="優駿-2014-12-82" />。高橋はその代わりとして、田島の弟弟子である谷を指名していた<ref name="優駿-2014-12-82" />。
===== 腸炎発症 =====
当初は、2歳夏頃の入厩と、秋のデビューが考えられていた<ref name="優駿-2014-12-54">『優駿』2014年12月号 54頁</ref><ref name="number-村本" />。しかし、入厩間近の8月に原因不明の[[熱発]]と、ウイルス感染に伴う[[肺炎]]と[[腸炎]]を発症<ref name="number-村本" /><ref name="netkeiba-田中哲-武田" />。特に腸炎は「重度<ref name="ふるさと-2014菊花賞" />」「重い<ref name="サンスポ-鈴木淑-竹島" />」ものであった。熱に浮かされて、正しく歩くこともできず、「[[肛門]]は開きっぱなしで、[[ペニス]]もダラーンと出てたまま<ref name="netkeiba-田中哲-武田" />」（武田）、それに点滴で栄養を補給していた<ref name="number-村本" /><ref name="netkeiba-田中哲-武田" /><ref name="日刊-震災菊花賞" />。19日間にわたる入院と治療により、一命を取り留めることには一応成功<ref name="netkeiba-田中哲-武田" />。ただし、治療を乗り越えたトーホウジャッカルの身体は衰弱していた。谷は500キログラムある「馬っぷり」を高く買っていたが、治療後は50キログラム以上痩せて450キログラム<ref name="優駿-2014-12-82" />。竹島によれば「骨と皮<ref name="日刊-震災菊花賞" />」の状態。谷はその姿から「競走馬になれないかもと思った<ref name="日刊-菊花賞結果" />」と考えられた。その後、9月に運動を再開<ref name="netkeiba-田中哲-武田" />。時間をかけて失った馬体を取り戻し、3歳となった1月31日に276日過ごした武田ステーブルを卒業<ref name="netkeiba-田中哲-武田" />。276日は「最長クラスの利用日数<ref name="netkeiba-田中哲-武田" />」（田中哲実）だったという。3月末、栗東トレーニングセンターの谷潔厩舎に入厩する<ref name="優駿-2014-12-82" />。デビューが遅れたことから、2歳11月の第1回クラシック登録、3歳1月の第2回クラシック登録はしていなかった<ref name="サンスポ-菊花賞結果" />。
== 競走馬時代 ==
=== デビューから148日間（2014年5月31日 - 10月25日） ===
[[東京優駿]]（日本ダービー）が行われる前の日である2014年5月31日、[[京都競馬場]]の未勝利戦（芝1800メートル）に[[酒井学]]が騎乗してデビューを果たす。酒井を起用した理由を谷は「うちの馬によく乗ってくれているので、（酒井）学に頼むという感じ<ref>『優駿』2014年12月号 83頁</ref>」と述べている。ゲート試験を合格したばかり、仕上がっていない状態で既走馬を相手にして10着<ref>{{Cite web |title=【菊花賞】トーホウジャッカル デビュー最速＆圧巻レコードＶ - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/27/kiji/K20141027009174670.html |website=スポニチ Sponichi Annex |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>。勝ち馬から1.0秒離される敗退だったが、酒井は使った末脚に手ごたえを感じていた<ref name="netkeiba-菊花賞" />。「この時の感触が他の馬にはないものを感じた（中略）秘めたものを持っている<ref name="Yahoo-酒井インタビュー" />」として、直後に谷へ次戦以降の騎乗を志願していた<ref name="netkeiba-菊花賞" />。
6月22日、[[阪神競馬場]]の未勝利戦（ダート1800メートル）は、[[函館競馬場]]での騎乗を選んだ酒井{{Efn|[[函館スプリントステークス]]（{{GIII}}）参戦のため。ハノハノに騎乗し7番人気10着<ref name="Yahoo-酒井インタビュー">{{Cite web |title=伝説の菊花賞馬となるまで――トーホウジャッカルここまでの歩みを聞く |url=https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201506260002-spnavi |website=スポーツナビ |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=函館スプリントS｜2014年6月22日 {{!}} 競馬データベース - netkeiba.com |url=https://db.netkeiba.com/race/201402010411/ |website=db.netkeiba.com |accessdate=2022-03-04}}</ref>。}}に代わって[[幸英明]]が騎乗し9着。7月12日、酒井が舞い戻って臨んだ[[中京競馬場]]の未勝利戦（芝1600メートル）では、5番手から抜け出し、追い上げる2番人気をハナ差封じて初勝利<ref name="Yahoo-酒井インタビュー" /><ref>{{Cite web |title=4R サラ系３歳 未勝利｜2014年7月12日（土）3回中京3日｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/race/result/20140712/107/04/ |website=www.jbis.or.jp |accessdate=2022-03-04}}</ref>。それから8月3日、[[小倉競馬場]]の古馬混合戦{{Efn|3歳馬と4歳以上の古馬が共に競走する。}}、500万円以下（芝1800メートル）では先行して直線で抜け出し、後方に1馬身4分の1差をつけて連勝、2勝目とした<ref name="Yahoo-酒井インタビュー" /><ref>{{Cite web |title=8R サラ系３歳上 ５００万下｜2014年8月3日（日）2回小倉2日｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/race/result/20140803/110/08/ |website=www.jbis.or.jp |accessdate=2022-03-04}}</ref>。9月6日、小倉の古馬混合戦、玄海特別（1000万円以下、芝2000メートル）では中団から追い込むも2着まで、クビ差、タイム差なしの2着であった<ref name="Yahoo-酒井インタビュー" />。
9月28日、[[菊花賞]]の[[トライアル競走]]である[[神戸新聞杯]]（{{GII}}）で重賞初出走となる。東京優駿（日本ダービー）優勝馬[[ワンアンドオンリー]]、重賞3着2回の[[サトノアラジン]]、[[きさらぎ賞]]優勝馬[[トーセンスターダム]]らが人気を集める一方で、トーホウジャッカルは63.6倍の9番人気だった<ref>{{Cite web |title=神戸新聞杯｜2014年9月28日 {{!}} 競馬データベース - netkeiba.com |url=https://db.netkeiba.com/race/201409040611/ |website=db.netkeiba.com |accessdate=2022-03-04}}</ref>。スタートから中団に待機、直線では前を行くワンアンドオンリー、[[サウンズオブアース]]の間からの進出を考えていたが、サウンズオブアースに阻まれる不利があった<ref name="スポニチ-菊花賞戦前">{{Cite web |title=【菊花賞】急上昇トーホウジャッカル 酒井絶賛「この馬は凄い」 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/22/kiji/K20141022009143450.html |website=スポニチ Sponichi Annex |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>。外に持ち出してから追い上げて前を行く2頭に迫り、3頭並んで入線した<ref name="スポニチ-菊花賞戦前" />。ワンアンドオンリーにアタマ+アタマ差、サウンズオブアースにアタマ差及ばず3着<ref name="ウマニティ-神戸新聞杯">{{Cite web |title=【神戸新聞杯】トーホウジャッカル、上がり最速３着 |url=https://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=44173 |website=競馬予想のウマニティ |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>。ダービー馬との僅差の走りに酒井は「絶対に勝っていたレース。次こそは、菊花賞こそはギャフンと言わせたい。あの2頭には絶対に負けたくない<ref name="スポニチ-菊花賞戦前" />」と述べていた。3着だったために菊花賞の[[優先出走権]]を獲得、谷も菊花賞出走を表明している<ref name="ウマニティ-神戸新聞杯" />。ただし、トーホウジャッカルはクラシック登録を行っていなかったため、追加登録料200万円を支払った上での菊花賞参戦となった<ref name="サンスポ-菊花賞結果" />。
=== デビュー149日目の菊花賞（2014年10月26日） ===
==== 展開 ====
10月26日、菊花賞（{{GI}}）に臨む。前々日発売では、数々の重賞優勝馬を押しのけて1.4倍の1番人気に推されていたが<ref name="報知-前々日">{{Cite web |url=http://www.hochi.co.jp/horserace/20141024-OHT1T50169.html |title=【菊花賞】トーホウジャッカルが１番人気…前々日発売 |accessdate=2022‐3-1 |publisher=[[スポーツ報知]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20141027092700/http://www.hochi.co.jp/horserace/20141024-OHT1T50169.html |archivedate=2014‐10-27}}</ref>、前日発売ではワンアンドオンリーに次ぐ6.2倍の2番人気<ref>{{Cite web |title=【菊花賞】ワンアンド単２・９倍 前日最終オッズ - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/25/kiji/K20141025009167340.html |website=スポニチ Sponichi Annex |accessdate=2022-03-02 |language=ja}}</ref>、当日最終オッズは6.9倍の3番人気に落ち着いている<ref>{{Cite web |title=中堅ジョッキーと、200万円の馬券。菊花賞を巡って展開された人間模様。（阿部珠樹） |url=https://number.bunshun.jp/articles/-/821964 |website=Number Web - ナンバー |accessdate=2022-03-02 |language=ja}}</ref>。1番人気は2.4倍のワンアンドオンリー、2番人気は5.3倍、[[皐月賞]]2着の[[トゥザワールド]]であり、4番人気以降は、サウンズオブアース、トーセンスターダム、[[ショウナンラグーン]]、[[ゴールドアクター]]が続いていた<ref name="netkeiba-菊花賞">{{Cite web |title=菊花賞｜2014年10月26日 {{!}} 競馬データベース - netkeiba.com |url=https://db.netkeiba.com/race/201408040711/ |website=db.netkeiba.com |accessdate=2022-03-02}}</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=foEsh7bZX04&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2014年 菊花賞（{{GI}}）<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}
1枠2番からスタートして、好位の内側を追走<ref name="報知-菊花賞結果" />。同じ厩舎の16番人気サングラスが「淀みのないラップ<ref name="優駿-2014-12-104">『優駿』2014年12月号 104頁</ref>」で緩めることなく逃げ続けていた<ref name="優駿-2014-12-104" />。トーホウジャッカルは、2周目の第3コーナー、坂の上り下りから仕掛け始めて進出<ref>{{Cite web |title=【菊花賞】トーホウジャッカル超速レコードV！史上最速菊制覇 {{!}} 競馬ニュース {{!}} 競馬ラボ |url=https://www.keibalab.jp/topics/24733/ |website=www.keibalab.jp |accessdate=2022-03-03 |language=ja}}</ref><ref name="報知-菊花賞結果" />。内から外に移動して進路を確保し、最終コーナーを通過した。直線まもなく抜け出して先頭。酒井に追われて、背後のワンアンドオンリーやトゥザワールドを突き放した。ただし、馬場の内側から伸びたサウンズオブアースが唯一抵抗<ref name="number-阿部珠樹-おじさん">{{Cite web |title=中堅ジョッキーと、200万円の馬券。菊花賞を巡って展開された人間模様。（阿部珠樹） |url=https://number.bunshun.jp/articles/-/821964?page=2 |website=Number Web - ナンバー |accessdate=2022-03-03 |language=ja}}</ref>。馬体を併せる競り合いにまで持ち込まれたが、もう一伸びしてそれを封じた<ref name="優駿-2014-12-104" />。決勝線は、サウンズオブアースに半馬身差をつけて、先頭で通過を果たす<ref name="number-阿部珠樹-おじさん" /><ref>{{Cite web |title=【菊花賞】（京都）～トーホウジャッカルがレコードＶ {{!}} 競馬実況web {{!}} ラジオNIKKEI |url=http://www.radionikkei.jp/keiba/post_4513.html |website=www.radionikkei.jp |accessdate=2022-03-04}}</ref>。
==== 記録 ====
{{GI}}ならびに重賞初勝利。'''デビューから149日での菊花賞勝利は、2008年[[オウケンブルースリ]]の184日を35日上回る史上最速記録'''<ref name="日刊-菊花賞結果">{{Cite web |title=ジャッカルがダブルレコード優勝／菊花賞 |url=https://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20141027-1387841.html |website=nikkansports.com |accessdate=2022-03-02 |language=ja}}</ref>{{Efn|正確には、2歳戦がスタートした1947年の菊花賞以降。1946年の菊花賞は、終戦後の競馬再開から1か月半後に行われていた<ref name="優駿-2014-12-54" />。}}。クラシックの追加登録を行い菊花賞を勝利したのは、2002年の[[ヒシミラクル]]以来2例目だった<ref name="報知-菊花賞結果" />。また走破タイム3分1秒0は、2006年[[ソングオブウインド]]が記録した3分2秒7を'''1.7秒更新するレースレコード'''<ref name="サンスポ-菊花賞結果" />。レースレコードはこれまで14回更新されていたが、1.7秒の更新幅は「文句なしに最大のもの{{Efn|軍土門はこの表現するにあたって、14回の更新のうち、1948年[[ニユーフオード]]、1950年[[ハイレコード]]の2回を「まだ戦後間もない<ref name="優駿-2015-2-37" />」として[[棄却]]している<ref name="優駿-2015-2-37" />。正確に言えばトーホウジャッカルの1.7秒は、1948年、1950年に次ぐ3番目の更新幅である<ref name="優駿-2015-2-37" />。}}<ref name="優駿-2015-2-37">『優駿』2015年2月号 37頁</ref>」（軍土門隼夫）だった。さらに2001年の[[阪神大賞典]]にて[[ナリタトップロード]]が記録した3分2秒5を'''1.5秒更新する日本レコード'''<ref name="サンスポ-菊花賞結果" />。このナリタトップロードの記録は、参考記録ながら世界レコードと広く認識されており{{Efn|世界レコードを統括する世界的な機関は存在しないため、世界レコードはあくまで「参考記録」。日本の馬場設計は、世界的に速いタイムが出る傾向にある<ref name="サンスポ-菊花賞結果" />。}}、同時更新と相成った<ref name="サンスポ-菊花賞結果" />。史上最速の成り上がり、それもレコード更新を伴った菊花賞優勝は、驚きを以て受け入れられた。例えば[[柏木集保]]は「[[シンデレラ・ストーリー|シンデレラボーイ]]、驚異の新星<ref>{{Cite web |title=シンデレラボーイの誕生/菊花賞 - 柏木集保 {{!}} 競馬コラム |url=https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=28162 |website=netkeiba.com |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>」、[[石田敏徳]]は「空前の『上がり馬』<ref>『優駿』2014年12月号 55頁</ref>」と表している。
騎乗した酒井は、[[ニホンピロアワーズ]]で制した2012年[[ジャパンカップダート]]以来となるJRA-{{GI}}2勝目<ref name="報知-菊花賞結果">{{Cite web |url=http://www.hochi.co.jp/horserace/20141026-OHT1T50157.html |title=【菊花賞】トーホウジャッカル最速V！JRAレコード３分１秒０ |accessdate=2022-3-2 |publisher=[[スポーツ報知]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20141027032045/http://www.hochi.co.jp/horserace/20141026-OHT1T50157.html |archivedate=2014-10-27}}</ref>。谷は、開業20年目でJRA-{{GI}}初勝利{{Efn|地方{{GI}}勝利の経験はある。[[ナリタホマレ]]で1998年[[ダービーグランプリ]]を勝利している<ref>{{Cite web |title=トーホウジャッカルとは一体どんな馬？/デイリースポーツ online |url=https://www.daily.co.jp/opinion-d/2015/01/06/0007635367.shtml |website=デイリースポーツ online |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>。}}<ref name="デイリー-菊花賞結果（3）">{{Cite web |title=【菊花賞】ジャッカル菊史上最速Ｖ(3)/競馬・レース/デイリースポーツ online |url=https://www.daily.co.jp/horse/2014/10/27/2p_0007451956.shtml |website=www.daily.co.jp |accessdate=2022-03-02}}</ref>、キングザファクトで制した2002年[[ダイヤモンドステークス]]以来12年ぶりの重賞3勝目<ref name="競馬ラボ-菊花賞結果" />。谷の父、[[谷八郎]]が調教師として管理していた[[ヒカルイマイ]]で1971年皐月賞、[[東京優駿]]（日本ダービー）を勝利しているから、親子併せて[[クラシック (競馬)|クラシック]]三冠達成<ref name="デイリー-菊花賞結果（3）" />。父の管理馬ヒカルイマイの菊花賞は、屈腱炎を発症して出走を断念していたが<ref name="日刊-谷親子">{{Cite web |title=ジャッカルの谷師、父子３冠制覇／菊花賞 |url=https://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20141027-1387843.html |website=nikkansports.com |accessdate=2022-03-02 |language=ja}}</ref>、その約40年後、皐月賞と東京優駿を断念せざるを得なかった息子の管理馬が菊花賞に出走し、そのタイトルを回収している<ref name="日刊-谷親子" />{{Efn|菊花賞当日の谷八郎は、92歳。自宅でテレビ観戦していた<ref name="優駿-2014-12-85" />。谷潔によれば「終わってからすぐに報告に行ったら、エライ喜んでくれて（笑）<ref name="優駿-2014-12-85">『優駿』2014年12月号 85頁</ref>。」いたという。}}。谷は優勝直後「この子がこの場に立てたことだけでも感謝していた。それが勝つなんて…。これは生命力の強さです<ref name="日刊-菊花賞結果" />」と述べて涙を流している<ref name="日刊-菊花賞結果" />。
また「トーホウ」高橋は、馬主歴20年でJRA-{{GI}}初勝利<ref name="サンスポ-馬主高橋" />{{Efn|地方{{GI}}では、[[トーホウエンペラー]]で2001年[[東京大賞典]]、2002年[[マイルチャンピオンシップ南部杯]]を勝利していた<ref name="デイリー-馬主高橋" />。}}。トーホウシデンで臨んだ2000年菊花賞、[[エアシャカール]]にクビ差の2着敗退を乗り越えての菊花賞戴冠{{Efn|他に菊花賞は、2006年[[トーホウアラン]]で8着（1着:[[ソングオブウインド]]）がある<ref name="報知-菊花賞結果" />。JRA-{{GI}}は、18頭目の挑戦での戴冠であった<ref name="報知-菊花賞結果" />。}}だった<ref name="デイリー-馬主高橋">{{Cite web |title=【菊花賞】ジャッカルのオーナー感激/デイリースポーツ online |url=https://www.daily.co.jp/horse/2014/10/27/0007451954.shtml |website=デイリースポーツ online |accessdate=2022-03-02 |language=ja}}</ref>。さらに竹島牧場はJRA-{{GI}}初勝利、トーホウシャイン、トーホウアマポーラに続く重賞3勝目<ref name="道新-竹島" /><ref name="報知-菊花賞結果" />。加えて父スペシャルウィークは、1999年菊花賞にて[[セイウンスカイ]]に3馬身半差届かなかったが、息子が優勝<ref name="報知-菊花賞結果" />。また初めてとなる、産駒牡馬として初めてのJRA-{{GI}}優勝であった<ref name="報知-菊花賞結果" />。
前々日発売の単勝式が一時、オッズ1.4倍の1番人気を示していたのは、金曜日午後4時25分頃にトーホウジャッカルの単勝式200万円を購入するという大口投票行為があったためだった<ref name="報知-前々日" /><ref>{{Cite web |title=【菊花賞】まさか！？１番人気はトーホウジャッカル - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/25/kiji/K20141025009164410.html |website=スポニチ Sponichi Annex |accessdate=2022-03-03 |language=ja}}</ref>。当日の最終オッズは、6.9倍の3番人気。大口投票者は単勝式200万円を的中させ、1380万円程度の高額配当を得ている<ref name="日刊-おじさん">{{Cite web |title=ジャッカルに200万円投資あった／菊花賞 |url=https://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20141027-1387844.html |website=nikkansports.com |accessdate=2022-03-02 |language=ja}}</ref>。この現象は2003年宝塚記念、ヒシミラクルの単勝式で登場した「[[ヒシミラクル#"ミラクル"おじさん|ミラクルおじさん]]」を想起させ「ジャッカルおじさん{{Efn|ミラクルおじさんの場合と異なり、この大口投票者が実際男なのか、女なのかは明かされていない。}}」（デイリースポーツ、日刊スポーツ）と報じられた<ref name="デイリー-おじさん">{{Cite web |title=菊花賞に“ジャッカルおじさん”現る？/デイリースポーツ online |url=https://www.daily.co.jp/newsflash/horse/2014/10/26/0007450973.shtml |website=デイリースポーツ online |accessdate=2022-03-02 |language=ja}}</ref><ref name="日刊-おじさん" />。
=== 菊花賞以降6連敗（2015 - 17年） ===
休みなしの連戦で成り上がったため、菊花賞以後は年内全休。高橋は[[有馬記念]]参戦を提案しているが、谷が却下している<ref>{{Cite web |title=トーホウジャッカルは放牧へ/デイリースポーツ online |url=https://www.daily.co.jp/horse/kawaraban/2014/10/29/0007457444.shtml |website=デイリースポーツ online |accessdate=2022-03-03 |language=ja}}</ref>。石川県[[小松市]]の小松トレーニングセンターにて放牧に出された<ref name="サンスポ-菊花賞後帰厩">{{Cite web |title=トーホウジャッカルが帰厩 阪神大賞典から始動 |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150129/ope15012905030002-n1.html |website=予想王TV＠SANSPO.COM |date=2015-01-29 |accessdate=2022-03-03 |language=ja-JP}}</ref>。古馬となった2015年は、1月28日に帰厩<ref name="サンスポ-菊花賞後帰厩" />。[[阪神大賞典]]で始動するはずだったが、最終追い切り後に右前脚の爪を痛めたため{{Efn|右前挫石<ref>{{Cite web |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/04/10/kiji/K20150410010141020.html |title=ジャッカル態勢整わず春天見送り 先月18日に右前挫石を発症 |accessdate=2022-3-4 |publisher=[[スポーツニッポン]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160304205217/https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/04/10/kiji/K20150410010141020.html |archivedate=2016-3-4}}</ref>。}}に回避<ref>{{Cite web |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/03/19/kiji/K20150319010007730.html |title=【阪神大賞典】トーホウジャッカル、脚部不安で回避 |accessdate=2022-3-4 |publisher=[[スポーツニッポン]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160803101042/https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/03/19/kiji/K20150319010007730.html |archivedate=2016-8-3}}</ref>。続く[[天皇賞（春）]]も爪の治癒が遅れて調整できず回避した<ref>{{Cite web |title=トーホウジャッカルが春・天皇賞を回避｜極ウマ・プレミアム |url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1459078&year=2015&month=04&day=09 |website=p.nikkansports.com |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>。[[宝塚記念]]（{{GI}}）で復帰するも4着<ref>{{Cite web |title=【次は買い】宝塚記念４着トーホウジャッカル |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150629/etc15062914570008-n1.html |website=予想王TV＠SANSPO.COM |date=2015-06-29 |accessdate=2022-03-04 |language=ja-JP}}</ref>、[[札幌記念]]（{{GII}}）は8着<ref>{{Cite web |title=【札幌記念】ジャッカル伸びず８着/デイリースポーツ online |url=https://www.daily.co.jp/horse/2015/08/24/0008331642.shtml |website=デイリースポーツ online |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>。秋の[[天皇賞（秋）]]は球節の疲れから回避、年内全休する<ref>{{Cite web |url=http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/10/12/kiji/K20151012011305620.html |title=トーホウジャッカル 秋全休濃厚…谷師「来年の天皇賞・春を目標に」 |accessdate=2022-3-4 |publisher=[[スポーツニッポン]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20151117021053/http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/10/12/kiji/K20151012011305620.html |archivedate=2015-11-17}}</ref>。
翌2016年の5歳春は、前年回避した阪神大賞典、天皇賞（春）参戦するもいずれも敗退<ref name="jbisrcd" />。その後二桁着順で連敗する<ref name="jbisrcd" />。2017年、6歳は、1月の[[日経新春杯]]での始動を考えていたが<ref>{{Cite web |title=｜極ウマ・プレミアム |url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=2&id=17514101751410&year=20162016&month=1212&day=null |website=p.nikkansports.com |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>、右前脚の[[屈腱炎]]が判明<ref>{{Cite web |title=トーホウジャッカルが屈腱炎で引退 今後は種牡馬になる方向/デイリースポーツ online |url=https://www.daily.co.jp/horse/2017/01/08/0009811008.shtml |website=デイリースポーツ online |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>。復帰を断念して競走馬を引退、1月13日付でJRAの競走馬登録を抹消する<ref>{{Cite web |title=菊花賞馬トーホウジャッカルは１３日に競走馬登録抹消 |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20170112/ope17011216290014-n1.html |website=予想王TV＠SANSPO.COM |date=2017-01-12 |accessdate=2022-03-04 |language=ja-JP}}</ref>。
== 種牡馬時代 ==
競走馬引退後は、北海道[[新ひだか町]]の[[アロースタッド]]にて種牡馬として供用された<ref>{{Cite web |title=トーホウジャッカルがアロースタッドにスタッドイン {{!}} 馬産地ニュース {{!}} 競走馬のふるさと案内所 |url=https://uma-furusato.com/news/87869.html |website=uma-furusato.com |accessdate=2022-03-04}}</ref>。種付けする繁殖牝馬の数は、初年度から5年は11頭、8頭、7頭、14頭と推移している<ref name="JBIS-種牡馬成績" />。初年度産駒は9頭が誕生し、2020年にデビュー<ref name="JBIS-種牡馬成績" />。2021年2月20日、小倉競馬場の未勝利戦（ダート1700メートル）にてトーホウスザク（母:トーホウドルチェ、母父:[[サウスヴィグラス]]）が勝利し、産駒初勝利を記録している<ref>{{Cite web |title=【JRA】菊花賞馬トーホウジャッカルの産駒が初勝利、トーホウスザクが小倉3RでV {{!}} 競馬ニュース |url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=184019 |website=netkeiba.com |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>。トーホウスザクは父同様に竹島牧場生産、勝利した日は、竹島の誕生日だったという<ref name="日刊-震災菊花賞">{{Cite web |title=震災当日誕生トーホウジャッカル東北勇気づけた菊Ｖ｜極ウマ・プレミアム |url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=202103110000766&year=2021&month=03&day=11 |website=p.nikkansports.com |accessdate=2022-03-04 |language=ja}}</ref>。
== 競走成績 ==
120 ⟶ 159行目:
|小倉
|玄海特別
|10下
|芝2000m（良）
|13
273 ⟶ 312行目:
== 種牡馬成績 ==
以下の内容は、JBISサーチの情報<ref name="JBIS-種牡馬成績">{{Cite web |title=種牡馬情報：世代・年次別（サラ系総合）｜トーホウジャッカル｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001140023/sire/generation/thorough_s/ |website=www.jbis.or.jp |accessdate=2022-02-28}}</ref>に基づく。
{| class="wikitable"
!種付年度
!種付頭数
!生産頭数
!血統登録頭数
!出走頭数
!勝馬頭数
!重賞勝馬頭数
![[アーニングインデックス|AEI]]
![[コンパラブルインデックス|CPI]]
|-
!2017
|11
|9
|9
|9
|4
|0
|0.79
|
|-
!2018
|8
|6
|6
|4
|2
|0
|1.42
|
|-
!2019
|7
|4
|4
|0
|－
|－
|－
|
|-
!2020
|14
|5
|4
|0
|－
|－
|－
|
|-
!2021
|6
|0
|0
|0
|－
|－
|－
|
|-
! colspan="3" |合計
|23
|13
|6
|0
|1.00
|0.93
|}
* 情報は、2021年2月28日時点。
* 出走頭数、勝馬頭数、重賞勝馬頭数、[[アーニングインデックス]]、[[コンパラブルインデックス]]は、[[平地競走]]に限る。
== 血統表 ==
310 ⟶ 421行目:
|mmmm = Quiet Charm [[ファミリーナンバー|F-No.]][[16号族|16-a]]
}}
* 半姉に[[CBC賞]]（{{GIII}}）を勝
* 曾祖母のAgacerieは
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
<references group="注釈" />
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
== 参考文献 ==
* 『[[優駿]]』（[[日本中央競馬会]]）
** 2014年12月号
*** 石田敏徳「【{{GI}}インサイドストーリー】トーホウジャッカル 普通の馬とはまるで異なる伸び脚」
*** 優駿編集部「【杉本清の競馬談義（355）】ゲスト谷潔調教師」
*** 「【重賞プレイバック】JRA60周年記念 第75回菊花賞（{{GI}}） トーホウジャッカル」
*** 岡本光男（[[日刊スポーツ]]・関西）「【トレセン・リポート（栗東）】菊花賞をトーホウジャッカルで制した佃幸一厩務員にとって{{GI}}の表彰台は想像を超えた場所」
** 2015年2月号
*** 軍土門隼夫「【2014年の蹄跡（7）】トーホウジャッカル 底知れなさを示した新星」
*** 田中哲実「【2014年の蹄跡（12）】金星を掴んだ日高の牧場 馬産地を駆け抜けた明るいニュース」
== 外部リンク ==
{{菊花賞勝ち馬}}
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